スフィア

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ハリウッドのネタ不足を嘆く私ですが、翻って日本映画は活況を呈してる。「007/カジノ・ロワイヤル」を観に行って、隣のキムタク侍映画がその何倍もの列を作る姿を見て、ハリウッドは原作の小説が枯渇してるのかなと思う。小説と言えば私が一番好きな映画「ブレード・ランナー」の原作者Philip K. Dick。最新作「スキャナー・ダークリー」も楽しみだが、氏の映画にハズレは無い。その次と言えば本作のMichael Crichtonだろう。「アンドロメダ・・・」「ウエスト・ワールド」「コーマ」は既にレビュー済みだが、何れも秀作だ。「ジュラシック・パーク」と「ER」(これはTVだが)は知名度は高い。しかし「ライジング・サン」「ディスクロージャー」「ツイスター」「コンゴ」「タイム・ライン」は巷では駄作と言われる。これは製作側がリスペクトしてるかにも依ると思うし、作ればよいと思ってる作品も散見される。では本作はどうだろう？、原作を未見の方も多いと思うが私の感想はテーマの焦点がボケた感じで今一つだったが、残念ながら映画もその感は拭えない。「イベント・ホライゾン」(レビューも見てね)に似てると言う意見を目にするが、先に映画化したのは「イベント・・・」の方で、此方も見えない恐怖(宇宙の悪魔)と対決してるが、本作も白人と黒人が対峙する展開なので、似てると思われるのだろう。同じ精神世界を描いても本作はタイトル通り、物体が登場するので分り易い筈だが、面白さでは「イベント・・・」の方に軍配が上がる。それはさして面白くない原作を、作風に合ってない監督、「レインマン」のBarry Levinsonに撮らせたからだ。判り易くする為だろうが、劇中でチャプター紹介が有り、これが感情移入の妨げに成ってる事を判ってない節すら有る。これ同じ海中モノの秀作「アビス」のJames Cameron監督が撮ったなら、さぞ面白かったと思う。折角2人の名優が揃ってこの出来では、監督が揶揄されても仕方ない。おそらく「惑星ソラリス」と同じくSFで精神世界を描きたかったと思うが、SFは熱意とイマジネーションが勝負の世界だけに残念な出来だ。冒頭から一方的に説明不足の展開は最後まで続き、人物の背景説明もお座なりでは理解するのも難しい。なぜ設定が水中で無ければならないのか意味不明だし、ブラックホールとタイムトラベルとの因果関係を端折ってる脚本は頂けない。まあ「金玉」一つで2時間を超える映画が作れた事はある意味凄いと思うが、私は演出が水と油と言う以前に作ったプロデューサーの責任と思う。しかし・・・これが監督と原作者(つまり自爆！)なのだから配給したWarnerも頭が痛いだろう。この面子で期待するなと言う方が無理で、それが見事に裏切られた典型的な作品に仕上がったのは繰り返すが残念としか言いようが無い。

そう言えばもう一人出てましたね・・・Sharon Stone(笑)。いや個人的には好きな人ですが、本作こそ必然性の無い出演。特典映像に依れば、監督の家へ押し掛けて出演交渉したらしいが(家でナニやったんだろう)。監督とのキャリアを獲たかったのか、いやいや本作の物語に共感したからに他ならない(そんな訳ないか)。

「ソラリス」の亜流だな　真ん中へんが　よかったかな
水が押し寄せて来たり　爆破だ逃げろの　シーンは早送り

忘却とは忘れ去ること也・・　　菊田一夫

諸手を挙げて絶賛。何にも言う事なし。文句なしの最高。

...長ったらしいレビューが十八番の私が一行で済まそうとしたんだ。どれほど気に入ったかわかるだろ?

　うーん、いいのか悪いのか分かりません。皆さんのレビューを読むと駄作のような気がしますが、結構物語りに引き込まれたし、私はそんなに駄作とは思いません。かといって、良い映画か、と聞かれると、うーん、です。

　皆さん言われるように、イベント・ホライゾンに似てないとも言えませんが、あの映画に出てくる何かは、確実に悪意がありました。でも、この映画では、もうひとつその悪意が弱いです。それが、イベントホライゾンでは全員死んだのに、この映画では３人も生き残ったところに現れていると思います。普通の映画ではハッピーエンドが良いですが、こういう映画ではやはり、ズシンと心に響く終わり方をしないと駄目なような気がしますが、皆さんはどう思いますか。

　せっかくシャロン・ストーンをキャスティングしたのに、彼女の良さが出てませんでした。こういう映画ですから、別に濡れ場は期待しませんが、もう少し彼女の魅力を引き出すようにすれば良かったと思います。

　この映画に出てる役者さんたちは、かなり有名どころが出てます。リーブ・シュレイバーは、どっかで見たことあるな、と思ってたら、クライシス。オブ。アメリカに出てた人ですね。あの映画ではかなり印象的な演技をしてましたが、本作では、すぐに死んで残念です。

　それなりに引き込まれますし、そんなに怖いわけでもないので、一般人には受ける映画のような気がします。でも、ホラー映画、ＳＦ映画ファンには、少しもの足りないんじゃないかな。

予備知識ゼロで観たのだけれど、始めはよくある異星人コンタクトものか・・・？と思わせておいて実は・・・と、序盤で最初のどんでん返しが待っている。
普通ならば主人公達が海底で物語の核心たる「スフィア」に触れるまで延々と時間を費やすところだろうが、この作品ではそれを最初の３０分余でやってしまい、そこから物語は緊張が緊張を呼ぶサイコサスペンスの様相を呈してくる。

おかげで１４９分という長丁場にもかかわらず、ほとんど中だるみせずに最後まで観ることができた。
ラストは意外と素っ気ない・・・と言えばそれまでだが、これはこれで後味良く仕上がっていて個人的には好きな終わり方だ。

余談だけれど、これはDISCASのレビューシステムが無ければ一生観ることはなかったであろう作品。　これからも機会をみては未知の作品にトライしてみたいと思う。