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1994年にアフリカのルワンダ共和国で起きた悲劇の実話を基に描く衝撃の問題作。実際にBBCの報道記者として現地で取材に当たっていたデヴィッド・ベルトンが原案を共同執筆。海外青年協力隊の英語教師としてルワンダにやってきた英国人青年ジョー・コナーは、英国ローマン・カトリック教会のクリストファー神父が運営する公立技術専門学校(ETO)に赴任する。ある日、フツ族出身の大統領が乗る飛行機が撃墜されたのをきっかけにフツ族によるツチ族への虐殺が始まる。国連兵士によって取り囲まれた学校は、いつしか虐殺を逃れた何千人という難民の避難所となっていくのだったが…。
製作年: |
2005年 |
---|---|
製作国: |
イギリス/ドイツ |
原題: |
SHOOTING DOGS/BEYOND THE GATES |
監督: |
マイケル・ケイトン・ジョーンズ |
---|---|
製作: |
デヴィッド・ベルトン 、 ピッパ・クロス 、 イェンス・モイラー |
製作総指揮: |
デヴィッド・M・トンプソン 、 リチャード・アルウィン 、 ルース・キャレブ 、 ポール・トライビッツ |
出演: |
ジョン・ハート 、 ヒュー・ダンシー 、 クレア=ホープ・アシティ 、 ヒュー・ダンシー 、 ドミニク・ホルヴィッツ 、 ニコラ・ウォーカー 、 ドミニク・ホロウィッツ |
脚本: |
デヴィッド・ウォルステンクロフト |
原作: |
デヴィッド・ボルトン |
撮影: |
アイヴァン・ストラスバーグ |
音楽: |
ダリオ・マリアネッリ |
1994年にアフリカのルワンダ共和国で起きた悲劇の実話を基に描く衝撃の問題作。実際にBBCの報道記者として現地で取材に当たっていたデヴィッド・ベルトンが原案を共同執筆。海外青年協力隊の英語教師としてルワンダにやってきた英国人青年ジョー・コナーは、英国ローマン・カトリック教会のクリストファー神父が運営する公立技術専門学校(ETO)に赴任する。ある日、フツ族出身の大統領が乗る飛行機が撃墜されたのをきっかけにフツ族によるツチ族への虐殺が始まる。国連兵士によって取り囲まれた学校は、いつしか虐殺を逃れた何千人という難民の避難所となっていくのだったが…。
製作年: |
2005年 |
---|---|
製作国: |
イギリス/ドイツ |
原題: |
SHOOTING DOGS/BEYOND THE GATES |
監督: |
マイケル・ケイトン・ジョーンズ |
---|---|
製作: |
デヴィッド・ベルトン 、 ピッパ・クロス 、 イェンス・モイラー |
製作総指揮: |
デヴィッド・M・トンプソン 、 リチャード・アルウィン 、 ルース・キャレブ 、 ポール・トライビッツ |
出演: |
ジョン・ハート 、 ヒュー・ダンシー 、 クレア=ホープ・アシティ 、 ヒュー・ダンシー 、 ドミニク・ホルヴィッツ 、 ニコラ・ウォーカー 、 ドミニク・ホロウィッツ |
脚本: |
デヴィッド・ウォルステンクロフト |
---|---|
原作: |
デヴィッド・ボルトン |
撮影: |
アイヴァン・ストラスバーグ |
音楽: |
ダリオ・マリアネッリ |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
115分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
AVBF24993 | 2007年09月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
15枚 | 1人 | 0人 |
収録時間:
115分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
レイティング:
記番:
AVBF24993
レンタル開始日:
2007年09月19日
在庫枚数
15枚
1位登録者:
1人
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DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
115分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語 2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
AVBF24993 | 2007年09月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
15枚 | 1人 | 0人 |
収録時間:
115分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語
2:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
レイティング:
記番:
AVBF24993
レンタル開始日:
2007年09月19日
在庫枚数
15枚
1位登録者:
1人
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本作は1994年4月に起きた、ルワンダ共和国での虐殺事件がテーマ。原案は英国BBCのプロデューサー、David Beltonが初稿。彼の実体験を、同じドキュメンタリー畑のRichard AlwynとDavid Wolstencroftがリライトして完成。
似た作品で「ホテル・ルワンダ」も有る。私も之を相当高く評価してるので「二番煎じ」の固定観念が、見るまでは支配的だったが、観賞後は製作者に率直にお詫びしたい。
物語も驚くほど「ホテル・ルワンダ」に近い、いや似てる。しかし世界的に中立な報道で評価の高いBBCが製作に絡んだ事で「ホテル・ルワンダ」よりも、白人サイドの視点で語る切り口が新鮮且つ秀逸。
そのスタンスを端的に表す意味で、実際に虐殺が起きた公立技術専門学校でにロケーションした点でも感じる。真実に正面から取り組む姿勢も随所に見られ、実際に家族や友人を虐殺で失った人がスタッフやエキストラで大勢加わり、エンドロールのテロップで紹介する徹底振り。従来の手法をブレイクスルーした演出が見る人の「魂」を揺さぶる。
監督のMichael Caton-Jonesと言えば「ジャッカル」の失敗でハリウッドから干され(笑)、誰も引き受けない「氷の微笑-2」を手懸け、品疎な脚本の割に善戦したと見直した。その前年に製作した本作も意外とイケル?と思ったが、予感は珍しく良い方に的中した。
演出も安易な娯楽要素を避けて、エピソードの焦点をクリストファー神父に絞り、原案で醸し出されたアフリカの息遣い・・・例えば「風の匂い」とか「太陽の熱さ」を丹念に描く手腕は上出来と、監督の作品を初めて褒めたい(笑)。
John Hurt演じる神父には実在のモデルが居るらしいが、主人公Hugh Dancyは便宜的なキャラクターと鑑賞後に知ったが、その狂言回し的なモチーフは「ラストキング・オブ・スコットランド」にも通じる。
実際に起きた事件を過剰に演出する事無く、忠実に組み入れた事で、リアル感は格段に上がった。具体的には、アフリカの象徴とも言える「鉈」を丁寧に描く辺りに、製作者の事件への渇望を見た。
原作者がルワンダで見た様を、見る側も共感すると共に何か虚しさも感じる。これは氏がアフリカで何も出来なかった無力感が作品を支配してるからに他ならない。有りの侭の真実を描こう・・・そんな真摯な姿勢が全編を貫いてる。だから見る私達も心の中から込み上げる「魂」を感じるのだ。
自分達をヒーローと描かず、Coolな視点で語る本作は「ホテル・ルワンダ」と何の遜色も無い傑作だと絶賛したいし、比較する事自体がナンセンス。
ルワンダ大虐殺を通して「人としての人格とは?」と本作は静かに問うている。頼みの国連すら満足に活動しない(出来ないとは違う)。だからこそ、世界へ訴えかける「魂」の叫びに私達も耳を傾けたい。
このレビューは気に入りましたか? 26人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
「ホテル・ルワンダ」と同じく、ルワンダにおける民族闘争によって引き起こされた虐殺を描いた作品ですが、同じ題材を扱っていながら、対極的な作品になっています。どちらがいいと言うことではなく、どちらも観るべき作品であろうと思うのです。
「ホテル・ルワンダ」と違うのは、あちらの作品は弱者である(この民族抗争を考えれば、一概に被害者とは言い切れないのですが)ツチ族の側のスタンスで描かれているのに対し、本作はそれをとりまく欧米人の視点から描かれていることです。
プロデユューサーのデビッド・ベルトンは、自分自身のルワンダにおける体験からこの映画の原案を書き起こしたそうです。BBC・TVの事件報道番組「ニュース・サイト」の報道記者だった彼は、ルワンダで起こった虐殺事件を取材するため、現地に渡り各地を移動しながら、近隣に住むツチ族とフツ族同士の血で血を洗う抗争の様子を目の当たりにしたと言います。
クリストファー神父のモデルとなったのは、キュリックという神父だそうです。取材チームに対しても疑惑の目を向けはじめた過激民兵組織から彼らを守る為に、幾度と無く身を挺して抗議に立ち上がってくれた人物です。何年後かに、キュリック神父が殺害されたことを知ったとき、この映画の製作を決意したのだそうです。ベルトンは言います。
「ある意味、ルワンダの虐殺事件全体が、人間社会の失敗を意味したものであり、そこを私は強調したかったんだ。私自身ジャーナリストとして失敗したと感じている。同時に、学校から逃げだした教師たち、問題を解決することなく立ち去った外交官たち、撤退を命じられた国連軍の兵士、国外退去用の航空機にまっ先に乗り込んだNGOのスタッフたち全員も、内心は自分と同じ気持ちでいたと思う。助けを求める友人たちを見捨てたんだ。その後で友人たちの大半が孤立無援で死んでいったというのに」
「ホテル・ルワンダ」では、虐殺の具体的な表現はほとんどありませんでした。人づてに聞いたこと。登場人物同士の会話等で、その恐ろしさを想像させます。
フツとツチの狭間で苦悩するポール。そして、彼が1200人を救った行動を通して、その悲惨さと共に人間愛の素晴らしさをも描き、感動させる点で素晴らしい作品であると評価したいのです。
対して本作では、これでもかというほど民兵による虐殺を見せつけます。つい先日、笑って会話をした青年が、人が変わったようにナタをふるいます。この悲しい虐殺を知りながら、国連は動こうとしませんでした。「動けないのではなく、動かなかった」のです。現地で鎮圧にあたる兵士は、指令がなければ「動けなかった」のです。国連軍撤収に際して、
「頼むから、私たちを射殺して欲しい。私たちは家族として死んでいきたいんだ。ナタで殺されたくはない」
という願いに対して、
「できない・・・。Sorry」
と告げるしかない兵士の心を思うと、せつなさで胸がはりさけそうになります。
こんな事件に対しても、「虐殺(ジェノサイト)という表現は適当ではない」
と、目をそらし続けた国連、特に米英に対して、今更ながら憤りを禁じることは出来ません。
この虐殺事件の後、撤廃された民族認識カードも、もともと、欧米の勝手な政策だったはずです。キルスト教のプロパガンダ的な描写もあるようには思いますが、(死を目前にした子供達に、聖体拝領をさせることがどれほどの救いになるのか、私には理解できませんから)クリストファー神父の行動は、この絶望的な事件の中では、私なんぞには絶対に真似の出来ない賞賛されるべき行動でしょう。
またスタッフの多くが、被害者であったことも特筆すべきことでしょう。虐殺に巻き込まれながら、悲しみを乗り越え「ルワンダの涙」製作に加わった彼らから伝わるメッセージのエンドロールは、とても静かでありながら、心を強く打つものがあります。
もし、自分が当事者であったら、一体何が出来たのか・・・はなはだ自信がありません。でも、これを放置してはいけないんだ、見過ごしてはいけないんだと言う強い思いを感じることができれば、それは一つの成果なのでしょう。
「ホテル・ルワンダ」「ルワンダ流血の四月」とともに、他山の石とせぬよう、是非観るべき作品です。
このレビューは気に入りましたか? 22人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
「ホテルルワンダ」が、置き去りにされた被害者の視点であったなら、「ルワンダの涙」は、置き去りにした者の辛い過去の話でしょうか。
「事実に忠実に」とスタッフの協力により、ロケ撮影は、実際に虐殺の起こった公立技術専門学校を中心に行われ、スタッフや、エキストラの中には、家族や友人、隣人を失った人たちも多く、エンディングでテロップが流れます。
英語教師として派遣されたジョーは、虐殺している様を目の当たりにして、自らの命を守るために、たとえそれが本意でなかったとしても、彼らを守ることができなかった。
逃げ去ってしまった彼を、誰が責めることができましょうか?
その場から、逃げることができたなら、誰だってそうしたと思います。
そして多分、彼が、一生背負うであろう自責の念も、きっと私たちには理解できないものであろうと・・・
昨日まで、隣人として笑っていた人が、突然血に染まったナタを振りかざし、同じ国の人を殺す。軍人でもなければ、殺人鬼でもない、普通の人たちが・・・
そして、大国や、国連軍は誰も手を差し伸べなかった。
「我々の任務は、監視にある」と・・・国連軍の大尉の言葉が響きます。
そして、「我々は、決定権はなく、ただ命令に従っているだけだ」と。
植民地時代に、支配者である白人が、ツチ族とフツ族の対立を煽ったことが、対立の発端だと言われているようです。
おそらくは、他民族との競争をあおり、植民地経営を容易にしようと仕向けたようです。
アフリカの問題の多くは、植民地の支配に由来することが多いようです。私たちも、奥にある本質にもっと耳を傾けなければ、と思いますが、分かっているのは、如何せん無力であるということですよね。民族とは何だろうか?と考えた位でしょうか?
クリストファー神父の、落ち着いた行動と、深い信仰心。
顔に刻みこまれた深い皺の中にある眼差しには慈愛の念が籠っていました。
唯一救われたのは、ラスト、この映画創りに参加した人たちが、皆笑顔だったことでしょうか?
一人でも多くの人が、ルワンダの人たちの笑顔のメッセージを受け取ってほしいなぁ〜と思います。
このレビューは気に入りましたか? 17人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
ホテル・ルワンダを観た人も多いと思いますが、これも是非みてください。
ルワンダでの悲劇の実話ってことですが、話的にはホテルルワンダに非常に
似ている。つまり、こんなことがたくさん起きてたんでしょうね。
あまりにも酷い話で目を覆いたくなるし、対岸の火事と思いたくもなります。
だけど、決して目を背けないで見るべきでしょうね。
そして観た人と語り合うべきです。
強烈にそんな気持ちにさせられました。
クレア=ホープ・アシティはトゥモローワールドで妊娠したあの女の子です。
カノジョの演技力も本物で、これからが非常に楽しみです。
このレビューは気に入りましたか? 16人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
1994年のルワンダのジェノサイドを、若い白人教師の視点から描いた作品。
ツチ族の妻を持つフツ族の男の、家族を守る戦いを描いた「ホテル・ルワンダ」より、大虐殺の描写がかなり具体的。ナタをもってツチに襲いかかるフツの男の血走った目、死体に群がって肉を食べる野犬、隣の席で見ていた女性は、悲鳴のような声をあげていました。
主人公のジョーは、世間知らずで楽天的。どこか「ラストキング・オブ・スコットランド」の主人公の医師に通じるところがあります(役者の風貌も似てますね)。まさかこのような大虐殺がおこるとは、想像すらできなかった彼だが、信頼していたフツの助手が残酷な殺人者に変わる瞬間や、数え切れないほどのツチの人々が惨殺される現場を目の当たりにし、「苦しみにどこまで耐えられるのか?許容範囲を超えてしまったらいったいどうなるのか。」と考える。しかし、所詮部外者の彼に一体何ができるというのだろう?
自分を慕っていたツチの少女マリーを裏切り、祖国に戻ったジョーに、皮肉な再会が最後に用意されている。
BBCの女性ジャーナリストの、「ボスニアでみた白人の死体は、『もしかしたら私の祖母や母だったかもしれない』と思えた。でもここでは、ただのアフリカ人の死体なのだ。」という言葉が重い。
この映画で特筆すべきなのは、この過酷なジェノサイドを逃れて生き残った人たちが、エキストラやスタッフとして多数参加していることだ。
この映画を見た少し前に、「生かされて」(イマキュレー・イリバギザ著 PHP研究所)というルワンダ虐殺の生還者の女性の本をよんだばかりだったので、この映画のマリーがイマキュレーと重なって見えた。彼女のような経験をした人がたくさんいて、その人たちがこの映画を支えていたということを忘れないでいたい。
このレビューは気に入りましたか? 15人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:101件
投稿日
2007/08/27
レビュアー
masamune※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
本作は1994年4月に起きた、ルワンダ共和国での虐殺事件がテーマ。原案は英国BBCのプロデューサー、David Beltonが初稿。彼の実体験を、同じドキュメンタリー畑のRichard AlwynとDavid Wolstencroftがリライトして完成。
似た作品で「ホテル・ルワンダ」も有る。私も之を相当高く評価してるので「二番煎じ」の固定観念が、見るまでは支配的だったが、観賞後は製作者に率直にお詫びしたい。
物語も驚くほど「ホテル・ルワンダ」に近い、いや似てる。しかし世界的に中立な報道で評価の高いBBCが製作に絡んだ事で「ホテル・ルワンダ」よりも、白人サイドの視点で語る切り口が新鮮且つ秀逸。
そのスタンスを端的に表す意味で、実際に虐殺が起きた公立技術専門学校でにロケーションした点でも感じる。真実に正面から取り組む姿勢も随所に見られ、実際に家族や友人を虐殺で失った人がスタッフやエキストラで大勢加わり、エンドロールのテロップで紹介する徹底振り。従来の手法をブレイクスルーした演出が見る人の「魂」を揺さぶる。
監督のMichael Caton-Jonesと言えば「ジャッカル」の失敗でハリウッドから干され(笑)、誰も引き受けない「氷の微笑-2」を手懸け、品疎な脚本の割に善戦したと見直した。その前年に製作した本作も意外とイケル?と思ったが、予感は珍しく良い方に的中した。
演出も安易な娯楽要素を避けて、エピソードの焦点をクリストファー神父に絞り、原案で醸し出されたアフリカの息遣い・・・例えば「風の匂い」とか「太陽の熱さ」を丹念に描く手腕は上出来と、監督の作品を初めて褒めたい(笑)。
John Hurt演じる神父には実在のモデルが居るらしいが、主人公Hugh Dancyは便宜的なキャラクターと鑑賞後に知ったが、その狂言回し的なモチーフは「ラストキング・オブ・スコットランド」にも通じる。
実際に起きた事件を過剰に演出する事無く、忠実に組み入れた事で、リアル感は格段に上がった。具体的には、アフリカの象徴とも言える「鉈」を丁寧に描く辺りに、製作者の事件への渇望を見た。
原作者がルワンダで見た様を、見る側も共感すると共に何か虚しさも感じる。これは氏がアフリカで何も出来なかった無力感が作品を支配してるからに他ならない。有りの侭の真実を描こう・・・そんな真摯な姿勢が全編を貫いてる。だから見る私達も心の中から込み上げる「魂」を感じるのだ。
自分達をヒーローと描かず、Coolな視点で語る本作は「ホテル・ルワンダ」と何の遜色も無い傑作だと絶賛したいし、比較する事自体がナンセンス。
ルワンダ大虐殺を通して「人としての人格とは?」と本作は静かに問うている。頼みの国連すら満足に活動しない(出来ないとは違う)。だからこそ、世界へ訴えかける「魂」の叫びに私達も耳を傾けたい。
投稿日
2007/10/09
レビュアー
こんちゃん※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
「ホテル・ルワンダ」と同じく、ルワンダにおける民族闘争によって引き起こされた虐殺を描いた作品ですが、同じ題材を扱っていながら、対極的な作品になっています。どちらがいいと言うことではなく、どちらも観るべき作品であろうと思うのです。
「ホテル・ルワンダ」と違うのは、あちらの作品は弱者である(この民族抗争を考えれば、一概に被害者とは言い切れないのですが)ツチ族の側のスタンスで描かれているのに対し、本作はそれをとりまく欧米人の視点から描かれていることです。
プロデユューサーのデビッド・ベルトンは、自分自身のルワンダにおける体験からこの映画の原案を書き起こしたそうです。BBC・TVの事件報道番組「ニュース・サイト」の報道記者だった彼は、ルワンダで起こった虐殺事件を取材するため、現地に渡り各地を移動しながら、近隣に住むツチ族とフツ族同士の血で血を洗う抗争の様子を目の当たりにしたと言います。
クリストファー神父のモデルとなったのは、キュリックという神父だそうです。取材チームに対しても疑惑の目を向けはじめた過激民兵組織から彼らを守る為に、幾度と無く身を挺して抗議に立ち上がってくれた人物です。何年後かに、キュリック神父が殺害されたことを知ったとき、この映画の製作を決意したのだそうです。ベルトンは言います。
「ある意味、ルワンダの虐殺事件全体が、人間社会の失敗を意味したものであり、そこを私は強調したかったんだ。私自身ジャーナリストとして失敗したと感じている。同時に、学校から逃げだした教師たち、問題を解決することなく立ち去った外交官たち、撤退を命じられた国連軍の兵士、国外退去用の航空機にまっ先に乗り込んだNGOのスタッフたち全員も、内心は自分と同じ気持ちでいたと思う。助けを求める友人たちを見捨てたんだ。その後で友人たちの大半が孤立無援で死んでいったというのに」
「ホテル・ルワンダ」では、虐殺の具体的な表現はほとんどありませんでした。人づてに聞いたこと。登場人物同士の会話等で、その恐ろしさを想像させます。
フツとツチの狭間で苦悩するポール。そして、彼が1200人を救った行動を通して、その悲惨さと共に人間愛の素晴らしさをも描き、感動させる点で素晴らしい作品であると評価したいのです。
対して本作では、これでもかというほど民兵による虐殺を見せつけます。つい先日、笑って会話をした青年が、人が変わったようにナタをふるいます。この悲しい虐殺を知りながら、国連は動こうとしませんでした。「動けないのではなく、動かなかった」のです。現地で鎮圧にあたる兵士は、指令がなければ「動けなかった」のです。国連軍撤収に際して、
「頼むから、私たちを射殺して欲しい。私たちは家族として死んでいきたいんだ。ナタで殺されたくはない」
という願いに対して、
「できない・・・。Sorry」
と告げるしかない兵士の心を思うと、せつなさで胸がはりさけそうになります。
こんな事件に対しても、「虐殺(ジェノサイト)という表現は適当ではない」
と、目をそらし続けた国連、特に米英に対して、今更ながら憤りを禁じることは出来ません。
この虐殺事件の後、撤廃された民族認識カードも、もともと、欧米の勝手な政策だったはずです。キルスト教のプロパガンダ的な描写もあるようには思いますが、(死を目前にした子供達に、聖体拝領をさせることがどれほどの救いになるのか、私には理解できませんから)クリストファー神父の行動は、この絶望的な事件の中では、私なんぞには絶対に真似の出来ない賞賛されるべき行動でしょう。
またスタッフの多くが、被害者であったことも特筆すべきことでしょう。虐殺に巻き込まれながら、悲しみを乗り越え「ルワンダの涙」製作に加わった彼らから伝わるメッセージのエンドロールは、とても静かでありながら、心を強く打つものがあります。
もし、自分が当事者であったら、一体何が出来たのか・・・はなはだ自信がありません。でも、これを放置してはいけないんだ、見過ごしてはいけないんだと言う強い思いを感じることができれば、それは一つの成果なのでしょう。
「ホテル・ルワンダ」「ルワンダ流血の四月」とともに、他山の石とせぬよう、是非観るべき作品です。
投稿日
2007/09/25
レビュアー
ミルクチョコ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
「ホテルルワンダ」が、置き去りにされた被害者の視点であったなら、「ルワンダの涙」は、置き去りにした者の辛い過去の話でしょうか。
「事実に忠実に」とスタッフの協力により、ロケ撮影は、実際に虐殺の起こった公立技術専門学校を中心に行われ、スタッフや、エキストラの中には、家族や友人、隣人を失った人たちも多く、エンディングでテロップが流れます。
英語教師として派遣されたジョーは、虐殺している様を目の当たりにして、自らの命を守るために、たとえそれが本意でなかったとしても、彼らを守ることができなかった。
逃げ去ってしまった彼を、誰が責めることができましょうか?
その場から、逃げることができたなら、誰だってそうしたと思います。
そして多分、彼が、一生背負うであろう自責の念も、きっと私たちには理解できないものであろうと・・・
昨日まで、隣人として笑っていた人が、突然血に染まったナタを振りかざし、同じ国の人を殺す。軍人でもなければ、殺人鬼でもない、普通の人たちが・・・
そして、大国や、国連軍は誰も手を差し伸べなかった。
「我々の任務は、監視にある」と・・・国連軍の大尉の言葉が響きます。
そして、「我々は、決定権はなく、ただ命令に従っているだけだ」と。
植民地時代に、支配者である白人が、ツチ族とフツ族の対立を煽ったことが、対立の発端だと言われているようです。
おそらくは、他民族との競争をあおり、植民地経営を容易にしようと仕向けたようです。
アフリカの問題の多くは、植民地の支配に由来することが多いようです。私たちも、奥にある本質にもっと耳を傾けなければ、と思いますが、分かっているのは、如何せん無力であるということですよね。民族とは何だろうか?と考えた位でしょうか?
クリストファー神父の、落ち着いた行動と、深い信仰心。
顔に刻みこまれた深い皺の中にある眼差しには慈愛の念が籠っていました。
唯一救われたのは、ラスト、この映画創りに参加した人たちが、皆笑顔だったことでしょうか?
一人でも多くの人が、ルワンダの人たちの笑顔のメッセージを受け取ってほしいなぁ〜と思います。
投稿日
2007/09/07
レビュアー
MonPetit※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
ホテル・ルワンダを観た人も多いと思いますが、これも是非みてください。
ルワンダでの悲劇の実話ってことですが、話的にはホテルルワンダに非常に
似ている。つまり、こんなことがたくさん起きてたんでしょうね。
あまりにも酷い話で目を覆いたくなるし、対岸の火事と思いたくもなります。
だけど、決して目を背けないで見るべきでしょうね。
そして観た人と語り合うべきです。
強烈にそんな気持ちにさせられました。
クレア=ホープ・アシティはトゥモローワールドで妊娠したあの女の子です。
カノジョの演技力も本物で、これからが非常に楽しみです。
投稿日
2007/09/21
レビュアー
パープルローズ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
1994年のルワンダのジェノサイドを、若い白人教師の視点から描いた作品。
ツチ族の妻を持つフツ族の男の、家族を守る戦いを描いた「ホテル・ルワンダ」より、大虐殺の描写がかなり具体的。ナタをもってツチに襲いかかるフツの男の血走った目、死体に群がって肉を食べる野犬、隣の席で見ていた女性は、悲鳴のような声をあげていました。
主人公のジョーは、世間知らずで楽天的。どこか「ラストキング・オブ・スコットランド」の主人公の医師に通じるところがあります(役者の風貌も似てますね)。まさかこのような大虐殺がおこるとは、想像すらできなかった彼だが、信頼していたフツの助手が残酷な殺人者に変わる瞬間や、数え切れないほどのツチの人々が惨殺される現場を目の当たりにし、「苦しみにどこまで耐えられるのか?許容範囲を超えてしまったらいったいどうなるのか。」と考える。しかし、所詮部外者の彼に一体何ができるというのだろう?
自分を慕っていたツチの少女マリーを裏切り、祖国に戻ったジョーに、皮肉な再会が最後に用意されている。
BBCの女性ジャーナリストの、「ボスニアでみた白人の死体は、『もしかしたら私の祖母や母だったかもしれない』と思えた。でもここでは、ただのアフリカ人の死体なのだ。」という言葉が重い。
この映画で特筆すべきなのは、この過酷なジェノサイドを逃れて生き残った人たちが、エキストラやスタッフとして多数参加していることだ。
この映画を見た少し前に、「生かされて」(イマキュレー・イリバギザ著 PHP研究所)というルワンダ虐殺の生還者の女性の本をよんだばかりだったので、この映画のマリーがイマキュレーと重なって見えた。彼女のような経験をした人がたくさんいて、その人たちがこの映画を支えていたということを忘れないでいたい。
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ルワンダの涙