復讐鬼 / リチャード・ウィドマーク
復讐鬼
/ジョセフ・L.マンキーウィッツ
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解説・ストーリー
ジョセフ・L・マンキ−ウィッツ監督が放つサスペンス。黒人医師が弟を殺したと思い込んだ強盗犯のレイは復讐を指示。スラム街の白人が黒人街を襲おうとするが、黒人たちは先回りして白人たちを袋叩きに。怒ったレイは、医師を罠にはめようと画策する。
ジョセフ・L・マンキ−ウィッツ監督が放つサスペンス。黒人医師が弟を殺したと思い込んだ強盗犯のレイは復讐を指示。スラム街の白人が黒人街を襲おうとするが、黒人たちは先回りして白人たちを袋叩きに。怒ったレイは、医師を罠にはめようと画策する。
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「復讐鬼」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
ジョセフ・L・マンキ−ウィッツ監督が放つサスペンス。黒人医師が弟を殺したと思い込んだ強盗犯のレイは復讐を指示。スラム街の白人が黒人街を襲おうとするが、黒人たちは先回りして白人たちを袋叩きに。怒ったレイは、医師を罠にはめようと画策する。
「復讐鬼」 の作品情報
「復讐鬼」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
復讐鬼の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
107分 |
日本語英語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
FXBR334 |
2007年07月06日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
|
0人
|
0人
|
復讐鬼の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
107分 |
日本語英語 |
1:ドルビーデジタル/ステレオ/英語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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FXBR334 |
2007年07月06日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:4件
人種差別をめぐる社会派サスペンス
投稿日:2007/07/11
レビュアー:よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
戦争が終わってしばらくして、1950年代半ばにアメリカの公民権運動(黒人解放運動)は活発になることを考えると、1950年公開で黒人差別の問題点を鋭く突いたこの作品は、非常に先進的であった。何しろ、似たテーマで知られる『夜の大捜査線』の公開は、これより17年も後なのだ。
これがフォックスというメジャーの作品であることも興味深いが、製作のラスト・タイクーンことD・F・ザナックは、考えてみれば戦前に『怒りの葡萄』や『わが谷は緑なりき』などを発表していて、社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を得意ともしていたのだから、本作のようなタイプの作品もある意味では当然といえるのかもしれない。
優秀な黒人医師シドニー・ポワチエと粗暴な人種差別主義者リチャード・ウィドマークの対立が、大きな人種間抗争に拡大していくというスリリングな物語を、マンキーウィッツは過不足ない演出で描き出す。
全編スタジオ撮影らしく、隅々まできちんと照らす照明はややのっぺりした印象で、すべてがきちんとコントロールされ過ぎて小ぢんまりしてしまったきらいはある。しかし、白人が集結した倉庫を黒人が襲撃するシーン(照明弾の使い方が見事)など、実に緊迫感に満ちている。
白人の貧困層の行き場のない不満が黒人攻撃に向かっているという視点、清廉な黒人医師の人間像などは、いまではやや図式的に感じられるけれども、ポワチエとウィドマーク、特に終盤のウィドマークの素晴らしさで、僕はじゅうぶん満足。65点。
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真の復讐者はポワチエだった
投稿日:2014/02/24
レビュアー:趣味は洋画
正当な理由を必要としていないがゆえに、厄介で根の深い人種差別というテーマに真正面から向き合ったジョセフ・L・マンキーウィッツ渾身の監督作品です。
ルーサー・ブルックス(S・ポワチエ)は、郡立病院に勤める若き黒人医師で、彼の顧問医師ウォートン(スティーブン・マクナリー)を尊敬しています。
ある日、強盗をして警官に脚を撃たれたビドル兄弟が群立病院の刑務所病棟に運び込まれます。兄のレイ(リチャード・ウィドマーク)は異常なまでに黒人を嫌悪している男です。 弟のジョニー(ディック・パクストン)は病院に運ばれてきた段階から重篤で、ブルックスは彼に脳溢血の疑いがあると考え、検査をするも途中で死んでしまいます。 レイは黒人のブルックスが弟を殺したと思い込み、半狂乱となってブルックスに復讐することに執着します。
ブルックスはウォートン医師に、自分の診断の正確さを証明するために死体解剖を要求するのですが、州の規律で、故人の家族の許可なしでは出来ないことを知ります。無論、レイが承諾する筈がありません。
結局、死因は謎のままとなり、翌日の新聞には、‘先日の強盗でジョニーが死亡した’という小記事が出ます。 院長は黒人に寛大な男なのですが、この記事で‘黒人’ブルックスの名前が出るのを恐れ、ウォートン医師と意見の対立を生みます。 ウォートンとブルックスは、ジョニーの死因を調べるには解剖しかないと考え、亡くなったジョニーが結婚していたことを知り、彼の妻イーディス(リンダ・ダーネル)の許を訪れます。
しかし彼女はジョニーとは一年半前に離婚しており、解剖の件もあっさりと断わられます。 彼女は白人のスラム街である‘ビーバー運河’に住んでいたのですが、そこの連中との関わりを避け、まともに生きようとしている女性です。
気持ちの踏ん切りがつかないイーディスは、ウォートンからもらった名刺を持って、収監されているレイの病室を訪れるのですが、レイの口ぐるまに乗せられ、レイのもう一人の兄弟である聾唖のジョージ(ハリー・ベラヴァー)と連絡を取ります。
ブルックスへの敵討ちに燃えるレイは、‘ビーバー運河’の仲間を扇動し、黒人街を襲う作戦を立てます。 しかしそのことを知った黒人達も、襲撃に備えた作戦を練り、逆に白人達を全滅させます。 落胆したのはレイです。
負傷した白人たちが次々と郡立病院に運ばれ、治療にあたるブルックス医師に対し、負傷者の家族の一人が罵声を浴びせます。‘黒い手で触らないで!’(これを聞いたブルックス医師の表情は、本作の象徴的なシーンでしょう)
ブルックスは怒りを通り越した表情で、患者を置き去りに、その場から消えてしまいます....。
彼は「ジョニー殺し」の罪を自ら宣言して警察に自首し、自分が告白することで真実を問い、解剖要求を求める算段に打ってでるのです。
ところで本作の邦題タイトルは原題とやや趣を異にしているようですが、R・ウィドマーク扮するレイが、S・ポワチエ扮するブルックスに対する行動を指しているのが安易に想像できます。 しかし、実際はどうなのでしょう。
ラストシーン、撃たれた足の傷がひどくなったレイに対し、イーディスは冷たくあしらうのですが、ブルックスは‘大丈夫だ、死にはしない’と言って、レイを助けます。 レイは、この場に及んでまでも黒人に助けられることの屈辱に泣き崩れます。
そうです。 今まで散々、レイに悪態をつかれてきた黒人ブルックス医師ですが、最後には、黒人医師としての威厳を保ち、自分の信じた道を貫き通す。 すなわち、このことがレイに対する復讐だったのではないでしょうか...
本作出演時の年齢は皆若く、R・ウィドマーク36歳、L・ダーネル27歳、S・マクナリー39歳、そしてS・ポワチエ23歳です。
のちに大物俳優となるオシー・デイヴィスがポワチエの兄弟役でノンクレジットで出演しています。 そしてデイヴィスの妻役がルビー・ディーなのですが、この2人、その後は実夫婦となり、2005年にデイヴィスが亡くなるまで、57年間連れ添ったといわれています。 また、冒頭の郡立病院の電話交換手というチョイ役で、55年「マーティ」でアカデミー助演女優賞にノミネートされることとなるベッツィ・ブレア(アーネスト・ボーグナインの相手役)が出ています。
スタッフも錚々たるメンバーで、監督、脚本がJ・L・マンキーウィッツ、製作ダリル・F・ザナック、音楽アルフレッド・ニューマン、撮影ミルトン・R・クラスナー、編集バーバラ・マクリーン、衣装トラヴィーラ、とくれば、作品の良質さ、重厚さは期待どおりです。 終戦間もないこの時期に、重いテーマに挑んだマンキーウィッツに称賛の拍手を送ります。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
シドニー・ポワティエのデビュー作 知られざる歴史的作品
( ネタばれあり )
『 いのちの紐 』のレビューでシドニー・ポワティエについて書きましたが、自分が本作のことを知らずに語っていたことがちょっとショックで悔やまれます。
クレジットなしの端役では以前に出演歴はあるものの、本作はシドニー・ポワティエのデビュー作。
しかも出演クレジットこそ4番目ですが、トップのリチャード・ウィドマークと実質W主演。
それも良識ある青年医師と、強盗犯で人種偏見に満ちた社会的落伍者という、これまでのハリウッド映画の人種の描き方と逆転した画期的なもの。 映画史に残る作品だったのですね。
公開は1950年9月。
監督のジョゼフ・L・マンキウィッツは当時アメリカ映画監督協会の会長でしたが、1950年6月朝鮮戦争勃発もあり、ハリウッドの赤狩りがもっとも激しかった頃。
セシル・B・デミルら保守派が、全会員に国家に対する忠誠の署名を強制しようと試み、マンキウィッツが拒絶すると、彼を会長の座から引きずりおろそうと猛烈に運動を始めます。
1950年10月紛糾した臨時総会は、ジョン・フォードの一喝で逆にデミルらが理事を辞める結果となり、この月公開の『 イヴの総て 』が作品賞やマンキウイッツの脚本賞、監督賞など6部門受賞。
とは言え、その後の数年間赤狩りは根強くハリウッドに影を落としますから、そうした時期に人種問題を真正面から取り上げた社会派の作品を創るマンキウイッツの意気込みを感じます。
黒人の置かれていた状況を見ると、ジャッキー・ロビンソンがメジャーリーグ選手になったのが1947年で変化の兆しはあるものの、学校での人種分離は差別とした米最高裁の「 ブラウン判決 」が1954年。
白人にバスの座席を譲らず逮捕されたローザ・パークス事件、そこからマーティン・ルーサー・キングが指導し彼を有名にしたバス・ボイコット運動が1955年でしたから、時流に乗って作った作品ではなく、社会に変化を求めて企画された作品と思います。
シドニー・ポワティエは軍隊除隊後19歳でアメリカン・ニグロ・センターの俳優になりますが、バハマ訛りがひどいのと、先天的な障害で音痴だったので、当初は芽が出なかったそうです。
舞台の主演と本作出演の話が重なり、本作を選びましたが、役を得るためマンキウィッツには年齢を5つサバを読んで答えていました。
本作の出演でいきなりスターとなったわけではなく、1955年、28歳で高校生役を演じた『 暴力教室 』で注目を浴び、1958年『 手錠のままの脱獄 』あたりからブレイク。
1963年『 野のユリ 』で黒人初のアカデミー賞主演男優賞受賞。
1967年、『 いつも心に太陽を 』『 夜の大捜査線 』『 招かれざる客 』の3本がヒットして、その年を代表するスターになるまで時間がかかりました。
本作は「クレジットなし」ながらオシ―・ディヴィスのデビュー作、妻のルビー・ディーとの共演作でもあります。
彼らが演じる黒人像は、白人たちの添え物ではなく、対等なもので、その先進性に驚かされたのでした。
リチャード・ウィドマークは『 死の接吻 』『 情無用の街 』など悪役で売り出したが、銃規制論者であることなど政治的にはリベラルと知られ、本作では差別的な台詞を言うシーンを演じた後。ポワティエに謝ったそうです。
二人は友人となり、共演もたびたびしてますし、ウィドマークが製作・主演した『 駆逐艦ベッドフォード作戦 』にポワティエが出演し、ポワティエが監督した『 ハンキ―・パンキー 』にウィドマークが出演するなど交流は続きました。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
難しい映画でした。
私は「シドニー・ポワチエ」の主演映画、「野のユリ」を見たかったのですが、残念ながらDICASにはありませんでした。何故なら「野のユリ」は淀川長治氏がコメンテーターをしていた日曜洋画劇場で何度もベスト10にノミネートされて放映されていた作品だからです。「シドニー・ポワチエ」主演の映画として検索したところこの作品があったので仕方なく今回はこの映画を観ることにしました。
随分、昔の映画ですが現代社会でもあいも変わらずある問題だとこの映画を観ていて、つくづく感じました。アメリカかどうかは判断がつきませんが、日本人同士でも思わぬことで発生する問題ではないかと考えることの多い作品でした。
難しい日々の繰り返しは何処に行っても同じなのかなとつくづく思いました。
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ユーザーレビュー
人種差別をめぐる社会派サスペンス
投稿日
2007/07/11
レビュアー
よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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戦争が終わってしばらくして、1950年代半ばにアメリカの公民権運動(黒人解放運動)は活発になることを考えると、1950年公開で黒人差別の問題点を鋭く突いたこの作品は、非常に先進的であった。何しろ、似たテーマで知られる『夜の大捜査線』の公開は、これより17年も後なのだ。
これがフォックスというメジャーの作品であることも興味深いが、製作のラスト・タイクーンことD・F・ザナックは、考えてみれば戦前に『怒りの葡萄』や『わが谷は緑なりき』などを発表していて、社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を得意ともしていたのだから、本作のようなタイプの作品もある意味では当然といえるのかもしれない。
優秀な黒人医師シドニー・ポワチエと粗暴な人種差別主義者リチャード・ウィドマークの対立が、大きな人種間抗争に拡大していくというスリリングな物語を、マンキーウィッツは過不足ない演出で描き出す。
全編スタジオ撮影らしく、隅々まできちんと照らす照明はややのっぺりした印象で、すべてがきちんとコントロールされ過ぎて小ぢんまりしてしまったきらいはある。しかし、白人が集結した倉庫を黒人が襲撃するシーン(照明弾の使い方が見事)など、実に緊迫感に満ちている。
白人の貧困層の行き場のない不満が黒人攻撃に向かっているという視点、清廉な黒人医師の人間像などは、いまではやや図式的に感じられるけれども、ポワチエとウィドマーク、特に終盤のウィドマークの素晴らしさで、僕はじゅうぶん満足。65点。
真の復讐者はポワチエだった
投稿日
2014/02/24
レビュアー
趣味は洋画
正当な理由を必要としていないがゆえに、厄介で根の深い人種差別というテーマに真正面から向き合ったジョセフ・L・マンキーウィッツ渾身の監督作品です。
ルーサー・ブルックス(S・ポワチエ)は、郡立病院に勤める若き黒人医師で、彼の顧問医師ウォートン(スティーブン・マクナリー)を尊敬しています。
ある日、強盗をして警官に脚を撃たれたビドル兄弟が群立病院の刑務所病棟に運び込まれます。兄のレイ(リチャード・ウィドマーク)は異常なまでに黒人を嫌悪している男です。 弟のジョニー(ディック・パクストン)は病院に運ばれてきた段階から重篤で、ブルックスは彼に脳溢血の疑いがあると考え、検査をするも途中で死んでしまいます。 レイは黒人のブルックスが弟を殺したと思い込み、半狂乱となってブルックスに復讐することに執着します。
ブルックスはウォートン医師に、自分の診断の正確さを証明するために死体解剖を要求するのですが、州の規律で、故人の家族の許可なしでは出来ないことを知ります。無論、レイが承諾する筈がありません。
結局、死因は謎のままとなり、翌日の新聞には、‘先日の強盗でジョニーが死亡した’という小記事が出ます。 院長は黒人に寛大な男なのですが、この記事で‘黒人’ブルックスの名前が出るのを恐れ、ウォートン医師と意見の対立を生みます。 ウォートンとブルックスは、ジョニーの死因を調べるには解剖しかないと考え、亡くなったジョニーが結婚していたことを知り、彼の妻イーディス(リンダ・ダーネル)の許を訪れます。
しかし彼女はジョニーとは一年半前に離婚しており、解剖の件もあっさりと断わられます。 彼女は白人のスラム街である‘ビーバー運河’に住んでいたのですが、そこの連中との関わりを避け、まともに生きようとしている女性です。
気持ちの踏ん切りがつかないイーディスは、ウォートンからもらった名刺を持って、収監されているレイの病室を訪れるのですが、レイの口ぐるまに乗せられ、レイのもう一人の兄弟である聾唖のジョージ(ハリー・ベラヴァー)と連絡を取ります。
ブルックスへの敵討ちに燃えるレイは、‘ビーバー運河’の仲間を扇動し、黒人街を襲う作戦を立てます。 しかしそのことを知った黒人達も、襲撃に備えた作戦を練り、逆に白人達を全滅させます。 落胆したのはレイです。
負傷した白人たちが次々と郡立病院に運ばれ、治療にあたるブルックス医師に対し、負傷者の家族の一人が罵声を浴びせます。‘黒い手で触らないで!’(これを聞いたブルックス医師の表情は、本作の象徴的なシーンでしょう)
ブルックスは怒りを通り越した表情で、患者を置き去りに、その場から消えてしまいます....。
彼は「ジョニー殺し」の罪を自ら宣言して警察に自首し、自分が告白することで真実を問い、解剖要求を求める算段に打ってでるのです。
ところで本作の邦題タイトルは原題とやや趣を異にしているようですが、R・ウィドマーク扮するレイが、S・ポワチエ扮するブルックスに対する行動を指しているのが安易に想像できます。 しかし、実際はどうなのでしょう。
ラストシーン、撃たれた足の傷がひどくなったレイに対し、イーディスは冷たくあしらうのですが、ブルックスは‘大丈夫だ、死にはしない’と言って、レイを助けます。 レイは、この場に及んでまでも黒人に助けられることの屈辱に泣き崩れます。
そうです。 今まで散々、レイに悪態をつかれてきた黒人ブルックス医師ですが、最後には、黒人医師としての威厳を保ち、自分の信じた道を貫き通す。 すなわち、このことがレイに対する復讐だったのではないでしょうか...
本作出演時の年齢は皆若く、R・ウィドマーク36歳、L・ダーネル27歳、S・マクナリー39歳、そしてS・ポワチエ23歳です。
のちに大物俳優となるオシー・デイヴィスがポワチエの兄弟役でノンクレジットで出演しています。 そしてデイヴィスの妻役がルビー・ディーなのですが、この2人、その後は実夫婦となり、2005年にデイヴィスが亡くなるまで、57年間連れ添ったといわれています。 また、冒頭の郡立病院の電話交換手というチョイ役で、55年「マーティ」でアカデミー助演女優賞にノミネートされることとなるベッツィ・ブレア(アーネスト・ボーグナインの相手役)が出ています。
スタッフも錚々たるメンバーで、監督、脚本がJ・L・マンキーウィッツ、製作ダリル・F・ザナック、音楽アルフレッド・ニューマン、撮影ミルトン・R・クラスナー、編集バーバラ・マクリーン、衣装トラヴィーラ、とくれば、作品の良質さ、重厚さは期待どおりです。 終戦間もないこの時期に、重いテーマに挑んだマンキーウィッツに称賛の拍手を送ります。
シドニー・ポワティエのデビュー作 知られざる歴史的作品
投稿日
2021/04/04
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり )
『 いのちの紐 』のレビューでシドニー・ポワティエについて書きましたが、自分が本作のことを知らずに語っていたことがちょっとショックで悔やまれます。
クレジットなしの端役では以前に出演歴はあるものの、本作はシドニー・ポワティエのデビュー作。
しかも出演クレジットこそ4番目ですが、トップのリチャード・ウィドマークと実質W主演。
それも良識ある青年医師と、強盗犯で人種偏見に満ちた社会的落伍者という、これまでのハリウッド映画の人種の描き方と逆転した画期的なもの。 映画史に残る作品だったのですね。
公開は1950年9月。
監督のジョゼフ・L・マンキウィッツは当時アメリカ映画監督協会の会長でしたが、1950年6月朝鮮戦争勃発もあり、ハリウッドの赤狩りがもっとも激しかった頃。
セシル・B・デミルら保守派が、全会員に国家に対する忠誠の署名を強制しようと試み、マンキウィッツが拒絶すると、彼を会長の座から引きずりおろそうと猛烈に運動を始めます。
1950年10月紛糾した臨時総会は、ジョン・フォードの一喝で逆にデミルらが理事を辞める結果となり、この月公開の『 イヴの総て 』が作品賞やマンキウイッツの脚本賞、監督賞など6部門受賞。
とは言え、その後の数年間赤狩りは根強くハリウッドに影を落としますから、そうした時期に人種問題を真正面から取り上げた社会派の作品を創るマンキウイッツの意気込みを感じます。
黒人の置かれていた状況を見ると、ジャッキー・ロビンソンがメジャーリーグ選手になったのが1947年で変化の兆しはあるものの、学校での人種分離は差別とした米最高裁の「 ブラウン判決 」が1954年。
白人にバスの座席を譲らず逮捕されたローザ・パークス事件、そこからマーティン・ルーサー・キングが指導し彼を有名にしたバス・ボイコット運動が1955年でしたから、時流に乗って作った作品ではなく、社会に変化を求めて企画された作品と思います。
シドニー・ポワティエは軍隊除隊後19歳でアメリカン・ニグロ・センターの俳優になりますが、バハマ訛りがひどいのと、先天的な障害で音痴だったので、当初は芽が出なかったそうです。
舞台の主演と本作出演の話が重なり、本作を選びましたが、役を得るためマンキウィッツには年齢を5つサバを読んで答えていました。
本作の出演でいきなりスターとなったわけではなく、1955年、28歳で高校生役を演じた『 暴力教室 』で注目を浴び、1958年『 手錠のままの脱獄 』あたりからブレイク。
1963年『 野のユリ 』で黒人初のアカデミー賞主演男優賞受賞。
1967年、『 いつも心に太陽を 』『 夜の大捜査線 』『 招かれざる客 』の3本がヒットして、その年を代表するスターになるまで時間がかかりました。
本作は「クレジットなし」ながらオシ―・ディヴィスのデビュー作、妻のルビー・ディーとの共演作でもあります。
彼らが演じる黒人像は、白人たちの添え物ではなく、対等なもので、その先進性に驚かされたのでした。
リチャード・ウィドマークは『 死の接吻 』『 情無用の街 』など悪役で売り出したが、銃規制論者であることなど政治的にはリベラルと知られ、本作では差別的な台詞を言うシーンを演じた後。ポワティエに謝ったそうです。
二人は友人となり、共演もたびたびしてますし、ウィドマークが製作・主演した『 駆逐艦ベッドフォード作戦 』にポワティエが出演し、ポワティエが監督した『 ハンキ―・パンキー 』にウィドマークが出演するなど交流は続きました。
難しい映画でした。
投稿日
2008/05/23
レビュアー
ken
私は「シドニー・ポワチエ」の主演映画、「野のユリ」を見たかったのですが、残念ながらDICASにはありませんでした。何故なら「野のユリ」は淀川長治氏がコメンテーターをしていた日曜洋画劇場で何度もベスト10にノミネートされて放映されていた作品だからです。「シドニー・ポワチエ」主演の映画として検索したところこの作品があったので仕方なく今回はこの映画を観ることにしました。
随分、昔の映画ですが現代社会でもあいも変わらずある問題だとこの映画を観ていて、つくづく感じました。アメリカかどうかは判断がつきませんが、日本人同士でも思わぬことで発生する問題ではないかと考えることの多い作品でした。
難しい日々の繰り返しは何処に行っても同じなのかなとつくづく思いました。
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