ブロンドの恋

　「うれしはずかし朝帰り」（DREAMS COME TRUE）、「男の女のラブゲーム」（武田鉄也＆芦川よしみ）とかそんなベタな歌の世界を髣髴とさせる物語。まさに「歌謡曲だよ、人生は」っていう感じでしょうか。そんな題名の映画もありましたね。
　しかしお国や時代が変わろうとも、男と女のラブゲームにはさほど違いが無いのですね。まさに普遍的なテーマ。

　かくもありふれたテーマを奇を衒うことも無く見せながら、これだけ面白い作品に仕上げているのは、人物の切り取り方が巧みだからでしょうか。冒頭のギターの弾く女の子のショットから訳も分からず心を鷲づかみにされます。ただ無表情にギターを弾きながら歌う少女のこのショットがなんだかとってもシュールです。
　
　この人間を切り取る巧みさは、フォアマン監督の人間観察の鋭さを示しているのでしょう。主人公を含む女の子のグループ、さえない中年男三人組、人気の無い女性3人組、軟派なピアニストとその両親など、少し誇張されデフォルメされた人物像ではあるももの、「ああこんな奴いる、だれそれにそっくり」なんていう言葉が誰かの口から出てきそうなくらい。こんなにも普通の人々を題材にして普通の生活を描いたら、通常とても退屈な作品になるに違いありません。しかし本作はそんな普通な人々の普通な暮らしを描きながら、これだけ楽しい映画に仕上がっているのです。フォアマン監督の並々ならぬ実力が伺えます。この鋭い人間観察が「カッコウの巣の上で」の描写に繋がっているように思います。

　一応主人公の女の子を追っかけた作品なのですが、主人公にとらわれないカメラの視線や物語の構成は群像劇の趣も感じます。
　シンプルながらなかなか楽しいコメディの秀作です。

やっとこ観れました　忙しいです　冒頭の白い指の戯れにやられました　細かい描写がとてもいい映画であろう事がわかります　女の子達の表情を見てるだけで楽しくて　どこかでも泣けてくる映画ですね　資本主義だろうが　がちがちの社会主義体制だろうが　ナンパされる女の子たちの心情なんてみんな　４２年前だって　おんなじ　道端で車を止めさせて　恋人の元へ旅立つシーンを我々は　何百回スクリーンで観ているのだろうか

素人を使ってるだろうから　その一瞬の表情を捉えるために　カットを厳密にはつなげたりしてないから　ある時代のスナップ写真のように　とても貴重なドキュメントにもなってる作品
又も　パーティなのだが　そして官僚機構を円滑に作動させるために　例の消防署の連中が連続出演笑えます　役者ですみなさん
その宴の後の　会場に残って女の子達を攻略する作戦を練る　中年兵士達の　シークェンスもどこか滑稽で物悲しく　がらんとした空間の処理はなかなかいいものがありますね　ここから後は転調しますね　レヴュアーのみなさんも感心してます

女の子の小さな絶望と　ささやかな希望を描くこの映画はそれを　作ること事態が大変危険な時代の神経過敏な作品なのです　この遠い時代の持つシネマの意識的　無意識的な政治性はいささかも古びていないところが　恐くないでしょうか

さてロレンゾ・フェテータってご存知でしょうかアメリカＵＦＣのオーナーで今度プライドを事実上買収したようです榊原社長はやっぱ無念そうファンにとってはいい方向になればいいんですけどねこのとこボクのレヴュー数も減ってますミキシの影響でしょうプライド・ＵＦＣ連携みたいにミキシ・デスカスもしだいに溶け合っていっちゃうのかな今日はおうち大好きさんとお友達になりましたボクはもう姓は裸足の名はラヴァースで名前は公開してますので訪問される方はどうぞ来て下さいどうせばればれになりますので探す手間を省きましたマイミクはどなたでも大歓迎ですよここは飛ばして読んでもらいたいな　へへへ　文章つなげた

実に面白い映画でした。イントロダクションも読まなかったので、前半の「合コン」にくすくす笑って、あれ主人公は誰かなこの楽しくお間抜けな中年兵士三人かなと考えていたら、きちんとブロンド娘の恋へと見事に転調して、ああタイトル通りだと納得しました。
　戦争の結果、適齢期の男性が少なくなって、男１人に女１６人の割合になってしまったチェコの地方の町。このままでは工場で働く娘たちは不憫だし、仕事をやめて大都市にいってしまうと危惧する工場長、人民軍にかけあって兵士を町に呼び寄せ、いわば「お見合いパーティ」と開くわけですね（この軍幹部とか、工場長は『火事だよ！　カワイ子ちゃん』の消防署の面々ではありませんか？　また会えました）。
　ところが、やってきたのは冴えない中年の兵士、しかも妻子もち多数。机上の計画はたいていどこかずれてしまうわけですが、兵士たちは若い女の子と一夜の情事に眼を輝かせ、女の子たちは職場の命令だから仕方ない（なんといっての社会主義の国ですから）し、万にひとつの期待をもって参加しているみたいです。
　彼女らが多分に友だちや同性の視線を意識して、心を揺れ動かす前半が、おかしくも物悲しく、とても素晴らしいのですが、やっぱり机上の計画はうまくいかず、ブロンド娘はイベント用に呼ばれたピアノ弾きにふらふら惹かれてしまう。ちなみに若い子に逃げられた中年三人組のひとりが、女衒のような工場長に誘われ、中年女性と一夜を共にするあたり、じつにおかしい。
　ブロンド娘がプラハにピアノ弾きを訪ねて行く後半では、突然の訪問に右往左往するピアノ弾きの一家が実に笑わせてくれます。ことに終盤の、延々と続くベッド上での親子三人の口喧嘩は見ものです。
　いくら独自路線のチェコといっても社会主義政権下、セミヌードもありかつシニカルで人民軍兵士をからかってもいる本作の開放ぶりには驚かされます。６５年の製作だそうですが、プラハの春がソ連軍に押しつぶされるのは、６８年だったでしょうか。監督のフォルマンは渡米してしまうわけですが、あの娘はいったいどうなったのか、気になります。惜しくも亡くなられた米原万理さんの感想が聞きたくなった映画でした。７５点。

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『アマデウス』のレビューで触れたことがある、ミロス・フォアマンのチェコ時代の作品がレンタル許諾されました。『ブロンドの恋』は以前BS2で放映されたことがあるので観たことがある人もいるかもしれませんが、『火事だよ!カワイ子ちゃん』はセル版のDVDとしてしか観ることができなかったものですので、この素晴らしい作品がレンタルで手軽に観ることができるようになったのは喜ばしい限りです。

チェコ・ヌーヴェルバークなんて言う修飾詞がつくと、ましてや私がイチオシだというと妙に小難しい作品を想像されてしまうかもしれないけれど、この二作品は間口が広く誰にでも愉しめる作品なので、是非とも先入見なくご覧頂きたいたいと思います。特にパープルローズさんや吟遊旅人さんを筆頭に、リナさん、みみさん、nekoさん、イケナイコさん、花ちゃんさん、かふうさんなど豊かな感受性が感じられる女性陣(でない人もいると思いますが(^_^;)には、フォアマンの長編第二作に相当する本作『ブロンドの恋』がお薦めです。

前半部分はとある地方都市の製靴工場における女工(死語!)とその近くにあるらしい駐屯地の兵隊との出逢いのパーティーが舞台となっています。工場を辞め都市に流出してしまう女性達を引き留めるために経営者が計画したものなのですが、主人公の女性達のグループに目を留めたのはしがない中年男性のグループ。男性達にしてもこれが最後のチャンスとばかりになんとか若い女性を仕留めようと涙ぐましいばかりの努力を繰り広げるのですが、その無様な様子と言いそれがことごとく失敗してしまう顛末と言い、乾いたコメディー感覚が炸裂します。

結局彼女達と彼らは大方の予想通り見るも無惨な結果でパーティーを終えるのですが、殆ど人がいなくなり寂寥感ばかりが充満するパーティー会場で主人公の女性が招かれていたピアニストの目に止まり、口説かれるところから作品は第二段階に入ります。うらぶれた中年男性と、首都プラハから来たミュージシャンとでは勝負にならないのは明かで、これまたお決まりの「一夜の恋」に陥り、寝物語で結婚まで口にしてしまいます。プレイボーイらしいピアニスト男性にその気など全くないことは傍目で見ていれば明らかですし、主人この女性も口裏合わせをしているようにしか感じられないのですが・・・。

この後お決まりと言えるような展開があり、大方の予想通りの結末を迎えるのですが、それは観てのお楽しみとしておきましょう。ただし、この作品の醍醐味は昨今ならテレビドラマですら取り上げないようなベタでありがちなストーリー展開にあるのではなく、パーティーのシーンで繰り広げられた乾いたコメディ感覚とこれと対になった哀愁感にこそありますし、巧みなストーーリーテリングに乗っているうちに気がつけばすんでの所で感傷を廃した抒情が素晴らしいラストシーンに運ばれて行きますので、肩に力を入れることなく気軽に独特なムードと感覚に流されるのがベストでしょう。

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髪の毛がボワァと盛り上がった女の子が、ギターを弾きながら歌ったこの曲が頭から離れないんですけど。
何を言っているのかその部分の字幕がなかったけど、
多分、これから恋が始まる、オー！イエ、イエ、イエって意味
なんじゃないかな？
パーティ会場のシーンは爆笑。この部分はセリフがなくても表情だけで十分におかしい。そうだな、前に観たヨス・ステリングの短編ウェイティングルームに近い感じがする。
１つだけ私が不愉快に思ったのが、男性が女性に対して
偉そうな言い方をするところ。パーティでの終盤、時間もなくなってきて、早く目の前のブロンドといやらしいことをしたいとあせっている中年野郎がいらいらして発する一言。
「早くワインを飲み干せ。一気に飲め。これからどうするのか早く決めろ」ってさ、
たった１本のワインをご馳走してだけで、その元を取らないと損だと思ってるセコイ野郎の偉そうな言い方に超ムカッ！
ワインをその醜いオッサンの顔にぶっかけてやれ！と思ったけど、ブロンドちゃんたちは言われるままワインを喉に流し込んでるから、本当にいい子ちゃんたちだよ。
この中年男以外にも指輪をあげた青年は、男子禁制の女子寮に入ってきてはどつかんばかりの勢いでブロンドに指輪を返せと言う。
ブロンドとやることだけやったピアニストにしては、いきなり実家に押しかけてきたブロンドのことを「知らん女が勝手に来た」
と困惑する両親に嘘の説明。最初は聞こえないふりして我慢していたブロンドもその内我慢できなくなってきて泣き崩れてしまうシーンには、私はバットを持ってそのピアニストの頭をカチ割ってやろうかと思った。昔の女ってこんな感じで、も一つ大事にされていなかったのかな？
ラストに優しく流れるピアノの曲がいい。
今日も工場で一生懸命働いているブロンドに
大丈夫、もうすぐ素敵な男性が現れるよって言っているかのようだった。画面が暗くなってもいつまでも余韻が続いていた。