4ヶ月、3週と2日

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4ヶ月、3週と2日 / アナマリア・マリンカ

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映画賞受賞作品

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「4ヶ月、3週と2日」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

チャウシェスク政権下のルーマニアを舞台に、法律で禁じられた中絶に臨む一人の女子学生と、それを犠牲的なまでの思いやりで手助けするルームメイトが送る辛く長い一日の出来事をリアルかつ緊張感に満ちたタッチで描き出した衝撃のドラマ。2007年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。1987年。官僚主義がはびこり、人々の自由が極端に制限されていたチャウシェスク独裁政権末期のルーマニア。大学生のオティリアは、望まない妊娠をした寮のルームメイト、ガビツァから、違法中絶の手助けを頼まれる。手術当日、恋人からお金を借り、それを持ってガビツァが手配したはずのホテルへと向かうオティリアだったが…。

「4ヶ月、3週と2日」 の作品情報

作品情報

製作年: 2007年
製作国: ルーマニア
原題: 4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE/4 MONTHS, 
受賞記録: 2007年 カンヌ国際映画祭 パルム・ドール
2007年 LA批評家協会賞 外国映画賞

「4ヶ月、3週と2日」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全120件

イントロ読まないほうがサスペンスを楽しめます。 ネタバレ

投稿日:2008/10/13 レビュアー:JUCE

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 前半はかなりサスペンスフルな展開です。ルームメイトで親友の二人の女性が何らかの問題を抱えている様子が伺えるのですが、その原因が明かされるまでにはかなり先の話であり、彼女達の口から説明されることもありません。ただただかなり深刻なトラブルに巻き込まれていることだけは彼女達の緊迫感から伝わってきます。
 DISCASのイントロダクションではすでにここの部分がネタバレしてしまっています。出来れば何も知らない方が彼女達の緊迫感が強く感じられるのではないかと思います。
 

 (ココからイントロダクションにある程度のネタバレ)

 彼女達を悩ましている問題とは主人公オティリアのルームメイト、ガビツァの妊娠。そのためルーマニアでは当時違法である中絶を闇業者に依頼することから始まった、オティリアにとって災難となった一日の話です。
 説明の多くない映画なので知識が無いとちょっと疑問符が付くのですが、当時のルーマニアでは中絶をすることも違法であれば、避妊することさえも禁じられていたそうです。

 この物語は何かの善悪を判断する映画ではありません。例えば中絶の是非や当時のルーマニアの政治、あるいは婚前のセックスこれらの事柄が云々ということは語られていません。あくまでも窮地に立った友人の為に、それこそ身を挺して友人を助けようとする主人公オティリアの一日を描写した作品です。

 道徳的価値観の提示を求めてこの映画を観ると肩透かしをくらいます。あくまで当時のルーマニアをある女性の一日を追うことで再現する時代の語り部的な作品なのです。


 演出的なところで言うと基本的には手持ちの映像(全部かな)で、主人公オティリアに寄り添って見つめる視線のようなキャメラです。彼女を中心に据えた目線なのでそれ以外の人物には面白い割り切りをします。例えばオティリアがボーイフレンドの母親のバースデーパーーティーに招かれたシーン。食卓を囲っての会話がオティリアとボーイフレンドを中心に据え、長回しで会話が取られているのですが、左右は見切れた状態でそこから会話がやり取りされるというような、かなり大胆というか普通では考えられないカットがあったりします。ラストシーンではその視線はガラス越しにオティリアとガビツァを見守っています。ホテルの内側から映さないのはキャメラの客観性の主張のように感じました。
 そして最後にオティリアはその見守る視線に気付いたのでしょうか?チラッとカメラの方へ視線を向けます。その一瞬の視線にその一日で彼女が体験が凝縮されているかのような瞬間でした。

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女性にとっては 辛い映画 ネタバレ

投稿日:2008/09/21 レビュアー:ミルクチョコ

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「4ヶ月3週と2日」というタイトル。
多分母子手帳を貰ったことのある方なら、ピーンと来るかもしれませんね。
しかし、何ヶ月とはあまり言わないかもしれませんが・・・
普通は40週で赤ちゃんが産まれてくるのだと思います。
男性にこのタイトルは「どうだ 分かりますまい!」と言いたいところですが、最近の男性も出産準備教室とか通って、女性より詳しい人が沢山いますからねぇ〜。

ホテルに入るまで、何が起こるのか分からないままに、進んでいくのが面白いと言えば面白いです。
オープニングから、彼女達の行動は謎に包まれ、観客に何をしようとしているのか分からず、不安感が募ります。

とまどい、混乱している主人公の心情にピッタリと寄り添い、このカメラは、まるで彼女の息遣いのようです。
観客はカメラと共に、感情移入してしまい、同時に恐怖感までも一緒に味わう羽目になってしまいます。

人々の自由が極端に制限されていたチャウシェスク政権末期のルーマニアを舞台に、友人の手術を手助けする女性の1日をスリリングに描いています。
当時の人々は、大増進政策とかで、堕胎はもちろん、避妊すら許されない中、親が育てきれない子供で、孤児院が溢れる状況下で弱い女性同士の絆があったのかもしれません。

ああいうどうしようもないルームメイトに振り回されてしまい、ついつい面倒をみてしまうオティリアは、彼女にも同様の不安があり、お互いを援助したいのでしょうか?
無神経な家族とその親戚に傷つき、身勝手なボーイフレンドに憤りを感じ、さらには人の弱みに付け込む、狡猾な男と、ますますドツボに嵌まる展開で、主人公に寄り添った視点で観てしまいました。

まるで、ドキュメンタリーを観ているようで、生々しく、痛々しさと腹立たしさなど、複数の感情がせめぎあい、観ているだけで消耗してしまいました。
中絶の是非を問うことや、独裁政権を糾弾するなどせずに、その時代の雰囲気だけで、観客各自に自発的な問題意識を投げかけたのでしょうか?
より現実感が感じられましたが、それを通り越して、むしろ怒りを感じてしまいました。


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誰も助けてくれない ネタバレ

投稿日:2008/09/12 レビュアー:パープルローズ

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1987年チャウシェスク政権末期のルーマニアで、ルームメイトの中絶に手を貸す女子学生のお話。

私は28歳で子供を産んで、その後もうひとり産むべきかどうか一応悩んでいたのですが、結局ひとりしか産みませんでした。35になったときに、「もう産まなくていいんだ!!」と思った記憶があります。
ところが、チャウシェスク政権のルーマニアでは、女性は45歳になるまで、または4人生むまでは避妊、中絶は一切禁止だったそうです。

状況説明はほとんどなく物語が始まり、オティリアとガビツァがどのような暮らしをしているのか、どちらが中絶する方でどちらが手を貸す方なのか、始めはわかりにくいです。彼女たちが学生であり、寮生活を送っていること、日用品が不足していることが次第に明らかになってきます。あまり知ることのなかった当時のルーマニアの様子が興味深いです。

さて中絶を受ける方のガビツァは、手術を受けるのは自分だという意識が欠落しているのか、単にバカなのか、いい加減な段取りをしていたり、その場しのぎの適当な嘘をついたりと、オッテリアに迷惑をかけてばかり。 冒頭のシーンでは、ビニール製のテーブルクロスをたたんでしまったり、またテーブルにもどしたりしてるのですが、結局ホテルには忘れてきてしまい、そのへんにあったビニール袋を使うことになってしまう、そんな女です。
たいして仲がよいとも思えないこんなルームメイトのために、オティリアはなぜここまでするのか?
ホテルの予約と金策に奔走し、中絶手術をするあやしげな医者に自分の身を投げ出し、果ては胎児の始末まで。普通の状況ならこんなことはしません。

だけど、オティリアにとってガビツァの姿は明日の自分の姿なのでしょう。ベッドに横たわリ、足を広げて、怪しげな手術を受ける友人の姿は明日の自分の姿かもしれないと言う恐怖。

ガビツァの中絶を見届けたあと、恋人の母親の誕生パーティに参加させられるオッテリアだが、そこで繰り広げられるお気楽な会話。
恋人に「もし私が妊娠したらどうするの??」と問いかけるのですが、いい加減な答えしかかえって来ません。
オッテリアは一言、「ガビツァに助けてもらうわよ。」と言い放つ。
あのバカな友人が助けてくれるとはとても思えないけど、それでも女は女同士結束するしかない。
胎児の始末をするべく、街をさまよう主人公の姿に、体制や時代に対するとてつもない怒りを感じました。

監督はチャウシェスク政権崩壊当時、学生だったそうで、多感な時期にこんな話をたくさん見聞きしてるんでしょう。
こうやってたくさん生まれて捨てられた孤児の話や、エイズのこと。まだまだ語るべき物語がたくさんありそうで、これからが楽しみです。

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サスペンスフルな秀作 ネタバレ

投稿日:2008/08/03 レビュアー:よふかし

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 映画が大学女子寮の朝の風景から始まったとき、すべての手はずは整っている。あれこれ悩む時間はすでに終わっていて、行動を開始する朝だ。そしてすべてが終わる夜までの、ふたりの若い女性の長い闘いの一日。サスペンスフルな秀作だ。
 望まない妊娠をしてしまったルームメイト・ガビツァのために、違法な闇中絶の手助けをして走るオティリア。映画は過去の経緯や葛藤については多弁ではなく、したがって中絶の是非を問うこともなく、ただ、孤独な彼女たちがこの難事を成し遂げられるかどうかだけを描く。
 彼女たちを孤独な闘いに追い込んでいるのは、87年というから崩壊2年前のチャウシェスク独裁政権の管理・監視社会である。労働力強化のために女性は最低3人生むよう奨励され、職場に妊娠チェック係がいたり、避妊は禁止、違法中絶には厳しい懲罰が課せられていたという(パンフレットより)。また、あからさまな秘密警察の姿こそ見えないものの、ホテルのフロントなどで何度となく繰り返されるIDチェックは、もちろんここが自由な行動が著しく制限された息苦しい監視社会であることを示すのだが、同時に、酔った係官の目に浮かぶ性的な欲望や、無遠慮に向けられる侮蔑の眼差しが、この社会が決定的に腐敗していることをも端的に表して興味深い。
 もうひとつ、彼女らを追い込んでいるものの正体が垣間見えるのは、オティリアがやむを得ず訪ねた恋人の家でのホームパーティの場面である。身内だけでの集まりでは、次第に体制批判ともとれる酔言も聞かれるのだが、同時にこの物言えぬ社会の水面下で温存され続けている家父長的な家族観・女性観が顔を出す。またどうやら社会的に異なる集団・階層の間には強烈な差別意識も存在する気配も見てとれる。これらが障害となって、オティリアは恋人に助けを求めることができないばかりか、彼に不信感を抱いて孤独なのだ。

 妊娠したガビツァが様々な手はずを適当にしていたことが原因となり、計画は変更を余儀なくされ、オティリアも大きな犠牲を払わざるを得ない。すべてオティリアに寄りかかりながらウソを重ね、そのことを反省しもしないガビツァに、イライラする人はきっと少なくないと想像する。なぜこんな女のためにそこまで献身的なのかと疑問にも思うが、追い込まれて孤独な彼女たちには、互いしかいないのだ。そして、ラストシーンで見せる驚くべきしたたかさを見れば、単なるバカ女と切り捨てられない生命力をガビツァに感じてしまうのも確かである。
 きちんと固定しているわけではないと感じたが、極力カメラを動かさないように我慢して、ジリジリと緊張を高める長いカット――先述したホーム・パーティや、中絶の処置シーン、その直後のオティリアのプロフィールを捉えた執拗な長回しなど――が印象的だ。その一方で、夜の道で唐突に走り出してオティリアを追跡するブレブレのカメラはホラー映画のようですらあって、無機的な夜の街、無個性な団地群をあたかも迷宮のようにとらえる。
 観終わった後、さまざまな思いが交錯する魅力的な作品。75点。

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孤立無援、泣いてなんかいられない。 ネタバレ

投稿日:2008/09/12 レビュアー:

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4ヶ月、3週と2日、って もう5ヶ月に近いんじゃないの?

細い声で話し、か弱い女だからと いつも誰かになんとかしてもらい
後先考えずにその場その場を小さな嘘で乗り切り、
その実、根はかなり図太い・・・
こういうバカ女、けっこう普通にいる。

こんなバカな友達のためでも、いったん手助けしたら途中で放り出すことはできない。
特に強い友情や固い絆で結ばれているわけでもないが
他に頼る者のない者同士、お互い身を寄せ合うしかない。
手続きにうるさい無愛想なホテルのフロントや
にやついていやらしい視線を送る男達、真っ暗な街並、
ここは不自由で女の生きにくい国なのだ。
誰も頼れず、助けも求めず、
ヒロインは水の音で嗚咽を消して、涙も見せず必死に闘う。
あるいは、あの水は全て流し去りたい彼女の想いの表れか。

仕方なく訪ねた恋人の家族のホームパーティーのシーンは胸が痛い。
女友達はホテルのベッドで血まみれになっているかもしれない
救急車が来て大騒動になっているかもしれない
なにより、今日自分の身に起きた辛い出来事のために心がぱっくり割れて血を流している。
そんな状況で、恋人の両親とその友人達が退屈で賑やかな、
無遠慮でカンにさわる不愉快なおしゃべりを繰り広げる食卓。
苦痛な時間を無為に過ごすヒロインの描写が秀逸だ。

ようやくその席を逃れて恋人と二人きりになっても
ヒロインは恋人の胸で泣く気にもなれない。
彼は、救いを求められるほど信用できる相手ではない。
きっと彼は、彼女が助けが必要なときに、その手を振り払って世間体や両親の信頼を失わずに済む道を選ぶということに、彼女は気付いてしまった。

また、他人の胎児の捨て場を求めて真っ暗な街を彷徨うシーンは
一人の味方もいない、行き場のないヒロインの気の毒なほどの不安が伝わってくる。

借金をし、身を投げ出し、恋人に嫌気がさし、暗い街を彷徨い、
彼女は辛い一日をどうにかこうにか乗り切った。
願わくば、もうちょっと心許せる女友達を見つけようよ。

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4ヶ月、3週と2日

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2008/10/13

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JUCE

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 前半はかなりサスペンスフルな展開です。ルームメイトで親友の二人の女性が何らかの問題を抱えている様子が伺えるのですが、その原因が明かされるまでにはかなり先の話であり、彼女達の口から説明されることもありません。ただただかなり深刻なトラブルに巻き込まれていることだけは彼女達の緊迫感から伝わってきます。
 DISCASのイントロダクションではすでにここの部分がネタバレしてしまっています。出来れば何も知らない方が彼女達の緊迫感が強く感じられるのではないかと思います。
 

 (ココからイントロダクションにある程度のネタバレ)

 彼女達を悩ましている問題とは主人公オティリアのルームメイト、ガビツァの妊娠。そのためルーマニアでは当時違法である中絶を闇業者に依頼することから始まった、オティリアにとって災難となった一日の話です。
 説明の多くない映画なので知識が無いとちょっと疑問符が付くのですが、当時のルーマニアでは中絶をすることも違法であれば、避妊することさえも禁じられていたそうです。

 この物語は何かの善悪を判断する映画ではありません。例えば中絶の是非や当時のルーマニアの政治、あるいは婚前のセックスこれらの事柄が云々ということは語られていません。あくまでも窮地に立った友人の為に、それこそ身を挺して友人を助けようとする主人公オティリアの一日を描写した作品です。

 道徳的価値観の提示を求めてこの映画を観ると肩透かしをくらいます。あくまで当時のルーマニアをある女性の一日を追うことで再現する時代の語り部的な作品なのです。


 演出的なところで言うと基本的には手持ちの映像(全部かな)で、主人公オティリアに寄り添って見つめる視線のようなキャメラです。彼女を中心に据えた目線なのでそれ以外の人物には面白い割り切りをします。例えばオティリアがボーイフレンドの母親のバースデーパーーティーに招かれたシーン。食卓を囲っての会話がオティリアとボーイフレンドを中心に据え、長回しで会話が取られているのですが、左右は見切れた状態でそこから会話がやり取りされるというような、かなり大胆というか普通では考えられないカットがあったりします。ラストシーンではその視線はガラス越しにオティリアとガビツァを見守っています。ホテルの内側から映さないのはキャメラの客観性の主張のように感じました。
 そして最後にオティリアはその見守る視線に気付いたのでしょうか?チラッとカメラの方へ視線を向けます。その一瞬の視線にその一日で彼女が体験が凝縮されているかのような瞬間でした。

女性にとっては 辛い映画

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2008/09/21

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ミルクチョコ

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「4ヶ月3週と2日」というタイトル。
多分母子手帳を貰ったことのある方なら、ピーンと来るかもしれませんね。
しかし、何ヶ月とはあまり言わないかもしれませんが・・・
普通は40週で赤ちゃんが産まれてくるのだと思います。
男性にこのタイトルは「どうだ 分かりますまい!」と言いたいところですが、最近の男性も出産準備教室とか通って、女性より詳しい人が沢山いますからねぇ〜。

ホテルに入るまで、何が起こるのか分からないままに、進んでいくのが面白いと言えば面白いです。
オープニングから、彼女達の行動は謎に包まれ、観客に何をしようとしているのか分からず、不安感が募ります。

とまどい、混乱している主人公の心情にピッタリと寄り添い、このカメラは、まるで彼女の息遣いのようです。
観客はカメラと共に、感情移入してしまい、同時に恐怖感までも一緒に味わう羽目になってしまいます。

人々の自由が極端に制限されていたチャウシェスク政権末期のルーマニアを舞台に、友人の手術を手助けする女性の1日をスリリングに描いています。
当時の人々は、大増進政策とかで、堕胎はもちろん、避妊すら許されない中、親が育てきれない子供で、孤児院が溢れる状況下で弱い女性同士の絆があったのかもしれません。

ああいうどうしようもないルームメイトに振り回されてしまい、ついつい面倒をみてしまうオティリアは、彼女にも同様の不安があり、お互いを援助したいのでしょうか?
無神経な家族とその親戚に傷つき、身勝手なボーイフレンドに憤りを感じ、さらには人の弱みに付け込む、狡猾な男と、ますますドツボに嵌まる展開で、主人公に寄り添った視点で観てしまいました。

まるで、ドキュメンタリーを観ているようで、生々しく、痛々しさと腹立たしさなど、複数の感情がせめぎあい、観ているだけで消耗してしまいました。
中絶の是非を問うことや、独裁政権を糾弾するなどせずに、その時代の雰囲気だけで、観客各自に自発的な問題意識を投げかけたのでしょうか?
より現実感が感じられましたが、それを通り越して、むしろ怒りを感じてしまいました。


誰も助けてくれない

投稿日

2008/09/12

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パープルローズ

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1987年チャウシェスク政権末期のルーマニアで、ルームメイトの中絶に手を貸す女子学生のお話。

私は28歳で子供を産んで、その後もうひとり産むべきかどうか一応悩んでいたのですが、結局ひとりしか産みませんでした。35になったときに、「もう産まなくていいんだ!!」と思った記憶があります。
ところが、チャウシェスク政権のルーマニアでは、女性は45歳になるまで、または4人生むまでは避妊、中絶は一切禁止だったそうです。

状況説明はほとんどなく物語が始まり、オティリアとガビツァがどのような暮らしをしているのか、どちらが中絶する方でどちらが手を貸す方なのか、始めはわかりにくいです。彼女たちが学生であり、寮生活を送っていること、日用品が不足していることが次第に明らかになってきます。あまり知ることのなかった当時のルーマニアの様子が興味深いです。

さて中絶を受ける方のガビツァは、手術を受けるのは自分だという意識が欠落しているのか、単にバカなのか、いい加減な段取りをしていたり、その場しのぎの適当な嘘をついたりと、オッテリアに迷惑をかけてばかり。 冒頭のシーンでは、ビニール製のテーブルクロスをたたんでしまったり、またテーブルにもどしたりしてるのですが、結局ホテルには忘れてきてしまい、そのへんにあったビニール袋を使うことになってしまう、そんな女です。
たいして仲がよいとも思えないこんなルームメイトのために、オティリアはなぜここまでするのか?
ホテルの予約と金策に奔走し、中絶手術をするあやしげな医者に自分の身を投げ出し、果ては胎児の始末まで。普通の状況ならこんなことはしません。

だけど、オティリアにとってガビツァの姿は明日の自分の姿なのでしょう。ベッドに横たわリ、足を広げて、怪しげな手術を受ける友人の姿は明日の自分の姿かもしれないと言う恐怖。

ガビツァの中絶を見届けたあと、恋人の母親の誕生パーティに参加させられるオッテリアだが、そこで繰り広げられるお気楽な会話。
恋人に「もし私が妊娠したらどうするの??」と問いかけるのですが、いい加減な答えしかかえって来ません。
オッテリアは一言、「ガビツァに助けてもらうわよ。」と言い放つ。
あのバカな友人が助けてくれるとはとても思えないけど、それでも女は女同士結束するしかない。
胎児の始末をするべく、街をさまよう主人公の姿に、体制や時代に対するとてつもない怒りを感じました。

監督はチャウシェスク政権崩壊当時、学生だったそうで、多感な時期にこんな話をたくさん見聞きしてるんでしょう。
こうやってたくさん生まれて捨てられた孤児の話や、エイズのこと。まだまだ語るべき物語がたくさんありそうで、これからが楽しみです。

サスペンスフルな秀作

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2008/08/03

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よふかし

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 映画が大学女子寮の朝の風景から始まったとき、すべての手はずは整っている。あれこれ悩む時間はすでに終わっていて、行動を開始する朝だ。そしてすべてが終わる夜までの、ふたりの若い女性の長い闘いの一日。サスペンスフルな秀作だ。
 望まない妊娠をしてしまったルームメイト・ガビツァのために、違法な闇中絶の手助けをして走るオティリア。映画は過去の経緯や葛藤については多弁ではなく、したがって中絶の是非を問うこともなく、ただ、孤独な彼女たちがこの難事を成し遂げられるかどうかだけを描く。
 彼女たちを孤独な闘いに追い込んでいるのは、87年というから崩壊2年前のチャウシェスク独裁政権の管理・監視社会である。労働力強化のために女性は最低3人生むよう奨励され、職場に妊娠チェック係がいたり、避妊は禁止、違法中絶には厳しい懲罰が課せられていたという(パンフレットより)。また、あからさまな秘密警察の姿こそ見えないものの、ホテルのフロントなどで何度となく繰り返されるIDチェックは、もちろんここが自由な行動が著しく制限された息苦しい監視社会であることを示すのだが、同時に、酔った係官の目に浮かぶ性的な欲望や、無遠慮に向けられる侮蔑の眼差しが、この社会が決定的に腐敗していることをも端的に表して興味深い。
 もうひとつ、彼女らを追い込んでいるものの正体が垣間見えるのは、オティリアがやむを得ず訪ねた恋人の家でのホームパーティの場面である。身内だけでの集まりでは、次第に体制批判ともとれる酔言も聞かれるのだが、同時にこの物言えぬ社会の水面下で温存され続けている家父長的な家族観・女性観が顔を出す。またどうやら社会的に異なる集団・階層の間には強烈な差別意識も存在する気配も見てとれる。これらが障害となって、オティリアは恋人に助けを求めることができないばかりか、彼に不信感を抱いて孤独なのだ。

 妊娠したガビツァが様々な手はずを適当にしていたことが原因となり、計画は変更を余儀なくされ、オティリアも大きな犠牲を払わざるを得ない。すべてオティリアに寄りかかりながらウソを重ね、そのことを反省しもしないガビツァに、イライラする人はきっと少なくないと想像する。なぜこんな女のためにそこまで献身的なのかと疑問にも思うが、追い込まれて孤独な彼女たちには、互いしかいないのだ。そして、ラストシーンで見せる驚くべきしたたかさを見れば、単なるバカ女と切り捨てられない生命力をガビツァに感じてしまうのも確かである。
 きちんと固定しているわけではないと感じたが、極力カメラを動かさないように我慢して、ジリジリと緊張を高める長いカット――先述したホーム・パーティや、中絶の処置シーン、その直後のオティリアのプロフィールを捉えた執拗な長回しなど――が印象的だ。その一方で、夜の道で唐突に走り出してオティリアを追跡するブレブレのカメラはホラー映画のようですらあって、無機的な夜の街、無個性な団地群をあたかも迷宮のようにとらえる。
 観終わった後、さまざまな思いが交錯する魅力的な作品。75点。

孤立無援、泣いてなんかいられない。

投稿日

2008/09/12

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4ヶ月、3週と2日、って もう5ヶ月に近いんじゃないの?

細い声で話し、か弱い女だからと いつも誰かになんとかしてもらい
後先考えずにその場その場を小さな嘘で乗り切り、
その実、根はかなり図太い・・・
こういうバカ女、けっこう普通にいる。

こんなバカな友達のためでも、いったん手助けしたら途中で放り出すことはできない。
特に強い友情や固い絆で結ばれているわけでもないが
他に頼る者のない者同士、お互い身を寄せ合うしかない。
手続きにうるさい無愛想なホテルのフロントや
にやついていやらしい視線を送る男達、真っ暗な街並、
ここは不自由で女の生きにくい国なのだ。
誰も頼れず、助けも求めず、
ヒロインは水の音で嗚咽を消して、涙も見せず必死に闘う。
あるいは、あの水は全て流し去りたい彼女の想いの表れか。

仕方なく訪ねた恋人の家族のホームパーティーのシーンは胸が痛い。
女友達はホテルのベッドで血まみれになっているかもしれない
救急車が来て大騒動になっているかもしれない
なにより、今日自分の身に起きた辛い出来事のために心がぱっくり割れて血を流している。
そんな状況で、恋人の両親とその友人達が退屈で賑やかな、
無遠慮でカンにさわる不愉快なおしゃべりを繰り広げる食卓。
苦痛な時間を無為に過ごすヒロインの描写が秀逸だ。

ようやくその席を逃れて恋人と二人きりになっても
ヒロインは恋人の胸で泣く気にもなれない。
彼は、救いを求められるほど信用できる相手ではない。
きっと彼は、彼女が助けが必要なときに、その手を振り払って世間体や両親の信頼を失わずに済む道を選ぶということに、彼女は気付いてしまった。

また、他人の胎児の捨て場を求めて真っ暗な街を彷徨うシーンは
一人の味方もいない、行き場のないヒロインの気の毒なほどの不安が伝わってくる。

借金をし、身を投げ出し、恋人に嫌気がさし、暗い街を彷徨い、
彼女は辛い一日をどうにかこうにか乗り切った。
願わくば、もうちょっと心許せる女友達を見つけようよ。

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