チル・アウト！

ちょうどつまらないハリウッド映画を観た次の日に観たので
あらためてスペイン映画っていいなーなんて思ってしまう。

スペインという異国の地のなかに
日本の下町のような身近さがあって、
いざという時の女の生きる強さみたいなものも出てて
程よい温度が好きです。

細かいトコ突っ込む気は起きないのに
細かいトコ魅入りたくなる。
アパートの雰囲気や
エンドロールもかわいかった。

私が映画を好きになったのは、アルモドバルの映画を観てからだと思います。崇拝してると言っても過言ではありません。
ってな感じで、むちゃくちゃ期待して観ました。
ただ、アルモドバル作品製作スタッフだから、やっぱりパンチにかけたかな。
一人一人に個性があって、観ていて楽しいけど、何か物足りなさを感じてしまいました。
ありえない設定や、セリフ運び、随所にアルモドバルは感じられるけど全体的にはもう一つですね。
最近のアルモドバル作品はとても洗練されてきて、非常に完成度が高いと思います（偉そーにすみません）。
初期のころの雑な感じが残る愛すべき作品のような雑さを久しぶりに味わいたいものです。
でもやっぱり熱いラテンの国の映画はいい。

学生時代、西語を専攻しておりました。だからって台詞が理解できるわけでもないんですが、オカマさんの喋りは聞きやすかった。同じクラスの男子が突然「お名前なんての？」と話しかけてきたことを思い出しましたねぇ。もっともけがれのない、青い美しい思い出。そんな彼はサッカーをやってました。いま、アコガレの君もサッカーをやっているらしい・・・。此処はいいですねぇ、匿名ですから何でも書ける。

さてお話のほうですが、なかなかおもしろい。単純に喜劇ですが、舞台を見ているようなめまぐるしさがあり、期待通りの結果になったりならなかったり。“奇人達の晩餐会”で覚えた感覚と、少々近いものがありました。CHILL OUTとは、うまいこと言ったもんです。万人に、ものすごくオススメはしないけれども、付き合いたてのカップルとかには見てもらってもいいかな感。それなりにキャッキャしながら見られるかもです。

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つまらない映画ではないと思う。
次から次へと問題発生！どうにかこうにか乗り越えていく。
でもなんかスカッとしないんだよなぁ。問題を解決しても。

私の中で、登場人物にいまいち愛着がわかないとか色々あるけど、
一番スカッとしない理由はたぶん映画監督の元彼女が原因だ。

ここからネタバレ度高し。


映画監督の元彼女は、冒頭、映画監督にこっぴどくフラれるんだけど、
どうやら元彼女のほうには未練がある様子。
だからといって、ストーカー化しちゃうとかそういうんでもない。
ごく普通に未練があって、音信不通の映画監督を心配しているだけの、
そんなに悪人ではないキャラクター。カフェの店員への態度はいやな感じだが。
なのに、最後、あれは多分お亡くなりになってるよね・・・。
一度、主人公に殴られて、えっ、殺しちゃったの？？
って思ったけど実は生きてて、あぁよかったぁっ、死体を隠すだけなら許せるけど、
殺しちゃったらひくよなぁって思ってた矢先の交通事故。
映画監督の死体を見てしまったことを夢だと思わせるとか、
そうゆうゆるい解決方法で終わらせてほしかったのに、
悪人ならともかく、善人が偶然死んでしまったことを解決としている展開が、
私がスカッと思えなかった原因だろう。

平和的解決を求む。

レビューの少なさに、逆に驚きました。
数々の伏線に無駄がなく、脚本は見事です。
登場人物、配役の一人一人が個性的で、普通っぽくて普通でない。

絶対にあり得ないストーリーながら、
映画だからこその痛快さ！
最高です！
最初から最後まで、ニマニマしながら楽しみました♪
必見です。