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夜顔 / ミシェル・ピコリ

夜顔 /マノエル・デ・オリヴェイラ

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DVD

旧作

お届け率:100%

解説・ストーリー

ポルトガルの巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督が、ルイス・ブニュエル監督の傑作「昼顔」にオマージュを捧げ、登場人物たちの38年後を描くシニカル人生ドラマ。主演は前作でも同じアンリ役を演じたミシェル・ピッコリ。一方、相手役のセヴリーヌには、カトリーヌ・ドヌーヴに代わりビュル・オジエが起用された。初老の紳士アンリは、パリのコンサート会場で、はるか昔の知人を発見する。それは、アンリのかつての友人の妻セヴリーヌだったが、彼女はアンリを避けるように足早にその場を立ち去ってしまう。しかし、アンリは諦めることなく彼女の居場所を探り出す。そして、ついに彼女をつかまえると、強引にディナーの約束を取り付けるが…。

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「夜顔」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

ポルトガルの巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督が、ルイス・ブニュエル監督の傑作「昼顔」にオマージュを捧げ、登場人物たちの38年後を描くシニカル人生ドラマ。主演は前作でも同じアンリ役を演じたミシェル・ピッコリ。一方、相手役のセヴリーヌには、カトリーヌ・ドヌーヴに代わりビュル・オジエが起用された。初老の紳士アンリは、パリのコンサート会場で、はるか昔の知人を発見する。それは、アンリのかつての友人の妻セヴリーヌだったが、彼女はアンリを避けるように足早にその場を立ち去ってしまう。しかし、アンリは諦めることなく彼女の居場所を探り出す。そして、ついに彼女をつかまえると、強引にディナーの約束を取り付けるが…。

「夜顔」 の作品情報

作品情報

製作年:

2006年

製作国:

ポルトガル/フランス

原題:

BELLE TOUJOURS

「夜顔」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!

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洋画・邦画

35,500
タイトル以上

国内ドラマも一部含まれております

国内・海外ドラマ

5,400
タイトル以上

アニメ

9,200
タイトル以上

R-18

210,000
タイトル以上

CD

250,000
タイトル以上

※2022年2月 現在のタイトル数

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1〜 5件 / 全16件

人生はミスト ネタバレ

投稿日:2008/09/02 レビュアー:裸足のラヴァース

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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いやミステリーですな 今年は百歳なのかしら 信じられないくらい ボクより絶対丈夫な駱駝の血を引いてるんじゃないかと思われる まあ来年は死んでるでしょう<おい ポルトガルの食えない爺マノエル・ド・オリヴェイラの超豪華な小品 人生の意味なんか映画で考える くそ真面目なキング=ダラボンとはまさに正反対以上の異色中の異色作 あ そこの奥様 「昼顔」予習したってはじまらんですよ

一応 ブニュエルの「昼顔」の後日談ってことになってるんですが あ 昼顔は変換しますが ヨルガオなんて変換しないよ いいかげんな題名じゃ 内容は昔チョイ悪おじさんのミシェル・ピコリが 悪さをした女性に何十年ぶりに再会して ちょっかいだして 振られちゃうだけのお話 人生の深遠なんか どこにあるんじゃい 「昼顔」の性の不思議なんかも解明されるわけではありません なんともノンシャランなもう一人の 爺ピコリが最高 こんなじいさんになりたいですねえ もうミシェル・ペコリって言いたいくらい<なんのこっちゃ 飄々として 近年は演技うんぬんのレベルをとっくに超えてしまった存在ですね そんな大人のシネマなんですよ しみじみなんかしやしません

まあフランス映画なんかを おっしゃれねえって 感じで見られるのはいやな感じなんですが このシネマは もうおしゃれ映画って言ったってかまわないでしょうね 突き抜けてますからね 何じゃこれって内容なんですが クライマックスは延々とホテルのディナーのシーンで そんなんで映画が出来てしまうのが驚異的なんです シンプルながらあらゆる映画製作のデリケートな諸問題をクリアーしてるんでしょうね オリヴェイラでなくては撮れない製作を許されないシネマでしょう

さてこれは銀座の映画館で鑑賞したのですが このホテルのシーンは蝋燭の元での個室のディナー 暗闇なんですよ 映画館の責任ではないんですが 画面四分の一くらいを占める字幕が この暗闇のデリケートな撮影・照明などを台無しにしてしまっています まあクリアーできない問題ですが DVDで字幕なしで見るって手になりますかね そのくらい実は凝ってるシネマなんですね 楽しめるかどうかわかりませんが 現代映画の最先端ですね



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★★★★★ ポケットに飴玉を見つけた ネタバレ

投稿日:2010/03/19 レビュアー:ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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ブニュエルの名作「昼顔」の後日談として、マノエル・デ・オリヴェイラが御年99歳で撮影したと言う、まさに爺さんによる爺さんの映画であります。妻の形見を捨てストイックな生き方を選んだ「扉をたたく人」のウォルターに比べたら、このユッソン、執着もりもりの好色爺です。さすが、おフランス。

かつて秘め事を共有した女との再会。会いたくない彼女を追いかけ回す。まあ、その浮き足だった様子と言ったら!まるで、ポケットに入れたまま忘れていた飴玉を見つけた子供のよう。こんなところにあったんだ。嬉々として口に入れる。しゃぶり尽くすのがもったいないから、また包みに入れてポケットに戻す。そして、時折手を差し込んでその存在を確認する。

もし、セヴリーヌをカトリーヌ・ドヌーブが演じていたら、この作品は全く様相を変えただでしょうね。おそらく、セブリーヌのその後にイマジネーションは膨らみ、男と女の駆け引きがクローズアップされたに違いないのです。でも、本作はあくまでもこの好色爺の胸の内を想像させることに終始しているのね。

したり顔で見知らぬバーテンダーに女の秘密を暴露する。それって、反則じゃない。爺さんのいやらしさ、しつこさが厳然として存在しているわけですが、そこを小粋に見せてしまうってのがオリヴェイラ監督の職人技。バーに入り浸るふたりの娼婦の存在が効いてますね。ようやく、セブリーヌをとっつかまえて約束を取り付けるシーンなんて、一体どこから撮影しているのでしょう?ってくらいのロングショットで、無音なの。ホント、この引いては寄せる、引いては寄せるという間がすばらしいのね。

私がセブリーヌでも、ワインを頭からひっかけてやるわ、こんなジジイ。立ち去るセブリーヌを見てほくそ笑むユッソン。今日の晩餐の思い出をまた飴玉代わりに取りだしてはしゃぶるのよね。セブリーヌは、パリを去るのかしら。そして、ユッソンは死ぬまでパリでセブリーヌの亡霊を探し続けるんでしょうね。

「昼顔」を見ていた方がいいのには違いないのだけれど、案外見ていなくても楽しめると思いますよ。老いぼれジジイがバーテンダー相手に昔話をして、昔の女と飯を食ったという、それだけの話なのに、老いた男の狡さ、醜さ、哀しさが見事に映し出せるんだってことにちょっと感動。

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いつも美しい人 ネタバレ

投稿日:2012/05/17 レビュアー:まみもぉ

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『昼顔』を観てからと、未見のままのマノエル・デ・オリヴェイラ作品。
新藤監督も100歳なられましたし、
こちらから先に逆さ上り鑑賞してみました。
『昼顔』と同じ登場人物の38年後。
38年後?ってそれだけでも オリヴィエラ!なのに、
同じ俳優さんが演じているところもすごい。
私的には『家路』で好印象のミッシェル・ピコリ。
『昼顔』の時、42歳だったわけです。
帽子にスーツ姿、体型もどことなくヒッチコック監督に似てます。
芳醇な薫りあふれる紳士。
お話しはさらに芳醇でした。
どこもかしこもオリヴェイラ。
『メフィストの誘い』で堪能した監督独特の黒と光。
アンリの”存在しない”話し、バーテンのように理解できる鑑賞者は少ないだろうと思いつつ、
マゾヒストの本質をお洒落に語るミッシェル・ピコリにうっとりの自身でした。

セヴリーヌと偶然であれ、ようやく話すことができた骨董屋の俯瞰シーン。
スバラシイ…!
喜んでいたら、もっとスバラシイ!なふたりの食事シーン。
あの長い沈黙。時々見せるビュル・オジエのネンキの入った微笑み。
蝋燭の明かりだけで話し始めてから、その蝋燭も燃え尽き、窓明かりの手前の向き合うふたり。オリヴェイラの黒。
あの箱に入っていたものは、明かりも答えも求めない暗闇に見えました。
席を立つビュル・オジエの美しいタイミングと姿をため息ついて見送っていたら、
現れた鶏。なんでそこに?…ひょっとしてこれ夢物語?老いたアンリの妄想?
そのアンリのアップから切り返された画面のそこに鶏はおらず、
そこで終わればあやふやな「?」のままであったでしょうが、
床に落ちたあれこれを片付けるボーイ達をそのまま映し続け、
立ち去った彼らのあと何事もなかったような部屋…

ほんとうに、何事もなかったのかもしれないし、
セヴリーヌのバッグをアンリは返し行ったのかもしれません。
洒落た余韻が残りました。

実在しない花ですが、
実を種子を結ばず完熟した昼顔が”夜顔”でしょうか。
原題は『Belle toujours』(いつも美しい人) ですから、
淫らな妄想、膨らむ妖艶な邦題です。


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愉しみました ネタバレ

投稿日:2008/11/09 レビュアー:よふかし

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 切迫した思いを掻き立てるようなドヴォルザークにのって、幕が開く。
 コンサートの客席にいるユッソン(ミシェル・ピコリ)がセヴリーヌ(ビュル・オジエ)に気がつく。
 曲が終わり指揮者が退場するまで舞台上を映し続けるカメラ。じりじりしてくると、再び客席のショット。ユッソンがひとり別方向を向いて拍手していて、可笑しくなる。
 セヴリーヌを見失ったユッソンの後ろで次々と扉が閉ざされ、灯りが消え、彼は孤独だ。
 バーのカウンターでルノワール(?)な裸婦像の強調された尻をチラリと見るユッソン。喉を鳴らしてウィスキーを流し込む。老いた身体は興奮している、過去の欲望がいまと結びついて、ちょいとこのカウンターの坊主を奇妙な話でからかってやろうか。鏡を使って対照的な二人の男を同時に収めるカット、二人の演技の息を飲む素晴らしさ。
 セヴリーヌはまるで見つけてほしいかのように、後ろ姿を見せては去っていく。機知のある構図、想像よりはるかにテンポの良い編集。喜劇のようなホテルでのドタバタが可笑しい(あのフロントマンはなぜああも無関心なのだろう)。
 またバーでウィスキーを飲むと、バーの青年は娼婦(この二人も実に可笑しい)を「天使」だという。一瞥して、「つまらない性」だと一蹴するユッソン。ほんとうの悦びは、もっと深く入り組んだ人間の奥底にあるのだよ、とでも教えたいのか、ユッソンがセブリーヌのエピソードを青年に語りかけると、驚いたことに非常な理解力を示し、「わかってしまう」青年。オリヴェイラはとても意地悪だ。鏡の構図ではなく、今度はひとり横から捉えられるユッソンの視線は焦点が定まらず、青年に圧倒されているようにも見える。
 彼の時間は過去のどこかで止まっている。過去をいつの間にか自分勝手に整理し、偶像化して、妄執を募らせる。
 ドアが開いて、明るい廊下に佇むセブリーヌのシルエット。ユッソンに同化して、やっと会えた、来てくれたと心が弾む。無言のディナーで、じりじりと緊張が高まる中、しゃべらないと人間て食べるの早いなあ、面と向かって食べるのは結構性的な行為だなあと頭によぎる。空虚な興奮を高ぶらせるユッソン、お付き合いしているに過ぎないというふうな、セヴリーヌ。流れている時間にうっとりとする。だから、ユッソンが電気を消して、画面外のセヴリーヌとついに対話を始めた瞬間の、なんとスリリングなことだろうか。
 蝋燭の灯りに半分照らされた顔で、『昼顔』の出来事についてそれぞれが語る。しかしそれはもはや事実を語るというより、分かりやすく整理され、修正されている。つまり、解釈でしかない。実に空虚な対話なのである。いや対話ですらないのかもしれない。
欲望がみっしり詰まっていたブニュエルの小箱と違って、空虚なオリヴェイラの謎の小箱には何も入っていないのではないだろうか。自分はかつてのように生き生きと欲情したいと切望する老いた抜け殻のような男、そのような男の姿を、優雅に、美しく、ユーモアを湛えて描き出した本作はほんとうに素晴らしい。90点。

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蝋燭の火

投稿日:2009/07/26 レビュアー:ひきむすび

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ユーザーレビュー

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人生はミスト

投稿日

2008/09/02

レビュアー

裸足のラヴァース

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いやミステリーですな 今年は百歳なのかしら 信じられないくらい ボクより絶対丈夫な駱駝の血を引いてるんじゃないかと思われる まあ来年は死んでるでしょう<おい ポルトガルの食えない爺マノエル・ド・オリヴェイラの超豪華な小品 人生の意味なんか映画で考える くそ真面目なキング=ダラボンとはまさに正反対以上の異色中の異色作 あ そこの奥様 「昼顔」予習したってはじまらんですよ

一応 ブニュエルの「昼顔」の後日談ってことになってるんですが あ 昼顔は変換しますが ヨルガオなんて変換しないよ いいかげんな題名じゃ 内容は昔チョイ悪おじさんのミシェル・ピコリが 悪さをした女性に何十年ぶりに再会して ちょっかいだして 振られちゃうだけのお話 人生の深遠なんか どこにあるんじゃい 「昼顔」の性の不思議なんかも解明されるわけではありません なんともノンシャランなもう一人の 爺ピコリが最高 こんなじいさんになりたいですねえ もうミシェル・ペコリって言いたいくらい<なんのこっちゃ 飄々として 近年は演技うんぬんのレベルをとっくに超えてしまった存在ですね そんな大人のシネマなんですよ しみじみなんかしやしません

まあフランス映画なんかを おっしゃれねえって 感じで見られるのはいやな感じなんですが このシネマは もうおしゃれ映画って言ったってかまわないでしょうね 突き抜けてますからね 何じゃこれって内容なんですが クライマックスは延々とホテルのディナーのシーンで そんなんで映画が出来てしまうのが驚異的なんです シンプルながらあらゆる映画製作のデリケートな諸問題をクリアーしてるんでしょうね オリヴェイラでなくては撮れない製作を許されないシネマでしょう

さてこれは銀座の映画館で鑑賞したのですが このホテルのシーンは蝋燭の元での個室のディナー 暗闇なんですよ 映画館の責任ではないんですが 画面四分の一くらいを占める字幕が この暗闇のデリケートな撮影・照明などを台無しにしてしまっています まあクリアーできない問題ですが DVDで字幕なしで見るって手になりますかね そのくらい実は凝ってるシネマなんですね 楽しめるかどうかわかりませんが 現代映画の最先端ですね



★★★★★ ポケットに飴玉を見つけた

投稿日

2010/03/19

レビュアー

ガラリーナ

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ブニュエルの名作「昼顔」の後日談として、マノエル・デ・オリヴェイラが御年99歳で撮影したと言う、まさに爺さんによる爺さんの映画であります。妻の形見を捨てストイックな生き方を選んだ「扉をたたく人」のウォルターに比べたら、このユッソン、執着もりもりの好色爺です。さすが、おフランス。

かつて秘め事を共有した女との再会。会いたくない彼女を追いかけ回す。まあ、その浮き足だった様子と言ったら!まるで、ポケットに入れたまま忘れていた飴玉を見つけた子供のよう。こんなところにあったんだ。嬉々として口に入れる。しゃぶり尽くすのがもったいないから、また包みに入れてポケットに戻す。そして、時折手を差し込んでその存在を確認する。

もし、セヴリーヌをカトリーヌ・ドヌーブが演じていたら、この作品は全く様相を変えただでしょうね。おそらく、セブリーヌのその後にイマジネーションは膨らみ、男と女の駆け引きがクローズアップされたに違いないのです。でも、本作はあくまでもこの好色爺の胸の内を想像させることに終始しているのね。

したり顔で見知らぬバーテンダーに女の秘密を暴露する。それって、反則じゃない。爺さんのいやらしさ、しつこさが厳然として存在しているわけですが、そこを小粋に見せてしまうってのがオリヴェイラ監督の職人技。バーに入り浸るふたりの娼婦の存在が効いてますね。ようやく、セブリーヌをとっつかまえて約束を取り付けるシーンなんて、一体どこから撮影しているのでしょう?ってくらいのロングショットで、無音なの。ホント、この引いては寄せる、引いては寄せるという間がすばらしいのね。

私がセブリーヌでも、ワインを頭からひっかけてやるわ、こんなジジイ。立ち去るセブリーヌを見てほくそ笑むユッソン。今日の晩餐の思い出をまた飴玉代わりに取りだしてはしゃぶるのよね。セブリーヌは、パリを去るのかしら。そして、ユッソンは死ぬまでパリでセブリーヌの亡霊を探し続けるんでしょうね。

「昼顔」を見ていた方がいいのには違いないのだけれど、案外見ていなくても楽しめると思いますよ。老いぼれジジイがバーテンダー相手に昔話をして、昔の女と飯を食ったという、それだけの話なのに、老いた男の狡さ、醜さ、哀しさが見事に映し出せるんだってことにちょっと感動。

いつも美しい人

投稿日

2012/05/17

レビュアー

まみもぉ

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『昼顔』を観てからと、未見のままのマノエル・デ・オリヴェイラ作品。
新藤監督も100歳なられましたし、
こちらから先に逆さ上り鑑賞してみました。
『昼顔』と同じ登場人物の38年後。
38年後?ってそれだけでも オリヴィエラ!なのに、
同じ俳優さんが演じているところもすごい。
私的には『家路』で好印象のミッシェル・ピコリ。
『昼顔』の時、42歳だったわけです。
帽子にスーツ姿、体型もどことなくヒッチコック監督に似てます。
芳醇な薫りあふれる紳士。
お話しはさらに芳醇でした。
どこもかしこもオリヴェイラ。
『メフィストの誘い』で堪能した監督独特の黒と光。
アンリの”存在しない”話し、バーテンのように理解できる鑑賞者は少ないだろうと思いつつ、
マゾヒストの本質をお洒落に語るミッシェル・ピコリにうっとりの自身でした。

セヴリーヌと偶然であれ、ようやく話すことができた骨董屋の俯瞰シーン。
スバラシイ…!
喜んでいたら、もっとスバラシイ!なふたりの食事シーン。
あの長い沈黙。時々見せるビュル・オジエのネンキの入った微笑み。
蝋燭の明かりだけで話し始めてから、その蝋燭も燃え尽き、窓明かりの手前の向き合うふたり。オリヴェイラの黒。
あの箱に入っていたものは、明かりも答えも求めない暗闇に見えました。
席を立つビュル・オジエの美しいタイミングと姿をため息ついて見送っていたら、
現れた鶏。なんでそこに?…ひょっとしてこれ夢物語?老いたアンリの妄想?
そのアンリのアップから切り返された画面のそこに鶏はおらず、
そこで終わればあやふやな「?」のままであったでしょうが、
床に落ちたあれこれを片付けるボーイ達をそのまま映し続け、
立ち去った彼らのあと何事もなかったような部屋…

ほんとうに、何事もなかったのかもしれないし、
セヴリーヌのバッグをアンリは返し行ったのかもしれません。
洒落た余韻が残りました。

実在しない花ですが、
実を種子を結ばず完熟した昼顔が”夜顔”でしょうか。
原題は『Belle toujours』(いつも美しい人) ですから、
淫らな妄想、膨らむ妖艶な邦題です。


愉しみました

投稿日

2008/11/09

レビュアー

よふかし

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 切迫した思いを掻き立てるようなドヴォルザークにのって、幕が開く。
 コンサートの客席にいるユッソン(ミシェル・ピコリ)がセヴリーヌ(ビュル・オジエ)に気がつく。
 曲が終わり指揮者が退場するまで舞台上を映し続けるカメラ。じりじりしてくると、再び客席のショット。ユッソンがひとり別方向を向いて拍手していて、可笑しくなる。
 セヴリーヌを見失ったユッソンの後ろで次々と扉が閉ざされ、灯りが消え、彼は孤独だ。
 バーのカウンターでルノワール(?)な裸婦像の強調された尻をチラリと見るユッソン。喉を鳴らしてウィスキーを流し込む。老いた身体は興奮している、過去の欲望がいまと結びついて、ちょいとこのカウンターの坊主を奇妙な話でからかってやろうか。鏡を使って対照的な二人の男を同時に収めるカット、二人の演技の息を飲む素晴らしさ。
 セヴリーヌはまるで見つけてほしいかのように、後ろ姿を見せては去っていく。機知のある構図、想像よりはるかにテンポの良い編集。喜劇のようなホテルでのドタバタが可笑しい(あのフロントマンはなぜああも無関心なのだろう)。
 またバーでウィスキーを飲むと、バーの青年は娼婦(この二人も実に可笑しい)を「天使」だという。一瞥して、「つまらない性」だと一蹴するユッソン。ほんとうの悦びは、もっと深く入り組んだ人間の奥底にあるのだよ、とでも教えたいのか、ユッソンがセブリーヌのエピソードを青年に語りかけると、驚いたことに非常な理解力を示し、「わかってしまう」青年。オリヴェイラはとても意地悪だ。鏡の構図ではなく、今度はひとり横から捉えられるユッソンの視線は焦点が定まらず、青年に圧倒されているようにも見える。
 彼の時間は過去のどこかで止まっている。過去をいつの間にか自分勝手に整理し、偶像化して、妄執を募らせる。
 ドアが開いて、明るい廊下に佇むセブリーヌのシルエット。ユッソンに同化して、やっと会えた、来てくれたと心が弾む。無言のディナーで、じりじりと緊張が高まる中、しゃべらないと人間て食べるの早いなあ、面と向かって食べるのは結構性的な行為だなあと頭によぎる。空虚な興奮を高ぶらせるユッソン、お付き合いしているに過ぎないというふうな、セヴリーヌ。流れている時間にうっとりとする。だから、ユッソンが電気を消して、画面外のセヴリーヌとついに対話を始めた瞬間の、なんとスリリングなことだろうか。
 蝋燭の灯りに半分照らされた顔で、『昼顔』の出来事についてそれぞれが語る。しかしそれはもはや事実を語るというより、分かりやすく整理され、修正されている。つまり、解釈でしかない。実に空虚な対話なのである。いや対話ですらないのかもしれない。
欲望がみっしり詰まっていたブニュエルの小箱と違って、空虚なオリヴェイラの謎の小箱には何も入っていないのではないだろうか。自分はかつてのように生き生きと欲情したいと切望する老いた抜け殻のような男、そのような男の姿を、優雅に、美しく、ユーモアを湛えて描き出した本作はほんとうに素晴らしい。90点。

蝋燭の火

投稿日

2009/07/26

レビュアー

ひきむすび

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