ブーリン家の姉妹

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ブーリン家の姉妹 / ナタリー・ポートマン

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「ブーリン家の姉妹」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

16世紀のイングランド王室を舞台に、ヘンリー8世の妻となりエリザベス1世を産んだアン・ブーリンとその妹メアリーの愛憎渦巻く数奇な運命を、ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンの共演で描く歴史劇。イングランド国王ヘンリー8世は、王妃キャサリンとの間に男子の世継ぎが出来ず焦っていた。新興貴族のトーマス・ブーリンは、長女アンを王の愛人に仕立てようと画策する。ところが、ヘンリーが見初めたのは、次女のメアリーだった。ほどなくヘンリーはブーリン一家を宮中に住まわせ、メアリーを愛人に召し上げる。王の愛人の座を妹に横取りされたアンは、次第に嫉妬と憎しみを募らせていくが…。

「ブーリン家の姉妹」 の作品情報

作品情報

製作年: 2008年
製作国: アメリカ/イギリス
原題: THE OTHER BOLEYN GIRL

「ブーリン家の姉妹」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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ダージリン急行

ダンケルク

ミツバチのささやき

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1〜 5件 / 全156件

取扱厳重注意

投稿日:2009/04/27 レビュアー:Bitter Sweet

史実は有名な話だからアウトラインは知っているけど
ここまでヒダのヒダまで見せつけられると
強烈すぎて、もう最後までお口アングリなのである。

普段、ボンクラ映画ばっかり観ていて奥様や彼女に呆れられている
賢明なる紳士の皆様。(はい。私も同じです)
たまには二人で一緒に楽しめそうな映画でも借りようかな。
なんて安易な点数稼ぎに走ると思わぬ事態を招く可能性が
あることをお伝えしたい。
特に次のような紳士の皆様に置かれましてはこの作品、取扱要注意だ。
1.家にあまり帰りたくない、若しくは帰ってない人。
2.最近、夫または彼氏としての“務め”を果たしていない人。
3.明らかにすねに傷を持つ人。

3の人は身から出たサビだから降参してもらうとして、1や2のあなたは
一緒に観ると痛くもない腹を探られたり、そこまでいかなくても
冷ややかな視線の一つ位は覚悟したほうがよいかもしれない。
理由は観てもらえば判るが、この映画に出てる男は揃いも揃って酷い奴ばかり。
ヘンリー8世なんか、いつも悩ましげにしかめっ面しているくせに
ヤリたい女には本気で愛を囁いたりこの手口、国王というより寧ろ
ジゴロや結婚詐欺師のそれに近いあくどさ。
この人本当にこんなんだったのかと疑いたくなるが、離婚の為にローマカソリックから抜けるくらいなんだから概ね本当なのだろう。取巻き達もこれまた最悪で
領地拡大の為なら自分の娘だろうと殆ど質草扱い。

映画は文句なく面白い。
置かれた立場を逆手に取りのし上がろうとするアン。
あくまで自らの行動に誠実であろうとするメアリー。
しかし時代は二人に過酷であった。
これを観ると何だか居た堪れない気持ちになってしまう。
だからやっぱりこの映画は一人でこっそり観たほうがいい。
この気持ち、妙齢の女性が「セックス・アンド・ザ・シティ」だけは
一人でじっくり観たい。というのと少し似ている気がする。
(全然違う?すみません)

ところで終盤、アンの罪状認否の場面などでちらりと姿を見せる
クロムウェル(清教徒革命のクロムウェルじゃないよ)と
ユートピアの著作で有名なトマス・モアの攻防は
「わが命つきるとも」に詳しい。この映画もかなりの秀作なので
この時代に俄然興味を持たれた方は是非見るべし。

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歴史の影に女あり

投稿日:2009/07/26 レビュアー:JUCE

 「禍福は糾える縄の如し」「人間万事塞翁が馬」まさしくこれらの言葉の意味をドロドロな愛憎劇で表現した作品です。

 出演者を見るとアナ・トレントが出ているではないですか。アナ・トレントというと私のなかには『ミツバチのささやき』のあの愛らしい少女のイメージだったのですが、いきなり大人の女性に。まあ当たり前と言えば当たり前ですが、映画は時代を越えて鑑賞されるのでひとりの人間の変化も一瞬です。

 確かに英国版の大奥と言った物語ですが、大奥が組織戦であるのに対して、こちらは個の戦いと言った様相。国民性の違いでしょうか。

 歴史物ですが史実という格調に拘らずにメロドラマに落とし込んだところが正解のように思います。とても分かりやすく歴史を知らなくても十分に楽しめる作品です。

 欲を言えばナタリー・ポートマン演じるアンはもっと嫌な女であってほしかったかも。ちょっと今の感じでは小賢しいだけで、最後には愛らしさまで感じてしまうではないですか。フランスでもっと男を操る術を身につけたというのであればもっと賢く振舞って欲しかったですね。その方がメアリーとのコントラストもハッキリしたように思います。

 この映画で一番私が良いなと感じたのはオープニングとエンディングの対比でしょうか。オープニングではアン、メアリー、そして弟ジョージが草原を駆けていくのですが、アンとメアリーが抜きつ抜かれつ走り・・・と言う場面、これはその後の本編を象徴しています。詳しく書くとネタバレをするので避けますが面白いです。そしてこのオープニングが面白いのはエンディングにも掛かっているところです。エンディングも同じようにある3人の子ども達が草原を駆けていますが、今度は競争することはありません、そしてそれを見守る二人の大人の視線も暖かい。このエンディングによってこの3人のこどもの未来はオープニングの3人とは違った未来が拓けていることを暗示して終わっています。
 事実歴史でもこのエンディングの3人の未来は決して平坦では無いとは言え、輝かしいと言えるものだったようです。

 がっつりと歴史を堪能したい方には物足りないかも知れませんが、歴史への入り口あるいは愛憎ドラマが愉しむには良いのではないでしょうか。

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王の愛人となった従順な妹と王妃の座にこだわった姉 ネタバレ

投稿日:2009/03/30 レビュアー:ミルクチョコ

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ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンが初共演で話題になりましたが、黄金時代を築いたエリザベス1世のお母さんの話です。

16世紀中頃、ヘンリー8世の時代です。このヘンリー8世が、大の女好き。生涯6人の妻を娶り、そのうち2人を断頭台に送った男として有名ですが、自らの欲望のままに生きた男なのでしょうね。
この国王の女好きに付け込んで、権力に忍び寄り、したたかな人たちもいる訳で、ブーリン家もまた一族の繁栄を望む、いわゆるそんな一族だったのでしょう。
ブーリン卿は、姉の聡明な長女アン(ナタリー・ポートマン)を世継ぎに恵まれないヘンリー8世の愛人にしようともくろみます。ところが、そのもくろみが見事に外れて、国王は、ひたすら穏やかで、もう既に結婚してしまっている妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン)の方を気に入ってしまいます。
プライドを傷つけられたアンは、平静を装いつつも、妹への嫉妬を募らせていく辺りが、もう恐怖ですね。
欲深き姉の危うさと、慈愛に満ちた妹の芯の強さという二人の対比が、愛憎により陰影を与え、没落していく貴族たちのあきれるくらいの策略が印象深かったです。

このメアリーという人物、歴史上には、ほとんど上って来なかった人なので、陰の人物を知るきっかけとなりました。
ともすれば、このメアリーが産んだ男の子が、エリザベスに代わる一代を築いたのかもしれなかったという、歴史の歯車を垣間見たような気がしました。
アン・ブーリンが妃だった期間は、わずか3年、その間に彼女はエリザベス1世を生み、後の英国の歴史を大きく動かし、そして、アン・ブーリンのために前王妃を追いやった国王が、離婚を許されないカトリック教徒を敵に回すことになり、英国国教会(プロテスタント)が創立されたことも事実で、アンは歴史に残る聡明な人物だったことが伺われます。
結婚が道具だった時代に、自分が単なる道具に終わることなく、積極的に人生を切り開こうとしたアンは、突き進もうとすればするほど、悲劇の人生を迎えてしまう皮肉のようなものを感じてしまいました。

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「権力と地位の無い愛など無意味」

投稿日:2009/06/20 レビュアー:bokensdorf

ストーリーについては書かない。

この映画はスカ子とナタリーが出てるからという理由だけで観たけど、セリフが面白い映画だ。

クイーンの前に姉妹が初謁見するシーン。
クイーン「教えて どんな特別な才能があるの?」
    「若さと美しさ以外に」Apart from your obvious youth and beauty.
     原文の意味は「わかりきった若さと美しさの他に何が?」
そんなものは努力して身につけた物じゃない、とけなしているが、それでも若い娘の美しさというものには負ける、と認めているクイーンの気持ちが分かるセリフである。

で、スカ子が歌う。
下手だった…。
キルスティン・ダンストだったら上手に唄えるのに。マリー役もスカ子よりキルスティンの方があってると思ったがキルスティンは当時ご病気だったらしいから仕方が無い。

その後、ジェーン・パーカーが追いかけてきてこう言う。
Put yourself in Queen’s shoes.
「王妃の立場にもなって」
キャメロン・ディアスの映画に「イン・ハー・シューズ(2005)」というのがあったが、そういう意味だったのね。


寝室で王がマリーに「君が好きだからだ 信頼している」
スカ「私をご存じないのに」
王「日々偽りや策略の中で暮らしていると人の顔が読める」
この王のセリフは共感する。若いときと年取ったときと、どこが変わるかということは子供の頃からずっと興味があったが、年取ってみると中身は全然変わっていないことが分かる。何が一番違うかと言うと「人を見る目」である。見れば分かるのである。又はその人が書いた物を読めばもっとよく分かる。これは若いときには判断できなかった。


さて、アンがフランスから戻って王の前に初めて登場したときのセリフがまたよく書けてる。この映画の大きな転回点がセリフで示される。
王「偉大な男がわかるのか?」
アン「I’ve read enough books. And I’ve enough talks to believe I know one if you are performing.」
【字幕】多くの本を読み、話を聞きました。そういう男を見ればすぐわかります。

「そういう男がここにいるか?」

「・・・ひとり。」

王がマリーに言った「見れば分かる」というセリフを今度はアンが王に言っているのである。

王「女と男が同じ資質を持つと思うのか?」
  You believe that women can be the matches of men.

【字幕】女は常にそれを自問します
【字幕】でも男にも価値はある
【字幕】同等だと認めましょう

アンは「わたしは男の方こそ女に匹敵するのかといつも考えてんのよ」と言っている。この、アンの言動が王を魅了してマリーを捨てる結果につながるという重要なシーンだが、セリフにそれを頼っているのでなかなか視覚的にインパクトが無く、フランスから戻ったアンがどんなに変わったかという印象があまり残らない。

アン「男の愛など無価値」
  「権力と地位の無い愛など無意味」

この映画は愛とはなにか、をかなり真剣に問うている映画だと思う。
王は気に入った女とただやりまくっているだけのようにも見えるが、あれは王位を継承させて自分のDNAの行く末を安泰せしめようという本能がそうさせているのである。それは愛か? 「スピーシーズ(1995)」という映画があるが、あれを観て以来私は愛の正体はこれではないかと考えている。

アンとヘンリー・パーシーが結ばれたかと王がマリーに聞くシーン。

Usually my instincts are sharp.
通常私の勘は鋭い
But your sister…She has a power over me.
だが君の姉には  意のままにされる

原文は意のままにされるではないんだけど、この訳はうまい。日本語字幕にはいつも苦い思いをさせられるがこの映画の字幕はたいへん上手だと思う。

アン・ブーリンて、国教を変えてまで王に求愛された幸せな人だと思っていたが、そうではなかったんだ。イングランドの空と同じ、暗くてどんよりした物語だ。

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レディ・ブーリンの哀しみ ネタバレ

投稿日:2009/04/04 レビュアー:ムーミンママ

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劇場でとても観たかったのに、どうしても観れず
DVDになるのをどんなに心待ちにしたことか・・・
ようやく希望が叶っての鑑賞です。

期待を上回る、重厚な歴史劇、権力と愛憎が渦巻く人間ドラマでした。

ナタリー・ポートマンの姉アンとスカーレット・ヨハンソンの妹メアリー。
二人の女性の王をめぐる闘いを期待していたのですが・・・
そこは意外にも、思ったほど激しいものではなくて
むしろ姉妹の愛情(特にメアリーの深い愛)を感じられる物語でした。

王と愛と従順さで結ばれた妹メアリーには男の子。
王ととかけひきと欲で結ばれた姉アンには女の子。
なんと運命は皮肉なのでしょう。
さらには、その男の子は王位を継承することなく
アンが処刑された後に、その娘が偉大な女王として君臨するなんて・・・

それにしても、哀しみばかりが心に残るストーリーです。
中でも、娘たちを王に捧げ、妹は裏切られ、姉と弟は処刑され・・・
そんなレディ・ブーリンの哀しみはいかばかりか・・・
権力と富と名誉への欲得に囚われ、運命に弄ばれた夫と弟を
憎んでも恨んでも晴れることはないでしょうね。

きらびやかな衣装や宝石、美しい宮廷での贅沢な暮らし・・・
その裏側では、女が子供を、男子を産む道具として扱われた
哀しい歴史が刻まれていたのを改めて感じました。

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ブーリン家の姉妹

ユーザーレビュー

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取扱厳重注意

投稿日

2009/04/27

レビュアー

Bitter Sweet

史実は有名な話だからアウトラインは知っているけど
ここまでヒダのヒダまで見せつけられると
強烈すぎて、もう最後までお口アングリなのである。

普段、ボンクラ映画ばっかり観ていて奥様や彼女に呆れられている
賢明なる紳士の皆様。(はい。私も同じです)
たまには二人で一緒に楽しめそうな映画でも借りようかな。
なんて安易な点数稼ぎに走ると思わぬ事態を招く可能性が
あることをお伝えしたい。
特に次のような紳士の皆様に置かれましてはこの作品、取扱要注意だ。
1.家にあまり帰りたくない、若しくは帰ってない人。
2.最近、夫または彼氏としての“務め”を果たしていない人。
3.明らかにすねに傷を持つ人。

3の人は身から出たサビだから降参してもらうとして、1や2のあなたは
一緒に観ると痛くもない腹を探られたり、そこまでいかなくても
冷ややかな視線の一つ位は覚悟したほうがよいかもしれない。
理由は観てもらえば判るが、この映画に出てる男は揃いも揃って酷い奴ばかり。
ヘンリー8世なんか、いつも悩ましげにしかめっ面しているくせに
ヤリたい女には本気で愛を囁いたりこの手口、国王というより寧ろ
ジゴロや結婚詐欺師のそれに近いあくどさ。
この人本当にこんなんだったのかと疑いたくなるが、離婚の為にローマカソリックから抜けるくらいなんだから概ね本当なのだろう。取巻き達もこれまた最悪で
領地拡大の為なら自分の娘だろうと殆ど質草扱い。

映画は文句なく面白い。
置かれた立場を逆手に取りのし上がろうとするアン。
あくまで自らの行動に誠実であろうとするメアリー。
しかし時代は二人に過酷であった。
これを観ると何だか居た堪れない気持ちになってしまう。
だからやっぱりこの映画は一人でこっそり観たほうがいい。
この気持ち、妙齢の女性が「セックス・アンド・ザ・シティ」だけは
一人でじっくり観たい。というのと少し似ている気がする。
(全然違う?すみません)

ところで終盤、アンの罪状認否の場面などでちらりと姿を見せる
クロムウェル(清教徒革命のクロムウェルじゃないよ)と
ユートピアの著作で有名なトマス・モアの攻防は
「わが命つきるとも」に詳しい。この映画もかなりの秀作なので
この時代に俄然興味を持たれた方は是非見るべし。

歴史の影に女あり

投稿日

2009/07/26

レビュアー

JUCE

 「禍福は糾える縄の如し」「人間万事塞翁が馬」まさしくこれらの言葉の意味をドロドロな愛憎劇で表現した作品です。

 出演者を見るとアナ・トレントが出ているではないですか。アナ・トレントというと私のなかには『ミツバチのささやき』のあの愛らしい少女のイメージだったのですが、いきなり大人の女性に。まあ当たり前と言えば当たり前ですが、映画は時代を越えて鑑賞されるのでひとりの人間の変化も一瞬です。

 確かに英国版の大奥と言った物語ですが、大奥が組織戦であるのに対して、こちらは個の戦いと言った様相。国民性の違いでしょうか。

 歴史物ですが史実という格調に拘らずにメロドラマに落とし込んだところが正解のように思います。とても分かりやすく歴史を知らなくても十分に楽しめる作品です。

 欲を言えばナタリー・ポートマン演じるアンはもっと嫌な女であってほしかったかも。ちょっと今の感じでは小賢しいだけで、最後には愛らしさまで感じてしまうではないですか。フランスでもっと男を操る術を身につけたというのであればもっと賢く振舞って欲しかったですね。その方がメアリーとのコントラストもハッキリしたように思います。

 この映画で一番私が良いなと感じたのはオープニングとエンディングの対比でしょうか。オープニングではアン、メアリー、そして弟ジョージが草原を駆けていくのですが、アンとメアリーが抜きつ抜かれつ走り・・・と言う場面、これはその後の本編を象徴しています。詳しく書くとネタバレをするので避けますが面白いです。そしてこのオープニングが面白いのはエンディングにも掛かっているところです。エンディングも同じようにある3人の子ども達が草原を駆けていますが、今度は競争することはありません、そしてそれを見守る二人の大人の視線も暖かい。このエンディングによってこの3人のこどもの未来はオープニングの3人とは違った未来が拓けていることを暗示して終わっています。
 事実歴史でもこのエンディングの3人の未来は決して平坦では無いとは言え、輝かしいと言えるものだったようです。

 がっつりと歴史を堪能したい方には物足りないかも知れませんが、歴史への入り口あるいは愛憎ドラマが愉しむには良いのではないでしょうか。

王の愛人となった従順な妹と王妃の座にこだわった姉

投稿日

2009/03/30

レビュアー

ミルクチョコ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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ナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンが初共演で話題になりましたが、黄金時代を築いたエリザベス1世のお母さんの話です。

16世紀中頃、ヘンリー8世の時代です。このヘンリー8世が、大の女好き。生涯6人の妻を娶り、そのうち2人を断頭台に送った男として有名ですが、自らの欲望のままに生きた男なのでしょうね。
この国王の女好きに付け込んで、権力に忍び寄り、したたかな人たちもいる訳で、ブーリン家もまた一族の繁栄を望む、いわゆるそんな一族だったのでしょう。
ブーリン卿は、姉の聡明な長女アン(ナタリー・ポートマン)を世継ぎに恵まれないヘンリー8世の愛人にしようともくろみます。ところが、そのもくろみが見事に外れて、国王は、ひたすら穏やかで、もう既に結婚してしまっている妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン)の方を気に入ってしまいます。
プライドを傷つけられたアンは、平静を装いつつも、妹への嫉妬を募らせていく辺りが、もう恐怖ですね。
欲深き姉の危うさと、慈愛に満ちた妹の芯の強さという二人の対比が、愛憎により陰影を与え、没落していく貴族たちのあきれるくらいの策略が印象深かったです。

このメアリーという人物、歴史上には、ほとんど上って来なかった人なので、陰の人物を知るきっかけとなりました。
ともすれば、このメアリーが産んだ男の子が、エリザベスに代わる一代を築いたのかもしれなかったという、歴史の歯車を垣間見たような気がしました。
アン・ブーリンが妃だった期間は、わずか3年、その間に彼女はエリザベス1世を生み、後の英国の歴史を大きく動かし、そして、アン・ブーリンのために前王妃を追いやった国王が、離婚を許されないカトリック教徒を敵に回すことになり、英国国教会(プロテスタント)が創立されたことも事実で、アンは歴史に残る聡明な人物だったことが伺われます。
結婚が道具だった時代に、自分が単なる道具に終わることなく、積極的に人生を切り開こうとしたアンは、突き進もうとすればするほど、悲劇の人生を迎えてしまう皮肉のようなものを感じてしまいました。

「権力と地位の無い愛など無意味」

投稿日

2009/06/20

レビュアー

bokensdorf

ストーリーについては書かない。

この映画はスカ子とナタリーが出てるからという理由だけで観たけど、セリフが面白い映画だ。

クイーンの前に姉妹が初謁見するシーン。
クイーン「教えて どんな特別な才能があるの?」
    「若さと美しさ以外に」Apart from your obvious youth and beauty.
     原文の意味は「わかりきった若さと美しさの他に何が?」
そんなものは努力して身につけた物じゃない、とけなしているが、それでも若い娘の美しさというものには負ける、と認めているクイーンの気持ちが分かるセリフである。

で、スカ子が歌う。
下手だった…。
キルスティン・ダンストだったら上手に唄えるのに。マリー役もスカ子よりキルスティンの方があってると思ったがキルスティンは当時ご病気だったらしいから仕方が無い。

その後、ジェーン・パーカーが追いかけてきてこう言う。
Put yourself in Queen’s shoes.
「王妃の立場にもなって」
キャメロン・ディアスの映画に「イン・ハー・シューズ(2005)」というのがあったが、そういう意味だったのね。


寝室で王がマリーに「君が好きだからだ 信頼している」
スカ「私をご存じないのに」
王「日々偽りや策略の中で暮らしていると人の顔が読める」
この王のセリフは共感する。若いときと年取ったときと、どこが変わるかということは子供の頃からずっと興味があったが、年取ってみると中身は全然変わっていないことが分かる。何が一番違うかと言うと「人を見る目」である。見れば分かるのである。又はその人が書いた物を読めばもっとよく分かる。これは若いときには判断できなかった。


さて、アンがフランスから戻って王の前に初めて登場したときのセリフがまたよく書けてる。この映画の大きな転回点がセリフで示される。
王「偉大な男がわかるのか?」
アン「I’ve read enough books. And I’ve enough talks to believe I know one if you are performing.」
【字幕】多くの本を読み、話を聞きました。そういう男を見ればすぐわかります。

「そういう男がここにいるか?」

「・・・ひとり。」

王がマリーに言った「見れば分かる」というセリフを今度はアンが王に言っているのである。

王「女と男が同じ資質を持つと思うのか?」
  You believe that women can be the matches of men.

【字幕】女は常にそれを自問します
【字幕】でも男にも価値はある
【字幕】同等だと認めましょう

アンは「わたしは男の方こそ女に匹敵するのかといつも考えてんのよ」と言っている。この、アンの言動が王を魅了してマリーを捨てる結果につながるという重要なシーンだが、セリフにそれを頼っているのでなかなか視覚的にインパクトが無く、フランスから戻ったアンがどんなに変わったかという印象があまり残らない。

アン「男の愛など無価値」
  「権力と地位の無い愛など無意味」

この映画は愛とはなにか、をかなり真剣に問うている映画だと思う。
王は気に入った女とただやりまくっているだけのようにも見えるが、あれは王位を継承させて自分のDNAの行く末を安泰せしめようという本能がそうさせているのである。それは愛か? 「スピーシーズ(1995)」という映画があるが、あれを観て以来私は愛の正体はこれではないかと考えている。

アンとヘンリー・パーシーが結ばれたかと王がマリーに聞くシーン。

Usually my instincts are sharp.
通常私の勘は鋭い
But your sister…She has a power over me.
だが君の姉には  意のままにされる

原文は意のままにされるではないんだけど、この訳はうまい。日本語字幕にはいつも苦い思いをさせられるがこの映画の字幕はたいへん上手だと思う。

アン・ブーリンて、国教を変えてまで王に求愛された幸せな人だと思っていたが、そうではなかったんだ。イングランドの空と同じ、暗くてどんよりした物語だ。

レディ・ブーリンの哀しみ

投稿日

2009/04/04

レビュアー

ムーミンママ

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劇場でとても観たかったのに、どうしても観れず
DVDになるのをどんなに心待ちにしたことか・・・
ようやく希望が叶っての鑑賞です。

期待を上回る、重厚な歴史劇、権力と愛憎が渦巻く人間ドラマでした。

ナタリー・ポートマンの姉アンとスカーレット・ヨハンソンの妹メアリー。
二人の女性の王をめぐる闘いを期待していたのですが・・・
そこは意外にも、思ったほど激しいものではなくて
むしろ姉妹の愛情(特にメアリーの深い愛)を感じられる物語でした。

王と愛と従順さで結ばれた妹メアリーには男の子。
王ととかけひきと欲で結ばれた姉アンには女の子。
なんと運命は皮肉なのでしょう。
さらには、その男の子は王位を継承することなく
アンが処刑された後に、その娘が偉大な女王として君臨するなんて・・・

それにしても、哀しみばかりが心に残るストーリーです。
中でも、娘たちを王に捧げ、妹は裏切られ、姉と弟は処刑され・・・
そんなレディ・ブーリンの哀しみはいかばかりか・・・
権力と富と名誉への欲得に囚われ、運命に弄ばれた夫と弟を
憎んでも恨んでも晴れることはないでしょうね。

きらびやかな衣装や宝石、美しい宮廷での贅沢な暮らし・・・
その裏側では、女が子供を、男子を産む道具として扱われた
哀しい歴史が刻まれていたのを改めて感じました。

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