オーバー・ザ・レインボー

　韓国ドラマにありがちな、あり得ない設定やオーバーな演出はなく、リアリズムに徹していて、登場人物も平面的ではなく、人物像の陰影がしっかりと描かれています。これは長所であると同時に欠点でもあるわけで、韓国ドラマのよさのひとつは現実離れしているがゆえの軽さだと思うのですが、このドラマはずっしりと重いです。

　一種のサクセスストーリーではあるのですが、厳しい現実が充分すぎるほど描かれているので、無心に喜べるような成功ではありません。とてもいい青春ドラマなのだけれど、こんなに深刻に中途半端な成功ではなく、もう少し軽やかに描かれていたら、もっと楽しめたし、幸せで爽快な気分になれたかも、という印象です。好みの問題なのかもしれませんが…。

本作でキム・オクビンssiが演じるチョン・ヒスという女性は，パワフルで，才能と大胆さで歌手の夢を実現していくという強いキャラクターの持ち主です。
彼女の実際の性格もチョン・ヒスに似てるんじゃないかと思えるエピソードがあります。
MBC“遊びにおいで”に出演した彼女は，堂々と普通に全羅道(チョルラド)訛りで話し，強い印象を残しました。また彼女は，合気道３段，テコンドー２段。ムエタイとボクシングも趣味で学んだという武闘派の女性でもあります。

さて本作は，音楽業界を舞台にしたドラマなのですが，歌手になるという夢を追いかけ続けるチョン・ヒスは，致命的にも歌が上手くありませんね。オクビンssi自身がどうなのか分かりませんが，ヒスが歌手デビューした曲は，微妙に歌が上手くないことがバレないようなメロディの曲でした。

ドラマとしては今までに見たことがない構成の作品で，正直いって，このドラマが，地上波ではないとしてもBSデジタルで放送されて驚きました。
日本で有名な俳優さん（キム・オクビンは個人的には好きだけど…）が出ているわけでもなく，いわゆる“韓流ドラマ”という感じの作品でもないし，どうしてこの作品が放送されたのかは謎ですね。
おそらくBS日テレの内部に，私のような“韓ドラ”マニアがいて，“韓ドラ”らしくない“韓ドラ”の発掘を命じられたのでしょうね。
結果として，昔からの“韓ドラ”ファンをうならせ，新しい“韓ドラ”ファンを開拓した，BS日テレの担当者さんに花マルを差し上げたいと思います。

　ドラマ「マイ・スウィート・ソウル」で映画青年を演じとてもいい味を出していた「チ・ヒョヌ」の０６年主演ドラマ。
　いま第６話まで見たところですが、ヒョヌが切ない！！
どう見ても、キツイ性格っぽいニュージーランドから来たヒス（キム・オクビン）に恋をして、今は苦労の真っ最中。この先どうなるのかしら！！最後は幸せになって欲しいものですねえ。

　途中から登場のサンミ（ソ・ジヘ）が、まるでドラマ「１９歳の純情」のグッカのような頑張り屋さんで、可愛いです。
（私は、ヒスよりこの女の子のほうが好きなんだけれど。）
また、大スターＲＥＸ（ファニ）の孤独も、なかなか魅力的です。

　若手スターの歌やダンスの実力が目の当たりにできて、とても楽しいです。この先も楽しみ！！

芸能界を舞台に
男女４人がスキャンダルや恋に翻弄されながら
スターを目指して奮闘するラブストーリィーです。

まず驚いたのが『ハノイの花嫁』で可憐なベトナム女性
ディブを演じたキム・オクビンが
歌って激しいダンスをするところです。

彼女のデビューはインターネットからとちょっと現代風。
≪インターネットオルチャンコンテスト≫のバナー広告を見て、
面白半分に写真を一枚アップさせたキム・オクビン
“インターネットオルチャン(オル＝顔、チャン＝最高)”
で女優デビューしたという超ー変り種女優さん。

それだけ顔がいいという証明なのでしょうが
このドラマでは
決して顔だけでなく
惜しげもなく、ダンス、歌そしてスタイルの良さを
披露しています。
（あくまでも歌は音痴？という設定ですが）

共演は人気K-POPグループ・The Nutsのチ・ヒョヌや
韓国R&B界のトップアイドル・Fly To The Skyのファニ
（今回このドラマが俳優デビューらしい）ら本物の歌手たち
に混じり、立派なダンサーを披露しています。

おまけで
韓国の芸能界の裏側も、のぞけそうです？！
もちろん、歌やダンスはたっぷりと楽しめます！！

★★★☆☆

　ちょと時間がかかりましたが、本日見終えました。
こんな良いドラマを今まで見逃してきたことが悔しい！
かなりレベルの高い青春ドラマだと思いました。

　これを見た方は大概「チ・ヒョヌ」派と「ファニ」派と分かれるのかもしれませんが、私はどっちも好きでした。
ＲＥＸは声が男っぽくてダンスも凄いし、大発見です。
チ・ヒョヌは、ますます好きになりました。
また、「チ・ヒョヌ」の父親の♪チャ♪チャ♪チャっと歌う俳優さん（イム・ハリョン〜映画「トンマッコルへようこそ」〜）も印象的でした。この最終回、すごく良かったなあ！！

　女性陣は、二人とも適役でしたね。
ソ・ジヘはお初だったんですが（駱駝顔のキム・ミンソンにちょっと似てません？）、苦労人の性格美人の女の子を好演！　いい男二人に好かれるのも納得です。
新作映画「こうもり」で、ソン・ガンホとカンヌを沸かせたと話題のキム・オクビンは、上昇志向の強い歌手の卵をこれまた熱演。

　いやあ、面白かった。
主役４人のその後の作品を、これからもチェックして見ていこうと思います。
このドラマをオススメくださったレビュアーの先輩方、ありがとうございました。