外事警察

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テロ対策の日本の架空組織”外事警察”を中心に、
かなり、硬派に、テロリストと思しき組織と、
警察との駆け引き描く。

演技、演出、ともに、なかなか、いい感じだったと思う。

主演の渡部篤郎、尾野真千子、ともにいい演技だと思うし、
暗い感じの演出も、いい感じ。
ＮＨＫドラマにありがちな、テンポの悪さは、
あまり、感じなかった、かなり、好印象のドラマ。

あえていえば、過去を思い出すシーンの出てき方が、
いまいちなときもあったが、
大きく気になるほどのことではなかった。

最終話、観終わりました。
疲れました。
政治の世界とか、大企業のトップとか、警察上層部とか、
ああいう腹の探り合いをしながら生きていると、確かに誰も信じられなくなるんだろうなあと思いました。
対峙しているのは「人」ではなくて、ただの「対象」なんでしょうね。
５３分のストーリーの中味はギュッと濃くて、１〜５話まで観ていた時に感じていた違和感、ちょっとした引っ掛かりが、この最終話でやっと解けた感じです。
退職したはずの彼女、住本の上司、スペード社とＣＩＡ、テロリストのフィッシュと呼ばれる男。
ラストのあれは、どんでん返しというよりも新たなトラップ？
陽菜が、住本そっくりになっていくのも怖いのですが、劇場版を観るのが楽しみ。

第４話、５話を観ての感想です。

協力者の愛子（石田ゆり子）が、暴走気味です。
何の訓練も受けていない素人の愛子が、それなりにスパイらしく情報を仕入れてくるのには驚きます。
愛子の運営を巡る松沢陽菜と住本の方針の違い、愛子の思いなどが複雑にからみ、見ている方としては面白いのですが、住本は噂どおりの信用ならない人物なのでしょうか。
ＳＡＴが突入する寸前の住本の判断でしたが、どういう結末になるのでしょうか。
そして、スペード社の陰謀は・・・？
内閣官房長官役の余貴美子、喋り方といい、大きな態度といい、その目つきも口元に浮かぶ傲慢な笑みも、すごくいいです。

１〜3話まで観ての感想です。
「外事警察」って聞いたことがありませんが、ウィキペディアでは明治時代から存在していたとありました。
ドラマの中では、外国人の犯罪を取り締まる部署だと簡単に説明されていました。
さて、ドラマですが、渡辺篤郎演じる外事第４課の住本は、「公安が生んだ魔物」と呼ばれ、仲間でさえ「彼を信じるな」と忠告するほど冷酷な人物です。
そんな彼に抜擢されて外事にやってきたのが、尾野真千子演じる松沢陽菜ですが、色気がなくて勝気そうな彼女には、こういう役が合っていますね。
外事の彼らは、タマと呼ばれる「協力者」を使うのですが、その協力者を“獲得”するだの“運営”するだのと言うのが、私にはどうにも気に入りません。
協力者を危険な目に合わせておいて、一体何様だ！と腹が立ちます。
外事警察はあくまでも「裏」の組織であり、存在を消さなくていけないのです。
そのため、家族にさえも自らの職業を明かさず、住本は都の職員であると告げているようです。
松沢陽菜が自分の協力者に選んだ下村愛子（石田ゆり子）でしたが、愛子が生まれてから現在に至るまでの全てを徹底的に調べ上げ、弱みを握り、飴を与え、雁字搦めにしていく様子は、見ていて恐ろしくなります。
あまりの非情さに陽菜は愛子を使うことを拒否します。
しかし、人間の心理の裏の裏まで読んでいるような住本に、陽菜は反発しながらも操られていくのでした。
住本自らが運営に乗り出し、愛子も「私は利用されているのではない。私が利用しているの」と自分や植物状態の夫に言い聞かし、協力者としてどんどん危険な任務を請け負っていくのです。
愛子がジュリオという外国人のバーに潜入するシーンなど、ハラハラドキドキの連続です。

警察の本流は公安なのだ・・・。
情報公開で捜査過程の可視化がやっと叫ばれている昨今ですが、それは刑事警察の分野であって、外事を含めた公安警察は完全秘匿が大前提。刑事ドラマでよくある容疑者を尾行シーンも、公安では尾行されていることすら気づかれてはならない。それが初回からよく描かれています。

彼らの「監視」は完全に裏の世界。たとえ尾行中に自殺や殺人が行われても警察への通報すら禁止される。表の世界なら「踊って」商業ベースにのせることも可能だが、裏の世界をテーマとして描くのは民放には無理なのかもしれませんね。

そんな公安警察の中でソトゴトと呼ばれる国際テロ対策担当の部署に抜擢された尾野さん。抜擢理由も「美人は尾行には不向き。十人並みなのがいい。」というのもリアルですね。（もっともこれは表向き、例によって裏の理由は明かされず、これから見てのお楽しみないのですが・・・）

こんな人達が警察の本流で出世していくのですから、恐いですね。
こういう目立たない組織が裏で暗躍していることを思うと、警察に目をつけられたが最後、どんな悪いこともできないのが分かりますね。
目立ってはいけない、のは公安警察というより、このドラマを観ている私たちとも言えるのではないか。そんな空恐ろしい気もする作品でした。