セックス・アンド・ザ・シティ　シーズン　６

４人が選んだそれぞれの愛の形に、何度観ても感動してしまいます。
友達も仕事も捨ててパリに行ったキャリーの孤独、そしてMr.Bigとの再会。痴呆症になってしまった義母に対するミランダの愛、ついに養子をもらうことになったシャーロッタの喜び、そして最愛の男性にめぐり会い、飾らない自分であることができるようになったサマンサ。随所で涙が出ました。
最終回ではついにMr.Bigの本名が明らかになります。(意外と平凡な名前ですけど）彼の"Abso-fucking-lutely"ってせりふは、何度聞いてもかっこいいですね。

数年前、はまりこんで観たこの連ドラ。
各話の最後は特に、コラムを書く形でPCに打ち込みながらのキャリーの心の呟きは名言の宝庫。
そんなキャリーの数々の名言を思い出すこの頃。
キャリーはNYが好き、というかとても拘っていた。　
彼女にとってNYは人格ある、そして理想の男性であったと思う。
そのことがキャリーの恋愛思考と重なってとてもよくわかった回があった。
何度目かの引っ越した今、
NYに拘って愛していた彼女のその気持ちが懐かしくなった。
どの回だったか、探すのはタイヘン。メモしとけばよかったと思う。
S５から探していってようやく見つけた。

「……NYは自分の気持ちに砂糖をまぶさなくていい。　
でも女性達はほんとうにシュガーレスになったのか。
本物の代わりにダイエットアイス。
歌の代わりにメール。
詩の代わりにジョーク…　

本物に向き合うと消化不良をおこす。
努力すれば消化できる？
それとも ロマンスアレルギー？」

「壊れた女心は修復しにくい。」
修復できないものは、嘆いて悔やんだあと諦めがつくけど
しにくいものは面倒だ。修復作業は、やめなければいつまでも続けることができる。
　”NYの女”はある程度までいったら落ちるしかない。
だから、「新しい窓を開けたいの」…
…いじらしいハッピーエンドなシーズンラストがよかった。
窓のある街を恋人にした女性はステキ。　

「人生は変化球を投げてくる」
消化不良の真っ只中の只今、その原因、
何にアレルギーなのか、アレルゲンより、
投げられた変化球でガラスは割れても枠は大丈夫な、
まずは、そんな窓のある恋する街を見つけないと…

３話めの靴の話が大好きです。
アメリカには日本のような「お返し」というややこしい習慣がなく、プレゼントはあげたい人があげたい時に送るもの。後くされがなくってほんとにいいんだけど、キャリーがいうように３０代独身女はあげるばかりで、もらうことがほとんどない。なんか損した気分になるのも当然でしょう。
友人のベイビーシャワーに招待されて、またプレゼントで損をした気分になっているところに、高価な靴まで盗まれてしまったキャリー。その取り返し方がサイコーで、思わず快哉を叫びました。
ちなみに、アメリカでは結婚、出産などの時には、デパートなどに自分の欲しいもの、必要なもののリストを登録しておいて、プレゼントしたい人は予算に応じてそのリストの中から選ぶのが普通です。キャリーみたいに靴屋に登録する人はいませんけど。

まさかSATCで泣いてしまうとは思いもしませんでした。
シャーロッタはハリーに「絶対いってはいけないこと」を言ってしまい、ふたりは別れてしまいます。ほかの男とのデートを試みたり、ハリーを忘れる努力をするのですが、なかなかふっきれません。ある日シナゴークで偶然ハリーと再会したシャーロッタは、自分の思いを打ち明けます。このシーン、何度も何度もみて、何度も泣いてしまいました。ふたりの仲が元に戻ってほんとうによかった！

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（最終回の内容について触れています）

こんなに長いアメリカのドラマを見たのは初めてでしたので、「ついに終わった…」と感慨もひとしお。特にシーズン6に入ってから、ますます面白くなり、4人それぞれが新たな局面を迎えつつ、しっかりと深い絆を描き出しているのが、とても良かったです。

ビッグがパリに旅立てたのは、シャーロットが留守電を聞いたからであり、ミランダが背中を押したからこそ。そう考えると、みんなの友情がキャリーに幸福をもたらしたわけで、実にSATCらしいエンディングで大満足でした。特に3人がランチしているところにビッグがやってくるシーンはお気に入り。ビッグの告白を聞き、少しうつむき加減に何かを考え込んだミランダが、ぱっと顔をあげて「キャリーを連れ戻して！」と言うところは、何度も巻き戻して観てしまいました。

また、会場の観客が次々とかつらを外すサマンサのスピーチシーンが泣ける。キャリーのハッピーエンドよりも、こっちの方が感動的だったな。ちゃんと会場に来てて、誇らしげに拍手をするスミスくんが、素敵。そして、「春を待ってる」というカードと花の贈り物。何なんでしょうか、この包容力は。まさにサマンサが育て上げた男と言えましょう。そして、養子縁組が決まり喜ぶシャーロットとハリー、体調の思わしくない義母をお風呂に入れてあげるミランダ。いやはや、あちこちに「愛」があふれた最終巻となりました。

キャリー以外の面々がシーズン6で直面する出来事は深刻なものばかりでした。不妊に悩むシャーロットは、流産したり、養子縁組が決まらず悩みます。また、ミランダは長年親しんだ街を離れ、義母が認知症に。そして、サマンサは乳ガン治療による副作用に苦しみます。あのおちゃらけたシーズン1から、このような展開を誰が想像したことでしょう？それでも、4人はできるだけ時間を作ってテーブルを囲み、グチをぶちまけ、励まし合い、ジョークを飛ばして笑い続けてきた。このランチの時間が、どれほど4人にとってかけがえのないものだったか。アレクサンドルとのデートでキャリーが一度ランチタイムをすっぽかしたことがあります。あの時ミランダがキレまくってましたね。「たかがランチに来なかっただけ」じゃないんです。あの時間を失えば、友情も、思いやりも、絆も何もかもがなくなってしまう。だからこそ最後の4人が集まるシーンは、パリから帰ってきたキャリーをランチタイムに迎えるシーンなんでしょう。40代になっても、50代になっても、こんな友情が築けたら本当に素敵。身の回りの友を見渡し、彼女たちとの絆を大切にしようと、自ら言い聞かせる。そんなドラマとなりました。