シンドン　〜高麗中興の功臣〜

いまさら言うまでもないことですが，韓国のドラマは週2回の放送ですから，日本のドラマのように丁寧に作っていては間に合いません。ストーリー自体も完成されたものを使うことまれで，締め切りに追いたてられながらドラマと同時進行で書かれていきます。
したがって，ドラマがウケて視聴率が上がると延長されたり，逆に早めに切り上げたり，最初と話の筋が違ってきたり，大した内容でもないのに長々と引っ張ったり，といったことが起きてくるわけです。
「シンドン」の場合は，Mnetで，半年間（61話）もお付き合いしましたが，“大した内容でもないのに…”に該当すると思います。おそらく，時代劇ブームなんで，大した功績はないがあの手の衣装を着せて「チョーナー」とやっとけば最低限の視聴率は稼げるだろう，ぐらいの発想で制作したのではないかと推察します。

お話を要約すれば，“シンドン”（ソン・チャンミンssi）というのは，高麗時代後期，傾きかけた国を立て直した賢い人物で，高麗の31代国王，恭愍（コンミン）王（チョン・ボソクssi）を助け，国民が幸せに暮らすためにはどうすればよいかを考えていて，恭愍王は，シンドンと愛する魯国姫（ソ・ジヘssi）の支援を受け，一人の女性を愛する男として，また国を治める君主として頑張っていて，魯国姫は，衰退した元朝の皇族の娘で恭愍王と運命的な恋に落ち，愛する彼のために祖国を捨て，高麗の改革のために全力を尽くすというだけの内容です。

今まで見てきた時代劇（フュージョン物も含めて）には，たいてい善玉と悪玉がいて，“勧善懲悪”がストーリーの底流にあって，見る方も最後にはホッと胸をなでおろすという展開でチャンチャンなのですが，本作の場合は一体何の目的でこのドラマを作ったのか全く見えません。
何よりも，まともな人間がほとんど出て来ないのです。朝廷の重臣達は，自分の権力と繁栄のことしか関心がなく，それを脅かすシンドンを排除する相談ばかり。まともそうに見えた人物ですら，国民は虐げてよいものといわんばかりの意見に，誰ひとり異を唱えません。極めつけは，最後に駆逐されるはずの悪が滅びるどころかのさばる世界に逆戻り。
誰かが何時か何かやってくれるだろうという期待は裏切られてしまいました。

チュモンやテジョヨンの面白さを知ってしまうと、シンドンは正直全然楽しめませんでした。

ストーリー的には面白そうなのに残念。

韓国のドラマの最後はハッピーエンドではないものが多いですね。
「シンドン」も王の命令で殺されてしまいます。
王と夢みた高麗の繁栄も果たせず、なんともやり切れない最後です。『海神」も同様ヒーローは死にます。ドラマとしては少々進行が遅く、元にいた頃が結構面白かったですね。

２・３年前にBS11で放送された作品です。
「太王四神記」等メジャーな作品が多々ありますので
韓流時代劇ファンの方でも本作品のことはよく知らない
という方もいるのでは・・・。
そういう方には是非おススメします。高麗時代末期の物語です。
私個人的には元（モンゴル）帝国のお姫様役で出演している
女優のソ・ジヘさんが素敵だと思います。