らせん階段 / エセル・バリモア
らせん階段
/エセル・バリモア
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全体の平均評価点: (5点満点)
(6)
解説・ストーリー
今世紀初頭、ニューイングランドのとある郊外の古い屋敷に住む病床の老婦人の世話を焼くため雇われた娘ヘレンは、子供時分に遭った火事で両親が焼死したショックから、耳は聞こえるが口がきけなかった。屋敷は夫人の他、継子のウォーレン教授と、その女秘書ブランシュやアル中の家政婦がおり、そこへヨーロッパから実子スティーブが帰ってくる。おりしも、町では不具の娘を狙った連続殺人が起きており、夫人はヘレンに土地を去るよう勧める。そこへブランシュが殺されるという事件が起こり、スティーブを疑ったヘレンは彼を部屋に閉じ込めるが……。
今世紀初頭、ニューイングランドのとある郊外の古い屋敷に住む病床の老婦人の世話を焼くため雇われた娘ヘレンは、子供時分に遭った火事で両親が焼死したショックから、耳は聞こえるが口がきけなかった。屋敷は夫人の他、継子のウォーレン教授と、その女秘書ブランシュやアル中の家政婦がおり、そこへヨーロッパから実子スティーブが帰ってくる。おりしも、町では不具の娘を狙った連続殺人が起きており、夫人はヘレンに土地を去るよう勧める。そこへブランシュが殺されるという事件が起こり、スティーブを疑ったヘレンは彼を部屋に閉じ込めるが……。
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「らせん階段」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
今世紀初頭、ニューイングランドのとある郊外の古い屋敷に住む病床の老婦人の世話を焼くため雇われた娘ヘレンは、子供時分に遭った火事で両親が焼死したショックから、耳は聞こえるが口がきけなかった。屋敷は夫人の他、継子のウォーレン教授と、その女秘書ブランシュやアル中の家政婦がおり、そこへヨーロッパから実子スティーブが帰ってくる。おりしも、町では不具の娘を狙った連続殺人が起きており、夫人はヘレンに土地を去るよう勧める。そこへブランシュが殺されるという事件が起こり、スティーブを疑ったヘレンは彼を部屋に閉じ込めるが……。
「らせん階段」 の作品情報
「らせん階段」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
らせん階段の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
83分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
JVD3109 |
2007年04月25日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
0人
|
1人
|
らせん階段の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
83分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
JVD3109 |
2007年04月25日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
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1人
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ユーザーレビュー:6件
創意工夫に溢れたスリラー
投稿日:2007/06/11
レビュアー:よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
ヒチコックとはタイプが違いますが、サイコな連続殺人をめぐるなかなか面白いスリラー映画です。
イントロダクションに触れてありますので書いてしまいますが、現在の視点で少し気になったのは、この作品の殺人者は、女性の障害者は社会に不要な存在だとして抹殺しようとしていることです。この点、不快に思われる方はきっと少なくないでしょう。もちろん、ここには当時のナチの思想ともいえない優性思想が影を落としています。
シオドマクあるいはシオドマーク、またはジオドマクは、フリッツ・ラングのようにナチを嫌って戦前・戦中にヨーロッパからアメリカにわたった映画人のひとり。ドイツ時代にはウファ映画社で監督をしていたそうですが、それ以前のデビュー作にはスタッフとしてワイルダー、ジンネマン、エドガー・ウルマーなどが参加していたと、ものの本にありました(このときシオドマクはカメラを持っていたから監督になれたそうで、こういうのはいつの時代もかわりませんね)。
あだしごとはさておき、つまりナチに嫌悪を抱いていたであろうシオドマクには相応しい題材ともいえるのですが、その種のテーマや怒りを前面に押し出すことなく、本作はどんでん返しやハラハラドキドキの末にハッピーエンドを味わえる、よくできたエンタテインメントとしてまとめられています。
ヨーロッパの映画人を受け入れたハリウッドの製作会社は、様々な映画表現や技法を喜びながらも彼らの作品を娯楽映画の枠組みにきちんとはめ込むことも忘れませんでした。これゆえにハリウッドは40年代、50年代に今観ても面白い映画をどんどん生み出せたのでしょう。
殺人の表現や殺人者の目のアップなど、様々な工夫が映画の愉しみを伝えてくれます。一時並び称されたヒチコックには及ばないと思いますが、少なくとも本作の他『暗い鏡』『殺人者』、楽しい『真紅の盗賊』などを観る限り、シオドマクは面白い娯楽映画をきちんと創る人であるなあと思います。
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17人の会員が気に入ったと投稿しています
物陰から覗く目
監督:ロバート・シオドマク(1945年・米・83分・モノクロ)
原作:エセル・リナ・ホワイト『らせん階段』
ずっと本作の監督は、ヒッチコックだと思い込んでいた。
原作者が『バルカン超特急』の作者でもあるので雰囲気が似ているのかも知れない。
監督のロバート・シオドマクは、ユダヤ系ドイツ人で、ナチスの台頭によりハリウッドに渡ったようだ。
(本作は、シオドマク監督45歳の時の作品)
ニューイングランドのある町が舞台で、この日、ウォーレン家の女中のヘレン(ドロシー・マクガイア)は、ホテルで上映された無声映画を観ていた。
映画が終わると同時に、真上の部屋から大きな物音がした。
支配人が行ってみると、若い女性が殺されていて、最近起きている殺人事件と関連があると思われた。
一番目は顔に傷のある娘。次に精神薄弱の娘。そして今回は、足の悪い娘だった。
ヘレンがウォーレン家に戻ると、夫人が呼んでいると言う。
ウォーレン夫人(エセル・バリモア)は、どうも気難しい人のようで、雇っている看護婦と喧嘩していた。
夫人は理由も言わずに、ヘレンは今晩この屋敷を出て行くようにと言い、「出て行かないのなら、この部屋にずっと居なさい。」と言うのだた。
一連の事件の被害者は、身体の何処かに不具合・不自由を持った若い女性という共通点がある。
ヘレンは、子供の頃の実家の火事で両親が亡くなるのを観て以来、そのショックで口がきけない。
ヘレンが狙われる可能性は十分にある。
事件の犯人は最後まで顔を出さないが、クローゼットのドレスの陰や大雨の木の陰から、じっと見つめる犯人の目だけがアップになる。
殺害の瞬間は直接的には見せないけれど、とても工夫がされていて上手いなあと思う。
タイトルの「らせん階段」が中々出て来ない。そして、衝撃のラスト。
上質のサスペンスだと思った。シロクロのコントラストも稲妻に浮かび上がる情景もよい。
ヘレン役のドロシー・マクガイアも夫人役のエセル・バリモアも私には初めましてだと思う。
ドロシー・マクガイアは、『紳士協定』『避暑地の出来事』に出演しているので、機会があれば観てみたい。
エセル・バリモアは、殆どがベッドで寝ているだけだったが、その存在感には他を圧倒するものがある。
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5人の会員が気に入ったと投稿しています
異色のサスペンス映画
投稿日:2013/01/28
レビュアー:趣味は洋画
ヒッチコックとは一味違った異色のサスペンス映画で、ロバート・シオドマク監督の代表作といっていい。作品タイトルどおり、「階段」を使った見せ場や、雷鳴の音響効果もいい。ドロシー・マクガイアの美しさ、ジョージ・ブレントの貫禄ある演技もさすがではあるが、作品を引き締めているのは、何といってもウォーレン老夫人を演じたエセル・バリモアだ。彼女は‘目の表情’だけで演技できる数少ない名女優で、凄みさえ感じられる。さすがバリモア・ファミリーの一員だ。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
もしや「サイコ」の排水口と瞳孔のアップは・・・。
ドイツ表現主義という言葉もピッタリなR・シオドマクの代表作。
サイレントの傑作「パンドラの箱」(1928年、G・W・パプスト監督)を思い出す。
サイレントであそこまで表現できるのも凄いと思っていたけど
サイレントゆえの怖さというものを取り入れた本作の挿入部。
台詞なしのシーンが続く中、クローゼットに潜む‘目’が若い娘を狙っている。
視覚のみというのは見る者の想像を膨らませる。怖いものは殊更コワイ。
ドロシー・マクガイア演じるヒロイン、ヘレンは幼い頃に
両親が焼死していくのを目撃して以来、ショックのため話す事が出来ない。
屋敷内の大鏡にヘレンが自身を映した時、口の部分だけ(鏡が)曇ってみえるのが怖い。
障害のある女性達を次々と手にかけるシリアルキラー、
獲物を定めた目の瞳孔ショットも効果的だが
屋敷の地下庫へ通じる螺旋階段の曲線こそが目でもあり
ヘレンのトラウマの原因、渦巻く焔でもあるわけで
全ての悪夢はそこで完結する。
(更に一目置くべきはエセル・バリモアの鋭い目の演技とロンダ・フレミングの美貌。)
シオドマクは40年に渡るキャリア全体では確かに数でB級が圧倒的だが
大戦末期から戦後へかけての一時期(5年程)だけはキレ味あるスリラーが目白押しで
その1つである本作はドイツ的暗鬱さ=重厚さも随所に感じられる。
それにモノクロームの豊かな陰影はマン・レイの写真のように美しい。
結果論ですがドイツ表現主義はナチス誕生より早いのだから
既に慧眼的表現だったということと、F・ラング、B・ワイルダー、シオドマクなどなど
(映画界のみならず)亡命ユダヤ系作家達により再構築されたという事も改めて感じる作品でした。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
雷鳴轟く屋敷のなかで
投稿日:2021/12/06
レビュアー:趣味は洋画
らせん階段(1946年・アメリカ、モノクロ、83分)
最初は「顔に傷のある女性」、次は「精神薄弱の娘」、そして今度は「足に障害をもった女性」、次々と起こる殺人事件の克明な描写はない。だが、この映画の ‘恐怖のレール’ は既に敷かれている。
本作はニューロティック・サスペンスの代表的傑作であり、ストーリーの前段から積み上げられた不安感や謎が、ラストで一気に解決する構成だ。まるで深い霧が晴れるかの如く。見事というほかない。
1906年。アメリカ北東部のニューイングランドの、とある町。ここに不気味な古い館が立っている。邸の主ウォーレン老女(エセル・バリモア)は永く病床に臥せっているが、何かと身の回りの世話をしてくれる小間使いのヘレン(ドロシー・ナクガイア)を気にかけている。ヘレンは幼い頃に、火事になった自宅で両親が焼死するのを目撃し、そのショックで声が出ず、言葉を発することが出来ない。ある日、町のホテルで足の不自由な女性が殺害された。3件目の事件である。容疑者もまったく不明の中、町医者のパリー(ケント・スミス)はヘレンの身を案じていたが、彼女への想いは愛情に変わっていた。そして、雷鳴轟く嵐の夜、秘かにヘレンの姿を追う怪しげな人間の「目」が光っていた...。
ウォーレン家には、前述のウォーレン老女とヘレン以外に、次の人物が住んでいる。
〇ウォーレン教授(ジョージ・ブレント)
ウォーレン老女の継子で生物学者。邸を実質的に取り仕切っており、ヘレンへの気遣いも。
〇スティーヴン(ゴードン・オリヴァー)
ウォーレン老女の息子。欧州から帰ってきて住みついているが、毒舌家。
〇ブランシュ(ロンダ・フレミング)
ウォーレン教授の秘書。スティーヴンに言い寄られているが、教授との過去もあった様子。
〇オーツ(ライス・ウィリアムズ)
邸の使用人で、夫婦で働いていいる。ヘレンにもことのほか優しい。
〇オーツ夫人・エマ(エルザ・ランチェスター)
家政婦として働いている。ヘレンと仲が良いが、酒癖がわるいのが難点。
〇バーカー(サラ・オールグッド)
ウォーレン老女の専属看護師。忠実な仕事ぶりだが、ウォーレン老女から嫌われている。
サスペンス映画好きの諸兄姉には、真犯人は早めに特定できそうと想像がつく。しかし、それでもミステリー要素も含んだサスペンスの醍醐味は、色褪せることはない。これはロバート・シオドマク監督の演出の妙に加え、俳優陣の演技の素晴らしさに尽きる。
ヘレンを演じた主演のドロシー・マクガイアは、従来のハリウッド的な煌びやかさとは無縁の存在だ。
しかし、役になりきる演技力には抜群のものがある。本作における彼女のセリフは、たった二言。
あとは彼女の巧みな表情と動作で全編を乗り切ったのである。
本作同様、47年「紳士協定」が彼女の代表作とされているが、56年「友情ある説得」、65年「偉大な生涯の物語」等も印象深い。71年「小さな冒険者」では、ジャック・ワイルドの祖母に扮していた。
そしてコミカルな言動でスクリーンを和ませている、エルザ・ランチェスターもいい。
57年「情婦」でアカデミー賞(助演女優賞)ノミネート、64年「メリー・ポピンズ」では、メリーの前任のナニーを演じている。
表情豊かな女優さんで、本作に登場する‘犬のカールトン’(めっちゃ可愛い)へのセリフが微笑ましい。
ニューロティックな映画としては、ヒッチコックの40年「レベッカ」、41年「断崖」、45年「白い恐怖」が挙げられる。しかし、本作はジョージ・キューカー監督の44年「ガス燈」と並ぶ‘そのジャンル’の傑作である。全編にわたる雷鳴の効果音、らせん階段を捉えた絶妙なカメラ・アングル、モノクロの奥行感、どれもが見事にマッチしている。
何度か登場する、怪しげな「目」は、ロバート・シオドマク監督本人の「目」だそう。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
創意工夫に溢れたスリラー
投稿日
2007/06/11
レビュアー
よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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ヒチコックとはタイプが違いますが、サイコな連続殺人をめぐるなかなか面白いスリラー映画です。
イントロダクションに触れてありますので書いてしまいますが、現在の視点で少し気になったのは、この作品の殺人者は、女性の障害者は社会に不要な存在だとして抹殺しようとしていることです。この点、不快に思われる方はきっと少なくないでしょう。もちろん、ここには当時のナチの思想ともいえない優性思想が影を落としています。
シオドマクあるいはシオドマーク、またはジオドマクは、フリッツ・ラングのようにナチを嫌って戦前・戦中にヨーロッパからアメリカにわたった映画人のひとり。ドイツ時代にはウファ映画社で監督をしていたそうですが、それ以前のデビュー作にはスタッフとしてワイルダー、ジンネマン、エドガー・ウルマーなどが参加していたと、ものの本にありました(このときシオドマクはカメラを持っていたから監督になれたそうで、こういうのはいつの時代もかわりませんね)。
あだしごとはさておき、つまりナチに嫌悪を抱いていたであろうシオドマクには相応しい題材ともいえるのですが、その種のテーマや怒りを前面に押し出すことなく、本作はどんでん返しやハラハラドキドキの末にハッピーエンドを味わえる、よくできたエンタテインメントとしてまとめられています。
ヨーロッパの映画人を受け入れたハリウッドの製作会社は、様々な映画表現や技法を喜びながらも彼らの作品を娯楽映画の枠組みにきちんとはめ込むことも忘れませんでした。これゆえにハリウッドは40年代、50年代に今観ても面白い映画をどんどん生み出せたのでしょう。
殺人の表現や殺人者の目のアップなど、様々な工夫が映画の愉しみを伝えてくれます。一時並び称されたヒチコックには及ばないと思いますが、少なくとも本作の他『暗い鏡』『殺人者』、楽しい『真紅の盗賊』などを観る限り、シオドマクは面白い娯楽映画をきちんと創る人であるなあと思います。
物陰から覗く目
投稿日
2021/12/01
レビュアー
kazupon
監督:ロバート・シオドマク(1945年・米・83分・モノクロ)
原作:エセル・リナ・ホワイト『らせん階段』
ずっと本作の監督は、ヒッチコックだと思い込んでいた。
原作者が『バルカン超特急』の作者でもあるので雰囲気が似ているのかも知れない。
監督のロバート・シオドマクは、ユダヤ系ドイツ人で、ナチスの台頭によりハリウッドに渡ったようだ。
(本作は、シオドマク監督45歳の時の作品)
ニューイングランドのある町が舞台で、この日、ウォーレン家の女中のヘレン(ドロシー・マクガイア)は、ホテルで上映された無声映画を観ていた。
映画が終わると同時に、真上の部屋から大きな物音がした。
支配人が行ってみると、若い女性が殺されていて、最近起きている殺人事件と関連があると思われた。
一番目は顔に傷のある娘。次に精神薄弱の娘。そして今回は、足の悪い娘だった。
ヘレンがウォーレン家に戻ると、夫人が呼んでいると言う。
ウォーレン夫人(エセル・バリモア)は、どうも気難しい人のようで、雇っている看護婦と喧嘩していた。
夫人は理由も言わずに、ヘレンは今晩この屋敷を出て行くようにと言い、「出て行かないのなら、この部屋にずっと居なさい。」と言うのだた。
一連の事件の被害者は、身体の何処かに不具合・不自由を持った若い女性という共通点がある。
ヘレンは、子供の頃の実家の火事で両親が亡くなるのを観て以来、そのショックで口がきけない。
ヘレンが狙われる可能性は十分にある。
事件の犯人は最後まで顔を出さないが、クローゼットのドレスの陰や大雨の木の陰から、じっと見つめる犯人の目だけがアップになる。
殺害の瞬間は直接的には見せないけれど、とても工夫がされていて上手いなあと思う。
タイトルの「らせん階段」が中々出て来ない。そして、衝撃のラスト。
上質のサスペンスだと思った。シロクロのコントラストも稲妻に浮かび上がる情景もよい。
ヘレン役のドロシー・マクガイアも夫人役のエセル・バリモアも私には初めましてだと思う。
ドロシー・マクガイアは、『紳士協定』『避暑地の出来事』に出演しているので、機会があれば観てみたい。
エセル・バリモアは、殆どがベッドで寝ているだけだったが、その存在感には他を圧倒するものがある。
異色のサスペンス映画
投稿日
2013/01/28
レビュアー
趣味は洋画
ヒッチコックとは一味違った異色のサスペンス映画で、ロバート・シオドマク監督の代表作といっていい。作品タイトルどおり、「階段」を使った見せ場や、雷鳴の音響効果もいい。ドロシー・マクガイアの美しさ、ジョージ・ブレントの貫禄ある演技もさすがではあるが、作品を引き締めているのは、何といってもウォーレン老夫人を演じたエセル・バリモアだ。彼女は‘目の表情’だけで演技できる数少ない名女優で、凄みさえ感じられる。さすがバリモア・ファミリーの一員だ。
もしや「サイコ」の排水口と瞳孔のアップは・・・。
投稿日
2008/11/27
レビュアー
コリンスキー
ドイツ表現主義という言葉もピッタリなR・シオドマクの代表作。
サイレントの傑作「パンドラの箱」(1928年、G・W・パプスト監督)を思い出す。
サイレントであそこまで表現できるのも凄いと思っていたけど
サイレントゆえの怖さというものを取り入れた本作の挿入部。
台詞なしのシーンが続く中、クローゼットに潜む‘目’が若い娘を狙っている。
視覚のみというのは見る者の想像を膨らませる。怖いものは殊更コワイ。
ドロシー・マクガイア演じるヒロイン、ヘレンは幼い頃に
両親が焼死していくのを目撃して以来、ショックのため話す事が出来ない。
屋敷内の大鏡にヘレンが自身を映した時、口の部分だけ(鏡が)曇ってみえるのが怖い。
障害のある女性達を次々と手にかけるシリアルキラー、
獲物を定めた目の瞳孔ショットも効果的だが
屋敷の地下庫へ通じる螺旋階段の曲線こそが目でもあり
ヘレンのトラウマの原因、渦巻く焔でもあるわけで
全ての悪夢はそこで完結する。
(更に一目置くべきはエセル・バリモアの鋭い目の演技とロンダ・フレミングの美貌。)
シオドマクは40年に渡るキャリア全体では確かに数でB級が圧倒的だが
大戦末期から戦後へかけての一時期(5年程)だけはキレ味あるスリラーが目白押しで
その1つである本作はドイツ的暗鬱さ=重厚さも随所に感じられる。
それにモノクロームの豊かな陰影はマン・レイの写真のように美しい。
結果論ですがドイツ表現主義はナチス誕生より早いのだから
既に慧眼的表現だったということと、F・ラング、B・ワイルダー、シオドマクなどなど
(映画界のみならず)亡命ユダヤ系作家達により再構築されたという事も改めて感じる作品でした。
雷鳴轟く屋敷のなかで
投稿日
2021/12/06
レビュアー
趣味は洋画
らせん階段(1946年・アメリカ、モノクロ、83分)
最初は「顔に傷のある女性」、次は「精神薄弱の娘」、そして今度は「足に障害をもった女性」、次々と起こる殺人事件の克明な描写はない。だが、この映画の ‘恐怖のレール’ は既に敷かれている。
本作はニューロティック・サスペンスの代表的傑作であり、ストーリーの前段から積み上げられた不安感や謎が、ラストで一気に解決する構成だ。まるで深い霧が晴れるかの如く。見事というほかない。
1906年。アメリカ北東部のニューイングランドの、とある町。ここに不気味な古い館が立っている。邸の主ウォーレン老女(エセル・バリモア)は永く病床に臥せっているが、何かと身の回りの世話をしてくれる小間使いのヘレン(ドロシー・ナクガイア)を気にかけている。ヘレンは幼い頃に、火事になった自宅で両親が焼死するのを目撃し、そのショックで声が出ず、言葉を発することが出来ない。ある日、町のホテルで足の不自由な女性が殺害された。3件目の事件である。容疑者もまったく不明の中、町医者のパリー(ケント・スミス)はヘレンの身を案じていたが、彼女への想いは愛情に変わっていた。そして、雷鳴轟く嵐の夜、秘かにヘレンの姿を追う怪しげな人間の「目」が光っていた...。
ウォーレン家には、前述のウォーレン老女とヘレン以外に、次の人物が住んでいる。
〇ウォーレン教授(ジョージ・ブレント)
ウォーレン老女の継子で生物学者。邸を実質的に取り仕切っており、ヘレンへの気遣いも。
〇スティーヴン(ゴードン・オリヴァー)
ウォーレン老女の息子。欧州から帰ってきて住みついているが、毒舌家。
〇ブランシュ(ロンダ・フレミング)
ウォーレン教授の秘書。スティーヴンに言い寄られているが、教授との過去もあった様子。
〇オーツ(ライス・ウィリアムズ)
邸の使用人で、夫婦で働いていいる。ヘレンにもことのほか優しい。
〇オーツ夫人・エマ(エルザ・ランチェスター)
家政婦として働いている。ヘレンと仲が良いが、酒癖がわるいのが難点。
〇バーカー(サラ・オールグッド)
ウォーレン老女の専属看護師。忠実な仕事ぶりだが、ウォーレン老女から嫌われている。
サスペンス映画好きの諸兄姉には、真犯人は早めに特定できそうと想像がつく。しかし、それでもミステリー要素も含んだサスペンスの醍醐味は、色褪せることはない。これはロバート・シオドマク監督の演出の妙に加え、俳優陣の演技の素晴らしさに尽きる。
ヘレンを演じた主演のドロシー・マクガイアは、従来のハリウッド的な煌びやかさとは無縁の存在だ。
しかし、役になりきる演技力には抜群のものがある。本作における彼女のセリフは、たった二言。
あとは彼女の巧みな表情と動作で全編を乗り切ったのである。
本作同様、47年「紳士協定」が彼女の代表作とされているが、56年「友情ある説得」、65年「偉大な生涯の物語」等も印象深い。71年「小さな冒険者」では、ジャック・ワイルドの祖母に扮していた。
そしてコミカルな言動でスクリーンを和ませている、エルザ・ランチェスターもいい。
57年「情婦」でアカデミー賞(助演女優賞)ノミネート、64年「メリー・ポピンズ」では、メリーの前任のナニーを演じている。
表情豊かな女優さんで、本作に登場する‘犬のカールトン’(めっちゃ可愛い)へのセリフが微笑ましい。
ニューロティックな映画としては、ヒッチコックの40年「レベッカ」、41年「断崖」、45年「白い恐怖」が挙げられる。しかし、本作はジョージ・キューカー監督の44年「ガス燈」と並ぶ‘そのジャンル’の傑作である。全編にわたる雷鳴の効果音、らせん階段を捉えた絶妙なカメラ・アングル、モノクロの奥行感、どれもが見事にマッチしている。
何度か登場する、怪しげな「目」は、ロバート・シオドマク監督本人の「目」だそう。
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