転校生 さよなら あなた

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転校生 さよなら あなた / 森田直幸

全体の平均評価点:(5点満点)

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「転校生 さよなら あなた」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

 大林宣彦監督の名作「転校生」を、大林監督自ら装いも新たにリメイクした思春期ファンタジー。舞台を信州に移し、ある日突然お互いの心と身体が入れ替わってしまった中学生の男女が、元に戻ろうと悪戦苦闘する姿をコミカルかつ切なく綴る。主演は蓮佛美沙子と森田直幸。両親の離婚を機に、尾道から母と共にかつて幼少期を過ごした信州の中学校に転校してきた斉藤一夫は、そこで幼なじみの一美と再会する。そして、思い出の場所“さびしらの水場”へと向かったふたりは、足を滑らせ水の中に転落、はい上がった時には互いの身体が入れ替わってしまっていた…。

「転校生 さよなら あなた」 の作品情報

作品情報

製作年: 2007年
製作国: 日本

「転校生 さよなら あなた」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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ユーザーレビュー:48件

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1〜 5件 / 全48件

現代のヒット条件を盛り込んだリメイク。

投稿日:2008/04/01 レビュアー:JUCE

 今回のセリフリメイクに当たっての変更部分は時代の流れの必然と言うよりは、時代に迎合してしまったのかなという印象が拭えません。
 まずどうかなと思ったのが序盤からのミュージックビデオのような撮影や編集。この演出の意図が分かりません。現代の若者に対してスピーディーで、オシャレなカメラワークが受けると言うことなのでしょうか。もう少しじっくりと人物の設定や舞台を描いて欲しかったと思います。

 主演の二人はいかにも大林監督の好みという感じ。蓮佛美沙子は原田知世と石田ひかりを足して2で割ったような雰囲気のもち主だし、一方の森田直幸も高柳良一や尾美としのりの系譜です。二人の演技も決して悪くない。ただし、二人とも入れ替わる前の性格と入れ替わったあとの性格が微妙にずれているのが気になった。一夫は元々は恋人のためにピアノをマスターするなど割と繊細な少年なのだが、一美になった途端にかなり粗野な性格になっている。逆に一美はなんでも思いついたことは口にするどちらかと言えば男っぽい性格が、一夫になったとたんナイーブな雰囲気になってしまいます。このあたりは物語の根幹に関わる部分なので整合性を持たせて欲しかったところです。

 後半はオリジナルとは異なり、かなり重いテーマを含んだ展開になっていきます。最近の邦画を見るとこうしたテーマを含まないとヒット作にならないのかと言うくらい。よくある設定なのですが、この部分に関してはそれが時代に迎合した結果だとしても実はこの転校生で体と心が入れ替わるという設定と非常にマッチした良いテーマだと思います。
 しかしオリジナルを変えてまで入れたテーマにしては描き方が弱い。饒舌な割りに肝心なところが淡白。全体的に不安定な印象がします。何故かあるべきはずの主人公達の葛藤が無く、徹頭徹尾悟りを開いた仙人のようです。葛藤の末の選択ならばもう少し味わい深いものになっていたに違いありません。

 題材自体に強い力があるので、変な小細工はいらなかったのではないでしょうか。

 かろうじて大林監督らしいノスタルジックな雰囲気が残っているのは良かったと思います。この映画を観て改めてオリジナルをもう一度見直したくなりました。

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82年の小林聡美 尾身としのりのリメイク ネタバレ

投稿日:2008/01/24 レビュアー:ミルクチョコ

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微妙なお年頃の中学生男女が、突然降りかかった異常事態に四苦八苦しながら、立ち向かう爽やかな青春コメディ。

両親の離婚で引っ越して来た斎藤一夫が、幼馴染みの斎藤一美と再会。昔話に花が咲き、幼い頃遊んだ水場へとやって来たが、足を滑らせて水の中へドボン! 這い上がって来た時には、二人の体が入れ替わっていたという、ありふれた入れ替わり物語。
ところが、前半は笑いありなのですが、後半は、がらりと異なる内容で、結構切ない展開となり、若者の成長物語となっています。

二人の入れ替わりに気付く友人弘の登場があります。
弘は、入れ替わった一夫に対して「君の心が好きだ」と言うと、
一夫は「目の見えない心がどうして分かるの?おでこや、あごが綺麗だと言ってくれたほうがいい」と答えます。
姿形は変わっても、気持ちは変わらないのだとハッとしてしまいましたが、終盤、弘は、新しいガールフレンドにおでことあごを褒める男に変身していたところが、ちょっと笑えます。

体が入れ替わったことで、一夫にとって一美の疑似体験をしたことになるのでしょうが、自分を見つめ直し、進路を決めることが出来たし、まだ、自分が未分化の少年期から、出会いと別れを経験して青年期へと向かった事を描いているのだと思います。
思わぬ出会いと、不思議な体験をした事によって、色々と思い感じた事を胸の中に大切にしまい込み、少年は飛び立ったのでしょうか?




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けっこう楽しめますけど、オリジナルには・・。 ネタバレ

投稿日:2008/03/26 レビュアー:こんちゃん

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 名作「転校生」を大林監督自身によってセルフ・リメイクしたということですけど、全く違った印象を受けるのは、過去の呪縛(そういう言い方は違う?)からの脱却を狙ったのでしょうか。
 82年当時は、大林宣彦と言っても、CM出身の若手と言う認識で、「転校生」自体も、その内容から出資予定だった会社内部で、「ハレンチだ」と言う意見が出て、出資が中止されたりしたそうです。(その会社は、後悔したんでしょうね)
 すべてが思い通りには出来なかったのでしょう。今は、自分の思ったとおりに出来るという部分で、リメイクしたんでしょうかね。
 たしかにオリジナルに比べると、映像や編集は格段に洗練されているとは思うのですが、どこか大学生の自主製作映画のように見えてしまうんですよね。それは彼の持ち味なのでしょうか。

 主演の蓮佛三沙子と小林聡美の違いのせいか、オリジナルはハチャメチャなおかしさがあったのですが、本作は静かで切なくて、若干重くて暗いです。蓮佛三沙子はとても可憐で、昔の原田知世を思わせるし、熱演だとは思いますけど、小林聡美のインパクトにはかなわないなと言うのが正直なところですね。(歌うまいよね)
 森田直幸にしても、尾美としのりと比べてしまえばいかにも弱いのです。オリジナルの二人の演技は年齢を考えれば奇跡的な物だったから、比べるのもかわいそうですが・・・。
 と言うか、大林監督は確信犯的に主演二人のみならず、出演者に演技をさせないようにしたのではないかと思うのです。一美(中身は一夫)にいたずらをしようとした教育長の息子にしても、ドサ周りの役者達にしても、厚木拓郎演ずる山本弘にしても、非常に様式的ですし、リアリティは二の次と考えていたのではないかと思うのです。
 役者の演技に頼らないところや一子(一美の姪)の存在や、家族という単位の捉え方から、なんだか小津作品に対するオマージュを感じてしまったのでした。まあ、実際に経験したことのないものは描かないと言う小津のスタンスから考えれば、本作の入れ替わり設定自体、あり得ない話なんですけどね。

 作中に使われる音楽がオリジナルを踏襲しているのですが、その使い方がやはりオリジナルの方が素晴らしいです。父親の転勤で入れ替わったまま、別れることになるかも知れないと言う危機感から家出した二人のフェリー上でのシーン。G線上のアリアは、非常に切なくドキドキしましたし、シューマンのトロイメライにしても、尾道の情景と共にあまりにも印象的でした。
 予算がなかったために、オリジナル音楽を使えなかったからというのが、大きな理由らしいのですが、そんなことを感じさせないくらいオリジナルでは映画にマッチしていました。

 近年に日本映画のお約束のような難病物になるのかと思いきや、そこまでベタにしなかったのはさすがとも言えるのでしょうが、この脚本の変更の意図はよくわかりません。オリジナルのエンディングで感じた、二人の成長と切なさには到底及ばないのです。
 一美の兄(窪塚俊介)が一美に語るセリフ、
「人が死ぬ理由は誰にも分からない。でも生きる理由は自分で決める」
というのが、キーワードなんでしょうけど・・・。
大きな変更点、一美(当時、中身は一夫)が不治の病に罹ってしまう点も唐突過ぎる印象で(マクガフィンという扱いでしょうか、その病気の説明もありません)あまり必要ではないような・・・。
 さびしらの水場で入れ替わりが元に戻るシチュエーションにしても、お約束という感じでわかりきってはいるのですが、
「一美はそんな体で水に落ちたら死んじゃうんじゃないの?」
と余計なことを考えたりして・・・。
 
 舞台を尾道から長野に変更したところ(ラヴァ様の圧力があったとか、無かったとか・・・)や転校してくるのが一美ではなく一夫であること、エンディングを原作(おれがあいつで、あいつがおれで)とは大幅に変更することで、「尾道三部作」と「転校生」が最高傑作である自分から脱却しようとしたけれども、脱却しきれずに、オリジナルの素晴らしさを再認識させてしまいましたね。

 とはいえ、主演の蓮佛三沙子の清楚な存在感と、(あ、彼女は今度NHKドラマ「七瀬ふたたび」の七瀬をやるそうですね)大林宣彦の
「今でも自分は進化しようとしてるんだ。その気になればオリジナルの「転校生」を越える作品は作れるよ」
と言うメッセージを聞いたようで、「時をかける少女」や「さびしんぼう」のリメイクも観てみたいなと思わせましたね。
「25年後に、またリメイクしたい」
と言っているそうですし・・・。

 

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25年前の名作「転校生」のリメイク作品

投稿日:2008/01/14 レビュアー:キャップ

82年版では、女の子が尾道に転校して来る場面からスタートしたが
2007年の『転校生』は、男の子が尾道から転校して来る場面から始まる。

一夫は離婚した母と2人暮らしでピアノの名人。
一美は大家族のそば屋の娘で元気よく家事や店を切り盛りしている。
82年版とは違い、男は必ずしも乱暴ではないし、
女は決してメソメソしているだけではない。
また、82年版には無かった近親相姦一歩前の母と息子の関係という、大林映画の重要な題材も描かれるのも今回の特徴だ。

そこに「デベソでオネショの一夫ちゃん」とか
「因縁をつけてくる変な男」とか、
前作と同じエピソードも挟み込まれる。
「トロイメライ」「アンダンテ・カンタービレ」など、前作で印象的に使われた音楽も端々で聞こえてくる。

このため、懐かしい記憶の中に、別の新しい記憶が混ざっていくような、
自分と他者の入れ替わりにも似た、不思議な感覚にも陥る。
これも大林監督の計算のうちなのだろう。
そして、前作を見てない若い観客にはどんな効果があるのだろうか?

一方、クライマックスは大幅に変更されている。
元の体に戻る方法があるということは、前作を見ていなくても予想がつくだろう。
だが2人は、はたして元の体に戻る、という選択をするのだろうか?
そして結末は・・・

それは大林監督らしい、愛の残酷さを表現したものなのだろう。
前作でも、ラストの別れの場面では、一美は早々と一夫に背を向け、自分の未来へと歩いていった。
この結末も、未来に生きる少年たちの取るべき行動として、冷酷なまでに一貫している。

しかし、それでも私にはまだ疑問も残る結末だった。
そして、ではどうすれば私は納得したのか、と問われると、
よくわからないのも事実だ。

この結末について、他の人と語り合いたくなる、という点では、
まさに現代の若い人たちのための新しい『転校生』なのかもしれない。

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謎がグルグル渦巻くぞ。

投稿日:2008/06/04 レビュアー:ぴよさん


これはどんな映画を撮ろうとしたのだろう。多くの疑問が、鳴門の渦のように渦巻く作品だ。
もちろん「大林宣彦の映画」という事前認識は十分に持った上での感想だ。昔々に『HOUSE』(77)を観て「こんな映画を撮っていいんだ」と驚いて以来、『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』と、その特殊な映画作りには、十分慣れているつもりなのだが。あの奔放で個性的な作風とは、またどこか違った「んん?」を感じてしまうのだ。 

斜めに切り取った画面に、呆気に取られる序盤。カメラを傾けて、ぐりーんとカメラをパン、今回、大林監督はこの動きがお気に入りのようで、これを執拗に繰り返す。まるでカメラの使い方を教わった授業の後に、やたらと試したがる専門学校生の様に。その狙いと効果のほどは…よく分からない。

やけに時代がかったセリフ回しとリアクションの数々に、これは昭和の設定かな?と思ったのもつかの間、どうやら現代のドラマということが分かってくる。これは(大林ワールドという意味の)狙いなのか、よく分からない。…キェルケゴールを読む高校生って、居るか?現代日本。いや、居てもいいけど。


後半、ドラマは最初から計算していたのかどうかも疑わしいほどの急展開を見せる。だがそれは、原作、そして82年版でもえぐれなかった部分への突入でもあった。この話で無ければ描けない愛の形に触れかけて、「お、なるほど、そう来るか」とは思わせる。

だが、そんな時でもいちいち気になるのは、脚本の落ち着かなさだ。大林宣彦の長女、大林千茱萸が大元のプロットを書き、それを数人がかりで脚本の形にしたようだが、あちこちに綻びを感じてしまう。
丁寧に描こうとしている部分と、えらく大雑把な部分。真剣とおふざけ。リアルなキャラクターと、突拍子も無いキャラクター。レトロとモダン。そういったいちいちに統一感が無く、場当たり的に感じる。
あ、これはみんな煮詰まっちゃって、マクロ視点を失ったな、そうこうするうちにデティールもいい加減になってしまったな…と、そんな経過が見えてきてしまう。


まあ、それもこれも全部まとめて、大林風味と言うしかないのか。確かに最終的には、(無理矢理ながら)不思議な爽やかさをもって終わる。騙されたような、そうじゃないような。しかしこのボワ〜っとしたエンディングにしても、いつもの冴えは無い。これはやっぱり、ワタシ的にはあまり感心できないな、ぐるぐる。


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転校生 さよなら あなた

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現代のヒット条件を盛り込んだリメイク。

投稿日

2008/04/01

レビュアー

JUCE

 今回のセリフリメイクに当たっての変更部分は時代の流れの必然と言うよりは、時代に迎合してしまったのかなという印象が拭えません。
 まずどうかなと思ったのが序盤からのミュージックビデオのような撮影や編集。この演出の意図が分かりません。現代の若者に対してスピーディーで、オシャレなカメラワークが受けると言うことなのでしょうか。もう少しじっくりと人物の設定や舞台を描いて欲しかったと思います。

 主演の二人はいかにも大林監督の好みという感じ。蓮佛美沙子は原田知世と石田ひかりを足して2で割ったような雰囲気のもち主だし、一方の森田直幸も高柳良一や尾美としのりの系譜です。二人の演技も決して悪くない。ただし、二人とも入れ替わる前の性格と入れ替わったあとの性格が微妙にずれているのが気になった。一夫は元々は恋人のためにピアノをマスターするなど割と繊細な少年なのだが、一美になった途端にかなり粗野な性格になっている。逆に一美はなんでも思いついたことは口にするどちらかと言えば男っぽい性格が、一夫になったとたんナイーブな雰囲気になってしまいます。このあたりは物語の根幹に関わる部分なので整合性を持たせて欲しかったところです。

 後半はオリジナルとは異なり、かなり重いテーマを含んだ展開になっていきます。最近の邦画を見るとこうしたテーマを含まないとヒット作にならないのかと言うくらい。よくある設定なのですが、この部分に関してはそれが時代に迎合した結果だとしても実はこの転校生で体と心が入れ替わるという設定と非常にマッチした良いテーマだと思います。
 しかしオリジナルを変えてまで入れたテーマにしては描き方が弱い。饒舌な割りに肝心なところが淡白。全体的に不安定な印象がします。何故かあるべきはずの主人公達の葛藤が無く、徹頭徹尾悟りを開いた仙人のようです。葛藤の末の選択ならばもう少し味わい深いものになっていたに違いありません。

 題材自体に強い力があるので、変な小細工はいらなかったのではないでしょうか。

 かろうじて大林監督らしいノスタルジックな雰囲気が残っているのは良かったと思います。この映画を観て改めてオリジナルをもう一度見直したくなりました。

82年の小林聡美 尾身としのりのリメイク

投稿日

2008/01/24

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ミルクチョコ

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微妙なお年頃の中学生男女が、突然降りかかった異常事態に四苦八苦しながら、立ち向かう爽やかな青春コメディ。

両親の離婚で引っ越して来た斎藤一夫が、幼馴染みの斎藤一美と再会。昔話に花が咲き、幼い頃遊んだ水場へとやって来たが、足を滑らせて水の中へドボン! 這い上がって来た時には、二人の体が入れ替わっていたという、ありふれた入れ替わり物語。
ところが、前半は笑いありなのですが、後半は、がらりと異なる内容で、結構切ない展開となり、若者の成長物語となっています。

二人の入れ替わりに気付く友人弘の登場があります。
弘は、入れ替わった一夫に対して「君の心が好きだ」と言うと、
一夫は「目の見えない心がどうして分かるの?おでこや、あごが綺麗だと言ってくれたほうがいい」と答えます。
姿形は変わっても、気持ちは変わらないのだとハッとしてしまいましたが、終盤、弘は、新しいガールフレンドにおでことあごを褒める男に変身していたところが、ちょっと笑えます。

体が入れ替わったことで、一夫にとって一美の疑似体験をしたことになるのでしょうが、自分を見つめ直し、進路を決めることが出来たし、まだ、自分が未分化の少年期から、出会いと別れを経験して青年期へと向かった事を描いているのだと思います。
思わぬ出会いと、不思議な体験をした事によって、色々と思い感じた事を胸の中に大切にしまい込み、少年は飛び立ったのでしょうか?




けっこう楽しめますけど、オリジナルには・・。

投稿日

2008/03/26

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 名作「転校生」を大林監督自身によってセルフ・リメイクしたということですけど、全く違った印象を受けるのは、過去の呪縛(そういう言い方は違う?)からの脱却を狙ったのでしょうか。
 82年当時は、大林宣彦と言っても、CM出身の若手と言う認識で、「転校生」自体も、その内容から出資予定だった会社内部で、「ハレンチだ」と言う意見が出て、出資が中止されたりしたそうです。(その会社は、後悔したんでしょうね)
 すべてが思い通りには出来なかったのでしょう。今は、自分の思ったとおりに出来るという部分で、リメイクしたんでしょうかね。
 たしかにオリジナルに比べると、映像や編集は格段に洗練されているとは思うのですが、どこか大学生の自主製作映画のように見えてしまうんですよね。それは彼の持ち味なのでしょうか。

 主演の蓮佛三沙子と小林聡美の違いのせいか、オリジナルはハチャメチャなおかしさがあったのですが、本作は静かで切なくて、若干重くて暗いです。蓮佛三沙子はとても可憐で、昔の原田知世を思わせるし、熱演だとは思いますけど、小林聡美のインパクトにはかなわないなと言うのが正直なところですね。(歌うまいよね)
 森田直幸にしても、尾美としのりと比べてしまえばいかにも弱いのです。オリジナルの二人の演技は年齢を考えれば奇跡的な物だったから、比べるのもかわいそうですが・・・。
 と言うか、大林監督は確信犯的に主演二人のみならず、出演者に演技をさせないようにしたのではないかと思うのです。一美(中身は一夫)にいたずらをしようとした教育長の息子にしても、ドサ周りの役者達にしても、厚木拓郎演ずる山本弘にしても、非常に様式的ですし、リアリティは二の次と考えていたのではないかと思うのです。
 役者の演技に頼らないところや一子(一美の姪)の存在や、家族という単位の捉え方から、なんだか小津作品に対するオマージュを感じてしまったのでした。まあ、実際に経験したことのないものは描かないと言う小津のスタンスから考えれば、本作の入れ替わり設定自体、あり得ない話なんですけどね。

 作中に使われる音楽がオリジナルを踏襲しているのですが、その使い方がやはりオリジナルの方が素晴らしいです。父親の転勤で入れ替わったまま、別れることになるかも知れないと言う危機感から家出した二人のフェリー上でのシーン。G線上のアリアは、非常に切なくドキドキしましたし、シューマンのトロイメライにしても、尾道の情景と共にあまりにも印象的でした。
 予算がなかったために、オリジナル音楽を使えなかったからというのが、大きな理由らしいのですが、そんなことを感じさせないくらいオリジナルでは映画にマッチしていました。

 近年に日本映画のお約束のような難病物になるのかと思いきや、そこまでベタにしなかったのはさすがとも言えるのでしょうが、この脚本の変更の意図はよくわかりません。オリジナルのエンディングで感じた、二人の成長と切なさには到底及ばないのです。
 一美の兄(窪塚俊介)が一美に語るセリフ、
「人が死ぬ理由は誰にも分からない。でも生きる理由は自分で決める」
というのが、キーワードなんでしょうけど・・・。
大きな変更点、一美(当時、中身は一夫)が不治の病に罹ってしまう点も唐突過ぎる印象で(マクガフィンという扱いでしょうか、その病気の説明もありません)あまり必要ではないような・・・。
 さびしらの水場で入れ替わりが元に戻るシチュエーションにしても、お約束という感じでわかりきってはいるのですが、
「一美はそんな体で水に落ちたら死んじゃうんじゃないの?」
と余計なことを考えたりして・・・。
 
 舞台を尾道から長野に変更したところ(ラヴァ様の圧力があったとか、無かったとか・・・)や転校してくるのが一美ではなく一夫であること、エンディングを原作(おれがあいつで、あいつがおれで)とは大幅に変更することで、「尾道三部作」と「転校生」が最高傑作である自分から脱却しようとしたけれども、脱却しきれずに、オリジナルの素晴らしさを再認識させてしまいましたね。

 とはいえ、主演の蓮佛三沙子の清楚な存在感と、(あ、彼女は今度NHKドラマ「七瀬ふたたび」の七瀬をやるそうですね)大林宣彦の
「今でも自分は進化しようとしてるんだ。その気になればオリジナルの「転校生」を越える作品は作れるよ」
と言うメッセージを聞いたようで、「時をかける少女」や「さびしんぼう」のリメイクも観てみたいなと思わせましたね。
「25年後に、またリメイクしたい」
と言っているそうですし・・・。

 

25年前の名作「転校生」のリメイク作品

投稿日

2008/01/14

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キャップ

82年版では、女の子が尾道に転校して来る場面からスタートしたが
2007年の『転校生』は、男の子が尾道から転校して来る場面から始まる。

一夫は離婚した母と2人暮らしでピアノの名人。
一美は大家族のそば屋の娘で元気よく家事や店を切り盛りしている。
82年版とは違い、男は必ずしも乱暴ではないし、
女は決してメソメソしているだけではない。
また、82年版には無かった近親相姦一歩前の母と息子の関係という、大林映画の重要な題材も描かれるのも今回の特徴だ。

そこに「デベソでオネショの一夫ちゃん」とか
「因縁をつけてくる変な男」とか、
前作と同じエピソードも挟み込まれる。
「トロイメライ」「アンダンテ・カンタービレ」など、前作で印象的に使われた音楽も端々で聞こえてくる。

このため、懐かしい記憶の中に、別の新しい記憶が混ざっていくような、
自分と他者の入れ替わりにも似た、不思議な感覚にも陥る。
これも大林監督の計算のうちなのだろう。
そして、前作を見てない若い観客にはどんな効果があるのだろうか?

一方、クライマックスは大幅に変更されている。
元の体に戻る方法があるということは、前作を見ていなくても予想がつくだろう。
だが2人は、はたして元の体に戻る、という選択をするのだろうか?
そして結末は・・・

それは大林監督らしい、愛の残酷さを表現したものなのだろう。
前作でも、ラストの別れの場面では、一美は早々と一夫に背を向け、自分の未来へと歩いていった。
この結末も、未来に生きる少年たちの取るべき行動として、冷酷なまでに一貫している。

しかし、それでも私にはまだ疑問も残る結末だった。
そして、ではどうすれば私は納得したのか、と問われると、
よくわからないのも事実だ。

この結末について、他の人と語り合いたくなる、という点では、
まさに現代の若い人たちのための新しい『転校生』なのかもしれない。

謎がグルグル渦巻くぞ。

投稿日

2008/06/04

レビュアー

ぴよさん


これはどんな映画を撮ろうとしたのだろう。多くの疑問が、鳴門の渦のように渦巻く作品だ。
もちろん「大林宣彦の映画」という事前認識は十分に持った上での感想だ。昔々に『HOUSE』(77)を観て「こんな映画を撮っていいんだ」と驚いて以来、『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』と、その特殊な映画作りには、十分慣れているつもりなのだが。あの奔放で個性的な作風とは、またどこか違った「んん?」を感じてしまうのだ。 

斜めに切り取った画面に、呆気に取られる序盤。カメラを傾けて、ぐりーんとカメラをパン、今回、大林監督はこの動きがお気に入りのようで、これを執拗に繰り返す。まるでカメラの使い方を教わった授業の後に、やたらと試したがる専門学校生の様に。その狙いと効果のほどは…よく分からない。

やけに時代がかったセリフ回しとリアクションの数々に、これは昭和の設定かな?と思ったのもつかの間、どうやら現代のドラマということが分かってくる。これは(大林ワールドという意味の)狙いなのか、よく分からない。…キェルケゴールを読む高校生って、居るか?現代日本。いや、居てもいいけど。


後半、ドラマは最初から計算していたのかどうかも疑わしいほどの急展開を見せる。だがそれは、原作、そして82年版でもえぐれなかった部分への突入でもあった。この話で無ければ描けない愛の形に触れかけて、「お、なるほど、そう来るか」とは思わせる。

だが、そんな時でもいちいち気になるのは、脚本の落ち着かなさだ。大林宣彦の長女、大林千茱萸が大元のプロットを書き、それを数人がかりで脚本の形にしたようだが、あちこちに綻びを感じてしまう。
丁寧に描こうとしている部分と、えらく大雑把な部分。真剣とおふざけ。リアルなキャラクターと、突拍子も無いキャラクター。レトロとモダン。そういったいちいちに統一感が無く、場当たり的に感じる。
あ、これはみんな煮詰まっちゃって、マクロ視点を失ったな、そうこうするうちにデティールもいい加減になってしまったな…と、そんな経過が見えてきてしまう。


まあ、それもこれも全部まとめて、大林風味と言うしかないのか。確かに最終的には、(無理矢理ながら)不思議な爽やかさをもって終わる。騙されたような、そうじゃないような。しかしこのボワ〜っとしたエンディングにしても、いつもの冴えは無い。これはやっぱり、ワタシ的にはあまり感心できないな、ぐるぐる。


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