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イスラエル人のアリ・フォルマン監督が、自らも青年時代にイスラエル軍兵士の一人として最前線に身を置いた80年代のレバノン戦争を題材に、戦争の本質を鋭くえぐり出す衝撃のドキュメンタリー・アニメーション。旧友との再会をきっかけに、なぜか自分が戦争当時のことを思い出せないことに気づいたフォルマン監督。彼は、かつての戦友を訪ね歩き、失われた記憶を取り戻そうと試みる。やがてそれは、戦慄の真実としてフォルマン自身の心に重くのしかかってくることになるが…。自らが体験した過酷な現実を、アニメーションならではの幻想的な映像を織り交ぜ、真摯に語っていく。
製作年: |
2008年 |
---|---|
製作国: |
イスラエル/フランス/ドイツ/アメリカ |
原題: |
VALS IM BASHIR/WALTZ WITH BASHIR |
受賞記録: |
2008年 ゴールデン・グローブ 外国語映画賞
2008年 LA批評家協会賞 アニメーション賞 |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
90分 | 日英吹 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/ヘブライ 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PG-12 | DLRF5971 | 2010年05月12日 |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
11枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
90分
字幕:
日英吹
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/ヘブライ
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
レイティング:
PG-12
記番:
DLRF5971
レンタル開始日:
2010年05月12日
在庫枚数
11枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
90分 | 日本語・英語・日本語吹替え用字幕 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/ヘブライ語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PG-12 | CWBRF5972 | 2010年12月16日 |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
7枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
90分
字幕:
日本語・英語・日本語吹替え用字幕
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/ヘブライ語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
レイティング:
PG-12
記番:
CWBRF5972
レンタル開始日:
2010年12月16日
在庫枚数
7枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
90分 | 日英吹 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/ヘブライ 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PG-12 | DLRF5971 | 2010年05月12日 |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
11枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
90分
字幕:
日英吹
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/ヘブライ
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
レイティング:
PG-12
記番:
DLRF5971
レンタル開始日:
2010年05月12日
在庫枚数
11枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
90分 | 日本語・英語・日本語吹替え用字幕 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/ヘブライ語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PG-12 | CWBRF5972 | 2010年12月16日 |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
7枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
90分
字幕:
日本語・英語・日本語吹替え用字幕
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/ヘブライ語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
レイティング:
PG-12
記番:
CWBRF5972
レンタル開始日:
2010年12月16日
在庫枚数
7枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
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1982年に起こったイスラエル軍によるパレスチナ難民虐殺事件を題材にしたアニメで、FLASH、セル画、3Dを融合した新しい技法なので、スタイリッシュで時に美しいと錯覚させるほど斬新で画期的です。
アカデミー賞外国映画賞は「おくりびと」でしたが、ゴールデングローブ賞、外国映画賞を受賞しています。
アリ・フォルマン監督が自らの経験を基に作ったドキュメンタリーらしいです。
イスラエル軍によるレバノン侵攻時の記憶が抜け落ちている監督アリ。過去の記憶を取り戻すために世界中に散らばる戦友にインタビューし、思い口を開いた戦友たちの言葉から、徐々に蘇る記憶の断片を補填して核心に近づいていきます。
衝撃的な体験や、直視できない事実を体験した時に、人はその記憶を都合よく忘れ去ったり、封印されてしまうのでしょうか?
戦友にインタビューしながらのプロセスで、徐々に想起されていく話が映画のストーリーとなっていく脚本が面白いと思います。
やがて、彼はイスラエル軍がベイルートを占拠したパレスチナ難民虐殺事件の日に、自分がそこにいたことを知ることになります。
親は、アウシュビッツから生還した。しかし、自分達はパレスチナ人の虐殺に加担している「これではナチと変わらないではないか?」とイスラエル人が語る意味は重たいと思います。
ラスト、アリが見たものと同じ虐殺の光景がアニメーションではなく、当時の記録映像で流れます。今まで見てきたストーリーが現実だったことが突きつけられて、ズシリと響いて衝撃的でした。
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上質なアニメでした。
切り絵動画、影絵のような。
すいついきそうでサラッと流れていってしまう、
素肌にシルクの感触です。
動く画、特に眼球の動きが、
その内側を伝えてくれます。
…虐殺とか、…侵攻とか、
ごく最近の事実であったとしても
それは他所事、他人事。
見慣れてしまった悲惨な惨劇の映像。
アニメだから、
興味をそそられた、というのも正直なところです。
その、
アニメのまま終らなかった
ラストは衝撃的です。
生温い日常に浸かっている心身ごと、
いっきに底へ引きずり込まれたような。
「底」に無理矢理、
足裏つかせ立たせられたような感じでした。
観る側に伝えたい監督の思いがあったでしょう。
アニメのまま終らなかったのは、
効果的に伝えるためでなく、
その現実が
アニメにならなかったからのように思います。
死者に感情はありません。
あるのは死後の姿。
ただ、その姿。
こんな死に方は、許されてはいけない姿。
戦場はワルツを踊るところではないでしょう。
でも、ワルツだって、踊ることができる、
殺しながら殺されながら。
美しい調べを創り、
それを奏でることができる生き物であるのに。
ワルツを踊ることのできない姿が連なる現実が、
生々しくその臭いをも
伝えてくれました。
このレビューは気に入りましたか? 15人の会員が気に入ったと投稿しています
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アニメ、そうアニメです
実写はラストの僅かのみ、その僅かな実写が目覚まし時計の如く現実に引き戻す
悪夢から目覚めた時の様な嫌な汗が噴出した鑑賞後のカオス感
ここまで効果的にアニメと実写が相互作用した作品は初めてでした。
余談ですが『おくりびと』が本作を押し退けた状況に
アカデミー会員の選定理念に一抹の不安を感じます、本年度も含めw
イスラエルと言えば好戦的な国家というイメージ、そしてユダヤ人国家
私はミルクチョコさんに聞くまで『サブラ・シャティーラ大虐殺』自体知りませんでした
いや、本作を制作するに当たって一つの事実なだけで重要ではないと感じます
イスラエル国家、そしてユダヤ人の行く末を案じた
アリ・フォルマン監督のアイデンティティーのみでしょうか。
レバノン侵攻は当然聞いた事はありますが、詳しい経緯は正直知りません
侵攻というくらいですから正当な経緯でないのは分かります
『サブラ・シャティーラ大虐殺』の起因になったのは確かなんでしょう
監督の心情は痛いほど伝わって来ます、国家は国家なんですよね
決してユダヤ人が悪種なのではないと、声にならない声が聞こえる様です。
作品の作りですがこの上なく秀逸です、ドキュメントにしたかったんでしょうが
証言者の顔出しはおろか声出しすらNGという状況からの
苦肉の策がアニメだったのではないでしょうか
そのお陰でホントなら目を背けたくなる様な光景や耳を塞ぎたくなる様な証言を
淡々と私達の精神が拒まない程度に止めているのは素晴らしいですね
ですがそれによりラストの衝撃に耐性が追い着かないのも確かですが。
事実や真実云々ではなく、立ち振る舞いの美学とも取れました
確かに衝撃的な内容で、知らなかった歴史を知り得たのは収穫ですが
人が人を裁く、その奢りを私達皆が内包しているかも知れないという恐怖
ラストの短い実写が如何なる理由、正当だろうとなんだろうと
許す事を認めてはいけないという思いを芽生えさせてくれればと願います
そしてアメリカ国内に置ける特に財界への不審が増したのは言うまでもありません。
このレビューは気に入りましたか? 13人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
湾岸戦争(いや、レーガン政権時すでにそうだったかも知れませんが・・・)以降のアメリカの戦争報道は、ベトナム戦争時と違い、犠牲者を映さず建物だけが破壊されるコンピューター・ゲームのような映像、従軍記者の囲い込み、そして露骨なプロパガンダ・・・完全に政府のコントロール化に置かれ信用ならないものになってしまった。
アメリカのメディアの影響の強い日本でも近い状況と思われます。
アメリカに限らず多くの国の最近の戦争映画は、好戦的なエンターテインメントも、反戦を標榜する作品でも、戦争の残酷さを強調する傾向にあると思います。
だが『プライベート・ライアン』を代表格として、CGやSFXを駆使し「リアルな極限状況」の画像を追求すればするほど、ウソっぽく感じてしまうのはぼくだけでしょうか。
映画館で非日常的な極限状況はたしかにスゴイけれども、家に帰ると日常にあまり尾を引かないのです。
観客は「スゴイ映像」に慣れて適応し、戦争映画はスプラッタ・ムービーになったように思います。
この作品では、戦場にいてもファインダー越しに見ている間は「戦争映画を観ているようで」現実感を抱かず平気だったカメラマンが、カメラが故障し自分の目で罪もない動物が虐殺されているのを観て、急に現実を感じ恐怖に襲われたエピソードが出てきます。
監督のアリ・フォルマンは、ここで、この作品の意図を明確に示していると思います。
この作品は実写ではなく、アニメとしてはリアルな画ですが、幻想的なシーンもあって、実写だったらどぎつかったと思われるシーンも抑えたトーン。
個人の体験を語るノンフィクションでありながら、アニメというフィクションの手法を使うことで、「ファインダー越し」に、観客に戦争を見せる働きをしていると思います。
ニュース映像に切り替わるあのラストで、アニメが描いていたのが虚構ではなく、現実であると実感させられました。
この作品は監督が失った戦争時の記憶は何なのか、なぜなのか、を追うものでありました。
「戦争とは人殺しに過ぎない。 戦争には正義などない。」
これは平和な時には、戦争を絶対悪とみなして否定する考えです。
しかしそれが一旦戦時に兵士になってしまうと、始まった殺戮に歯止めをかけない論理となってしまいます。 「毒食らわば皿まで」
敵がそこにいる以上排除しなければ自分がやられる。
敵が撃ってくるから撃ち返す。
恐怖から、動くものなら何でも銃撃する。
戦時の「極限状態」では、そうなのかもしれない。 誰しもするかもしれない。
しかし、敵の武装勢力が逃げた後のキャンプに残った難民の多くは武器を持たない老人女性、子ども。
よしんば武器を隠し持っているかもしれないとしても、抵抗もなく武装解除は困難とは言えない。
イスラエル軍はキャンプを取り囲み、そこに殺気立ってる民兵を解き放ち、彼らが虐殺するのを止めず続けさせた、兵士は目撃しているのに、上層部へ報告が上がっているのに、夜間は照明弾を打ち上げるまでして・・・・。
これは「極限状態」のとっさの反応ではない。 極めて冷静な行動だ。
「戦争とは単なる人殺しではなく、政治の手段として始められる」のであり、その政治責任は問われるべきでしょう。
親がアウシュビッツの生き残りで、6歳で「虐殺」の概念を理解したアリ・フォルマンは、自分たちの国が、自分がその「傍観」に加わったことにショックを受け、その記憶を失ったという。
防衛反応として、心にフィルターをかけて見えなくしたわけですが、わが身を振り返れば、複雑な戦争の話シリアスな重い話は避けたいと、自ら心にフィルターをかけてしまっているのです。
クルーザーで流れるO.D.Mというグループのポップスソング「エノラ・ゲイ」とは女性のことを歌っているようでいて、広島に原爆を落とした爆撃機の名前。
また戦場でのサーフィンと空爆のシーンは『地獄の黙示録』からの引用と思われ、泥沼と虐殺の戦争であるベトナム戦争との相似も意図しているのでしょうか。
普遍的な戦争批判の映画でもあると思います。
なお、レビュータイトルは、予告編で使われたこの映画のコピーです。
このレビューは気に入りましたか? 11人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:45件
投稿日
2010/04/20
レビュアー
ミルクチョコ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
1982年に起こったイスラエル軍によるパレスチナ難民虐殺事件を題材にしたアニメで、FLASH、セル画、3Dを融合した新しい技法なので、スタイリッシュで時に美しいと錯覚させるほど斬新で画期的です。
アカデミー賞外国映画賞は「おくりびと」でしたが、ゴールデングローブ賞、外国映画賞を受賞しています。
アリ・フォルマン監督が自らの経験を基に作ったドキュメンタリーらしいです。
イスラエル軍によるレバノン侵攻時の記憶が抜け落ちている監督アリ。過去の記憶を取り戻すために世界中に散らばる戦友にインタビューし、思い口を開いた戦友たちの言葉から、徐々に蘇る記憶の断片を補填して核心に近づいていきます。
衝撃的な体験や、直視できない事実を体験した時に、人はその記憶を都合よく忘れ去ったり、封印されてしまうのでしょうか?
戦友にインタビューしながらのプロセスで、徐々に想起されていく話が映画のストーリーとなっていく脚本が面白いと思います。
やがて、彼はイスラエル軍がベイルートを占拠したパレスチナ難民虐殺事件の日に、自分がそこにいたことを知ることになります。
親は、アウシュビッツから生還した。しかし、自分達はパレスチナ人の虐殺に加担している「これではナチと変わらないではないか?」とイスラエル人が語る意味は重たいと思います。
ラスト、アリが見たものと同じ虐殺の光景がアニメーションではなく、当時の記録映像で流れます。今まで見てきたストーリーが現実だったことが突きつけられて、ズシリと響いて衝撃的でした。
投稿日
2010/06/05
レビュアー
まみもぉ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
上質なアニメでした。
切り絵動画、影絵のような。
すいついきそうでサラッと流れていってしまう、
素肌にシルクの感触です。
動く画、特に眼球の動きが、
その内側を伝えてくれます。
…虐殺とか、…侵攻とか、
ごく最近の事実であったとしても
それは他所事、他人事。
見慣れてしまった悲惨な惨劇の映像。
アニメだから、
興味をそそられた、というのも正直なところです。
その、
アニメのまま終らなかった
ラストは衝撃的です。
生温い日常に浸かっている心身ごと、
いっきに底へ引きずり込まれたような。
「底」に無理矢理、
足裏つかせ立たせられたような感じでした。
観る側に伝えたい監督の思いがあったでしょう。
アニメのまま終らなかったのは、
効果的に伝えるためでなく、
その現実が
アニメにならなかったからのように思います。
死者に感情はありません。
あるのは死後の姿。
ただ、その姿。
こんな死に方は、許されてはいけない姿。
戦場はワルツを踊るところではないでしょう。
でも、ワルツだって、踊ることができる、
殺しながら殺されながら。
美しい調べを創り、
それを奏でることができる生き物であるのに。
ワルツを踊ることのできない姿が連なる現実が、
生々しくその臭いをも
伝えてくれました。
投稿日
2010/05/19
レビュアー
ナナメ歩き※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
アニメ、そうアニメです
実写はラストの僅かのみ、その僅かな実写が目覚まし時計の如く現実に引き戻す
悪夢から目覚めた時の様な嫌な汗が噴出した鑑賞後のカオス感
ここまで効果的にアニメと実写が相互作用した作品は初めてでした。
余談ですが『おくりびと』が本作を押し退けた状況に
アカデミー会員の選定理念に一抹の不安を感じます、本年度も含めw
イスラエルと言えば好戦的な国家というイメージ、そしてユダヤ人国家
私はミルクチョコさんに聞くまで『サブラ・シャティーラ大虐殺』自体知りませんでした
いや、本作を制作するに当たって一つの事実なだけで重要ではないと感じます
イスラエル国家、そしてユダヤ人の行く末を案じた
アリ・フォルマン監督のアイデンティティーのみでしょうか。
レバノン侵攻は当然聞いた事はありますが、詳しい経緯は正直知りません
侵攻というくらいですから正当な経緯でないのは分かります
『サブラ・シャティーラ大虐殺』の起因になったのは確かなんでしょう
監督の心情は痛いほど伝わって来ます、国家は国家なんですよね
決してユダヤ人が悪種なのではないと、声にならない声が聞こえる様です。
作品の作りですがこの上なく秀逸です、ドキュメントにしたかったんでしょうが
証言者の顔出しはおろか声出しすらNGという状況からの
苦肉の策がアニメだったのではないでしょうか
そのお陰でホントなら目を背けたくなる様な光景や耳を塞ぎたくなる様な証言を
淡々と私達の精神が拒まない程度に止めているのは素晴らしいですね
ですがそれによりラストの衝撃に耐性が追い着かないのも確かですが。
事実や真実云々ではなく、立ち振る舞いの美学とも取れました
確かに衝撃的な内容で、知らなかった歴史を知り得たのは収穫ですが
人が人を裁く、その奢りを私達皆が内包しているかも知れないという恐怖
ラストの短い実写が如何なる理由、正当だろうとなんだろうと
許す事を認めてはいけないという思いを芽生えさせてくれればと願います
そしてアメリカ国内に置ける特に財界への不審が増したのは言うまでもありません。
投稿日
2010/07/04
レビュアー
ロキュータス※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
湾岸戦争(いや、レーガン政権時すでにそうだったかも知れませんが・・・)以降のアメリカの戦争報道は、ベトナム戦争時と違い、犠牲者を映さず建物だけが破壊されるコンピューター・ゲームのような映像、従軍記者の囲い込み、そして露骨なプロパガンダ・・・完全に政府のコントロール化に置かれ信用ならないものになってしまった。
アメリカのメディアの影響の強い日本でも近い状況と思われます。
アメリカに限らず多くの国の最近の戦争映画は、好戦的なエンターテインメントも、反戦を標榜する作品でも、戦争の残酷さを強調する傾向にあると思います。
だが『プライベート・ライアン』を代表格として、CGやSFXを駆使し「リアルな極限状況」の画像を追求すればするほど、ウソっぽく感じてしまうのはぼくだけでしょうか。
映画館で非日常的な極限状況はたしかにスゴイけれども、家に帰ると日常にあまり尾を引かないのです。
観客は「スゴイ映像」に慣れて適応し、戦争映画はスプラッタ・ムービーになったように思います。
この作品では、戦場にいてもファインダー越しに見ている間は「戦争映画を観ているようで」現実感を抱かず平気だったカメラマンが、カメラが故障し自分の目で罪もない動物が虐殺されているのを観て、急に現実を感じ恐怖に襲われたエピソードが出てきます。
監督のアリ・フォルマンは、ここで、この作品の意図を明確に示していると思います。
この作品は実写ではなく、アニメとしてはリアルな画ですが、幻想的なシーンもあって、実写だったらどぎつかったと思われるシーンも抑えたトーン。
個人の体験を語るノンフィクションでありながら、アニメというフィクションの手法を使うことで、「ファインダー越し」に、観客に戦争を見せる働きをしていると思います。
ニュース映像に切り替わるあのラストで、アニメが描いていたのが虚構ではなく、現実であると実感させられました。
この作品は監督が失った戦争時の記憶は何なのか、なぜなのか、を追うものでありました。
「戦争とは人殺しに過ぎない。 戦争には正義などない。」
これは平和な時には、戦争を絶対悪とみなして否定する考えです。
しかしそれが一旦戦時に兵士になってしまうと、始まった殺戮に歯止めをかけない論理となってしまいます。 「毒食らわば皿まで」
敵がそこにいる以上排除しなければ自分がやられる。
敵が撃ってくるから撃ち返す。
恐怖から、動くものなら何でも銃撃する。
戦時の「極限状態」では、そうなのかもしれない。 誰しもするかもしれない。
しかし、敵の武装勢力が逃げた後のキャンプに残った難民の多くは武器を持たない老人女性、子ども。
よしんば武器を隠し持っているかもしれないとしても、抵抗もなく武装解除は困難とは言えない。
イスラエル軍はキャンプを取り囲み、そこに殺気立ってる民兵を解き放ち、彼らが虐殺するのを止めず続けさせた、兵士は目撃しているのに、上層部へ報告が上がっているのに、夜間は照明弾を打ち上げるまでして・・・・。
これは「極限状態」のとっさの反応ではない。 極めて冷静な行動だ。
「戦争とは単なる人殺しではなく、政治の手段として始められる」のであり、その政治責任は問われるべきでしょう。
親がアウシュビッツの生き残りで、6歳で「虐殺」の概念を理解したアリ・フォルマンは、自分たちの国が、自分がその「傍観」に加わったことにショックを受け、その記憶を失ったという。
防衛反応として、心にフィルターをかけて見えなくしたわけですが、わが身を振り返れば、複雑な戦争の話シリアスな重い話は避けたいと、自ら心にフィルターをかけてしまっているのです。
クルーザーで流れるO.D.Mというグループのポップスソング「エノラ・ゲイ」とは女性のことを歌っているようでいて、広島に原爆を落とした爆撃機の名前。
また戦場でのサーフィンと空爆のシーンは『地獄の黙示録』からの引用と思われ、泥沼と虐殺の戦争であるベトナム戦争との相似も意図しているのでしょうか。
普遍的な戦争批判の映画でもあると思います。
なお、レビュータイトルは、予告編で使われたこの映画のコピーです。
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戦場でワルツを