こちらの作品もおすすめ
こちらの作品もおすすめ
刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入ったマクマーフィは、そこで行われている管理体制に反発を感じる。彼は絶対権力を誇る婦長ラチェッドと対立しながら、入院患者たちの中に生きる気力を与えていくが……。60年代の精神病院を舞台に、体制の中で抗う男の姿を通して人間の尊厳と社会の不条理を問うK・キージーのベストセラーを、チェコから亡命してきたM・フォアマンが映画化した人間ドラマ。
製作年: |
1975年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
ONE FLEW OVER THE CUCKOO’S NEST |
受賞記録: |
1975年 アカデミー賞 作品賞
1975年 ゴールデン・グローブ 作品賞(ドラマ) 1975年 NY批評家協会賞 男優賞 1975年 LA批評家協会賞 作品賞 |
監督: |
ミロス・フォアマン |
---|---|
製作: |
ソウル・ゼインツ 、 マイケル・ダグラス 、 ソウル・ゼインツ |
出演: |
ジャック・ニコルソン 、 ルイーズ・フレッチャー 、 マイケル・ベリーマン 、 ブラッド・ドゥーリフ 、 ウィル・サンプソン 、 クリストファー・ロイド 、 ダニー・デヴィート 、 ポール・ベネディクト 、 スキャットマン・クロザース |
脚本: |
ローレンス・ホーベン 、 ボー・ゴールドマン 、 ローレンス・ホーベン 、 ボー・ゴールドマン |
原作: |
ケン・ケーシー 、 ケン・キージー 、 ケン・キージー |
撮影: |
ハスケル・ウェクスラー 、 ハスケル・ウェクスラー 、 ビル・バトラー |
音楽: |
ジャック・ニッチ 、 ジャック・ニッチェ |
刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入ったマクマーフィは、そこで行われている管理体制に反発を感じる。彼は絶対権力を誇る婦長ラチェッドと対立しながら、入院患者たちの中に生きる気力を与えていくが……。60年代の精神病院を舞台に、体制の中で抗う男の姿を通して人間の尊厳と社会の不条理を問うK・キージーのベストセラーを、チェコから亡命してきたM・フォアマンが映画化した人間ドラマ。
製作年: |
1975年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
ONE FLEW OVER THE CUCKOO’S NEST |
受賞記録: |
1975年 アカデミー賞 作品賞
1975年 ゴールデン・グローブ 作品賞(ドラマ) 1975年 NY批評家協会賞 男優賞 1975年 LA批評家協会賞 作品賞 |
監督: |
ミロス・フォアマン |
---|---|
製作: |
ソウル・ゼインツ 、 マイケル・ダグラス 、 ソウル・ゼインツ |
出演: |
ジャック・ニコルソン 、 ルイーズ・フレッチャー 、 マイケル・ベリーマン 、 ブラッド・ドゥーリフ 、 ウィル・サンプソン 、 クリストファー・ロイド 、 ダニー・デヴィート 、 ポール・ベネディクト 、 スキャットマン・クロザース |
脚本: |
ローレンス・ホーベン 、 ボー・ゴールドマン 、 ローレンス・ホーベン 、 ボー・ゴールドマン |
---|---|
原作: |
ケン・ケーシー 、 ケン・キージー 、 ケン・キージー |
撮影: |
ハスケル・ウェクスラー 、 ハスケル・ウェクスラー 、 ビル・バトラー |
音楽: |
ジャック・ニッチ 、 ジャック・ニッチェ |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
133分 | 日本語・英語 | 英:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
DLR36222 | 2002年10月31日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
36枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
133分
字幕:
日本語・英語
音声:
英:ドルビーデジタル5.1ch
レイティング:
記番:
DLR36222
レンタル開始日:
2002年10月31日
在庫枚数
36枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
133分 | 日本語・英語・音声解説用字幕 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル//英語/(音声解説) |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
WBRY21687*B | 2009年07月08日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
12枚 | 2人 | 0人 |
収録時間:
133分
字幕:
日本語・英語・音声解説用字幕
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル//英語/(音声解説)
レイティング:
記番:
WBRY21687*B
レンタル開始日:
2009年07月08日
在庫枚数
12枚
1位登録者:
2人
2位登録者:
0人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
133分 | 日本語・英語 | 英:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
DLR36222 | 2002年10月31日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
36枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
133分
字幕:
日本語・英語
音声:
英:ドルビーデジタル5.1ch
レイティング:
記番:
DLR36222
レンタル開始日:
2002年10月31日
在庫枚数
36枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
133分 | 日本語・英語・音声解説用字幕 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル//英語/(音声解説) |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
WBRY21687*B | 2009年07月08日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
12枚 | 2人 | 0人 |
収録時間:
133分
字幕:
日本語・英語・音声解説用字幕
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル//英語/(音声解説)
レイティング:
記番:
WBRY21687*B
レンタル開始日:
2009年07月08日
在庫枚数
12枚
1位登録者:
2人
2位登録者:
0人
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
約5,400
タイトル以上
約9,200
タイトル以上
約210,000
タイトル以上
約250,000
タイトル以上
※2022年2月 現在のタイトル数
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
若い時に観た時には、ビリーという青年が最後に追い詰められてしまうシーンで涙腺が決壊。あの鬼婦長を激しく憎悪したものですが、年をとって観なおしてみるとビックリするくらい印象が違う。彼女の仕事ぶりは誠実で、多少アタマが固いなってとこはあるけど、婦長という立場であれば仕方ないでしょうと同情できてしまう。ううむ、大人になっちまったなぁ、自分。
でも、だからこその名作なのだと思う。つまりは、そんなマンガみたいな単純な善悪の構図ではないということ。舞台となっている精神病院は私たちが生きている“社会”の一部を象徴していると思える。つまり、社会の中で生きていくことはあらゆるルールに縛られることなんだと。でも、ルールは自分たちを守ってくれてもいる。そういう中で、「自由に生きる」「自分らしく生きる」ってどういうことなんだろう、という普遍的な問いかけになっている。「体制と自由」、「集団と個」の問題ですね。
主人公マクマーフィーを演じるジャック・ニコルソンの演技が圧巻。こんな人が身近にいたら、乙女座・A型のわたしゃ耐えられません。秩序を乱す人はノーサンキュー、あああ、そんな乱痴気騒ぎで、その汚れた壁、散らかった床は誰が掃除するのぉぉぉッ!きぃぃぃ〜ッ!っとパニックを起してしまいそうです。それに女の扱いもヒドイ。ちょっとアタマの足りなそうな女の子を、ものすごく都合よく利用しているのが、この度はやや不快。うん、書いてて思ったけど私は完全にラチェット婦長派の人間でした。マクマーフィーのような男は自分の半径200m以内に近寄ってほしくない。・・・だからこそ、彼が病院の仲間たちをあれほど魅了しイキイキと再生させていく様子が、妬ましくも許しがたかった婦長の気持ちが分かる。彼女だってちゃんと患者たちのことを考えていると思う。彼らが落ちついて心穏やかに過ごしてくれることが最善だと思っている。ただ、彼女の経験値からはそれが限界だったと言う事。
脱走するつもりだったマクマーフィーが、ビリーのためにほんの少しだけ出発を先延ばしにしたことが運命を狂わせる。開け放たれた窓のすぐ横で、椅子に座ってボンヤリと考えを巡らせている表情のJ・ニコルソンが素晴らしい。マクマーフィーがマクマーフィーでいられた最後の姿をカメラは不自然なほど長くとらえている。窓の外には自由が待っている。それはもうすぐそこ、目の前にある。彼はあのとき何を思っていたのだろうか。
そして、ラストのカタルシスは言葉では表わせません。心が解放される、というのを実存レベルで実感。原作の良さもありましょうが、やはり、あの映像、映画ならではの力かなぁと。婦長派の自分も「まいりました」の自由讃歌です。多くの人に観ていただきたい作品。
●たくさん投票してくださった方、ありがとうございます。数日サボッていて、しばらくぶりにログインしてビックリした次第です。面白いと思っていただけたら嬉しいです。本当にありがとうございました。
このレビューは気に入りましたか? 30人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
◆昔見た映画は「よかった」「全然面白くない」など一くくりの印象でしか記憶に残っていない。どう面白かったのか、あるいは一体最後どうなったのかなどさえ覚えていないことが多い。レビューを書くことが習慣となりその作業が観た直後よりも映画を深めてくれることがしばしばあります。読ませてもらうこと、自分が書くこと、そして読んでいただける喜びが、映画とのふれあいをこれまでにないものにしてくれます。レビュー広場に集まる皆様に感謝◆
そんな思いで見直した作品。
何よりキャスティングが素晴らしい。主役、脇役、皆がはまり役と言える。始まりの音楽は畏怖と尊厳を持って自然と共に暮らす原住民をイメージする太鼓の調べ、風景は平原の後の、遠く深い朝焼けの山々であったのに気づき人間の本質を想像させる。
精神病院では優しい音楽に乗せられた日課が穏やかに繰り返されている。プライバシーを話したり睡眠中ベルト拘束されることも、患者は治療や規則だからと疑問を持たないよう務めて受け入れる。が、マクマーフィーの入院以来とんでもない騒動が一度ならず次々起こる。そして深刻で痛々しい数々の問題をエネルギッシュな画面運びで提起してくる。管理体制や人間性の尊重、人生の希望や喜びなど。
治療の方法と患者の欲求は必ずしも一致せず、目標とするのは社会復帰なのかどうかも人によって違う。婦長の管理体質もあながち冷酷とは思えず、彼らの回復と安全に対する彼女なりの信念に基いた行動に見えた。マクマーフィーが患者達にひとときの興奮や喜びをもたらし自主性を芽生えさせても、それは反社会的人物の反社会的行動であることに変わりはない。そして悲劇は訪れた。映画作成時から30年以上経った今も、なんら古びず人間の尊厳とはなにか、精神を病んだ人間にそれはないのか?と問いかける。
当時の治療手術が人としての尊厳を奪うラストシーン。途中ちりばめられた数々の伏線を一気に解消して、冒頭シーンの山に向かって走り去るチーフの後姿は爽快感とも重厚感ともつかぬ味わい。ちょっと出来すぎ、と言うか片付けすぎと感じられなくもない。
現実では病院はこんな混乱を起こさないだろうが、それをありえないと突っ込む気持ちにはさせない。現実ではなく、小説でもない、映画ならではの臨場感持って、観るものを引き込む魅力ある映画らしい映画。
このレビューは気に入りましたか? 14人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
75年の映画とはとても思えない緻密でテンポが良い作品です。ジャック・ニコルソンはもちろん、患者たちも病院スタッフも、とても生々しい。なつかしいダニー・デイビトはとても若いのに老成された演技力です。脇役ではよく見かけますが、監督主演の作品もあるようです。まだ観ていませんが、どんな役作りなんでしょう。興味があります。
この時代からフィルムが格段に進歩しましたね。冒頭の茜に染まった空は、期待や不安を盛りたててくれます。今ではあたりまえになった、美しい風景を心象に重ねる手法のはしりではないでしょうか。赤い空はカッコーの巣のある野辺の森を連想させます。カッコーの托卵の習性は当時、よく知られていました。この物語ではどれが本物のたまごで、どれが偽の大物なのか。巣から追い落とされるのはどれか。監督は物語の核心を題名によって暗示し、美しい絵の長映しのあいだ観客に反芻させることで、深刻なテーマへむかう心の準備をさせています。
言うまでもなく名作中の名作です。ただ当時の世相もあって、女性の地位や脳機能障害の患者さんなどに配慮が欠けていますので、昔から『当事者・家族としてはつらい』という感想をよく聞きました。残酷な言葉は比較的軽いパニック障害の患者役にも容赦なくぶつけられます。マクマーフィに連れ出された外出組が、コールガールから初めて声をかけられるシーン、日本語字幕では配慮されて『みんなお仲間なの?』となっていますが、実際は『Are you Crazy?(あんたたちってキチガイ?)』です。ダニー・デービトの無垢な笑顔に、うら寒い哀しさを感じるでしょう?
ただそれでも「カッコーの巣の上で」の描写の確かさ、テーマの重要性にはかけるところがありません。フォローすると、これでもそれなりに配慮されているのです。病院は最新で、もっとも進歩的で開明的です。当時としては奇抜なくらいに映ったはずです。これくらいの背景を用意して説得しなかったら、観客の日常感覚から乖離しすぎて共感を得られなかった。一般人の精神科事例への意識革命には、88年の「レインマン」の公開が待たれたところでした。それまではすべて『キチガイ』の一言でひっくるめられていたのですよ、とても信じられないでしょうが...。
人は経験とともに感じ方が変わるものですが、今回は4年ぶりに観直して、婦長さんに共感できるようになっていることに驚きました。特にビリーとの最後の数瞬です。「私はあなたの母親の親友よ。女性を連れ込む前に、母親にそのことを伝えられることをどうして想像できなかったの?」というセリフに、これまで婦長の、計算高く弱点をつく冷酷さだけを感じていました。
ところが今回、気づかれないほどに赤面し、わずかにあごをあげる演技を見取ってしまったのです。このとき私には、息子の第二次性長を知った母親の混乱が透けて見えました。彼女は彼女なりの方法で、親友の息子を愛していたのです。一度も子どもを持たなかった、結婚もしなかった、全エネルギーを誠実に仕事に費やすなかで、いつのまにか親友の息子に自分の本当の願望を投影していたのでしょう。本当の息子に目の前でセックスを見せられた気持ち。裏切られた、あざわらわれたような気持ち。
あの瞬間、婦長は冷静で有能なモンスターではいられませんでした。自分の持つありったけの力で追い詰めずにいられなかった、そのことはきっと劇中の誰にも伝わらなかったでしょう。私も気づきたくなかった。婦長があんなに悲しくては、マクマーフィの怒りを共有できない、ただただ悲しすぎる。
「カッコーの巣の上で」は若い世代でも十分に楽しめる作品です。しかし、理解力が試される上に、重い。覚悟してください。
年をとれば、いろんな視点があらわれてきます。感じ方が変わるはず。昔見た方も、もう一度、いいものですよ。
このレビューは気に入りましたか? 14人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:180件
投稿日
2008/02/05
レビュアー
ポッシュ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
若い時に観た時には、ビリーという青年が最後に追い詰められてしまうシーンで涙腺が決壊。あの鬼婦長を激しく憎悪したものですが、年をとって観なおしてみるとビックリするくらい印象が違う。彼女の仕事ぶりは誠実で、多少アタマが固いなってとこはあるけど、婦長という立場であれば仕方ないでしょうと同情できてしまう。ううむ、大人になっちまったなぁ、自分。
でも、だからこその名作なのだと思う。つまりは、そんなマンガみたいな単純な善悪の構図ではないということ。舞台となっている精神病院は私たちが生きている“社会”の一部を象徴していると思える。つまり、社会の中で生きていくことはあらゆるルールに縛られることなんだと。でも、ルールは自分たちを守ってくれてもいる。そういう中で、「自由に生きる」「自分らしく生きる」ってどういうことなんだろう、という普遍的な問いかけになっている。「体制と自由」、「集団と個」の問題ですね。
主人公マクマーフィーを演じるジャック・ニコルソンの演技が圧巻。こんな人が身近にいたら、乙女座・A型のわたしゃ耐えられません。秩序を乱す人はノーサンキュー、あああ、そんな乱痴気騒ぎで、その汚れた壁、散らかった床は誰が掃除するのぉぉぉッ!きぃぃぃ〜ッ!っとパニックを起してしまいそうです。それに女の扱いもヒドイ。ちょっとアタマの足りなそうな女の子を、ものすごく都合よく利用しているのが、この度はやや不快。うん、書いてて思ったけど私は完全にラチェット婦長派の人間でした。マクマーフィーのような男は自分の半径200m以内に近寄ってほしくない。・・・だからこそ、彼が病院の仲間たちをあれほど魅了しイキイキと再生させていく様子が、妬ましくも許しがたかった婦長の気持ちが分かる。彼女だってちゃんと患者たちのことを考えていると思う。彼らが落ちついて心穏やかに過ごしてくれることが最善だと思っている。ただ、彼女の経験値からはそれが限界だったと言う事。
脱走するつもりだったマクマーフィーが、ビリーのためにほんの少しだけ出発を先延ばしにしたことが運命を狂わせる。開け放たれた窓のすぐ横で、椅子に座ってボンヤリと考えを巡らせている表情のJ・ニコルソンが素晴らしい。マクマーフィーがマクマーフィーでいられた最後の姿をカメラは不自然なほど長くとらえている。窓の外には自由が待っている。それはもうすぐそこ、目の前にある。彼はあのとき何を思っていたのだろうか。
そして、ラストのカタルシスは言葉では表わせません。心が解放される、というのを実存レベルで実感。原作の良さもありましょうが、やはり、あの映像、映画ならではの力かなぁと。婦長派の自分も「まいりました」の自由讃歌です。多くの人に観ていただきたい作品。
●たくさん投票してくださった方、ありがとうございます。数日サボッていて、しばらくぶりにログインしてビックリした次第です。面白いと思っていただけたら嬉しいです。本当にありがとうございました。
投稿日
2007/07/28
レビュアー
花ちゃん※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
◆昔見た映画は「よかった」「全然面白くない」など一くくりの印象でしか記憶に残っていない。どう面白かったのか、あるいは一体最後どうなったのかなどさえ覚えていないことが多い。レビューを書くことが習慣となりその作業が観た直後よりも映画を深めてくれることがしばしばあります。読ませてもらうこと、自分が書くこと、そして読んでいただける喜びが、映画とのふれあいをこれまでにないものにしてくれます。レビュー広場に集まる皆様に感謝◆
そんな思いで見直した作品。
何よりキャスティングが素晴らしい。主役、脇役、皆がはまり役と言える。始まりの音楽は畏怖と尊厳を持って自然と共に暮らす原住民をイメージする太鼓の調べ、風景は平原の後の、遠く深い朝焼けの山々であったのに気づき人間の本質を想像させる。
精神病院では優しい音楽に乗せられた日課が穏やかに繰り返されている。プライバシーを話したり睡眠中ベルト拘束されることも、患者は治療や規則だからと疑問を持たないよう務めて受け入れる。が、マクマーフィーの入院以来とんでもない騒動が一度ならず次々起こる。そして深刻で痛々しい数々の問題をエネルギッシュな画面運びで提起してくる。管理体制や人間性の尊重、人生の希望や喜びなど。
治療の方法と患者の欲求は必ずしも一致せず、目標とするのは社会復帰なのかどうかも人によって違う。婦長の管理体質もあながち冷酷とは思えず、彼らの回復と安全に対する彼女なりの信念に基いた行動に見えた。マクマーフィーが患者達にひとときの興奮や喜びをもたらし自主性を芽生えさせても、それは反社会的人物の反社会的行動であることに変わりはない。そして悲劇は訪れた。映画作成時から30年以上経った今も、なんら古びず人間の尊厳とはなにか、精神を病んだ人間にそれはないのか?と問いかける。
当時の治療手術が人としての尊厳を奪うラストシーン。途中ちりばめられた数々の伏線を一気に解消して、冒頭シーンの山に向かって走り去るチーフの後姿は爽快感とも重厚感ともつかぬ味わい。ちょっと出来すぎ、と言うか片付けすぎと感じられなくもない。
現実では病院はこんな混乱を起こさないだろうが、それをありえないと突っ込む気持ちにはさせない。現実ではなく、小説でもない、映画ならではの臨場感持って、観るものを引き込む魅力ある映画らしい映画。
投稿日
2007/03/08
レビュアー
干し草※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
75年の映画とはとても思えない緻密でテンポが良い作品です。ジャック・ニコルソンはもちろん、患者たちも病院スタッフも、とても生々しい。なつかしいダニー・デイビトはとても若いのに老成された演技力です。脇役ではよく見かけますが、監督主演の作品もあるようです。まだ観ていませんが、どんな役作りなんでしょう。興味があります。
この時代からフィルムが格段に進歩しましたね。冒頭の茜に染まった空は、期待や不安を盛りたててくれます。今ではあたりまえになった、美しい風景を心象に重ねる手法のはしりではないでしょうか。赤い空はカッコーの巣のある野辺の森を連想させます。カッコーの托卵の習性は当時、よく知られていました。この物語ではどれが本物のたまごで、どれが偽の大物なのか。巣から追い落とされるのはどれか。監督は物語の核心を題名によって暗示し、美しい絵の長映しのあいだ観客に反芻させることで、深刻なテーマへむかう心の準備をさせています。
言うまでもなく名作中の名作です。ただ当時の世相もあって、女性の地位や脳機能障害の患者さんなどに配慮が欠けていますので、昔から『当事者・家族としてはつらい』という感想をよく聞きました。残酷な言葉は比較的軽いパニック障害の患者役にも容赦なくぶつけられます。マクマーフィに連れ出された外出組が、コールガールから初めて声をかけられるシーン、日本語字幕では配慮されて『みんなお仲間なの?』となっていますが、実際は『Are you Crazy?(あんたたちってキチガイ?)』です。ダニー・デービトの無垢な笑顔に、うら寒い哀しさを感じるでしょう?
ただそれでも「カッコーの巣の上で」の描写の確かさ、テーマの重要性にはかけるところがありません。フォローすると、これでもそれなりに配慮されているのです。病院は最新で、もっとも進歩的で開明的です。当時としては奇抜なくらいに映ったはずです。これくらいの背景を用意して説得しなかったら、観客の日常感覚から乖離しすぎて共感を得られなかった。一般人の精神科事例への意識革命には、88年の「レインマン」の公開が待たれたところでした。それまではすべて『キチガイ』の一言でひっくるめられていたのですよ、とても信じられないでしょうが...。
人は経験とともに感じ方が変わるものですが、今回は4年ぶりに観直して、婦長さんに共感できるようになっていることに驚きました。特にビリーとの最後の数瞬です。「私はあなたの母親の親友よ。女性を連れ込む前に、母親にそのことを伝えられることをどうして想像できなかったの?」というセリフに、これまで婦長の、計算高く弱点をつく冷酷さだけを感じていました。
ところが今回、気づかれないほどに赤面し、わずかにあごをあげる演技を見取ってしまったのです。このとき私には、息子の第二次性長を知った母親の混乱が透けて見えました。彼女は彼女なりの方法で、親友の息子を愛していたのです。一度も子どもを持たなかった、結婚もしなかった、全エネルギーを誠実に仕事に費やすなかで、いつのまにか親友の息子に自分の本当の願望を投影していたのでしょう。本当の息子に目の前でセックスを見せられた気持ち。裏切られた、あざわらわれたような気持ち。
あの瞬間、婦長は冷静で有能なモンスターではいられませんでした。自分の持つありったけの力で追い詰めずにいられなかった、そのことはきっと劇中の誰にも伝わらなかったでしょう。私も気づきたくなかった。婦長があんなに悲しくては、マクマーフィの怒りを共有できない、ただただ悲しすぎる。
「カッコーの巣の上で」は若い世代でも十分に楽しめる作品です。しかし、理解力が試される上に、重い。覚悟してください。
年をとれば、いろんな視点があらわれてきます。感じ方が変わるはず。昔見た方も、もう一度、いいものですよ。
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
商品をポストに投函すればOK!
もちろん無料お試し期間中に退会することも可能です。 また、その場合は料金は一切かかりません。
無料お試し中も、都度レンタルは、有料でご利用いただくことができます。
また、無料お試し中に解約され、何らかの理由でレンタル商品を期日までにご返却いただけなかった場合に、追加料金が発生する場合がございます。
定額プランは1つの封筒に2枚入り、お届けいたします。
届いた往復封筒でポストへご投函いただき、当社配送センターにてご返却を確認できましたら次の封筒を発送致します。繰り返しでご登録のプラン枚数までご利用いただけます。
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
カッコーの巣の上で