黄色いハンカチ

2003年にKBSが制作した作品ですが，こんな見ごたえのある秀作が今までリリースされなかったなんて考えられませんね。
１話約33分，全169話という長編で，当時KNTVで放送されたのですが，日本語の字幕がありませんでしたので，韓国語が理解できる方たちしか楽しめませんでした。

ドラマのタイトルになっている黄色いハンカチですが，ドラマの中には一度も出てきません。1977年に日本で映画化された「幸せの黄色いハンカチ」では，愛する人の帰りを待つシンボルとして黄色いハンカチが使われ，感動的なラストを演出しましたが，本作では，忍耐強く待ち続け，成就する愛を“黄色いハンカチ”に置き換えて表現したのだと思います。

さらに本作には，もう一つのメッセージが込められています。韓国には現在でも男性本位の「戸籍法」が存在していて，男性というだけでその資格の如何を問わず無条件に子どもの親権が与えられたり，チェーサといわれる祖先を祭る祭事も男性が取り仕切ることと決められています。
今日の少子化傾向は韓国でも進み，法の矛盾を訴える人たちの声によって，この戸籍法の改正案が国会で議論されており，近い将来法的な男女の差別は少なくなると思われます。
ドラマでは，裏切った男が一方的に相手の女性に対して子どもの親権を主張するところがヤマ場となっていますが，前述のとおり韓国では親権問題は夫に有利であることから，多くの女性たちの注目を集めて高視聴率を獲得しました。

また，ハン・ガインssiとヨン・ジョンフンssiが初共演して，二人とも演技大賞の新人賞を受賞しました。ドラマの中での二人は，好き同士でありながら家族の悪縁のために結ばれることのない間柄を演じましたが，私生活での二人は本作をきっかけに出会い結婚に至りました。

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全１６９話の長編ドラマ。ただ今ＣＳで視聴中。１話のみ６０分の長さでしたが、その後は１話３５分の日々ドラマです。

父親を亡くし、祖母（カン・プジャ）と母親の元で育った長女ジャヨン（イ・テラン）長男テヨン（ヨン・ジョンフン）次女ナヨン（ソ・イヒョン）〜この貧しいながらも仲良く暮らす５人の家族を中心に描いたホームドラマ。

長女ジャヨン（イ・テラン）には１０年も付き合い、結婚を目前に控えていた恋人サンミン（キム・ホジン）がいた。
しかしサンミンが勤めるリゾート会社の社長が他界。後を継いで社長となった娘ミンジュ（チュ・サンミ）に気に入られたサンミンはジャヨンを捨て、ミンジュとの結婚を宣言する。
この事実を知ったジャヨンの母親は持病もあり、ショックから亡くなってしまうことに‥
失意のどん底にいたジャヨンの前にアメリカから戻ってきた好青年ヨンジュン（チョ・ミンギ）が現れますが〜

貧しい育ちの男が野望の為に、尽くしてくれた恋人を捨てる〜と、ここまでの展開は「青春の罠」に似ていますね。でもあちらのドラマでは新たに現れた男性と幸せを掴めましたが、このドラマではある事情から結婚を許されず、苦難が続いています。
私は現在８５話迄視聴。この２人の恋の結末が気になりますが、ネット情報では「ドラマのタイトルになっている黄色いハンカチは“忍耐強く待ち続け、成就する愛”を象徴する黄色いハンカチの意味が込められている」とあるのでハッピーエンドなのかな？とは思っていますが〜

そしてこのドラマ共演で出会い結婚したというヨン・ジョンフンとハン・ガインですが‥
このドラマでは事故の加害者と被害者として出会い、やがてお互いに好意を持つものの、
ソンジュ（ハン・ガイン）はテヨン（ヨン・ジョンフン）の姉ジャヨンを捨てたサンミンの義妹‥という悪縁でもある事から悲恋となります。
でも通常の韓国ドラマに比べお互いに執着する事もなく、新たな人生を生きていく‥という展開になっているのが珍しかったかな？

しかし‥清楚だけど芯の強い聡明な女性ジャヨンと、お金持ちでプライドが高く感情の起伏が激しいミンジュと、全く真逆ながらいい女２人に好かれるキム・ホジンがちっとも素敵に見えません。
まぁ、このキム・ホジンは身勝手な最低男なので素敵に見えなくて構わないのですが〜
颯爽と現れたヨンジュン役のチョ・ミンギもイマイチ？ここでチャ・インピョでも出てきたら‥と少々残念。
個人的趣味ですので、ファンの方にはごめんなさい。

丁寧に描かれたドラマですが、反面少々展開が遅いかな？とも思います。
しっとりした落ち着いたドラマ運びに、物悲しさを感じさるピアノやヴァイオリンの旋律と切なさを漂わせる挿入歌がとても合っていて印象に残ります〜

全１６９話で韓国では最高視聴率３６．９％だった２００３年のヒット作品です。

「エデンの東」では親子だったヨン・ジョンフン、チョ・ミンギ氏がここでは仲の良い義理の兄弟です。
エデンの東では敵同士で親子だった二人。演じてやりにくくはなかったのでしょうか？
ドラマが終わるとあっさり役から離れることのできるヨン・ジョンフン氏なら気にしないかも知れませんね。

演技の上手い役者さん達、子役の可愛さに頬が緩んでしまい拝見しましたが、
正直、役柄で不満を言えば唯一、サンミン役のキム・ホジンです。
キム・ホジンは、野球の岡島選手に似ているようなお顔で二枚目じゃないのに、二人の美女から愛され、10年も付き合っていた女性を一方的に捨ててしまう冷酷非情な役柄で、笑うと人がいいお兄さんみたいな顔になる彼には役柄があまりマッチしない気がしました。
それに、サンミンの父親も頑固で、融通が利かず男尊女卑が酷く、夫に有利な神経問題などでは韓国の法と共にあまりの理不尽さに憤慨しました。

サランへさんのレビューにも紹介されてましたが、ドラマで共演したヨン・ジョンフンとハン・ガインはドラマ後実際に結婚したそうで、今よりとっても初々しい二人が、いつ頃からラブラブだったのかしらと後半二人が少ない共演シーンの度に
チラッと想像したりしました（笑）

先が容易に読めるドラマではありますが、今より若くて綺麗だったイ・テラン、チョ・ミンギ、ハン・ガイン達美女を拝見できますし、従来の韓国ドラマを味わいたい方には、
期待を裏切らない作品だと思います。