椿山課長の七日間

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

亡くなった３人が、それぞれに想いを抱えて、やり残した事を実現させるために姿を変えて現世に戻る。
絶世の美女となって、よみがえった椿山課長。
家族の重大な事実を知った後に、後に残った人たちに幸せになれと声をかける。かけれる寛容さ。
全てを許し、残された家族の幸せを願いながらがら帰っていく姿は、すがすがしく、ほのぼのとした気持ちにさせます。
伊東美咲さんの、ややオーバーな演技も中が西田さんだと思うと、まさにピッタリ。
本当に、自分をいとおしく思って愛し続けてくれた彼女がいたことが分かり・・・
鼻をつまんで、自分の気持ちを伝えることができた時は、グッときてしまいました。
大切な人を思いやる気持ち、それがきれいに描かれていて、素直に感動しました。
自分の事よりも、ひとの事を考えて行動する人達の優しいところが、随所に描かれているからかなぁ〜と。
一人一人にストーリーがあって、そのエピソードの一つ一つがうまく絡み合い、面白い。
「ありがとう」というセリフの響きにもまいってしまいました。

「椿山課長の七日間」は、大好きな西田敏行さんが出演していることもあって、映画館で観ても尚、ＤＶＤが出るのをとても楽しみに待っていました。好きだなぁ〜、この映画。やっぱりＤＶＤ買っちゃおうかな。

常々感じていたことなんですが、西田敏行さんって、時折少女のような可愛い笑顔を見せたりするでしょ。「うふっ！」…とかって。だから、この作品の中で、伊東美咲さんが、どこまでその可愛さを表現してくれるのか…と、期待してたんです。でもよく考えたら、それって見かけ美しい女性がやったら、まんま女の子じゃん！！それじゃ中身が男に見えないだろ！…ってことで、適度に中身が男に見え易くするセリフや動作に落ち着いたんじゃないか。と、勝手に解釈してみました。

さて、本題。

どこから見ても完璧な美女＝伊東美咲さん演じる和山椿の姿から、西田敏行さん演じる椿山のモノローグが聞こえる。あ〜、このギャップがたまらない！！できれば、もっともっと観ていたいなぁ〜。「椿山課長の七日間」なのに…短いんだもの。ん〜、いけず〜。

この映画の中で気に入ったのは、成宮寛貴くん演じる竹内と、伊東美咲さん演じる椿の絡みのシーン。自分は、成宮くん×西田さんとして、ドキドキしながら観てました。成宮くんのアプローチに応える西田さんの声が、またイ〜のよ。も〜、横隔膜の下の辺りがヒクヒクと…ぁ、いや〜ん！（妄想モード爆裂中）

でもビジュアルは、成宮寛貴くんと伊東美咲さんですから、いたって爽やかなんですよね。本当の中身は、綿引さん×西田さん。ほんの少し垣間見られるお二人のシーンは、初々しくて可愛かったです。

友だち、仲間、恋人、家族…大切な人たちを残して亡くなっていくのは辛いけど、残された人たちにだって色々な思いがある。笑っちゃったり、泣いちゃったりしながら、それを一つ一つ、丁寧に紡いで形にしたのが「椿山課長の七日間」。この映画を観て、「何だか死ぬのもそれほど悪くないかなぁ〜。」…って気になりました。いやいや、それはもちろん、ちゃんと一生懸命生きたあとに、“その日”が来たら…の話ですけどね。


☆役名＆キャスト☆

椿山和昭…西田敏行
和山椿…伊東美咲
竹内弘実…成宮寛貴
マヤ…和久井映見
市川大介…國村隼
知子…余貴美子
蓮子…志田未来
椿山昭三…桂小金治
椿山陽介…須賀健太
市川静子…市毛良枝
椿山由紀…渡辺典子
嶋田…沢村一樹
ヤクザの武田…綿引勝彦
雄一…伊藤大翔（いとう ひろと）
純一…松田悟志
卓人…青木崇高
雄一の育ての母親…西尾まり
施設の女先生…茅島成美
喫茶店マイルスのマスター…藤村俊二


♪主題歌　「あなたへと続く道」／コブクロ

◎公式サイト
http://www.tsubakiyama.jp/

よみがえり系の映画や浅田次郎の作品は
それほど好きじゃないんですけど
この作品は結構良かったと思います。

そうそう、西田敏行もあんまり好きじゃないんですけど
これはよみがえっている間は伊東美咲になってるので
西田敏行の出番はあんまり多くなかったのもグッドです。

またまた子役は須賀健太君ですね。
続・三丁目の夕日を映画館で見てきた友人の話では
急に背が伸びてしまって、さすがに無理があったということ。
子役らしい役柄はそろそろ終わりでしょうかね。
今後は少し成長した役での彼にも期待したいところですね。

それと、地上波で見た私が言うのもナンですが
映画関係者が気の毒になるほど、テレビ放映が早かったですね。
こんなにすぐに放映するかと思うと、
ますます邦画を映画館で見る機会は減ってしまいそう・・・

とても良い映画でした。
「黄泉がえり」とか「いま、会いにゆきます」とかの死者が生き返る泣かせ映画では、これっぽっちも感動も泣きもしなかった私が、このコメディ映画では泣かされてしまいました〜。生き返るといっても西田敏行が伊東美咲になって現れるのでドタバタになりますが、ラスト３０分はズーッと半泣きになりながら観てました。子供にあんなセリフを言わせちゃイカンよ〜。泣くに決まってるじゃん〜。
突然死してしまったら、やはり、やり残した事や家族が気がかりになるわけで、たとえ数日間でも現世に戻れたらありがたい。でも、生きている時には知ることがなかったいくつもの重大な事実を、椿山課長はやがて知ることになります。
人は、なかなか素直になれなかったり、勇気が出せなくて思い通りの人生を送れなかったり、間違いをしたりするけれど、家族や周りの人々のそうした現実をひとつひとつ受け入れていって、だんだんと気持ちを整理していく椿山課長の姿が印象的。椿山課長の奥さんには、はじめ腹が立ったけど、ラストでは椿山課長と同じく許せてしまいました。登場人物それぞれに、悩んでも悩みきれない事情があるんだなあと感情移入させる所が上手かったですね。
コメディらしく笑えるギャグもあって、私としては泣かせようとばかりの映画より、こういうタイプの映画の方が涙腺弱いかも。
演出や作り方も丁寧で、それぞれの登場人物の描写もキチンと最後には落としてる所も好印象。伊東美咲も難しい演技を頑張ってましたね。名子役二人もなかなかでした。
ちなみに、この映画で椿山課長が生き返ってる期間は３日間で、タイトルの７日間は初七日って意味みたい。

独偏満足度　８３％

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

私が通っている陶芸教室の仲間から、お薦めの一作。
予告編を観たことはあったけれど、また、「黄泉がえり」とか「いま、愛にゆきます」みたいな感じでしょ・・・
あまり興味はなかった。
西田敏行だし、ふざけたお話なんだろうな。
西田敏行が伊東美咲に？あ〜、最近はこういう、入れ替わっちゃうストーリー多いよねー？
桂小金治？これでお涙頂戴のお話は決定だな。

ところが、冒頭から椿山課長の話し方が「しどろもどろ」になって、突然倒れてしまう場面。
これって、ヤバいんじゃないの？ほら、故小渕恵三さんがこんな感じで・・・（ちがった？）
そして、和久井映見の静かな話し方。
もう、この頃には、私も登場人物の七日間にとことん付き合う体制だった。
多くの申請者の中から３人だけが「このまま何も知らずに、天国に送られるのは気の毒だ」という理由で、初七日が済むまでを、生前とは別人の姿で現世に戻れる事になったのだ。
和久井映見は「知らない方がいい事もあるんですよ。」「あなたが知らない重大な事実を知ることになりますよ。」と、一応のアドバイスはするものの、未練ややり残したことがある彼らは、躊躇することなくこの世に舞い戻る。
親子の愛情。親分、子分の間の愛情。人と人は、こうした色々な感情でつながっているんだな。
椿山と同期の女子社員が、お互いに決めていた「好きだよ」のブロックサインを、ただの一度も使うことがなかったというエピソード。最期の最期で、どんな言葉よりも強く自分の気持ちを込めて「ブロックサイン」で伝えられて、本当に良かった。
好きな場面だった。
図らずも、作品の意図そのままに涙を流す羽目に・・・
たまには、こんな涙の流し方もいいかも知れない。