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「茶の味」の石井克人監督が、清水宏監督の1938年の名作「按摩と女」を、オリジナルのシナリオをほぼそのまま用いてカラーで忠実に再現したハートウォーミング恋愛物語。昭和初期のとある温泉場を舞台に、都会の美女に淡い恋心を抱いた按摩・徳市の姿を、美しい山あいの風景をバックに瑞々しく綴る。主演はSMAPの草なぎ剛、共演に加瀬亮とモデルのマイコ。新緑の山道を歩く目の不自由なふたりの按摩、徳市とその相棒、福市。春先からの仕事場となる山の温泉場へ向かっていたふたりを、東京からの女性、三沢美千穂を乗せた馬車が追い越していく。やがて、温泉場の按摩宿泊所に落ち着いた徳市たち。そこへ、宿屋の鯨屋から呼び出しがかかるが…。
「茶の味」の石井克人監督が、清水宏監督の1938年の名作「按摩と女」を、オリジナルのシナリオをほぼそのまま用いてカラーで忠実に再現したハートウォーミング恋愛物語。昭和初期のとある温泉場を舞台に、都会の美女に淡い恋心を抱いた按摩・徳市の姿を、美しい山あいの風景をバックに瑞々しく綴る。主演はSMAPの草なぎ剛、共演に加瀬亮とモデルのマイコ。新緑の山道を歩く目の不自由なふたりの按摩、徳市とその相棒、福市。春先からの仕事場となる山の温泉場へ向かっていたふたりを、東京からの女性、三沢美千穂を乗せた馬車が追い越していく。やがて、温泉場の按摩宿泊所に落ち着いた徳市たち。そこへ、宿屋の鯨屋から呼び出しがかかるが…。
製作年: |
2008年 |
---|---|
製作国: |
日本 |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
94分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日(視覚障害者対応) |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
GNBR7111 | 2008年12月10日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
8枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
94分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日(視覚障害者対応)
レイティング:
記番:
GNBR7111
レンタル開始日:
2008年12月10日
在庫枚数
8枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
94分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日(視覚障害者対応) |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
GNBR7111 | 2008年12月10日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
8枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
94分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日(視覚障害者対応)
レイティング:
記番:
GNBR7111
レンタル開始日:
2008年12月10日
在庫枚数
8枚
1位登録者:
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2位登録者:
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※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
清水宏監督が、1938年に作った「按摩と女」を石井監督が完全カバー。清水作品を現代に伝えたいと考えた監督が、「按摩と女」を構図やセリフまでも忠実に再現したらしいのですが、私は清水監督も、「按摩と女」も知りませんでした。
派手な大作もたまには良いけれども、こういう地味な映画も良いですね。古き良き時代の昔を懐かしみ、楽しむ。70年もの前の隠された名画を現代に見事に蘇らせてくれています。
何せ、せりふが古風というか、古めかしい感じの日本語が心地よい。
山の中の温泉場。山の温泉街に稼ぎに来た按摩。東京から来た訳アリの女。親戚の男の子を連れた独身男。
ストーリーは、淡々と進み、特に感動場面とかある訳でもないのですが、温泉街の盗難騒ぎを発端に、それぞれの人物の心に起こるさざなみを描きつつ、さらに全く関係のない子供を登場させることで、うまく心の揺れを描いていて、それぞれの思いが胸にしみます。
新緑のまぶしさ、せせらぎの音、湯けむり、鄙びた温泉街の風景が癒されます。70年前が描かれているにも関わらず、何となく懐かしい気分になります。笑いも何故か、レトロな雰囲気で、まさに、心の入浴でした。
このレビューは気に入りましたか? 16人の会員が気に入ったと投稿しています
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清水宏のオリジナルをかなり忠実にカヴァー(リメイクではなくカヴァー)していますね。
まあ、悪くはないと言うか、清水宏の作品に対するオマージュというようなものは感じますが、傑作だとか秀作だとか言う評価にはならない作品でしょうね。
草薙剛は割と好きなのです。SMAPの一員として5人の中では影の薄い存在でも、役者としての可能性は一番あるのではないかと思っています。彼なりのオリジナリティができていて、何を演じても草薙剛なので、作品によって当たりはずれはあるものの、良い役にはまると面白いと思うのです。「何を演じても草薙剛」というのは、「何を演じてもキムタク」とはちょっと意味合いが違うのですね。キムタクはキムタクのままなんですけど、草薙の場合、演じている人物が皆似てしまうと言う・・・
わかりづらいかな・・・キムタクではなく三国連太郎の「何を演じても三国連太郎」と言うニュアンスに近いのです。ですから、徳一を演じていても草薙剛が演じる徳一であるのです。頑張っているとは思いますが、もう一息かなと・・・。
相棒・福市を演じる加瀬亮はカメレオン役者とも言うべき、演じる役柄に見事にとけ込み、へたすると
「あれは加瀬亮だよ」
と言われるまで気付かないくらい変貌する役者です。その彼が、妙に違和感のある語りをするのは、オリジナルのセリフ廻しを忠実に再現しようとしているのですが、その苦労の割に生かせていないと言う印象です。草薙と加瀬が逆だったら面白いと思うのですが・・・(石井克人監督は、この映画を作ると決めたときから徳一は草薙剛しかいないと決めていたそうです。オリジナルの徳大寺伸にそっくりなんだとか)
三千穂を演じるマイコは資生堂のCMの子。もともと役者ではないので、たどたどしいセリフは地なのかそういう演出を付けられているのかわかりませんが、田中絹代や原節子っぽい雰囲気で悪くないと思います。ミステリアスな登場人物ですから、そう言う感じは出ていますね。
堤真一、これまた色んな役柄を演じ分けられる人ですけど、本作ではかなり抑えた演技です。オリジナルでは佐分利信ですから、イメージは近いのでしょう。
三浦友和はけっこう良い雰囲気でした。
石井克人監督が、試行錯誤しながら「茶の味」を発表したときに、
「清水宏の「簪」を参考にしたのかい」
と言う人がいて、小津や溝口はずいぶん観たけれど、清水宏は観たことがなかったので一連の作品を観て、
「自分の求めていたモノはこれだ」
と「按摩と女」のリメイクを決意したということなんですね。
それは良いとして、カット割やアングル等々、オリジナルに忠実に作っていることが、正直上っ面をなぞっているだけに感じてしまうのです。
物語としては、大した事件があるわけでもないし、奇抜なストーリーは無いのですが、ところどころはっとするような美しい画面があり、日本の情緒とか風情、ほのかな恋心の奥ゆかしさやわびさびなんかが描かれているなと思えるのですが、どこか薄っぺらな感じで、悪く言えば退屈で眠くなってしまうのですね(笑)
緑も色鮮やかな景色が美しいと思うのですが、清水宏のオリジナルではモノクロ画面でそれを表現しています。
可もなく、不可もなくと言った作品でしょうか。
本作を観て、オリジナルの「按摩と女」を観たいと思う人が増えれば、本作を作った甲斐はあったと言えるのかも知れませんね。
劇場で観たのですが、唯一、大きく評価したいのは、
「心の入浴料1000円」
と言う料金です。これでも商売としてペイできるのなら、他の映画もすべてこれでやってもらいたいものですね。
このレビューは気に入りましたか? 15人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
本作を鑑賞後、清水宏監督のオリジナル「按摩と女」を見ました。しかし、鑑賞直後に書いた感想をそのまま載せたいと思います。と申しますのも、本作を見た方がみなさんオリジナルを見返すとは限りませんし、オリジナルを知らずに見た時の感動をそのままお届けしたいと思うからです。ゆえに本作に感動した部分として、それが元々オリジナルが持っているものという場合もあるでしょうが、その辺りはご容赦下さいませ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
清水宏監督のオリジナルが傑作であると多数の方から話をいただき、最終日にすべり込み観賞しました。鑑賞後、呆然。これは参りました。カメラの動き、間、演出、全てにおいて実に良くできた作品だと感心。早速オリジナルを観なければ!という気持ちになったのです。
ちょっとした心の動き、機微の見せ方が実に巧みです。それを、セリフではなく、間と映像で語る。これこそ、映画の醍醐味です。起きている出来事は大した事件ではありませんから、これを退屈だとか、淡々とした話だとか言う人がいるかもしれません。しかし、侮ってはなりません。これは実に緻密な計算がなされているのではないでしょうか。例えば、按摩さんを呼びに来た女中さん(洞口依子)が宿の扉を怒ったようにぴしゃっと閉める。これはおそらく、客人のいい男(堤真一)が東京から来た女にデレデレしているのが気にくわないのでしょう。そういうちょっとした仕草でもいろんなイメージが広がるのです。
そして、子供の使い方が秀逸。帰りたくない、早く帰りたい。おばちゃんと過ごしたい、一緒にいてもつまらない。彼の心の揺れが物語の振り子の役割をしています。そして、彼の登場と退場が各エピソードの繋ぎとなっているのです。静かな物語の中で彼の「ちぇっ!」と言うイライラしたような舌打ちがざわざわと波を立てます。物語の結末から言えば、堤真一の役どころだって、通りすがりの男と言ってもいいような立ち位置ですが、偶然出会った女に惹かれる心情の揺れが実に巧みに伝わってきます。
草薙剛の按摩はやや大袈裟な感じもしますが、よくがんばりました。むしろ、感心したのは美千穂を演じたマイコです。「そうなんですの」「〜ですわね」など、おっとりとした昔ながらのていねいな日本語が実に堂に入っていました。往年の名女優の雰囲気を見事に体現していたと思います。橋の両側に男と女がそれぞれ立ち、その間をわざと知らぬ顔で按摩が通り過ぎてゆくカットの切なさ。女が男を追いかけ、川を渡す桟橋に按摩がひとり残された時の不安感。「お客様!」と土下座した按摩のやるせなさ。胸をわしづかみにされるのではなく、心のどこかをツンと突かれるような感傷が沸き起こるのです。日本を形容する時に、侘び寂びなどと言いますが、それは一体何を指すのかと思っていましたが、本作を見て初めて侘び寂び的なるものに触れたような、そんな気がしました。
リメイクではなく、カヴァーである、ということ。これは、オリジナルのすばらしさを現代に伝えたいという石井監督の強い意志に他なりません。このすばらしさを現代の良い音響、良い映像で観客に届けたい、と言うことでしょう。「椿」や「隠し砦」などの黒沢作品がリメイクされ、いかにも商業的な路線で公開されていることに比べると、この「山のあなた」は、オリジナルをそっくりそのままカヴァーです。しかも1000円という入場料。作品の静けさとは裏腹に、本作への取り組みは大いなるチャレンジだったのではないでしょうか。次は何がカヴァーされるのか。そんな期待感すら抱かされました。
このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
小鳥さえずる山の道。
トントコ、トントコ杖突いて。
二人の按摩の夜道旅。
降り注ぐ太陽は暖かく。
通り過ぎる子供たちは無邪気。
緑が疲れを癒してくれる。
それでも二人は夜道旅。
でも聴こえるよ、見えてもくる。
そのキレイさが見えてくる。
そんな気にさえしてくれる。
あーでもないし、こーでもない。
愉快な二人の夜道旅。
お宿で出会ったお客様。
都会の「かほり」のお客様。
肩を揉み揉み、胸がキュン。
恋の「かほり」にキュン、キュキュン。
恋の足音キュン、キュキュン。
寝ても覚めてもあなただけ。
寝ても覚めても夜だけど。
自然が美しいです。
な〜んにもない「あるがまま」の美しさに見惚れます。
のんびりしたお話で、特に何もないんだけど、時間がアっという間に過ぎ去りました。
94分という時間の短さのせいもあるでしょうが、自然の心地良さに囲まれてボヘ〜っとする気持ちよさがあります。
按摩さんたちの動きや、表情、仕草がユニークで(こう言っては失礼かもしれませんが)、特にツヨポンと加瀬さんが素晴らしい。
いちいち面白かったですね。
でも個人的な一番のツボは「ぼうず」の口癖。
ボクは遊びたいんだ。
一人じゃつまらないんだ。
おじゃんは寝てばっか。
チェッ!!
おばちゃん遊ぼうよ。
おばちゃん、おじちゃんとばっか話してる。
チェッ!!
按摩さん一緒に遊ぼうよ。
おばさん来たらダメじゃんよ。
チェッ!!
ボク、やだ〜ん。
帰りたくないよう。
ボク、やだ〜ん。
帰りたいよう。
ボク、やだ〜ん。
ボク、やだ〜ん。
・・・この「ボク、やだ〜ん」。
これが頭から離れない。
「やだ〜ん」のイントネーションが最高。
きっと徳さんも思ったんじゃないかな。
別れのラスト。
馬車で走り去る「東京から来た女」。
次第に遠くなる。
次第に小さくなる。
なのにどんどん大きくなる恋心。
「ボク、やだ〜ん。あなたと離れたくないよ・・・」
「カフーを待ちわびて」に続く連続「マイコ鑑賞」。
かわいさでは「カフー〜」に軍配。
それでもやっぱりステキだった。
女性の着物姿ってイイですね。
このレビューは気に入りましたか? 5人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:38件
投稿日
2008/12/06
レビュアー
ミルクチョコ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
清水宏監督が、1938年に作った「按摩と女」を石井監督が完全カバー。清水作品を現代に伝えたいと考えた監督が、「按摩と女」を構図やセリフまでも忠実に再現したらしいのですが、私は清水監督も、「按摩と女」も知りませんでした。
派手な大作もたまには良いけれども、こういう地味な映画も良いですね。古き良き時代の昔を懐かしみ、楽しむ。70年もの前の隠された名画を現代に見事に蘇らせてくれています。
何せ、せりふが古風というか、古めかしい感じの日本語が心地よい。
山の中の温泉場。山の温泉街に稼ぎに来た按摩。東京から来た訳アリの女。親戚の男の子を連れた独身男。
ストーリーは、淡々と進み、特に感動場面とかある訳でもないのですが、温泉街の盗難騒ぎを発端に、それぞれの人物の心に起こるさざなみを描きつつ、さらに全く関係のない子供を登場させることで、うまく心の揺れを描いていて、それぞれの思いが胸にしみます。
新緑のまぶしさ、せせらぎの音、湯けむり、鄙びた温泉街の風景が癒されます。70年前が描かれているにも関わらず、何となく懐かしい気分になります。笑いも何故か、レトロな雰囲気で、まさに、心の入浴でした。
投稿日
2008/10/30
レビュアー
こんちゃん※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
清水宏のオリジナルをかなり忠実にカヴァー(リメイクではなくカヴァー)していますね。
まあ、悪くはないと言うか、清水宏の作品に対するオマージュというようなものは感じますが、傑作だとか秀作だとか言う評価にはならない作品でしょうね。
草薙剛は割と好きなのです。SMAPの一員として5人の中では影の薄い存在でも、役者としての可能性は一番あるのではないかと思っています。彼なりのオリジナリティができていて、何を演じても草薙剛なので、作品によって当たりはずれはあるものの、良い役にはまると面白いと思うのです。「何を演じても草薙剛」というのは、「何を演じてもキムタク」とはちょっと意味合いが違うのですね。キムタクはキムタクのままなんですけど、草薙の場合、演じている人物が皆似てしまうと言う・・・
わかりづらいかな・・・キムタクではなく三国連太郎の「何を演じても三国連太郎」と言うニュアンスに近いのです。ですから、徳一を演じていても草薙剛が演じる徳一であるのです。頑張っているとは思いますが、もう一息かなと・・・。
相棒・福市を演じる加瀬亮はカメレオン役者とも言うべき、演じる役柄に見事にとけ込み、へたすると
「あれは加瀬亮だよ」
と言われるまで気付かないくらい変貌する役者です。その彼が、妙に違和感のある語りをするのは、オリジナルのセリフ廻しを忠実に再現しようとしているのですが、その苦労の割に生かせていないと言う印象です。草薙と加瀬が逆だったら面白いと思うのですが・・・(石井克人監督は、この映画を作ると決めたときから徳一は草薙剛しかいないと決めていたそうです。オリジナルの徳大寺伸にそっくりなんだとか)
三千穂を演じるマイコは資生堂のCMの子。もともと役者ではないので、たどたどしいセリフは地なのかそういう演出を付けられているのかわかりませんが、田中絹代や原節子っぽい雰囲気で悪くないと思います。ミステリアスな登場人物ですから、そう言う感じは出ていますね。
堤真一、これまた色んな役柄を演じ分けられる人ですけど、本作ではかなり抑えた演技です。オリジナルでは佐分利信ですから、イメージは近いのでしょう。
三浦友和はけっこう良い雰囲気でした。
石井克人監督が、試行錯誤しながら「茶の味」を発表したときに、
「清水宏の「簪」を参考にしたのかい」
と言う人がいて、小津や溝口はずいぶん観たけれど、清水宏は観たことがなかったので一連の作品を観て、
「自分の求めていたモノはこれだ」
と「按摩と女」のリメイクを決意したということなんですね。
それは良いとして、カット割やアングル等々、オリジナルに忠実に作っていることが、正直上っ面をなぞっているだけに感じてしまうのです。
物語としては、大した事件があるわけでもないし、奇抜なストーリーは無いのですが、ところどころはっとするような美しい画面があり、日本の情緒とか風情、ほのかな恋心の奥ゆかしさやわびさびなんかが描かれているなと思えるのですが、どこか薄っぺらな感じで、悪く言えば退屈で眠くなってしまうのですね(笑)
緑も色鮮やかな景色が美しいと思うのですが、清水宏のオリジナルではモノクロ画面でそれを表現しています。
可もなく、不可もなくと言った作品でしょうか。
本作を観て、オリジナルの「按摩と女」を観たいと思う人が増えれば、本作を作った甲斐はあったと言えるのかも知れませんね。
劇場で観たのですが、唯一、大きく評価したいのは、
「心の入浴料1000円」
と言う料金です。これでも商売としてペイできるのなら、他の映画もすべてこれでやってもらいたいものですね。
投稿日
2008/11/07
レビュアー
ガラリーナ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
本作を鑑賞後、清水宏監督のオリジナル「按摩と女」を見ました。しかし、鑑賞直後に書いた感想をそのまま載せたいと思います。と申しますのも、本作を見た方がみなさんオリジナルを見返すとは限りませんし、オリジナルを知らずに見た時の感動をそのままお届けしたいと思うからです。ゆえに本作に感動した部分として、それが元々オリジナルが持っているものという場合もあるでしょうが、その辺りはご容赦下さいませ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
清水宏監督のオリジナルが傑作であると多数の方から話をいただき、最終日にすべり込み観賞しました。鑑賞後、呆然。これは参りました。カメラの動き、間、演出、全てにおいて実に良くできた作品だと感心。早速オリジナルを観なければ!という気持ちになったのです。
ちょっとした心の動き、機微の見せ方が実に巧みです。それを、セリフではなく、間と映像で語る。これこそ、映画の醍醐味です。起きている出来事は大した事件ではありませんから、これを退屈だとか、淡々とした話だとか言う人がいるかもしれません。しかし、侮ってはなりません。これは実に緻密な計算がなされているのではないでしょうか。例えば、按摩さんを呼びに来た女中さん(洞口依子)が宿の扉を怒ったようにぴしゃっと閉める。これはおそらく、客人のいい男(堤真一)が東京から来た女にデレデレしているのが気にくわないのでしょう。そういうちょっとした仕草でもいろんなイメージが広がるのです。
そして、子供の使い方が秀逸。帰りたくない、早く帰りたい。おばちゃんと過ごしたい、一緒にいてもつまらない。彼の心の揺れが物語の振り子の役割をしています。そして、彼の登場と退場が各エピソードの繋ぎとなっているのです。静かな物語の中で彼の「ちぇっ!」と言うイライラしたような舌打ちがざわざわと波を立てます。物語の結末から言えば、堤真一の役どころだって、通りすがりの男と言ってもいいような立ち位置ですが、偶然出会った女に惹かれる心情の揺れが実に巧みに伝わってきます。
草薙剛の按摩はやや大袈裟な感じもしますが、よくがんばりました。むしろ、感心したのは美千穂を演じたマイコです。「そうなんですの」「〜ですわね」など、おっとりとした昔ながらのていねいな日本語が実に堂に入っていました。往年の名女優の雰囲気を見事に体現していたと思います。橋の両側に男と女がそれぞれ立ち、その間をわざと知らぬ顔で按摩が通り過ぎてゆくカットの切なさ。女が男を追いかけ、川を渡す桟橋に按摩がひとり残された時の不安感。「お客様!」と土下座した按摩のやるせなさ。胸をわしづかみにされるのではなく、心のどこかをツンと突かれるような感傷が沸き起こるのです。日本を形容する時に、侘び寂びなどと言いますが、それは一体何を指すのかと思っていましたが、本作を見て初めて侘び寂び的なるものに触れたような、そんな気がしました。
リメイクではなく、カヴァーである、ということ。これは、オリジナルのすばらしさを現代に伝えたいという石井監督の強い意志に他なりません。このすばらしさを現代の良い音響、良い映像で観客に届けたい、と言うことでしょう。「椿」や「隠し砦」などの黒沢作品がリメイクされ、いかにも商業的な路線で公開されていることに比べると、この「山のあなた」は、オリジナルをそっくりそのままカヴァーです。しかも1000円という入場料。作品の静けさとは裏腹に、本作への取り組みは大いなるチャレンジだったのではないでしょうか。次は何がカヴァーされるのか。そんな期待感すら抱かされました。
投稿日
2009/10/22
レビュアー
ビンス※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
小鳥さえずる山の道。
トントコ、トントコ杖突いて。
二人の按摩の夜道旅。
降り注ぐ太陽は暖かく。
通り過ぎる子供たちは無邪気。
緑が疲れを癒してくれる。
それでも二人は夜道旅。
でも聴こえるよ、見えてもくる。
そのキレイさが見えてくる。
そんな気にさえしてくれる。
あーでもないし、こーでもない。
愉快な二人の夜道旅。
お宿で出会ったお客様。
都会の「かほり」のお客様。
肩を揉み揉み、胸がキュン。
恋の「かほり」にキュン、キュキュン。
恋の足音キュン、キュキュン。
寝ても覚めてもあなただけ。
寝ても覚めても夜だけど。
自然が美しいです。
な〜んにもない「あるがまま」の美しさに見惚れます。
のんびりしたお話で、特に何もないんだけど、時間がアっという間に過ぎ去りました。
94分という時間の短さのせいもあるでしょうが、自然の心地良さに囲まれてボヘ〜っとする気持ちよさがあります。
按摩さんたちの動きや、表情、仕草がユニークで(こう言っては失礼かもしれませんが)、特にツヨポンと加瀬さんが素晴らしい。
いちいち面白かったですね。
でも個人的な一番のツボは「ぼうず」の口癖。
ボクは遊びたいんだ。
一人じゃつまらないんだ。
おじゃんは寝てばっか。
チェッ!!
おばちゃん遊ぼうよ。
おばちゃん、おじちゃんとばっか話してる。
チェッ!!
按摩さん一緒に遊ぼうよ。
おばさん来たらダメじゃんよ。
チェッ!!
ボク、やだ〜ん。
帰りたくないよう。
ボク、やだ〜ん。
帰りたいよう。
ボク、やだ〜ん。
ボク、やだ〜ん。
・・・この「ボク、やだ〜ん」。
これが頭から離れない。
「やだ〜ん」のイントネーションが最高。
きっと徳さんも思ったんじゃないかな。
別れのラスト。
馬車で走り去る「東京から来た女」。
次第に遠くなる。
次第に小さくなる。
なのにどんどん大きくなる恋心。
「ボク、やだ〜ん。あなたと離れたくないよ・・・」
「カフーを待ちわびて」に続く連続「マイコ鑑賞」。
かわいさでは「カフー〜」に軍配。
それでもやっぱりステキだった。
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山のあなた 徳市の恋