ココ・シャネル

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

イブ・サンローランが亡くなった際、ハイビジョン放送で特集番組を放送していたが、大変面白いものだった。トップデザイナーが生み出すデザインは、時代と共に生きているということ。例えば1966年にサンローランが発表した「スモーキング」は、男性の礼装を初めて女性に着せた画期的なファッションだった。当時女性のフォーマルな服装はドレスと決まっていたし、あまりに斬新な試みだったため、オートクチュールとしての「スモーキング」には全く注文が来ず、サンローランは大量生産で「スモーキング」を店頭で売ることを決意する。これがプレタポルテ（＝高級既製服）の誕生だとか。そして、当時増えつつあった働く女性に爆発的な人気をもたらす。

時代を席巻したデザインにはこうしたワクワクするような逸話がたくさん存在する。ゆえに私は本作でもこうしたファッション・ファンの胸をくすぐるエピソードにたくさん出会えると思っていたのに、残念ながらその思いは叶わなかった。パープルローズさんがお書きの通り、この長い尺のほとんどはココの恋バナに費やされているのだ。しかも、何だかハーレクイン・ロマンスのごとき展開。そんなことよりも、孤児だったココがデザイナーとしての才能をどのように生かし、どのようにして一流の域までのぼりつめたのか、そちらの濃度を濃くして欲しいのに。

確かに、仕方なく仕入れたジャージー素材が戦時中ということもあり評判を得た、なんてエピソードも出てくる。しかし、「こんなこともありましたよ」ってな添え物のごとき見せ方。じゃあ、せめて洋服の製作現場をリアルに再現して見せてくれるのかというとそれもナシ。オーマイガッ！モノ作りの現場って、すごく面白いのに。「キンキー・ブーツ」でブーツが出来上がる工程がすごく楽しかったでしょう？あのツイードのスーツはどうやってできあがるの？せめて、それくらい見せてよ！と、だんだんイライラしてくる（笑）。しかも、ココが「私はデザイン画が描けないから」というシーンがあるだけれども、じゃあ、どうやってショーの準備をしていたんだろうか。なぜ、それを掘り下げんのだ。

確かにプライドとチャレンジ精神を持った女性だってことはわかる。でもねえ、これしきで女性の強さが描かれているなんて、ナメてもらっちゃあ困る。あの時代の女性がこれほどの地位を築き上げているんだもの。そこには、もっと「仕事人」としての生き様があるはず。そこを描かないで、どうするのだ。かつ、当時のファッションは女性の意識改革と密接に関わっているはずなのに、そういうところも全然見えてこない。波瀾万丈恋物語が好きな人にはお勧めするが、「ファッションデザイナー　ココ・シャネル」の物語として見ると、大変物足りない作品だった。

ブランドに全く興味の無い私。

シャネルで持っていたのは　お土産で貰った口紅と香水。

人物にも興味なかったのですが　映画化され　1人の女性のサクセスストーリーということで　観てみました。

最初に観たのは　アメリのオドレイ・トトゥがシャネル役をやった「ココ・アヴァン・シャネル」。

こちらは　若い頃で恋愛が中心の物語になってましたが　思っていたよりも面白く　じゃぁ　シャーリー・マクレーンの「ココ・シャネル」も観てみようと・・・。


面白かったです！

ドラマチックな女一代記は　勇気や希望を与えてくれますねー。

彼女のへこたれない　負けない精神　あのエネルギーを見ると　自分はちっちぇな〜・・・・と思わされます。

逆境に強いというのも　ひとつの才能ですね。

不運は誰にでもあります。
でも　その不運を乗り越えるか　いじけるかは　自分次第。

野望と努力・・・・どちらも　あまりない私にとって　とても刺激的な映画でした。
もちろん彼女には　才能もあったわけですが。


私にも　隠れた才能があったりしないかしら？自分の才能を見つけられずにいるだけじゃないかしら？
と　かすかな希望を胸に抱けます。才能があるだけでもダメなんですけどね。

ブランドは興味ないし　シャネルの服やバックを買おうとは思わないけど（買えないし）　1人の人間として憧れの人物になりました。

頑張って　生きよう！

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

シャーリー・マックレーンが晩年のココ・シャネルを、イタリア人女優のバルボラ・ボブローヴァが若かりし頃のココを演じていますが、ひとこと、長くてつまらないです。

つまらない第一の原因は、ココのキャリアよりも恋愛に比重が置かれていること。
孤児として修道院で育ち、針の腕を見込まれて洋装店に就職したココが、貴族に見初められていわゆる囲われ者になる。この貴族との恋バナが長々１時間。
誰がみても破綻することがわかりきっている関係、そしてどこにでもころがっていそうな恋愛話をなんでこんなに長々と描かなければいけないんでしょう。
私たちが見たいのは、こんなどこにでもいそうな女の恋愛の話ではありません。

そしてこの関係が破綻し、ココが小さな帽子店を開いてからも、元愛人の友人だった男性との恋愛話。
帽子からどんなふうに洋服に転換して、そのキャリアを築いていったかという私たちが本当に知りたい部分は、おざなりにしか語られていません。

伝記ものが難しいのはわかりますが、その人物のどんな部分を描きたいのが、ピンポイントがはっきりしていないとダメなはず。この映画はそのポイントを完全にはずしているように思います。

時系列をちょこちょこいじってみたり、晩年から若い頃に移る時にモノクロ映像をつかってみたり、工夫したつもりなんでしょうが、こんな常套手段はおもしろくもなんともありません。

さらに、この後にみたオドレイ・トトゥ主演の「ココ・アヴァン・シャネル」も似たり寄ったりの恋愛もので、がっかりしました。
どっちか１本みたら充分だと思いますが、こちらは長いのと、英語なのがだめですね。若い頃を演じた女優さんはきれいでしたけど。

女傑だとは思いますが、結局は金持ちの男がバックについていなければスタート台にも立てなかったのは時代を感じます。

エティエンヌ将校とボーイの二人の男の間で心が揺れるココを象徴的に描いた嵐の夜のシーンは印象に残りました。

実話でありながらボーイとの最後は何か嫌な予感がしましたが、それが現実になるところはドラマティックです。

冒頭では復帰が失敗に終わりますが、ラストの二度目の復帰戦で見事に大成功を収めるところは過去の回想シーンを見終わった後だからこそ感動的でした。

ココ・シャネルが故人であるのは知りませんでした。
今は誰がシャネルの新商品出しているんでしょうか？

オドレイの方のと同じく、のし上がっていく女性を描くのではなかった。恋愛中心でしたが、向こうよりかは、こちらの方がおもしろかったかしらね。

ただなあ・・・・私、シャーリー・マクレーンって苦手なんだなあ。人を上から見てるよなあの目がどうしても好きになれない。
まあ、あまりそのシーンは多くなかったから良かったです。

成功したファッションショーで、でてくるシャネルスースはどれも本当に素敵で、ため息がでますね。

でも、普通の女性のための服を作ってたはずなのに、今や普通の女性には手の出ないお値段になってること、シャネルはどう思っているんだろう。ため息・・・