アデルの恋の物語

ベルベットのように柔らかで滑らかな映像
イザベル・アジャーニの陶器のような顔の美しさ(当時１９歳)
父ヴィクトル・ユーゴー氏からの手紙を読み上げる声が
ひとつのリズムとなって　悲しく心に沁みこんできます。
「手紙の映画」とでもいえるでしょうか。
その文面は事実からひとり歩きをして悲しい。　

安泰な暮らしを捨て大西洋を渡ってまで　
ひとりの男性を追い求めるアデル。
若く才気に溢れ　感情に突っ走るアデルが
己の愛の強さゆえに傷つき果て　病んでいく作品です。

アデルを「結婚」に執着させたのは　なんだったのでしょう。
そこには姉の姿があるのでしょうか。
誰からも寵愛を受けた姉。
結婚、妊娠、そして最愛の人との死。
そこに自らの完全体を見つけてしまっているのです。

ピンソンへの絶対の愛。私にはピンソンその人でなくても
実は良かったのではないかという気がしてなりません。
ただ　そのタイミングにそこにいた。それだけなのかも、と。

えー・・・なんてゆーたらえーんやろ・・・もう、とにかくアデル（っつーかイザベル・アジャーニ）が凄いっす！まったく共感なんてせーへんし、どっちかゆーと不快感しか感じひんけど、もうただただコイツ（アデル）がどこまでイッテまうんやろ？っつー興味のみで最後まで魅せられてもーたって感じ・・・

『アデルの恋の物語』という作品自体は素晴らしい作品やとは言い難いけど・・・アデルを演じるイザベル・アジャーニは文句なしに素晴らしいんで、イザベルに興味のある人は観てみてもえーかも・・・

でも、ホンマに面白くは無いんやけどねｗ

個人的満足度　60点

これで１８歳ですかー。凄いです。演技もさることながらこの愛らしい美しさ！！「カミーユ・クローデル」のより本作のアジャーニのほうが好きです。

Ｆ・トリュフォー監督作は、いくつか見ましたが本作はシナリオが分りやすくて万人向けかと思います。

偉大なる父を持ち裕福な美しい娘アデル。しかし、アデルの想いは届かず・・恋は実らず・・破滅していく・・・

今で言うダメンズにハマッてしまった世間知らずのお嬢様ってとこかしら・・それとも一途なストーカー女でしょうか・・

ボロボロの服で町を徘徊してても美しいアデル。恋焦がれて自我を失ってもなお美しいアデル。きっとあの男と結婚できても夫婦生活は直ぐ破綻してたでしょうね。これで良かったのかも。
としか・・・感想がないです。だって自業自得だし、相手の男にも選ぶ権利はあるし。ぶっちゃけ！！　自己チュー女の物語なんだけど、それをエレガントな映画にしちゃう監督の力量とアジャーニの美貌に脱帽です。

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　何もかもが美しい、『アデルの恋の物語』。当時十八歳というイザベル・アジャーニの陶磁器のような肌、懊悩に歪む眉、クラシックな髪形とおでこ、強い意志のこもったブルーの眼、幼さ残る鼻、小さめでぽってりとして、口角が少し下がって、ほんの少し淫靡な唇。
　ネストール・アルメンドロスが見事に切り取った、室内や夜の街の美しさ。明るさを調節できるランプの黄色く淡い光。書店から見える雪景色。遠景で捉えられる夜の邸宅でのパーティ。
　クラシックなフェイドイン、アウトで物語はつむがれる。トリュフォーの演出はコスチュームプレイにふさわしく古典的でありながら、随所に抑制された稚気が映画を瑞々しいものにしている。前触れなくつながれるアデルの悪夢は禍々しく、不穏だ。あるいは男装したアデルの白い顔にどきりとする、墓場での逢瀬で目立つ不自然なつなぎは、ピンソンを前にしたアデルの高揚感と切迫感を豊かに表している。
　アデルの恋を、ストーカーとか自己愛とかいった、下卑た言葉でくくることは無意味だろう。だが、誰にもけして理解されず、理解を拒み、満たされぬ思いを紙片に書き続けずにはいられないアデルの心理のみなもとに、自分より父に愛されただろう姉の死、偉大すぎる父親の重圧を見ることはできるかもしれない。
　けれど、そんな原因・結果を離れて、アデルには、ただ愛だけがあるとしか思えない。ただ愛だけがある。リナさんが書かれているように、ピンソンなどどうでもよいのだ。アデルは切羽詰まって抑えきれない愛が溢れそうで、そのことを恥じない。どこまでも誇り高く、気高く、愛を掲げてやまない。その心のあり方がとても美しい。
　緑色の髪飾りをつけてハリファックスについたアデルは、汚れた赤いドレスでバルバドスを彷徨う。しかし、ラスト映画がリフレインするのは、白い（あるいは生なり）レースのクラシックなドレス（ウェディングドレスだろうか）姿のアデルが、アメリカへの旅立ちを前に、海岸に立つショットだ。映画がそれまで紡いできたアデルの愛、絶望、そして死ぬまでの50年の狂気をすべて背負って、アデルは海岸に立っている。とてつもなく美しいショットである。90点。

　今回は旧版ＤＶＤでの鑑賞でした。新版も実店舗ではすでにレンタルされているようなので、画質や色彩が上がっていればよいなと思います。『アデル』にはどうやらいくつかバージョンがあるようで、２時間近い版など、できればいつか観てみたいです。

アデルの時代の女たち。
彼女たちはどんなことを考え、どんな風に生きていたのだろう・・・
多くの裕福な娘たちは、親の望む結婚をし、家庭を築き
普通の幸せを手にしていくのでしょう。
逆に裕福でない娘は、あくせくと働き、日常に埋もれ
日々の暮らしに追われているのかもしれない。

そんな時代にアデルはあまりにも気高く、自立し、行動力も持ち
さりとて女性の社会進出の土台などできていない中で
自分の身をもてあましていたのかもしれませんね。
偉大すぎる父親のプレッシャーの下、
自分らしく生きるには愛に生きることしか
選択肢がなかったのかも・・・

はじめのうちは、正直、アデルの嘘つきで自分勝手な行動が鼻につき
アデルの事をあまり好きになれませんでした。
でも、そんな時代背景に思いを巡らせてみると
だんだんアデルのことがわかったような気がしてきます。

例えば現代・・・女性の幸せの選択肢の広がった世に生まれたならば
アデルもピンソンなどというろくでもない男のために
哀しい人生を送ることなどなかったかもしれません。

狂おしくも哀しい、美しい女の生き様・・・
イザベル・アジャーニの完璧なまでの美しさ、
見目麗しい古典的なドレスの数々が華を添え
見る人の心を捉えて離しません。