BOY A

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BOY A / アンドリュー・ガーフィールド

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「BOY A」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

『ダブリン上等!』のジョン・クローリー監督、マーク・オロウ脚本コンビが贈るドラマ。かつて“少年A”と呼ばれた青年が出所。彼はジャックという新しい名前を手に入れ、ソーシャルワーカー・テリーのサポートを受けながら新たな生活を始めるが…。

「BOY A」 の作品情報

作品情報

製作年: 2007年
製作国: イギリス
原題: BOY A

「BOY A」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全46件

取り返しのつかないことって存在する。 ネタバレ

投稿日:2009/05/17 レビュアー:MonPetit

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彼に同情しますか?可愛そうだと思いますか?確かに同情しますし、可哀相だとは
思います。が、彼の犯したことの重さを超えることは決してありません。辛いのも当た
り前だし、皆、離れていくのも当然です。それだけのことをしてしまったのですから。
更正して幸せになる権利はあります。法律の上では。でも、殺されてしまった女の子
は息をすることすら出来ないし、辛い思いをすることも出来ないんです。この事実だけ
はどうしようもない。なくならないんです。

エンディングはあそこで終わりましたが、容易に想像できる結果なのでしょうね。私は
致し方ないと思います。名前を変えて何事もなかったことのように生きていくなんてあ
まりに都合がよすぎます。生きていくのなら全部を受け止めて乗り越えるしか道はな
いはず。人との関係を最小限に抑えて生きていくしかないと思う。この作品は、彼の
過去をわかりつつも同情したり、可哀相だと思えるようなつくりになっています。彼は
まるで犯罪を犯したような人間には思えない描き方だし、劣悪な家庭環境、いじめ、
親友の凶暴性など、まるで仕方ないてでもいいたげに。

過去の回想シーンでたった5分でいいので、彼が残虐に殺すシーンをいれて、女の
子の家族や友達のシーンをいれればいいんです。その方が、よっぽど冷静に見ること
ができるはず。その上で芽生える同情であるのならそれは本物です。それをしてない
ということは私としては片手落ちと思えて仕方ない。

このテーマに取り組むのなら、少年犯罪というものと加害者と被害者というはっきりと
した構図を明確に描いた上でないと軽々しく扱ってはいけない。

覚えてますか?冒頭のシーンで少年は笑ってました。別の人生を歩めることに。私は
たった何年かで笑えるものだろうかと。ある意味、彼の本質を見たような気がしたし、
怖いものを感じました。エンディングにしても自暴自棄になった衝動的なもので、あ
る意味、殺人を犯したときと同じ心理状態なのかもしれません。

取り返しのつかないことって存在します。
許されないことって存在します。

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ピュアな魂を持った あまりにも哀しい少年の話 ネタバレ

投稿日:2009/04/30 レビュアー:ミルクチョコ

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過去で、犯罪を犯した少年Aを主人公に、社会で更正する難しさを描いた本作は、ジャックという新しい名で、社会復帰するものの、友人も、恋人も出来て、順調にいけばいくほど、彼は悩むのです。
その本当のことを言えないもどかしさが画面から伝わってきました。

しかし、少女の命を奪ったことの後悔や、反省の気持ちが少年Aにあったのかどうなのかが、今一つ疑わしいので、彼に感情移入して見ることができませんでした。
それでも、彼は幸せになる権利もあるし、更正して新たな人生を送る権利もある訳で、哀しい運命に弄ばれた気もしないでもありません。

彼の過去がバレた時の周囲の反応を考えると、世間は彼への憎しみを忘れてはいなかったのです。しかし、マスコミに煽られて、乗せられてしまった世間の人たちの、彼を追い詰めてしまった責任はどうなるのでしょう?と思ってしまいました。
どうしても避けて通れない現実と、社会とはそういう不可避なことの連続なのだと、不明確さを提示され、簡単には答えが出そうもないですね。

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ジェームズ・バルガー事件(遠慮なくネタバレ) ネタバレ

投稿日:2009/04/03 レビュアー:よふかし

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(重大なネタバレを含みます)
 この映画があまり良くないと思うのは、ジャックのしたことが曖昧になっていること。「悪魔」と呼ばれているのだから、日本でのケースを想像しても、相当の犯罪行為と考えられる。この映画を観た時に、93年にリヴァプールで起きた「ジェームズ・バルガー事件」とその論議がベースにあるような気がした。詳しくは検索していただきたいが、10歳の少年ふたりが2歳の幼児を誘拐、鉄の棒でめった打ちにした事件で、ほんとうに悪魔の所業だ。笑いながら子どもを殺すようなヤツは僕は死刑になってもおかしくないと思うし、かの国でも二人の犯人の処遇をめぐって、議論が沸騰したという。
 犯罪行為の内容次第で、ジャックに対する印象はまったく違うものになるだろう。
 たとえば彼が行ったのが、「女子高生コンクリート詰め殺人」のようなものだったらどうだろうか。あるいは宮崎勤事件のようであったら? あの女の子を、カッターナイフで一気に刺し殺した場合と、あちこち身体をもてあそんで傷つけながら殺したのでは印象が違うと思う。ではレイプしていたら? 泣きながら殺したら? 笑いながら殺したら?
 観る者に考えさせるというのは耳触りがいいが、曖昧な事実には一般論で答えるしかない。つまり「場合によるよね」。

 この映画でいいのは、「モビー・ディック」という失礼なあだ名で呼ばれていた、ミシェル(ケイティ・リオンズ)。彼女の包容力がジャックを救うし、映画も救っていると思った。最後にまぼろしで出てくるところもいい感じ。

 あまり良くないと思うのは、もうひとつには保護司テリーとその息子の描写。保護司の家族問題がジャックを窮地に陥らせてしまう、なんてのは余計なドラマを作り過ぎ、テーマをぼんやりさせてしまったような気がする。単に息子の小遣い稼ぎの情報漏洩で十分だったんじゃないか。寝言で「悪魔の少年」を褒める父親に嫉妬したなんてつまらない小ドラマをつけなくてもいいのに。

 もちろんこの映画で描かれた事件でもっとも同情されるべきは、あの小生意気というだけで殺された少女だ。彼女を描くことが目的の作品ではないということは十分承知しているものの、ジャックは少しも彼女のことを思わない、過去から眼をそむけようとしているように見えて、虚しいラストだった。40点。

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哀しみは分かるが、許せはしない。 ネタバレ

投稿日:2009/05/05 レビュアー:

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「少年A」はかつてマスコミに“悪魔の少年”と呼ばれたおぞましい事件を起こしている。
出所して、父親のような保護監察員に支えられながら少しずつ社会復帰していくジャックは、ウブでシャイで信じやすく更正した真面目な青年に見えるので、観客は彼を応援したくなる。
この映画の主題は、更正した少年Aを受け入れますか?という問いかけかもしれない。

しかし、先によふかしさんが書いておられるとおり、映画の中で犯罪の内容が明確にされず、2人の少年が一人の少女を殺したということしかわからない。
そこが曖昧なので、事件を、悪い友人の側にいて共犯にされただけだととらえた人はジャックに同情し、単なる殺人ではない悪魔の所業だったと想像した人は受け入れがたいと感じただろう。
更正したのに社会に受け入れられなかった少年Aの哀しい物語とするために、同情しやすいよう、わざと曖昧にしているように感じられる。
法律家は、どんな犯罪だったにせよ10年の服役で罪は贖ったと言うかもしれないが、法的に別人になる権利があっても、人の信用とは常にその人物が何をしてきたかの積み重ねに他ならない。

しかも、ジャックは回想の中で犯した罪を一度も悔やんでいない。
むしろ主犯格であるもう一人の少年との思い出を懐かしんでいるように感じられる。
殺された少女ではなく、共犯少年の死を悼んでいる。
その少年がたった一人のかけがえのない存在だったことは分かるが、更正したなら、恐ろしい犯罪を全身全霊で悔いて嘆いているべきだ。
初めてつかみかけた幸せを失った彼の哀しみに同情はしたが、
一方で、命を奪った少女や遺族への悔恨がない彼を信用できない。

だから、もし、このジャックが隣人だったら?
私はたぶん拒絶する。
彼の新しい人格を信用するまで少なくとも10年はかかるだろう。
もしかしたら30年かも。

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それでも生きる 子供達は ネタバレ

投稿日:2009/05/16 レビュアー:ひろぼう

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少年犯罪という罪と、更生という贖罪に対する社会の反応。安易な決めつけが誤った判断を下しそうで、この出来事を、自分としてはどのように処理すればよいのかと非常に悩まされる物語。

物語は少年の更生した後、社会復帰のスタートから始まる。名を変え出身地を偽り過去を捨て、全くちがう人物に成代わり新たな人生を歩み始めようとする。
少年は、職につき友を得て恋人さえ手に入れる。初めは戸惑いながら、恐る恐る徐々に歩み寄って、今までの人生で手にできなかったものや、失くしたものを取り戻すように、欠けた破片を少しずつ拾い集めて完全な人となろうとするかのように。
そして、人に近付くと共に芽生えるのは罪悪感。大切なものを得るたびにそれは大きくなり、失う怖れと裏切りの罪の意識に、少年の心は揺れ動く。
少年の犯した罪への反省を、物語ははっきりと示さない。幕間のように挿入される回顧シーンに、心情的なカットや、言質ではなく表情や態度としてあやふやに示す。今の幸せを失くすのを恐れることは、自分を嫌われる奴だと意識していることなので、自虐的な反省とも受け止めれられる。
そして事件が起きる。その発端となるのは別の少年で、2人の少年による父の奪い合いとも思える行動は、やがて悲劇を迎える。
少年という庇護を受けるべき存在。社会は、親は、目を背くことなく少年達の行動を見定めよ、真理を覆う恐れや怒りといった霧に惑わされることなく見据えよと、啓発を招くかの作品だった。


少年の犯した罪は法的に、善悪の判断基準が成り立たない者として情状の酌量が多分に加味される。それが盗みやケンカ程度であれば、バカだなぁで許されはするが、殺人となれば、それが猟奇的な色合いが濃くなると共に、理解できない未知への怖れを伴って、社会は拒絶の態度をはっきりと示す。
社会の拒絶への傾きは、刺激的な報道も加担していて、報道が過程ではなく結果のみを、その惨状や残虐性を際立つようにさらすためで、犯罪に至るまでの者への生い立ちや心理への、注視をくもらせるためなのかもしれない。回顧録として物語に幕間のように幾度も挿入される少年の罪、それと同等に少年の家庭での暮しぶりや学友との関係も示され、なぶられて拒否される少年の痛々しい心象風景が、狂気へと少年を導いた過程を明らかにしていく。これを知るか否かよって、少年の気持ちへの同化は大きく揺らぐ。
また、更生後の少年の暮らしを知らないことが社会に不安感を与えたのかもしれず、隠すことは人権を守るために必要だったのだが、少年の生まじめ過ぎる真摯な生き方を見ずに、過去から呼び起される邪推のみの決め付けで判断してしまったのではないだろうか。
知ることは本当に大事で、知らずには判断はできず、知り過ぎることによってもまた関係に亀裂を生んでしまう。人間同士の繋がりと、情報との関係の複雑さを思い知らされる。

少年は、肉親としての息子であると同時に、社会的にみた子供として庇護するべき存在であることを忘れるべきではない。愛情や教育の欠如によって、著しく精神に歪みを招いた者達を、離解できないからといって安易に切り捨てを行うべきではないと思う。保護司としての男の姿が、このことを物語っている。

しかし、厳然たる事実としてある、被害者とその家族の心情は決して忘れることはできない。いざ自分がその立場になれば、冷静に判断できるかの自信は全くない。

つらつらと書き連ねてはみたが、はっきりした答えを出すことはできやしない、バカ丸出しなレビューで申し訳ない。
一つ確かに言えることは、少年が生きることを拒否する権利は私達にはなく、子供として見守る義務があるのではということでした。た。

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BOY A

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取り返しのつかないことって存在する。

投稿日

2009/05/17

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MonPetit

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彼に同情しますか?可愛そうだと思いますか?確かに同情しますし、可哀相だとは
思います。が、彼の犯したことの重さを超えることは決してありません。辛いのも当た
り前だし、皆、離れていくのも当然です。それだけのことをしてしまったのですから。
更正して幸せになる権利はあります。法律の上では。でも、殺されてしまった女の子
は息をすることすら出来ないし、辛い思いをすることも出来ないんです。この事実だけ
はどうしようもない。なくならないんです。

エンディングはあそこで終わりましたが、容易に想像できる結果なのでしょうね。私は
致し方ないと思います。名前を変えて何事もなかったことのように生きていくなんてあ
まりに都合がよすぎます。生きていくのなら全部を受け止めて乗り越えるしか道はな
いはず。人との関係を最小限に抑えて生きていくしかないと思う。この作品は、彼の
過去をわかりつつも同情したり、可哀相だと思えるようなつくりになっています。彼は
まるで犯罪を犯したような人間には思えない描き方だし、劣悪な家庭環境、いじめ、
親友の凶暴性など、まるで仕方ないてでもいいたげに。

過去の回想シーンでたった5分でいいので、彼が残虐に殺すシーンをいれて、女の
子の家族や友達のシーンをいれればいいんです。その方が、よっぽど冷静に見ること
ができるはず。その上で芽生える同情であるのならそれは本物です。それをしてない
ということは私としては片手落ちと思えて仕方ない。

このテーマに取り組むのなら、少年犯罪というものと加害者と被害者というはっきりと
した構図を明確に描いた上でないと軽々しく扱ってはいけない。

覚えてますか?冒頭のシーンで少年は笑ってました。別の人生を歩めることに。私は
たった何年かで笑えるものだろうかと。ある意味、彼の本質を見たような気がしたし、
怖いものを感じました。エンディングにしても自暴自棄になった衝動的なもので、あ
る意味、殺人を犯したときと同じ心理状態なのかもしれません。

取り返しのつかないことって存在します。
許されないことって存在します。

ピュアな魂を持った あまりにも哀しい少年の話

投稿日

2009/04/30

レビュアー

ミルクチョコ

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過去で、犯罪を犯した少年Aを主人公に、社会で更正する難しさを描いた本作は、ジャックという新しい名で、社会復帰するものの、友人も、恋人も出来て、順調にいけばいくほど、彼は悩むのです。
その本当のことを言えないもどかしさが画面から伝わってきました。

しかし、少女の命を奪ったことの後悔や、反省の気持ちが少年Aにあったのかどうなのかが、今一つ疑わしいので、彼に感情移入して見ることができませんでした。
それでも、彼は幸せになる権利もあるし、更正して新たな人生を送る権利もある訳で、哀しい運命に弄ばれた気もしないでもありません。

彼の過去がバレた時の周囲の反応を考えると、世間は彼への憎しみを忘れてはいなかったのです。しかし、マスコミに煽られて、乗せられてしまった世間の人たちの、彼を追い詰めてしまった責任はどうなるのでしょう?と思ってしまいました。
どうしても避けて通れない現実と、社会とはそういう不可避なことの連続なのだと、不明確さを提示され、簡単には答えが出そうもないですね。

ジェームズ・バルガー事件(遠慮なくネタバレ)

投稿日

2009/04/03

レビュアー

よふかし

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(重大なネタバレを含みます)
 この映画があまり良くないと思うのは、ジャックのしたことが曖昧になっていること。「悪魔」と呼ばれているのだから、日本でのケースを想像しても、相当の犯罪行為と考えられる。この映画を観た時に、93年にリヴァプールで起きた「ジェームズ・バルガー事件」とその論議がベースにあるような気がした。詳しくは検索していただきたいが、10歳の少年ふたりが2歳の幼児を誘拐、鉄の棒でめった打ちにした事件で、ほんとうに悪魔の所業だ。笑いながら子どもを殺すようなヤツは僕は死刑になってもおかしくないと思うし、かの国でも二人の犯人の処遇をめぐって、議論が沸騰したという。
 犯罪行為の内容次第で、ジャックに対する印象はまったく違うものになるだろう。
 たとえば彼が行ったのが、「女子高生コンクリート詰め殺人」のようなものだったらどうだろうか。あるいは宮崎勤事件のようであったら? あの女の子を、カッターナイフで一気に刺し殺した場合と、あちこち身体をもてあそんで傷つけながら殺したのでは印象が違うと思う。ではレイプしていたら? 泣きながら殺したら? 笑いながら殺したら?
 観る者に考えさせるというのは耳触りがいいが、曖昧な事実には一般論で答えるしかない。つまり「場合によるよね」。

 この映画でいいのは、「モビー・ディック」という失礼なあだ名で呼ばれていた、ミシェル(ケイティ・リオンズ)。彼女の包容力がジャックを救うし、映画も救っていると思った。最後にまぼろしで出てくるところもいい感じ。

 あまり良くないと思うのは、もうひとつには保護司テリーとその息子の描写。保護司の家族問題がジャックを窮地に陥らせてしまう、なんてのは余計なドラマを作り過ぎ、テーマをぼんやりさせてしまったような気がする。単に息子の小遣い稼ぎの情報漏洩で十分だったんじゃないか。寝言で「悪魔の少年」を褒める父親に嫉妬したなんてつまらない小ドラマをつけなくてもいいのに。

 もちろんこの映画で描かれた事件でもっとも同情されるべきは、あの小生意気というだけで殺された少女だ。彼女を描くことが目的の作品ではないということは十分承知しているものの、ジャックは少しも彼女のことを思わない、過去から眼をそむけようとしているように見えて、虚しいラストだった。40点。

哀しみは分かるが、許せはしない。

投稿日

2009/05/05

レビュアー

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「少年A」はかつてマスコミに“悪魔の少年”と呼ばれたおぞましい事件を起こしている。
出所して、父親のような保護監察員に支えられながら少しずつ社会復帰していくジャックは、ウブでシャイで信じやすく更正した真面目な青年に見えるので、観客は彼を応援したくなる。
この映画の主題は、更正した少年Aを受け入れますか?という問いかけかもしれない。

しかし、先によふかしさんが書いておられるとおり、映画の中で犯罪の内容が明確にされず、2人の少年が一人の少女を殺したということしかわからない。
そこが曖昧なので、事件を、悪い友人の側にいて共犯にされただけだととらえた人はジャックに同情し、単なる殺人ではない悪魔の所業だったと想像した人は受け入れがたいと感じただろう。
更正したのに社会に受け入れられなかった少年Aの哀しい物語とするために、同情しやすいよう、わざと曖昧にしているように感じられる。
法律家は、どんな犯罪だったにせよ10年の服役で罪は贖ったと言うかもしれないが、法的に別人になる権利があっても、人の信用とは常にその人物が何をしてきたかの積み重ねに他ならない。

しかも、ジャックは回想の中で犯した罪を一度も悔やんでいない。
むしろ主犯格であるもう一人の少年との思い出を懐かしんでいるように感じられる。
殺された少女ではなく、共犯少年の死を悼んでいる。
その少年がたった一人のかけがえのない存在だったことは分かるが、更正したなら、恐ろしい犯罪を全身全霊で悔いて嘆いているべきだ。
初めてつかみかけた幸せを失った彼の哀しみに同情はしたが、
一方で、命を奪った少女や遺族への悔恨がない彼を信用できない。

だから、もし、このジャックが隣人だったら?
私はたぶん拒絶する。
彼の新しい人格を信用するまで少なくとも10年はかかるだろう。
もしかしたら30年かも。

それでも生きる 子供達は

投稿日

2009/05/16

レビュアー

ひろぼう

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少年犯罪という罪と、更生という贖罪に対する社会の反応。安易な決めつけが誤った判断を下しそうで、この出来事を、自分としてはどのように処理すればよいのかと非常に悩まされる物語。

物語は少年の更生した後、社会復帰のスタートから始まる。名を変え出身地を偽り過去を捨て、全くちがう人物に成代わり新たな人生を歩み始めようとする。
少年は、職につき友を得て恋人さえ手に入れる。初めは戸惑いながら、恐る恐る徐々に歩み寄って、今までの人生で手にできなかったものや、失くしたものを取り戻すように、欠けた破片を少しずつ拾い集めて完全な人となろうとするかのように。
そして、人に近付くと共に芽生えるのは罪悪感。大切なものを得るたびにそれは大きくなり、失う怖れと裏切りの罪の意識に、少年の心は揺れ動く。
少年の犯した罪への反省を、物語ははっきりと示さない。幕間のように挿入される回顧シーンに、心情的なカットや、言質ではなく表情や態度としてあやふやに示す。今の幸せを失くすのを恐れることは、自分を嫌われる奴だと意識していることなので、自虐的な反省とも受け止めれられる。
そして事件が起きる。その発端となるのは別の少年で、2人の少年による父の奪い合いとも思える行動は、やがて悲劇を迎える。
少年という庇護を受けるべき存在。社会は、親は、目を背くことなく少年達の行動を見定めよ、真理を覆う恐れや怒りといった霧に惑わされることなく見据えよと、啓発を招くかの作品だった。


少年の犯した罪は法的に、善悪の判断基準が成り立たない者として情状の酌量が多分に加味される。それが盗みやケンカ程度であれば、バカだなぁで許されはするが、殺人となれば、それが猟奇的な色合いが濃くなると共に、理解できない未知への怖れを伴って、社会は拒絶の態度をはっきりと示す。
社会の拒絶への傾きは、刺激的な報道も加担していて、報道が過程ではなく結果のみを、その惨状や残虐性を際立つようにさらすためで、犯罪に至るまでの者への生い立ちや心理への、注視をくもらせるためなのかもしれない。回顧録として物語に幕間のように幾度も挿入される少年の罪、それと同等に少年の家庭での暮しぶりや学友との関係も示され、なぶられて拒否される少年の痛々しい心象風景が、狂気へと少年を導いた過程を明らかにしていく。これを知るか否かよって、少年の気持ちへの同化は大きく揺らぐ。
また、更生後の少年の暮らしを知らないことが社会に不安感を与えたのかもしれず、隠すことは人権を守るために必要だったのだが、少年の生まじめ過ぎる真摯な生き方を見ずに、過去から呼び起される邪推のみの決め付けで判断してしまったのではないだろうか。
知ることは本当に大事で、知らずには判断はできず、知り過ぎることによってもまた関係に亀裂を生んでしまう。人間同士の繋がりと、情報との関係の複雑さを思い知らされる。

少年は、肉親としての息子であると同時に、社会的にみた子供として庇護するべき存在であることを忘れるべきではない。愛情や教育の欠如によって、著しく精神に歪みを招いた者達を、離解できないからといって安易に切り捨てを行うべきではないと思う。保護司としての男の姿が、このことを物語っている。

しかし、厳然たる事実としてある、被害者とその家族の心情は決して忘れることはできない。いざ自分がその立場になれば、冷静に判断できるかの自信は全くない。

つらつらと書き連ねてはみたが、はっきりした答えを出すことはできやしない、バカ丸出しなレビューで申し訳ない。
一つ確かに言えることは、少年が生きることを拒否する権利は私達にはなく、子供として見守る義務があるのではということでした。た。

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