こちらの作品もおすすめ
こちらの作品もおすすめ
『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド監督が、硫黄島の戦いをアメリカ側の視線から描いた戦争ドラマ。硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げる姿を写真に収められた兵士たち。彼らは一躍、国民的英雄となるが…。
製作年: |
2006年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
FLAGS OF OUR FATHERS |
監督: |
クリント・イーストウッド |
---|---|
製作: |
スティーブン・スピルバーグ 、 ロバート・ローレンツ 、 ティム・ムーア 、 クリント・イーストウッド |
出演: |
ライアン・フィリップ 、 アダム・ピーチ 、 ジェシー・ブラッドフォード 、 ジョン・スラッテリー 、 ジョン・ベンジャミン・ヒッキー 、 バリー・ペッパー 、 ジェイミー・ベル 、 ポール・ウォーカー 、 ロバート・パトリック 、 ニール・マクドノー |
脚本: |
ウィリアム・ブロイルスJr. 、 ポール・ハギス |
原作: |
ロン パワーズ 、 ジェームズ・ブラッドリー 、 ジェームズ・ブラッドリー |
撮影: |
トム・スターン[撮影] |
音楽: |
クリント・イーストウッド |
『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド監督が、硫黄島の戦いをアメリカ側の視線から描いた戦争ドラマ。硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げる姿を写真に収められた兵士たち。彼らは一躍、国民的英雄となるが…。
製作年: |
2006年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
FLAGS OF OUR FATHERS |
監督: |
クリント・イーストウッド |
---|---|
製作: |
スティーブン・スピルバーグ 、 ロバート・ローレンツ 、 ティム・ムーア 、 クリント・イーストウッド |
出演: |
ライアン・フィリップ 、 アダム・ピーチ 、 ジェシー・ブラッドフォード 、 ジョン・スラッテリー 、 ジョン・ベンジャミン・ヒッキー 、 バリー・ペッパー 、 ジェイミー・ベル 、 ポール・ウォーカー 、 ロバート・パトリック 、 ニール・マクドノー |
脚本: |
ウィリアム・ブロイルスJr. 、 ポール・ハギス |
---|---|
原作: |
ロン パワーズ 、 ジェームズ・ブラッドリー 、 ジェームズ・ブラッドリー |
撮影: |
トム・スターン[撮影] |
音楽: |
クリント・イーストウッド |
シリーズ: |
硫黄島からの手紙 |
---|
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
132分 | 日本語英語吹き替え用 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
DLRY12161 | 2007年05月03日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
33枚 | 0人 | 1人 |
収録時間:
132分
字幕:
日本語英語吹き替え用
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
レイティング:
記番:
DLRY12161
レンタル開始日:
2007年05月03日
在庫枚数
33枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
1人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
132分 | 日本語 英語 吹き替え用 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
WBRY14089*B | 2008年03月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
17枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
132分
字幕:
日本語 英語 吹き替え用
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
レイティング:
記番:
WBRY14089*B
レンタル開始日:
2008年03月19日
在庫枚数
17枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
132分 | 日本語英語吹き替え用 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
DLRY12161 | 2007年05月03日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
33枚 | 0人 | 1人 |
収録時間:
132分
字幕:
日本語英語吹き替え用
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
レイティング:
記番:
DLRY12161
レンタル開始日:
2007年05月03日
在庫枚数
33枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
1人
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
132分 | 日本語 英語 吹き替え用 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
WBRY14089*B | 2008年03月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
17枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
132分
字幕:
日本語 英語 吹き替え用
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
レイティング:
記番:
WBRY14089*B
レンタル開始日:
2008年03月19日
在庫枚数
17枚
1位登録者:
0人
2位登録者:
0人
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
約5,400
タイトル以上
約9,200
タイトル以上
約210,000
タイトル以上
約250,000
タイトル以上
※2022年2月 現在のタイトル数
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
Clint Eastwoodと言えば保守派で共和党支持者として有名だが、その作風は真逆を往ってる?と思うほど、イデオロギーに阿る事の無いジャスティスな視線が素晴らしい、日本で言うなら人間国宝級の人。そんなハリウッドの至宝が描く極上の戦争映画が本作だ。日本人なら「硫黄島からの手紙」に涙して当然、な世論ですが私は本作こそ評価されて良いと思う。それはハリウッドが制作したと、とても思えない作風が厳然と息づいてるからだ。
本作のポイントは戦争映画で欠かす事の出来ない「爽快感の欠如」に有ると思う。初めから2部構成で本作はアメリカ側の視点で描かれてる。ならば戦勝国のアメリカは万々歳で本作を描くのが常道だが、そこはClint Eastwood監督全然違うのだから恐れ入る・・・。第2次世界大戦下で、アメリカ兵の勲章の大半が「硫黄島の戦い」で得たものと、新聞で読んだがソレほどまでに硫黄島は、アメリカ側から見れば日本本土への空爆の足掛かりとして重要だった。しかし、日本は予想以上に強かった!(まるで今のイラクの様に)そこで有名なAP通信のジョー・ローゼンタール(本作を見る事無く昨年の8月に死去)が撮影した写真を利用して軍資金を集め結果的にアメリカは勝利した。その様な美談をClint Eastwood監督は欺瞞だと静かに糾弾する、このスタンスこそ敗戦国側の日本人には驚きだ。
今やハリウッドで最も影響力が有ると思われる彼が、この様な描き方を、アメリカ・サイドの筈の本作で毅然と観客に問うポリシーは賞賛してもし切れない、と思う。堂々と写真のトリックを炙り出し、ヒーローに祭り上げられた米兵の「別なる戦争」を本作は真摯に語ってる。更にベトナム戦争で有名な「アメリカは決して兵士を見捨てない」と言った固定観念をアッサリとかなぐり捨て、むしろ監督の母国のアメリカ自身を批判するかの描き方は、日本人の私にはとても新鮮だった。
本作は恰も「反戦映画」の体を成してるが、それはプロパガンダ的な語り口では無く、あくまで監督らしい本物の大人の視点に立脚した、素晴らしい作品だ。そして、これまでの戦争映画の常識を覆した傑作と呼んでも、私は決して褒め過ぎに為らないと思う。もちろん、戦闘シーンは現代のハイ・テクを駆使した素晴らしいシーンの連続で臨場感もハンパ無く凄い!。このリアルさが有ってこそのメッセージ性が本作の最大の魅力で有り、日本軍のシークエンスが殆ど無いにも関わらず見事な対比を描き出す事に成功してるし、それが後に米国本土に帰った「ヒーロー」のその後を際立たせる重要なポイントに成ってる。
本作はどのシーンでも遠くで監督のCoolな眼差しを感じずには居られない・・・私には奇跡の様な映画だった。
もう一方の「硫黄島からの手紙」の素晴らしさは万人が認める事だろう。劇場でKen Watanabeの名演に涙された方は、是非アメリカ・サイドの本作もご覧になって頂きたい。そして原作のJ・ブラッドリー著「硫黄島の星条旗」(文春文庫)も是非読んでほしい、大人の見識に応える傑作です。
このレビューは気に入りましたか? 49人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
高らかに反戦をうたってはいないのに、戦争の醜さ、不条理を訴えかけるクリント・イーストウッドの侠気を感じるような秀作です。
ピューリッツァ賞を取ったあの写真の、隠された意味をあばくという、一種国に対する背信行為とも取れる作品を作り上げ、なおかつ同じ出来事を、アウェイサイドからも作り上げる。そして、その内容はマクロとミクロというように見事な対比を見せつけます。日本人の私は、どちらかといえば「硫黄島からの手紙」の方が感情移入しやすかったのですが、映像作品としては、間違いなく本作の方が上であると思います。
ドクを初めとする6人は、決して勇敢でも優秀な兵士でもなく、戦意高揚映画に登場するスーパースターではありません。ごく普通の、どこにでもいる青年が戦費捻出の為のプロパガンダに利用されます。3人の生き残りのうちの一人、ドクの息子であるジェイムス・ブラッドリーの「硫黄島の星条旗」を原案とした作品で、「硫黄島の砂」にもインスパイアされていると思いますが、両作品は全く違う印象に仕上がっています。
いみじくもparoleさんがおっしゃっているように、語らないことが重要なファクターとなっています。語れないと語らないが複雑にからみあって、ドクの苦悩は深まっていきます。戦争という特殊な状況下では、あたりまえのように行われていくことが、実は人間の精神を、どんどん蝕んでいく。そんな怖さを感じます。
本作のすばらしさは、クリント・イーストウッドの視点とともにポール・ハギスの脚本によるところが大きいのではないでしょうか。原作者のジェームス・ブラッドリーは、最初にイーストウッドから映画にしたいと連絡をもらったとき、どう感じたかについて
「そりゃあ、トヨタがある日突然電話してきて、あなたのためのカスタムカーを作りたいんだ。許可してくれるかと言われたようなモノで、断る理由が見つからなかったよ。なにしろ映画の神様みたいな人と話しているんだから、お手伝いしましょうか?なんて言えるわけもない。彼ならば、素晴らしい作品にしてくれることはわかりきっていたからね。ポール・ハギスの脚本が出来上がって、読ませてもらったときに、ああ、私は脚本家にならなくて良かったと思ったよ」
と語ったそうです。
戦闘シーンのリアルさは特筆モノではあるのですが、その他の部分では、叫んだり、声高に戦争へのアンチテーゼをうたうことなく、静かに、そして力強く物語は進んでいきます。そこが、Masamuneさんがおっしゃるところのクリント・イーストウッドのCoolさなんでしょうね。
かみさんが先に観てきて、
「なかなかいいよ」
と言うので、観たかったのですが、なかなか時間がとれず、公開期間の終了間際に観られました。もっと早く観られたら、何度か劇場に足を運んだに違いありません。DVDになったのでもう一度観ようと思ってます。(二部作で買おうかな)
このレビューは気に入りましたか? 26人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
すり鉢山に星条旗を掲げる米兵たちの写真の逸話と共に、激戦に身をおいた兵士たちの心情が綴られています。
しかし、この美談には、裏があり・・・
実は、この写真に写った星条旗は、1本目ではなかった。
すり鉢山で、実際に攻略して、最初の旗を立てたメンバーと、
帰国して、英雄扱いされた3名とは、微妙に違っていた。
しかし、兵士たちにとって、旗を立てたのは英雄でもなんでもない。
共に戦い、共に生き延び、共に散った仲間こそが英雄。
「英雄」という言葉が、戦争を正当化する力を持ち、命を犠牲にする名目で使われているのは、勘違いもはなはだしいと思います。
生き残ったことは、素晴らしいことなのに、それが、あんなに切なく悲しい事だなんて・・・
普通の人間が、ヒーローに祭り上げられ、人生を翻弄されていく様を良く描かれていると思います。
アイラの愚直な人生は、涙をさそいます。
唯一、平凡な生活に戻ることができたドクも、臨終の間際まで、イギーを一人残し、見殺しにしてしまったトラウマに悩まされ続け・・・
この3人の主人公を軸に、別な角度から戦争批判を扱った映画。
「米軍は兵士を見捨てない」という一種の幻想を、いとも簡単に否定して、見るものにショックを与えます。
最近、改憲が騒がれていますが、
米兵と一緒に、日本も派兵をする・・・
ちょっと、そのような事を想像してしまいました。
憲法9条だけは、改憲してほしくないなぁ〜と思います。
このレビューは気に入りましたか? 23人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
"人が人を傷つける"ということがどういったことなのか、「許されざる者」以来、イーストウッドが目を向ける共通のテーマではないでしょうか。本作も戦場という場において、"人を傷つける"ということに直面する兵士の内面に迫ることで、そのテーマを追うものだと思います。
殺すことが殺されないための唯一の手段である戦場、仲間が傷つき倒れていく中で、主人公ドクは仲間の命を救う衛生兵という立場にあります。全編に覆い被さる「衛生兵!」と叫ぶ声は、ドクに対しても、そして映画を観る私たちに対しても、傷つくこと、傷つけることが日常の行いとなってしまう戦争の本質を問いかける呪縛の声のように感じます。
国のため星条旗のためなどと思って人を傷つける兵など一人もいません。死と隣り合わせの戦場の兵士にとっては、星条旗を掲げることなど何の意味も持ちませんし、自分を守り、隣にいる仲間を守るための戦いがそこにはあるだけではないでしょうか。
そういった兵士たちとは対照的に、戦場に直面しない人たち(私たちも含めて)は、戦争を包括的な概念として捕らえがちです。本作が描くものはそんな隙間を突くプロパガンダへの非難でもないですし、戦争の遂行に必ず存在するプロパガンダ的な政治を是非は別としても認めた上で、深く戦争という行いを考えさせ、あるいはさらに広い視野で日常に中にも潜む"人を傷つける行為"を考えさせる映画ではないでしょうか。
ドクやアイラの苦しみはプロパガンダに利用されることではなかったと思います。プロパガンダに利用されることによって、自分たちが感じている"悔いる意識"が浮き彫りにされる、そのことが彼らを苦しめる大きな要因だったのではないでしょうか。
ドクにとっては、衛生兵という立場もあって、仲間の命を守りたいという意識が最も強かったのだと思います。そしてその中でも最も守りたかったのは自分のパートナーであったイギーではないでしょうか。その命を守ることさえ出来なかった、そして茶番であるセレモニーでは亡き戦友がそこにいるように振る舞えとさえ命令されます。
アイラにとっては、生まれてこの方人種差別を受け続け、傷つく痛みを誰よりも知っている人であったでしょうし、それ故に自分が反射的に行った殺傷や、狂気のごとく死人を刺し続ける軍曹の姿は鮮烈に彼の心に響いたのかもしれません。また亡き戦友の両親を傷つけまいとする葛藤も、傷つく痛みを誰よりも知っているだけに強かったのではないでしょうか。
"傷つけること"という行為を私たちは平時には意識しないことが多いです。敵を刺し殺す銃剣を研ぐことが楽しみであったイギーは、銃剣が自らを刺し殺すものであることを全く意識などしていなかったと思います。彼もまた戦場で殺すこと殺されることがどういったことなのかを体感するまでは、戦争を包括的な概念としてしか捕らえない側の一員だったのではないでしょうか。
それにしてもこういった映画を見せられると、日本映画(韓国映画も)の戦争を描く姿勢のなんたる稚拙なことでしょう。「男たちの大和」の描き方の馬鹿馬鹿しさに怒りを感じ、「出口のない海」のヒューマニズムに辟易とし、本当に反戦のメッセージを心に響かせてくれる日本映画を観てみたいものです。
戦争が何故起こるのか何故無くならないのか、人間の本質に切り込むことによってその本質を深く考えさせる本当の反戦映画だと思います。その語り口も政治的に当然行われるであろうプロパガンダへの非難などには留まっていません。この映画は近年の戦争を描いた映画の中でも傑出すべき傑作だと私は思います。
このレビューは気に入りましたか? 16人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:227件
投稿日
2007/03/26
レビュアー
masamune※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
Clint Eastwoodと言えば保守派で共和党支持者として有名だが、その作風は真逆を往ってる?と思うほど、イデオロギーに阿る事の無いジャスティスな視線が素晴らしい、日本で言うなら人間国宝級の人。そんなハリウッドの至宝が描く極上の戦争映画が本作だ。日本人なら「硫黄島からの手紙」に涙して当然、な世論ですが私は本作こそ評価されて良いと思う。それはハリウッドが制作したと、とても思えない作風が厳然と息づいてるからだ。
本作のポイントは戦争映画で欠かす事の出来ない「爽快感の欠如」に有ると思う。初めから2部構成で本作はアメリカ側の視点で描かれてる。ならば戦勝国のアメリカは万々歳で本作を描くのが常道だが、そこはClint Eastwood監督全然違うのだから恐れ入る・・・。第2次世界大戦下で、アメリカ兵の勲章の大半が「硫黄島の戦い」で得たものと、新聞で読んだがソレほどまでに硫黄島は、アメリカ側から見れば日本本土への空爆の足掛かりとして重要だった。しかし、日本は予想以上に強かった!(まるで今のイラクの様に)そこで有名なAP通信のジョー・ローゼンタール(本作を見る事無く昨年の8月に死去)が撮影した写真を利用して軍資金を集め結果的にアメリカは勝利した。その様な美談をClint Eastwood監督は欺瞞だと静かに糾弾する、このスタンスこそ敗戦国側の日本人には驚きだ。
今やハリウッドで最も影響力が有ると思われる彼が、この様な描き方を、アメリカ・サイドの筈の本作で毅然と観客に問うポリシーは賞賛してもし切れない、と思う。堂々と写真のトリックを炙り出し、ヒーローに祭り上げられた米兵の「別なる戦争」を本作は真摯に語ってる。更にベトナム戦争で有名な「アメリカは決して兵士を見捨てない」と言った固定観念をアッサリとかなぐり捨て、むしろ監督の母国のアメリカ自身を批判するかの描き方は、日本人の私にはとても新鮮だった。
本作は恰も「反戦映画」の体を成してるが、それはプロパガンダ的な語り口では無く、あくまで監督らしい本物の大人の視点に立脚した、素晴らしい作品だ。そして、これまでの戦争映画の常識を覆した傑作と呼んでも、私は決して褒め過ぎに為らないと思う。もちろん、戦闘シーンは現代のハイ・テクを駆使した素晴らしいシーンの連続で臨場感もハンパ無く凄い!。このリアルさが有ってこそのメッセージ性が本作の最大の魅力で有り、日本軍のシークエンスが殆ど無いにも関わらず見事な対比を描き出す事に成功してるし、それが後に米国本土に帰った「ヒーロー」のその後を際立たせる重要なポイントに成ってる。
本作はどのシーンでも遠くで監督のCoolな眼差しを感じずには居られない・・・私には奇跡の様な映画だった。
もう一方の「硫黄島からの手紙」の素晴らしさは万人が認める事だろう。劇場でKen Watanabeの名演に涙された方は、是非アメリカ・サイドの本作もご覧になって頂きたい。そして原作のJ・ブラッドリー著「硫黄島の星条旗」(文春文庫)も是非読んでほしい、大人の見識に応える傑作です。
投稿日
2007/05/02
レビュアー
こんちゃん※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
高らかに反戦をうたってはいないのに、戦争の醜さ、不条理を訴えかけるクリント・イーストウッドの侠気を感じるような秀作です。
ピューリッツァ賞を取ったあの写真の、隠された意味をあばくという、一種国に対する背信行為とも取れる作品を作り上げ、なおかつ同じ出来事を、アウェイサイドからも作り上げる。そして、その内容はマクロとミクロというように見事な対比を見せつけます。日本人の私は、どちらかといえば「硫黄島からの手紙」の方が感情移入しやすかったのですが、映像作品としては、間違いなく本作の方が上であると思います。
ドクを初めとする6人は、決して勇敢でも優秀な兵士でもなく、戦意高揚映画に登場するスーパースターではありません。ごく普通の、どこにでもいる青年が戦費捻出の為のプロパガンダに利用されます。3人の生き残りのうちの一人、ドクの息子であるジェイムス・ブラッドリーの「硫黄島の星条旗」を原案とした作品で、「硫黄島の砂」にもインスパイアされていると思いますが、両作品は全く違う印象に仕上がっています。
いみじくもparoleさんがおっしゃっているように、語らないことが重要なファクターとなっています。語れないと語らないが複雑にからみあって、ドクの苦悩は深まっていきます。戦争という特殊な状況下では、あたりまえのように行われていくことが、実は人間の精神を、どんどん蝕んでいく。そんな怖さを感じます。
本作のすばらしさは、クリント・イーストウッドの視点とともにポール・ハギスの脚本によるところが大きいのではないでしょうか。原作者のジェームス・ブラッドリーは、最初にイーストウッドから映画にしたいと連絡をもらったとき、どう感じたかについて
「そりゃあ、トヨタがある日突然電話してきて、あなたのためのカスタムカーを作りたいんだ。許可してくれるかと言われたようなモノで、断る理由が見つからなかったよ。なにしろ映画の神様みたいな人と話しているんだから、お手伝いしましょうか?なんて言えるわけもない。彼ならば、素晴らしい作品にしてくれることはわかりきっていたからね。ポール・ハギスの脚本が出来上がって、読ませてもらったときに、ああ、私は脚本家にならなくて良かったと思ったよ」
と語ったそうです。
戦闘シーンのリアルさは特筆モノではあるのですが、その他の部分では、叫んだり、声高に戦争へのアンチテーゼをうたうことなく、静かに、そして力強く物語は進んでいきます。そこが、Masamuneさんがおっしゃるところのクリント・イーストウッドのCoolさなんでしょうね。
かみさんが先に観てきて、
「なかなかいいよ」
と言うので、観たかったのですが、なかなか時間がとれず、公開期間の終了間際に観られました。もっと早く観られたら、何度か劇場に足を運んだに違いありません。DVDになったのでもう一度観ようと思ってます。(二部作で買おうかな)
投稿日
2007/05/19
レビュアー
ミルクチョコ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
すり鉢山に星条旗を掲げる米兵たちの写真の逸話と共に、激戦に身をおいた兵士たちの心情が綴られています。
しかし、この美談には、裏があり・・・
実は、この写真に写った星条旗は、1本目ではなかった。
すり鉢山で、実際に攻略して、最初の旗を立てたメンバーと、
帰国して、英雄扱いされた3名とは、微妙に違っていた。
しかし、兵士たちにとって、旗を立てたのは英雄でもなんでもない。
共に戦い、共に生き延び、共に散った仲間こそが英雄。
「英雄」という言葉が、戦争を正当化する力を持ち、命を犠牲にする名目で使われているのは、勘違いもはなはだしいと思います。
生き残ったことは、素晴らしいことなのに、それが、あんなに切なく悲しい事だなんて・・・
普通の人間が、ヒーローに祭り上げられ、人生を翻弄されていく様を良く描かれていると思います。
アイラの愚直な人生は、涙をさそいます。
唯一、平凡な生活に戻ることができたドクも、臨終の間際まで、イギーを一人残し、見殺しにしてしまったトラウマに悩まされ続け・・・
この3人の主人公を軸に、別な角度から戦争批判を扱った映画。
「米軍は兵士を見捨てない」という一種の幻想を、いとも簡単に否定して、見るものにショックを与えます。
最近、改憲が騒がれていますが、
米兵と一緒に、日本も派兵をする・・・
ちょっと、そのような事を想像してしまいました。
憲法9条だけは、改憲してほしくないなぁ〜と思います。
投稿日
2007/05/04
レビュアー
ケチケチ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
"人が人を傷つける"ということがどういったことなのか、「許されざる者」以来、イーストウッドが目を向ける共通のテーマではないでしょうか。本作も戦場という場において、"人を傷つける"ということに直面する兵士の内面に迫ることで、そのテーマを追うものだと思います。
殺すことが殺されないための唯一の手段である戦場、仲間が傷つき倒れていく中で、主人公ドクは仲間の命を救う衛生兵という立場にあります。全編に覆い被さる「衛生兵!」と叫ぶ声は、ドクに対しても、そして映画を観る私たちに対しても、傷つくこと、傷つけることが日常の行いとなってしまう戦争の本質を問いかける呪縛の声のように感じます。
国のため星条旗のためなどと思って人を傷つける兵など一人もいません。死と隣り合わせの戦場の兵士にとっては、星条旗を掲げることなど何の意味も持ちませんし、自分を守り、隣にいる仲間を守るための戦いがそこにはあるだけではないでしょうか。
そういった兵士たちとは対照的に、戦場に直面しない人たち(私たちも含めて)は、戦争を包括的な概念として捕らえがちです。本作が描くものはそんな隙間を突くプロパガンダへの非難でもないですし、戦争の遂行に必ず存在するプロパガンダ的な政治を是非は別としても認めた上で、深く戦争という行いを考えさせ、あるいはさらに広い視野で日常に中にも潜む"人を傷つける行為"を考えさせる映画ではないでしょうか。
ドクやアイラの苦しみはプロパガンダに利用されることではなかったと思います。プロパガンダに利用されることによって、自分たちが感じている"悔いる意識"が浮き彫りにされる、そのことが彼らを苦しめる大きな要因だったのではないでしょうか。
ドクにとっては、衛生兵という立場もあって、仲間の命を守りたいという意識が最も強かったのだと思います。そしてその中でも最も守りたかったのは自分のパートナーであったイギーではないでしょうか。その命を守ることさえ出来なかった、そして茶番であるセレモニーでは亡き戦友がそこにいるように振る舞えとさえ命令されます。
アイラにとっては、生まれてこの方人種差別を受け続け、傷つく痛みを誰よりも知っている人であったでしょうし、それ故に自分が反射的に行った殺傷や、狂気のごとく死人を刺し続ける軍曹の姿は鮮烈に彼の心に響いたのかもしれません。また亡き戦友の両親を傷つけまいとする葛藤も、傷つく痛みを誰よりも知っているだけに強かったのではないでしょうか。
"傷つけること"という行為を私たちは平時には意識しないことが多いです。敵を刺し殺す銃剣を研ぐことが楽しみであったイギーは、銃剣が自らを刺し殺すものであることを全く意識などしていなかったと思います。彼もまた戦場で殺すこと殺されることがどういったことなのかを体感するまでは、戦争を包括的な概念としてしか捕らえない側の一員だったのではないでしょうか。
それにしてもこういった映画を見せられると、日本映画(韓国映画も)の戦争を描く姿勢のなんたる稚拙なことでしょう。「男たちの大和」の描き方の馬鹿馬鹿しさに怒りを感じ、「出口のない海」のヒューマニズムに辟易とし、本当に反戦のメッセージを心に響かせてくれる日本映画を観てみたいものです。
戦争が何故起こるのか何故無くならないのか、人間の本質に切り込むことによってその本質を深く考えさせる本当の反戦映画だと思います。その語り口も政治的に当然行われるであろうプロパガンダへの非難などには留まっていません。この映画は近年の戦争を描いた映画の中でも傑出すべき傑作だと私は思います。
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
商品をポストに投函すればOK!
もちろん無料お試し期間中に退会することも可能です。 また、その場合は料金は一切かかりません。
無料お試し中も、都度レンタルは、有料でご利用いただくことができます。
また、無料お試し中に解約され、何らかの理由でレンタル商品を期日までにご返却いただけなかった場合に、追加料金が発生する場合がございます。
定額プランは1つの封筒に2枚入り、お届けいたします。
届いた往復封筒でポストへご投函いただき、当社配送センターにてご返却を確認できましたら次の封筒を発送致します。繰り返しでご登録のプラン枚数までご利用いただけます。
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
父親たちの星条旗