なぎらＴＶ〜あの時代を語れ〜　万博、切手、オーディオ、ボウリングブームの時代

「２　なぎらTV」です。

この巻は、60年代、70年代のカルトを、特集したDVD。　ホスト役は、なぎら健壱さん（1952〜）。

�@　「ギター」　→ゲスト：上田正樹さん（1949〜）
�A　「万博」（1970年の大阪万博）　→ゲスト：嘉門達夫さん（1959〜）
�B　「60年代の映画」　→ゲスト：鳥羽一郎さん（1952〜）、スペシャルゲスト：水野晴郎さん1931〜2008）
�C　「オーディオブーム」　→ゲスト：山田五郎さん（1958〜）
�D　「切手ブーム」　→ブラザートムさん（1956〜）
�E　「ボーリングブーム」　→山田邦子さん（1960〜）

と、ほぼ、カルトも、世代も、カバーしている。スペシャルの水野さん以外は、1949〜1960の11年間に生まれている。

特典映像として、「中古カメラ」編では、春風亭昇太（1959〜）が登場！　もっと若いかと思っていたら、同世代ですな！
アメリカの２眼「ボルシー」。上から覗く。

最も驚くのは、なぎらさんが、この全ジャンルを体験し、全ゲストと会話できること！

このDVDは、この時代に少年・少女・青年に育った人にはとても面白いが、それ以外の80％以上の人には、たぶん、どうでもよい内容でしょう。
残り20％、音楽、ギターに興味のある人には、向いているかもしれません。

カルトの世代も、10年ごとに「ぶつ切り」になるわけではなく。
といって、グラデーションになることもないようです。最高潮から急降下する。
一つのカルトが、前半５年・後半５年で、５・５・５の15年間くらい被るのではないでしょうか。
それから、30年くらいたって、突然、新しいモードに入るものもある。

この世代の自分も、�@〜�E、すべてに興味があったわけではありません。
�Eの「ボーリング」は、マイ・ボールも、マイ・シューズも持っていなかったし、実技は少なかったです。
テレビで放送される、中山律子さんを熟視していたにすぎません。それだけでも、懐かしいですが……。

�@〜�Eで、特に面白かったのは、�Aの「万博」です。
嘉門達夫さんが小６のとき、自転車・30分で行けた会場に、20回以上通った。
パビリオンの記念バッチの収集が凄いですね。亡友から譲られたものを加え、160種以上は、日本一のコレクションという。

でも、本題は、音楽です。カーターファミリー奏法、スリー・フィンガー奏法。
なぎらさんと、嘉門さんが、アコースティックで、デュエットする、「伝道」」（加川良の作詞・作曲）。

「悲しい時にゃ　悲しみなさい　気にすることじゃ　ありません
　あなたのだいじな　命に　かかわることも　あるまいし
　……」

なかなか素敵でした。二人とも、本格のフォーク・ミュージシャンですから……。

�Dの切手の話は、最初からおかしく、可笑しく、なぎらさんの妙な沈殿カクテルで、始まります。切手の話題に行かず、終わりそうになる。
郵便料金が、封書15円、葉書７円の時代。「菊」と「金魚」。（1966〜）　それから封書20円、葉書10円になる。切手の図柄は忘れた。（1972〜）

ブラザートムさんの一番切手（最初に郵便局で買った、記念・特殊切手）は、 1968年の切手趣味週間「舞妓林泉」15円の大判切手ということで、私も同じでした。

封書・15円時代に、シート買い（20枚）をすれば、一シート：300円。今(2015年）、封書は、定型で、82円です。この２円は消費税分です。
これを、20枚買えば、1640円です。
300円の価値が、50年で、５分の１になり、当時の切手は、今、額面の300円でしか売れない。これを「額面割れ」と言う。
1965年以降に発行された記念・特殊切手を、売ろうとするのは、悲しい。
切手は、死蔵するものではなく、封書や葉書に貼って、本来の役割を果たせ、使用済み（消印押）のものを収集するべきだ。

なぎらさんは、毅然と言う。
「昔、集めた切手は、段ボール箱に何箱もあるよ。それを売ろうという気はないね。」
「開けて、今、見ることは？」
「ない。売ることも、考えたことがない。その情熱が箱の中にあるのだから。」
「開けると、パンドラの箱になりますか」
「そうよ」

収集癖は、若いころは盛んで、「大人買い」をするのだが、一定の年齢になると、行く先を決めたい。処理・処分を考えるものです。
弱みを突かれて、買いたたかれ、悲しい思いをする。「物欲」という煩悩の処理は、それほど難しい。

なぎらさんの考え方は、潔いと、思った。

ここに出ている人々、昔から好きだったし、このDVDを見て、もっと好きになった。「類推の悪魔」によって、一人ずつ、書いていきたい。

前作の伊集院さんがいませんが、特典映像のほうがメインです。