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おとうと / 岸惠子

おとうと /市川崑

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DVD

映画賞受賞作品

旧作

お届け率:100%

解説・ストーリー

幸田文の原作を水木洋子の脚色で映画化し、高い評価を得た市川崑監督の代表作。作家の父と後妻というコンプレックスを抱える義母の間で不良化していく弟と、彼をかばい愛情を注ぐ姉の美しくも哀しい姉弟愛を描く。“銀残し”という特殊な技法で撮影。<BR><BR>●ご注意下さい●<BR>こちらの商品と同タイトルで異なる記番(D*DABP1217 )のものがございますが、内容はどちらも同じです。

作品情報

製作年:

1960年

製作国:

日本

受賞記録:

1961年 カンヌ国際映画祭 フランス映画高等技術委員会賞

キャスト・スタッフ

DVD

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ジャンル :

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「おとうと」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

幸田文の原作を水木洋子の脚色で映画化し、高い評価を得た市川崑監督の代表作。作家の父と後妻というコンプレックスを抱える義母の間で不良化していく弟と、彼をかばい愛情を注ぐ姉の美しくも哀しい姉弟愛を描く。“銀残し”という特殊な技法で撮影。<BR><BR>●ご注意下さい●<BR>こちらの商品と同タイトルで異なる記番(D*DABP1217 )のものがございますが、内容はどちらも同じです。

「おとうと」 の作品情報

作品情報

製作年:

1960年

製作国:

日本

受賞記録:

1961年 カンヌ国際映画祭 フランス映画高等技術委員会賞

「おとうと」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

キャスト・スタッフ

脚本:

水木洋子水木洋子

原作:

幸田文幸田文

撮影:

宮川一夫

音楽:

芥川也寸志

TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!

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国内・海外ドラマ

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アニメ

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R-18

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CD

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1〜 5件 / 全19件

「銀残し」で有名な、名キャメラマン宮川一夫の傑作の一つ ネタバレ

投稿日:2009/11/06 レビュアー:ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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宮川一夫(1908〜1999)  日本映画を世界に出した名キャメラマン。
『無法松の一生』(稲垣浩)、『夜の河』(吉村公三郎)、『羅生門』『用心棒』(黒澤明)、『雨月物語』『近松物語』(溝口健二)『浮草』(小津安二郎)『悪名』(田中徳三)『瀬戸内少年野球団』(篠田正浩)などなどなど・・・。
サントリーの「雨と子犬」というCMを覚えてられる方もいらっしゃるでしょう。

市川崑監督とも名コンビで『鍵』『炎上』『ぼんち』『破戒』『東京オリンピック』と名作ぞろいです。

中でも本作『おとうと』は「銀残し」という手法で有名です。
「銀残し」とは、現像済みのポジ・フィルムから発色部分の脱銀粒子を残す手法で、渋い色調となり、カラー映画なのに白黒映画のような独特の質感を持ちます。
『セブン』や『プライベート・ライアン』などでも用いられていますが、世界で初めてこの手法を実用化させた作品が『おとうと』なのです。

ところで京都では年に3回ほど古書店組合が古本市をするのですが、そこで以前買った宮川一夫の著作『私の映画人生60年 キャメラマン一代』は1冊500円のコーナーにありました。
しかもご本人自筆のサイン入り。  お宝でした。

それによると、『おとうと』の撮影では、木の葉にコンプレッサーでグレーの塗料を吹き付けたり、病室の壁を油を塗って汚したりして、大正時代の古びた感じを出すよう苦心したそうです。

さて今年9月NHK-BSで「宮川一夫の世界」という番組をやっていましたが、その中でも、この『おとうと』についてふれていました。
この「銀残し」は保存がむずかしく、当時の色を残しているフィルムは残念ながら残っていないそうです。

そこで、「銀残し」を現像した東京現像所にこの映画が公開された年に入社し、当時の色を記憶しているという色彩調整技師の福島宥行氏によって、当時のタイミング・カードのデータに基づき、「銀残し」の再現が行われました。

長年、市川作品の編集を務めた長田千鶴子さんの監修も得て、再現された「銀残し」ニュー・プリント版が先月放送されました。
近くのTSUTAYAで借りたDVDと見比べて観ました。 
我が家のブラウン管のテレビの解像度では、違いを観るのには微妙なものがありますが、やはり「銀残し」の持つ陰影は渋いです。
もし再放送や商品化されたらぜひどうぞ。

DISCASのこのDVDは残念ながら再現版ではないですが、それでもやはり映像は美しく、市川、宮川コンビの構図の美しさにはほれぼれしました。
結局3回以上観直し、原作も読んではまりまくったので、レビューを書くまでに2週間近くかかってしまいました。   
名画に堪能した至福のひとときでした。

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哀惜 ネタバレ

投稿日:2009/11/06 レビュアー:ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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監督 市川崑、撮影 宮川一夫 脚本 水木洋子。 幸田文の自伝的小説の映画化。

高名な作家(モデルは幸田露伴)を父(森雅之)に持つ げん(岸恵子)はリューマチを患っている継母(田中絹代)に代わって家事をしなくてはならないし、三つ年下の弟 碧郎(川口浩)のことを何かと気にかけて面倒を見ています。  父母は不仲で、仕事に没頭し、継母はキリスト教に傾倒して、子どものことをかまわないからです。

親の愛に飢えてる子供同士という連帯で姉弟は堅く結ばれていて、姉が「母親代わり」を務めることで「亡くした生母の不在」の空白を埋めようとしているかのようです。
映画の前半はそれでもやはり市川監督らしく、どことなくユーモラスなところがあります。

げんは口をへの字にしたり、さっきまでべそをかいていたのに、自分なんかを蕩らそうとする男がいるとしるとパッと明るくなったりしますし、またこの男どもが変な奴か歯抜けとかろくでもない奴ばかり。
アヒルの行進が窮地を救ってくれたり。
継母はエキセントリックで家族の中で浮いているし、縁談を娘に語るとき「どっこいしょ」と言ってしまう。
継母のことを「かなわんよな」と娘に視線を送ったり父の表情には可笑しさがある。

そうしたユーモラスな前半があるからこそ、後半碧郎が死の床についてからの展開に哀感が増します
姉であるげんはやはり「母親代わり」にはなれない。 弟のためだけではなく、げん自身も母親の役割を務めることで母親の不在感が埋められるのだが、自分の努力を父と継母に認めてほしい「子ども」の部分は否定できません。  そして縁談は来るし、家族と離れて結婚の幸せを求める「娘」は弟のための「母親」にはなれない。
また姉弟はやはり「恋人同士」とも違います。

(げんと碧郎の少年期から青年期にかけての話なので、レビューでご指摘があるように、役より10歳ほど実年齢が上の岸恵子と川口浩は歳をとりすぎている、とも言えます。
しかし互いの成長によって、また場面によって子ども同士、擬似母子、擬似恋人のように関係性の優劣が次々と変化していく姉弟をお二人はみごとに演じてられると思います。
互いを思いやる純粋な姉と弟になる一夜は限りなく美しいですが、碧郎が言うように、親のぬくもりもなく、恋人もいない「不在の空白」が「さびしくてつまんない」ふたりぼっちの姉弟がとても切ない。

碧郎の死を迎えて、残された家族にはみんな碧郎を思う気持ちはあるが、互いはどうにもつながらない。
父に誘われず継母は後から見舞いに来た。 父母は一緒に見舞うことはない。
継母は臨終に遅れてやってくる。「かあさんよ」と呼びかけるが、応えられないまま終わる。

脳貧血で倒れたげんを父は目覚めるまで見守ることはない。
目覚めてげんは、継母と弟を亡くした悲しみを語り合うわけでもなく、看護する相手を亡くしたといういうのにエプロンをして部屋を出て行く。 継母を残して。

「生母の不在」に始まり「弟の喪失」で終わり、その空白の大きさの寂寥感が、人生や家族を思わせる名画に堪能しました。

このレビューは気に入りましたか? 8人の会員が気に入ったと投稿しています

母親代わりの姉。弟思いが、健気で気高く

投稿日:2021/05/23 レビュアー:カマンベール

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姉と弟のつながりのふしぎ

投稿日:2021/09/14 レビュアー:ちゅく

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「子ども」時代の別離 ネタバレ

投稿日:2010/10/19 レビュアー:zeta2

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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評価17点
脚本★★★★★ カメラ★★★★★ 演技★★★☆☆ 興趣★★★★☆

脚本家の水木洋子目当てで観ました。映画はやっぱり脚本でしょ。
と思ったのですが、どうもそうではなかったようです。キネマ旬報ベスト1です。脚本はいうことなし。カメラもさすが宮川一夫です。ところがどうしても映画に入り込めないところがある。なんかバランスが悪いんです。
最初は田中絹代のせいかなと思いました。家庭の中での存在感がありすぎる。うますぎるんですね。しかし、田中絹代は自分の役柄をこなしているにすぎない。
それでは、音楽か。このシーンでこの音楽、何を盛り上げようとしているのか理解に苦しむ芥川也寸志の音楽。音楽が流れるたび、絵との乖離に私は戸惑います。しかし、どうもそれだけではない。

やはり岸惠子なんですね。といっても、岸惠子の演技力の問題ではない。もちろん彼女の年のせいでもない。はっきり言えば、市川崑の演出(演技指導)が原因です。市川崑は水木洋子の脚本を理解してないのではないか。
この映画のタイトルは「おとうと」ですが、主役は姉と弟、岸惠子と川口浩です。ここで重要なことは、二人がまだ10代(姉の設定は20才くらいでしょうが)であることです。人生のなんたるかも、世間の諸々のことも知らず、それでも肩を寄せ合って必死に生きている。弟は放蕩息子のようでいて、聡明でやんちゃです。姉はいつも弟の保護者のようでいて、まだうぶです。つまりまだ10代の子どもであるわけで、ラストにベッドの上で弟が「(二人とも恋もしたことないなら)つまんないなあ、姉さんも俺も」という涙を誘うセリフで明らかです。
川口浩はちょっとあぶなっかしい弟そのものでいいのです。しかし、岸惠子は非常に高度な演技を要求される。弟と取っ組み合いをしたり、べらんめい口調で姉の威厳をあらわすあいだは問題ありません。問題は他者と関係するときです。中田といういやらしい男がまつわりついてくるとき、岸惠子は「素」で中田に対してしまっている。実際は、弟に「ばかやろう、幾つだい、わかんねえのかいそのくらい」と言われてしまうくらい世間知らずで子どもなのです。素で演じてしまったら、岸惠子の方が格が上になってしまう。
さらに継母との関係。時は大正時代。後妻であれ、親の威厳は絶対です。人の倍以上口うるさい母の前では縮こまっているしかない。脚本はその辺を詳細に描くのですが、岸惠子の演技は、弟の保護者としての姉の演技の延長です。これを岸惠子のせいにするのはかわいそうです。監督がほとんど演技指導をしていないのではないか。娘が母に対して使う丁寧語(威厳への反発)とタメ口(子供っぽさ)の使い分けさえ理解してない。
父母からの疎外と反発を家庭の中での閉そく感として、距離感として描いてこそ子どもたちの存在が明確になるのに、そうしないために私が前述した田中絹代の突出ぶりだけが目立ってしまう結果になっている。

父についても同じことが言えます。父は妻と同じレベルで言い争うのにうんざりしているだけで、子どもたちとくに息子の放蕩には無口ながらも寛大です。したがって、父は数少ないセリフの中で表わすしかないのです。脚本で「ト書き」でのみ書かれているときこそが演出の出番であるはずです。岸惠子が(絶対的な威厳の)継母の詰問に力を振り絞って涙ながらに反問するのを、父は隣室で聞いているのですが、このときの森雅之(の演技)がいただけません。ああうるさい我関せず、です。この最初の「登場の仕方」によって、そのあとの脚本で父が子どもたちに理解のあるセリフをいくら言ったとしても、観客には影が薄い父としてしか認識されません。

そのように市川崑の演出について私は批判的なのですが、もう一度映画を見直してみました。違和感は違和感として、姉と弟の話としてのみ見ると全然違った印象でした。とてもいい映画だと思った。
映画って一人、監督のものだけではないんですね。多少の瑕疵があったとしても許すべきなんですね。なんでもかんでもバッサリ切り捨ててはいけない。見直してよかった。そういう映画でした。

このレビューは気に入りましたか? 3人の会員が気に入ったと投稿しています

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ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

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ユーザーレビュー:19件

「銀残し」で有名な、名キャメラマン宮川一夫の傑作の一つ

投稿日

2009/11/06

レビュアー

ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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宮川一夫(1908〜1999)  日本映画を世界に出した名キャメラマン。
『無法松の一生』(稲垣浩)、『夜の河』(吉村公三郎)、『羅生門』『用心棒』(黒澤明)、『雨月物語』『近松物語』(溝口健二)『浮草』(小津安二郎)『悪名』(田中徳三)『瀬戸内少年野球団』(篠田正浩)などなどなど・・・。
サントリーの「雨と子犬」というCMを覚えてられる方もいらっしゃるでしょう。

市川崑監督とも名コンビで『鍵』『炎上』『ぼんち』『破戒』『東京オリンピック』と名作ぞろいです。

中でも本作『おとうと』は「銀残し」という手法で有名です。
「銀残し」とは、現像済みのポジ・フィルムから発色部分の脱銀粒子を残す手法で、渋い色調となり、カラー映画なのに白黒映画のような独特の質感を持ちます。
『セブン』や『プライベート・ライアン』などでも用いられていますが、世界で初めてこの手法を実用化させた作品が『おとうと』なのです。

ところで京都では年に3回ほど古書店組合が古本市をするのですが、そこで以前買った宮川一夫の著作『私の映画人生60年 キャメラマン一代』は1冊500円のコーナーにありました。
しかもご本人自筆のサイン入り。  お宝でした。

それによると、『おとうと』の撮影では、木の葉にコンプレッサーでグレーの塗料を吹き付けたり、病室の壁を油を塗って汚したりして、大正時代の古びた感じを出すよう苦心したそうです。

さて今年9月NHK-BSで「宮川一夫の世界」という番組をやっていましたが、その中でも、この『おとうと』についてふれていました。
この「銀残し」は保存がむずかしく、当時の色を残しているフィルムは残念ながら残っていないそうです。

そこで、「銀残し」を現像した東京現像所にこの映画が公開された年に入社し、当時の色を記憶しているという色彩調整技師の福島宥行氏によって、当時のタイミング・カードのデータに基づき、「銀残し」の再現が行われました。

長年、市川作品の編集を務めた長田千鶴子さんの監修も得て、再現された「銀残し」ニュー・プリント版が先月放送されました。
近くのTSUTAYAで借りたDVDと見比べて観ました。 
我が家のブラウン管のテレビの解像度では、違いを観るのには微妙なものがありますが、やはり「銀残し」の持つ陰影は渋いです。
もし再放送や商品化されたらぜひどうぞ。

DISCASのこのDVDは残念ながら再現版ではないですが、それでもやはり映像は美しく、市川、宮川コンビの構図の美しさにはほれぼれしました。
結局3回以上観直し、原作も読んではまりまくったので、レビューを書くまでに2週間近くかかってしまいました。   
名画に堪能した至福のひとときでした。

哀惜

投稿日

2009/11/06

レビュアー

ロキュータス

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監督 市川崑、撮影 宮川一夫 脚本 水木洋子。 幸田文の自伝的小説の映画化。

高名な作家(モデルは幸田露伴)を父(森雅之)に持つ げん(岸恵子)はリューマチを患っている継母(田中絹代)に代わって家事をしなくてはならないし、三つ年下の弟 碧郎(川口浩)のことを何かと気にかけて面倒を見ています。  父母は不仲で、仕事に没頭し、継母はキリスト教に傾倒して、子どものことをかまわないからです。

親の愛に飢えてる子供同士という連帯で姉弟は堅く結ばれていて、姉が「母親代わり」を務めることで「亡くした生母の不在」の空白を埋めようとしているかのようです。
映画の前半はそれでもやはり市川監督らしく、どことなくユーモラスなところがあります。

げんは口をへの字にしたり、さっきまでべそをかいていたのに、自分なんかを蕩らそうとする男がいるとしるとパッと明るくなったりしますし、またこの男どもが変な奴か歯抜けとかろくでもない奴ばかり。
アヒルの行進が窮地を救ってくれたり。
継母はエキセントリックで家族の中で浮いているし、縁談を娘に語るとき「どっこいしょ」と言ってしまう。
継母のことを「かなわんよな」と娘に視線を送ったり父の表情には可笑しさがある。

そうしたユーモラスな前半があるからこそ、後半碧郎が死の床についてからの展開に哀感が増します
姉であるげんはやはり「母親代わり」にはなれない。 弟のためだけではなく、げん自身も母親の役割を務めることで母親の不在感が埋められるのだが、自分の努力を父と継母に認めてほしい「子ども」の部分は否定できません。  そして縁談は来るし、家族と離れて結婚の幸せを求める「娘」は弟のための「母親」にはなれない。
また姉弟はやはり「恋人同士」とも違います。

(げんと碧郎の少年期から青年期にかけての話なので、レビューでご指摘があるように、役より10歳ほど実年齢が上の岸恵子と川口浩は歳をとりすぎている、とも言えます。
しかし互いの成長によって、また場面によって子ども同士、擬似母子、擬似恋人のように関係性の優劣が次々と変化していく姉弟をお二人はみごとに演じてられると思います。
互いを思いやる純粋な姉と弟になる一夜は限りなく美しいですが、碧郎が言うように、親のぬくもりもなく、恋人もいない「不在の空白」が「さびしくてつまんない」ふたりぼっちの姉弟がとても切ない。

碧郎の死を迎えて、残された家族にはみんな碧郎を思う気持ちはあるが、互いはどうにもつながらない。
父に誘われず継母は後から見舞いに来た。 父母は一緒に見舞うことはない。
継母は臨終に遅れてやってくる。「かあさんよ」と呼びかけるが、応えられないまま終わる。

脳貧血で倒れたげんを父は目覚めるまで見守ることはない。
目覚めてげんは、継母と弟を亡くした悲しみを語り合うわけでもなく、看護する相手を亡くしたといういうのにエプロンをして部屋を出て行く。 継母を残して。

「生母の不在」に始まり「弟の喪失」で終わり、その空白の大きさの寂寥感が、人生や家族を思わせる名画に堪能しました。

母親代わりの姉。弟思いが、健気で気高く

投稿日

2021/05/23

レビュアー

カマンベール

姉と弟のつながりのふしぎ

投稿日

2021/09/14

レビュアー

ちゅく

「子ども」時代の別離

投稿日

2010/10/19

レビュアー

zeta2

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評価17点
脚本★★★★★ カメラ★★★★★ 演技★★★☆☆ 興趣★★★★☆

脚本家の水木洋子目当てで観ました。映画はやっぱり脚本でしょ。
と思ったのですが、どうもそうではなかったようです。キネマ旬報ベスト1です。脚本はいうことなし。カメラもさすが宮川一夫です。ところがどうしても映画に入り込めないところがある。なんかバランスが悪いんです。
最初は田中絹代のせいかなと思いました。家庭の中での存在感がありすぎる。うますぎるんですね。しかし、田中絹代は自分の役柄をこなしているにすぎない。
それでは、音楽か。このシーンでこの音楽、何を盛り上げようとしているのか理解に苦しむ芥川也寸志の音楽。音楽が流れるたび、絵との乖離に私は戸惑います。しかし、どうもそれだけではない。

やはり岸惠子なんですね。といっても、岸惠子の演技力の問題ではない。もちろん彼女の年のせいでもない。はっきり言えば、市川崑の演出(演技指導)が原因です。市川崑は水木洋子の脚本を理解してないのではないか。
この映画のタイトルは「おとうと」ですが、主役は姉と弟、岸惠子と川口浩です。ここで重要なことは、二人がまだ10代(姉の設定は20才くらいでしょうが)であることです。人生のなんたるかも、世間の諸々のことも知らず、それでも肩を寄せ合って必死に生きている。弟は放蕩息子のようでいて、聡明でやんちゃです。姉はいつも弟の保護者のようでいて、まだうぶです。つまりまだ10代の子どもであるわけで、ラストにベッドの上で弟が「(二人とも恋もしたことないなら)つまんないなあ、姉さんも俺も」という涙を誘うセリフで明らかです。
川口浩はちょっとあぶなっかしい弟そのものでいいのです。しかし、岸惠子は非常に高度な演技を要求される。弟と取っ組み合いをしたり、べらんめい口調で姉の威厳をあらわすあいだは問題ありません。問題は他者と関係するときです。中田といういやらしい男がまつわりついてくるとき、岸惠子は「素」で中田に対してしまっている。実際は、弟に「ばかやろう、幾つだい、わかんねえのかいそのくらい」と言われてしまうくらい世間知らずで子どもなのです。素で演じてしまったら、岸惠子の方が格が上になってしまう。
さらに継母との関係。時は大正時代。後妻であれ、親の威厳は絶対です。人の倍以上口うるさい母の前では縮こまっているしかない。脚本はその辺を詳細に描くのですが、岸惠子の演技は、弟の保護者としての姉の演技の延長です。これを岸惠子のせいにするのはかわいそうです。監督がほとんど演技指導をしていないのではないか。娘が母に対して使う丁寧語(威厳への反発)とタメ口(子供っぽさ)の使い分けさえ理解してない。
父母からの疎外と反発を家庭の中での閉そく感として、距離感として描いてこそ子どもたちの存在が明確になるのに、そうしないために私が前述した田中絹代の突出ぶりだけが目立ってしまう結果になっている。

父についても同じことが言えます。父は妻と同じレベルで言い争うのにうんざりしているだけで、子どもたちとくに息子の放蕩には無口ながらも寛大です。したがって、父は数少ないセリフの中で表わすしかないのです。脚本で「ト書き」でのみ書かれているときこそが演出の出番であるはずです。岸惠子が(絶対的な威厳の)継母の詰問に力を振り絞って涙ながらに反問するのを、父は隣室で聞いているのですが、このときの森雅之(の演技)がいただけません。ああうるさい我関せず、です。この最初の「登場の仕方」によって、そのあとの脚本で父が子どもたちに理解のあるセリフをいくら言ったとしても、観客には影が薄い父としてしか認識されません。

そのように市川崑の演出について私は批判的なのですが、もう一度映画を見直してみました。違和感は違和感として、姉と弟の話としてのみ見ると全然違った印象でした。とてもいい映画だと思った。
映画って一人、監督のものだけではないんですね。多少の瑕疵があったとしても許すべきなんですね。なんでもかんでもバッサリ切り捨ててはいけない。見直してよかった。そういう映画でした。

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