リトル・チルドレン

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ボストン郊外の住宅地を舞台に、自分の立場に満足できず別の人生を夢見る大人達の姿をシニカルに綴られています。

英文学の学位を持つインテリ主婦サラ（ケイト・ウインスレット）は娘を連れて公園デビューをしたものの、近所の主婦たちに馴染めず、幼い息子を連れた主夫ブラッド（パトリック・ウイルソン）と知り合う。
インターネットのアダルトサイトに嵌まる夫に嫌気がさしたサラは、夫の行動に幻滅・・・ブラッドとの不倫に走る。

一方、子供への性犯罪で服役していたロニー（ジャッキー・アールヘイリー）が刑期を終えて戻っていて、執拗にロニーを追い回す元警察官とロニーがサラとブラッドの不倫物語に絡んできます。

サラとブラッドはそれぞれに家庭を持ちながらも、現状の生活に枯渇を感じ、配偶者でなく、他人によってその隙間を埋めようとするあたりは、未熟な好奇心や、欲望の赴くままにのめり込む姿は、リトル・チルドレン？のタイトルがそこにあるのかなぁ〜と思ってしまいましたが、それだけではなく、ハイソな住宅街に潜むそれぞれが持っている孤独と、心の奥深くに潜む誰もが持っているネガティブな部分をも描きたかったのかな？と思いました。

駆け落ちの待ち合わせ場所になっていた公園で、サラは、幼児性愛者のロニーと出会い、ロニーが、「母だけは唯一自分の味方で愛していてくれた」と彼の言葉を聞き、はっと我に返り、娘を抱きしめて家に戻ることを決めたのでは？
サラが、娘を捜し、抱きしめた時は、彼女の成長した姿を見れて嬉しかったし、ブラッドも途中でスケートボードをするということは、思い留まったのでしょう。
執拗にロニーを追い回していた元警官も、血だらけになった彼を何とか助けたいと車を走らせる姿は、あたりまえといえばそれまでですが、成長した姿を見れました。

細かな話が、丁寧に仕込まれていて、性犯罪者の件は、シニカルで哀しいツボでした。

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原題の「LITTLE CHILDREN」は読んで字の如く「大人になれない大人たち」の意味で、私の周りにも居る(笑)。本作は日常に密接したテーマで鮮やかなドラマを紡ぎ出す注目作。
英語が咀嚼できる方なら、本作を見た後で原題と対比する「ADULT CHILDREN」を示唆と感じると思う。日本は用語の誤用が多過ぎるが、本作は上手に物語に絡ませた事で、重厚で奥が深い割には、理解し易く描かれた。

物語はギュスターヴ・フローベールの代表作で写実主義文学の傑作「Madame Bovary」をモチーフ、いやインスパイアして製作してる。
小説のボヴァリー夫人は怠惰な日常から逃避して不倫に走り、最後に自殺するが、本作は自殺は愚かと言う一方で、共感できる事も隠さない。そんな現代社会で暮らす「個」の人達に痛切に差し迫るテーマが秀逸だ。

快楽主義者の事を、古代ギリシアの哲学者から引用して、エピキュリアンとも言うが、本作は彼らをベースに御伽噺として昇華させた脚本が素晴らしい。
監督のTodd Fieldは、代表作「イン・ザ・ベッドルーム」同様に、愚公なのは女だけで無く、男も同罪と辛辣に語る。その辺りは「アメリカン・ビューティー」や「マグノリア」と類似してる。
映画を見る行為も、ある意味で現実からの逃避と言えるが、本作は登場人物を写実的に語る事で、静かな感動を呼び起こす。作品に共感できる淑女が多い事は、独身の私でも想像できる(笑)。

本作の出色はKate Winsletの演技！(色んな意味で)。彼女が劇中で語る「男性とのセックスを求めたんじゃなくて、ただ違う生き方をしてみたかった」と言う台詞に作品のモーメントを強く感じる。
小児性愛者Jackie Earle Haleyの演技も素晴らしく、現代のボヴァリー夫人で有るKate Winsletと見事な対を成してる。
辛辣な原作を映画で、どう着地させるのかとハラハラしながら見たが、上手い脚色家のお陰で無事に不時着した。このラストに異論も有るだろうが、私は珍しくハッピー・エンドを支持したい。

映画とは非日常を描いてナンボの世界だが、本作の様に日常生活に潜む非日常性の世界を描く事の方が実際は難しい。その意味でも本作は映画としてのレベルも高く、その身近なテーマ故に深く、熱く、そして長く感動できる作品だ。
この世の全ての紳士淑女に見て欲しい作品、きっと気に入って頂けると思います。

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　まず、タイトルから「アダルト・チルドレン」を引き合いに出すのは、ちょっと違うんじゃないかなと私は思います。そもそも「アダルト・チルドレン」とは「大人になりきれない大人」という意味ではないし（この誤用は大変多い）、家庭の中で大人の役割を担わされた子供の意で、機能不全家族の犠牲者で、成長してもなお心に傷を負っているがゆえに、この世に生きにくさを感じている人たちのことですよね。この作品に出てくる人たちは別にそういうキャラクターではないし、ましてや不倫に走る２人を称して「自分勝手な欲望のおもむくままに行動する子供っぽい人たち、まさにアダルト・チルドレンね」と非難するのは、誤解を招きかねません。

　私が思うには、このタイトル、天上のお方が我々愚かなる人間たちをみて「子供たちよ」と憐れんでいる風に感じられます。どなたかが仰っていましたが「アメリカン・ビューティ」や「マグノリア」を彷彿とさせる、シニカルな人間ドラマですね。

　ダンナが頭からパンツかぶってアダルトサイト見てアヘアヘしてたら、そりゃ、そんな現実からは逃げたくなるわなと思えますよ。不倫に走るヒロインのサラ（ケイト・ウィンスレット）は確かに不道徳だし、文学鑑賞と同じ感覚で自身の行動を「勇気ある挑戦よ」などと正当化してしまうあたりは世の主婦連ドン引きの状況ですが、何か行動を起して現状を変えたい、心踊る出来事に我を忘れてみたい、そんな思いでもがく姿には心を突かれる。そのやり方が間違っていることも、その先には未来が無いことも、サラは分かっている。分かっていて最後の賭けに出てみた。クライマックスに向かってドラマが急展開し、それぞれに「やりきれない自分の人生」に落し前をつけるラスト数十分。愚かな人間たちの悪あがきの行く末、驚愕の結末にきゅぅっと心を鷲づかみにされた。

　作中に登場するのは『ボヴァリー夫人』でフランス文学ですが、映画自体は非常にアメリカ文学っぽい味わい。っていうか原作小説アリですもんね。未読ですが、小説の雰囲気がとってもよく出ていたと思います。いずれにしても“挑戦”はフィクションの中だけでけっこう。虚構の世界＝映画や小説を利用すれば現実逃避できる訳だし、大事なものを壊すことなしに現実の生活を耐えていけるわけですよ。ご利用は計画的に。

まず 一言 ・・・
私は 子供の事を 第一に考えられない母親の代表です
一生懸命に やっては いるんですけどね ・・・
どこか 自分には 向いていない気がするんですよ
子供の愛し方が分からない ・・・
母に 愛されたことが ないからかも知れない ・・・
母との間には 大きな壁があって 近付こうとしても拒否されたの
そういう記憶から 苦々しい気持ちになるんです
だから 一生懸命 娘には 心血を注いでるんだけど
どうも 空回り 空回り ・・・
泣きたくなるし 逃げ出したくなる ・・・
「 こんな人生 だれも 望んでなかった 」 って
これも 母と同じ言葉だな ・・・
「 貴女が居なければ ・・・ 」
これも 母が 私に言った言葉
大人になりたくても なれないのよ
フツーの 子供だったことがないから ・・・
悲しいんだよ それって
夫も子供 娘も 当然 子供で
自分も子供 ・・・
延々 抜け出せないスパイラル
今日の夜 観てきた映画で
自分に対する 父だか 母の恋人だかの事で
仲の悪い母親を ヒロインが 口論の挙句
モップみたいな棒で 暴行するシーンがあるんだけど
あのくらいの事をしないと ・・・
と言うか それが出来るようになるまで
呪縛は解かれないのかも知れないね
うちは もう 無理だけど
私に繋がる人たちには どうか 幸せになって欲しい
Ｈａｐｐｙ Ｘ’ｍａｓ ・・・

近所のツタヤでレンタルした方が早そうですね。