断線

監督は、崔洋一。

「断線」（1983年、テレビ朝日、カラー、92分）。

清張の原作というより、松田優作が主演ということで、借りた映画。

推理ドラマではない。アクション映画だ。

「かたせ名店街」というのが映る。鎌倉。

木村理恵が、懐かしい。

中小証券会社の営業員の男（松田優作）。
大手銀行の行員（木村理恵）と結婚する。

不動産屋のお嬢。
明るいマンションの家。　
男は、ランに水をやる。

男が、女（風吹ジュン）の家で、ラーメンをつくっている。

以下：引用＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

「くうか？」
「くう」
「こういうの　いいな」
「うーん？」
「　かえったとき、だれか、いるってこと。」
「……」
「いえにかえるでしょ　そうすっと　へやに　あかりがついてて　まどにひとのかげがうごいてて
　ドアの合鍵　あけなくてすんで　……、おかえんなさい　という　そういうの！　……」
「たまごいれるか？」

以上：引用＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

【　橋本綾氏の脚本による　】

男が危険なので、女たちは、巻き込まていく。
笑いながら。見つめながら。

死んでいくのは男どもだ。

「俺ぁ〜面倒くさいのが嫌いなんだよ…」
自分と「深く繋がって来ようとする人間」との関係を、疎ましく感じて…かたくなに繋がりを「断線」して行く…風来坊で孤独な男を淡々と演じている「優作」…

ＴＶドラマのスペシャルと言うこともあり、映画の様な派手な演出はない…画像も当時の映像で画質も悪い…共演に「蘇える金狼」の風吹ジュン、「ヨコハマBJブルース」の辺見マリ、盟友・山西道弘。

監督は、当時優作出演CMの演出も手がけた、若かりし日の鬼才「崔陽一」監督（冒頭で本人が映し出される…）いわゆる「家族ゲーム」からの流れによる「ハードボイルド路線」から「ナチュラル系路線」に変更しようと模索中の作品。

ラストのワンカットは「ゾクッ」とする「さすがの存在感」があるのだが…個人的にはやはり何かが物足りない…

優作のコアなファンのひとりとして見れば、彼が芸術性の高い作品づくりに挑戦しようとした努力は何となく伝わってくるが、まったくもってつまらない。
このテレビドラマも当時私が見逃したもののひとつとしてずっと観たいと思っていた作品だったが、そのまま観ずにおけばよかったかもと少し後悔。
ストーリーの素材自体は良いのだけれど演出がかなりチープで、必要以上に多い濡れ場シーンが見ていてツライ。

自己採点はひいき目で見ても２つ星に届かない。松田優作出演作の中で、自分的には最もつまらない作品だった。

「死の断崖」よりはましな作品だがそれにしてもダラダラした内容の冴えないドラマ。当時のＴＶドラマってこんなにもダメだっけ？
最後のオチもなんだかな〜。

製作陣のマスターベーション。
映画屋（監督やスタッフは映画界の人たちだ）の小遣い稼ぎ。