ＴＨＥ　ＬＡＳＴ　ＤＡＹ

ギャスパー・ウリエルがお気に入りの人にはおすすめ。

ストーリーは緩慢だが、フランス映画だし、きっと緩慢にも意味があるのでしょう。一見意味ないなあ・・・と思う風景が随所に織り込まれ、それは主人公の青年の心象風景なのかも知れません。

寒々としたフランス北部の海岸の風景がきれい。

登場人物は、感情移入できる人がまったくいなかったので、そういう意味では退屈であったかも。

みんなそれぞれに秘密や思惑を抱えていて、時に感情を爆発させるけど、その理由を言わないので、映画の初めの方は色々想像をたくましくしていたが、最後はこういうことだったのね・・・という感じでした。

フランス映画らしい映画と言えるかも知れません。

ウリエル君の表情を捉えるためか、大写しがたくさんあって、彼の不思議な美貌に魅かれました。

親の因果が子に報い・・・と言いますが、人生を刹那的に捉えてしまう主人公には、心がつぶれるほど悲しかったんだろうなあ・・・と、観終わった後もぼんやり考えたりしました。

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とにかく待って待って待って待って
最後にちょっとひきこまれた。

ながーい前置きだった気がするけど、単につまらなくてやめちゃおう、と思わなかったのは、絵の美しさとか、独特のトーンとか？

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透明感あふれる青に、徹底的に拘った一作です。
劇中曲のｍａｍｍｙ　ｂｌｕｅ　（←懐かしい！）やｄａｙｄｒｅａｍ　ｉｎ　ｂｌｕｅ。
ブルターニュの青い空、青い海、風に弄られる草や木々。

ともすればドロドロに描く事もできるこの作品のテーマですが、
それらの美しい映像の羅列によって、青年の孤独・繊細な心のひだを、見事に表現し切っている。
余計な言葉もこれといったストーリーもない、「ギャスパーのラブロマンス」（←イントロダクションの書き方がヘンと思う）
を期待すれば、なんだこれは？となってしまいますが、
登場人物に感情移入せず、客観的に眺めていると、いつしか自分がシモンの心に入り込んでいってしまうような・・。
ラストの血が対照的に鮮烈な赤で、ハッと現実に戻されてしまいます。
映像のみで表現しようとした作品ですね。
しかし、このラストでは、あまりにも報われない・・。

物語については何も語らない方が良いのですが、あえて分析すれば、結局親や周囲のエゴ・思惑に傷ついた青年、と言った話でしょうか。
知らされた事実により全てが紐解け、一気に押し寄せた言いようのない心の痛みを立て直す術もない。
唯一味方だった母親も、父親とやり直すために自分から離れて行き、
恋した少女も友と去り、そして誰もいなくなり、一人取り残された彼は終焉を迎えてしまう。
いや、これを書いてしまうと、この映画の良さが半減してしまうか。
考えないようにして、余韻に浸ります。

ギャスパーははまり役でもちろん良かったですが、お母さん役ニコール・ガルシアも見逃せません。
「愛と悲しみのボレロ」で印象深かったあの演技。
心に傷を持ち、悲しげで、それでいて暖かい目、また垣間見ることができました。

一見つまらない映画ですが、こういう作品好きです。
「ハンニバル・ライジング」繋がりでレンタルしましたが、心に残る一作となりました。
もうけモンでした。

「ハンニバル　ライジング」の３年前に、美しいギャスパー・ウリエルが主演した作品。

寒々とした海辺の町、浜辺、灯台。
フランス映画らしい、ぼやけた感じと、淡々とした流れでお話しは進んでいきます。

休暇に、実家のある海辺の町に戻るサイモン、途中でルイーズという女性と出会い、家に連れてきます。
初めて会った、何も知らない相手を家族のいる家に連れて帰るサイモンにも驚くし、付いて行くルイーズにも節操がないなって思いましたが、実はここが、この映画の重要な所だったりします。

サイモンには、この町で燈台守をしている親友のマシュがいて、彼はマシュに密かな思いを抱いていました。ギャスパーの親友を見る、恋心を秘めた複雑な眼差しは、切なくて、雰囲気と表情だけで演じるのは上手いな〜と、思います。

浜辺、昼の灯台、そして夜の灯台と海辺がよく出てきますが、３人の心情がそれぞれ表される場所でもあります。

家族は冷え切り、親友は振り向いてくれず、ルイーズもまたマシュに魅かれ、サイモンは孤独を極めていくのですが、最後のどんでん返しに、とても驚かされました。
ルイーズとの最初の出会いに結びついていく所です。

どこか殺伐とした風景が、この結末と合っていますが、余りにも辛い最後だな、と思いました。

ギャスパーは、儚げで繊細な青年役を、等身大で演じています。

とても、とても、美しいですよ。

何も感想が出てきません。最初なんだか期待できそうな予感してましたが・・・も〜〜面白くないです。びっくり。フランス映画はニガテかも。