シャーリー・テンプル・ジャポン

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『農園の寵児』や『小公女』のシャーリー・テンプルが、日本の地方都市を舞台に、明るく飛びまわる映画…では、全く無い。全然違う。

とある町の古いお屋敷が舞台（ロケ地は静岡県富士川町）　町長選挙期間、根本玉助候補の陣営は、町外から若者を雇って不正投票をさせようとしている。この数日、家に籠りっきりの三人の男達（その内の一人の名前がなぜかシャーリー）　そこに一人の女性メンバーが追加されてくる…

冒頭３分の静止画は、ハネケの『隠された記憶』の冒頭を彷彿とさせる。そして始まるドラマ（の様なもの）　なるほど、これは掛け値なしの珍品だ。据え置かれたカメラは、なんと「開始から25分間、その場から動かない」　その後も、数カット数秒の例外を除いて40分弱、画面は「同じ画」であり続ける。
カメラは時折パンするのみでズームさえせず、音声も拾わない。半ば無声映画（字幕が入る）の様な演出だ。

ロングの構図が情緒をもたらすかと言えば、遠目に見える人物達は、昔の香港映画の様な大仰な動作で安定感を放棄する。この演出の狙いは何なのか、実験精神か、単なる「いちびり」なのか。

Part�U（第二部）は一転「普通の映画」調になる。しかし脚本はPart�Tと全く同じ。変わるのは舞台と俳優と、撮影法。
再見しながら、監督によるコメンタリーを聞いていたのだが、さすがに早々に沈没してしまい、結局どんな狙いがあったのか、聞き逃した。情報によればこの『シャーリー・テンプル・ジャポン』は、なんとシリーズ化され、Part�Xくらいまで有るとか無いとか（もう、どぉでもいい）

冨永昌敬監督と言えば『パビリオン山椒魚』だが、あのシュールたらんという狙いのハッキリ分かる作品でさえ本作との間には、深くて暗い川がある。いわんや、彼と、我々一般の観客の間に於いてをや、である。



…という不満はさておくとして、「商業作品に関わらず、こんなことをしでかした」という意味では、空前絶後の作品と言える。えらいものを観たという気にはなれるし、話のネタにはなるだろう。


もちろん、くれぐれもお薦めはしない、くれぐれも観ない方がいい、観るなよ、押すなよ、絶対押すなよっ。（by ダチョウ倶楽部）

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ツタヤディスカス会員になってから、約２年。３７１通のレビューを投稿して参りました。
その中でもトップクラスの珍作品ではないでしょうか。

冒頭、古い民家か寺らしき場所の前にはパイプ椅子が３つ。
、、、まだ？、、、ま、まだ？
ここからしばらく動きは何もない。もうこの時点で逃げ出したくなる。
こんな気持ち『２００１年宇宙の旅』の原始時代以来だ。
やっと人が現れたと思ったら、なんと！サイレント映画である。
選挙放送など物音はしている。セリフだけが一切聞こえず字幕なのだ。
しかも、カットはなくずっと遠くから回しっぱなし。
横移動はあるものの、ズームはない。

なんなのー・・・、わざと？シュールを狙ってるのか？？

このハテナはコメンタリーを聞くと、答えがある。
どうやらシュールを狙っているわけではなく大人の事情があったみたい。

珍を御希望の方にはオススメですが、それ以外の人にはオススメできません。

わたしには意味がわかりませんｗ