ターミネーターズ

何が悲しくて片田舎の畑をバックに映画の撮影をしなければならないんだ？ ――きっと、撮影スタッフはそう思ったに違いない。(笑) ほとんど、どこかの街角、路地裏、使われていない倉庫なのだから、役者サン達もやりにくかったことは想像に難くない。何しろ、緊迫した場面でカメラが女優サンに寄って行くと、後ろの方でフツーに車が走っている。(笑)
でも、皆さんガンバっていたなぁ。そういう意味では、なかなか好感が持てる作品だった。容姿や演技の上手いヘタは別にして、ちゃんとした役者サン達を揃えていた。シロートさんがいなかったことは、製作サイドが真面目な証しだろう。
――そう、この真面目さこそが、本作品の一番の魅力かも知れない。

タイトル通り、マッチョで無愛想なターミネーターがたくさん出て来る。どういう理由か分からないが、黒いタンクトップ姿のターミネーターが集団で地球に降りて来て、無差別に人間を殺しまくる、というお話し。主要都市を破壊するとか、軍事施設を攻めるとか、戦略的なことを考えれば当然行うべき作戦があるだろうに、何故に田舎町を襲うのか？ 然も、住民ひとり一人を銃や素手で殴り殺すのだから、ご苦労なことである。(笑)

ＳＦ映画だから宇宙基地やら宇宙船も出て来て、クライマックスにはバトルも繰り広げてみせる。なかなかの力作だ。
どうやら舞台は未来社会のようだが、どうみても80〜90年代の米国の片田舎にしか見えない。衣装だってフツーだ。ちっとも“未来”っぽくない。むしろレトロな感じだ。だから、時代設定が“現在”なのか“未来”なのか分からず、最初は戸惑ってしまった。まぁ、このギャップがマニアにはたまらないのだけどね。(笑)

最後も脱力もの。「あー、やっちまったゼ」って感じ。これはこれで“癒やし”効果があるので、善としましょう。

総じて稚拙な作品だけど、作り手が真面目なので観終えた後の印象は悪くない。少ない予算の中で、工夫を凝らしてセットを組み、ロケをしている涙ぐましい姿が見えるのだ。何だか駅伝中継で、画面に映し出されることの少ない後方の選手を応援している気分だった。
とても他人様にススメられる作品ではないが、２本か３本手元に持っておいて、気分がのらない時に観るにはうってつけかも知れない。元気づけられますよ。(笑)

シュワちゃんのイメージが壊れます！やめてね！

最悪。

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アサイラム作品としては、まあまあの出来だと思う。
ただ、超ヘタクソなカット割りや唐突な展開は相変わらず。
ツッコミどころも少なくない。

序盤で起きた、何かの飛来物が都市部に落下して爆発するシーン。
さぞかしダウンタウンが大パニックになるのかと思いきや、
その後そんな映像は一切描かれず、人のいない郊外での舞台が延々と続く。

主役グループがトラックに乗って逃げる場面。
TR-5に有効な武器を持っている男が、なぜかトラックを運転。
お前が運転したら誰がTR-5に対抗できるの？　と思っていたら、
案の定、荷台に乗っていた女性がTR-5の犠牲になった。

終盤、脇役女性ティファニーが懺悔話を展開する一連のシーンは何？
自殺を図るシーンも意味がよく分からない。
彼女は、主役の女性クロエの夫との浮気を自ら暴露。
夫の遺品なのか「あなたに渡したい物があるの」と言ってクロエに何かを手渡す。
しかし物が何なのか、画面では映されない。
そんなことが肝心の終盤に描かれる。

そういえば、表紙の絵にある典型的ターミネーターはいつ出てくるの？と思ったら、
終盤にようやく登場。
アサイラムにしては悪くなCGレベルだが、登場後１分ほどで姿を消す。
その消え方がよく分からない。
宇宙船内部、主役グループの１人が囮となってロボットを誘い出すが、次の瞬間、
真っ黒な画面に白い米粒のようなものが浮遊。約３秒間の映像。
誘い出されて宇宙空間に解き放たれた、という説明なのだろうか。
いい技術のCGは長く使うとお金がかかるからね…。

ラストもラスト、TR-5の動きを止めたのは、脇役ティファニー。
しかも壁掛けの、アナログな制御装置のレバーを引いてスイッチをOFFに。
その直前のシーン、制御できるコンピュータにログインしようとしても、
それができなかったパニックはなんだったの？？
まさかこれで終わりじゃないよな・・・画面は真っ暗になり、スタッフロールが…。

パクリ王国のアサイラム。
タイトルもパクリ。題材もパクリ。
主役女性のクロエという役名は、同年のヒット作品「クロエ」からパクったのか？
エンドロールで流れる歌も、どこかで聴いたことのあるようなメロディ…。