ＢＬＡＣＫ　ＮＩＧＨＴ　ブラックナイト

オムニバスのホラーものなんですけど、３作とも何となく似たようなアイデアに映像で、アジアン・ホラーもそろそろ限界なのかなと。マスターズ・オブ・ホラーのシリーズなどに比べると、オリジナリティがないし、「映画」になっていないですね。ビデオです、これ。面白さの順番からいうと、１位が「隣人」、２位が「記憶」、残念ながら日本の秋山監督作はブービー賞。「隣人」はいかにも「ツインズ・エフェクト」の監督だなあと思いますが、サービス精神が旺盛でなかなか楽しめます。映像的には手塚真の「ブラック・キス」みたいな綺麗なカラー。話もおんなじようだったりして。香港映画っぽいのは、ホラー的表現がどうしてもアクションになってしまうこと。幽霊との絡みがアクションなんですよね。それはそれで面白い。まあムードはありませんしあんまり怖くもないけど見ていて飽きないです。「闇」はストーリーがつまらないです。ひねりがなくて。それに映像にいかにもビデオっぽい効果をかけていて、それが邪魔。邪魔というより陳腐。ダメでした。瀬戸朝香をもっと綺麗に撮ってあげて欲しいです。魚眼レンズとか意味もなく使っちゃだめですよ。実相寺昭雄じゃないんだから。と文句がつい出てしまいます。「記憶」は幽霊の描写にやや難ありですね。話は面白いし、ストーリーテリングもよいのですが、肝心の描写があれじゃね。ホラーは難しいです。特に今は、Ｊホラーも煮詰まってますね。やたらと量産されるビデオホラーに比べればまだこの３作はマシな方なので、ヒマだったらどうぞ、という感じです。もっとも、このＤＶＤ見る時間があるのなら、映画館へ行ってクリントの堂々たる傑作を見て映画を堪能していただきたいのですが。

よくあるアジアンホラーオムニバス作品で、
香港、日本、タイのそれぞれ一話３０分程度の物語が３つ収められています。
日本人だから厳しく見てしまうのかも知れませんが、
他のレビューアの方も書かれている通り、すべてにおいて日本の作品が一番
面白くないと言うか、他の作品と比べて外してしまっている。
（「新耳袋」の中に、「世にも奇妙な物語」が紛れ込んでいるような感じで、浮いています。）
三話ともに何か共通のお題的なモノがあります。
　�@主人公は女性である事
　�A男女間の話が絡む
　�B水に関する事故・恐怖
　�Cほんのりとした感動がある事
まず、香港の「隣人」ですが、ホラーとしてはこの作品が一番怖さのセオリーに則った内容だと言えます。
台湾の速水もこみちことディラン・クォを中心として、短い中で上手く起承転結がまとまっています。
掴みとしては良い出だしと言えます。
その後の「闇」で、「あれ、なんかちょっと違う」って事になるのですが、
なぜか映像も含めて、レベルが落ちてしまいます。
眼の玉が無くなった死体の描画とか
田口トモロヲとかもいい演技しているんですが、話が内面的に寄りすぎて
内容が伝わらない内に終わってしまう感じです。
魚眼レンズっぽい映像とかの挿入で、瀬戸朝香も太って見えたりして少し可哀そうですね。
（元カレと今カレで、男の趣味が変わりすぎている！！）
最後の「記憶」も良いですね。
レイス・ウォンって「アブノーマル・ビューティ」に出ていた人ですね。
ストーリーにちょっとしたひねりもあって、怖さといった面では弱いですが
上手くまとまっていると感じます。
難点はディラン・クォ、柏原崇と来て、最後は「ふつうのおっちゃんやん！！」って事で、
男優さんもうちょっとなんとかならなかったのって処ですね。

こうやって３話見終えると、香港・タイは正攻法で来ているが、日本は内容に少し重みを持たせようとして
失敗してしまっている。
確かにＪホラーブームで、あちこち出てきたホラー作品で、独自性を発揮する事は困難なのかも知れないが、
見ている人をぞくっとさせる事が、ホラーの原点であるならば、
あえて原点回帰の方が良かったのかも知れません。

水をテーマにした全編ベタベタホラーオムニバス。

ストーリー：　タイ＞香港≒日本
映像・演出：　タイ＞香港＞日本
女優：　タイ≒香港＞＞＞日本
演技：　タイ＞香港＞＞＞日本

香港は前菜といった感じで本当に短い。このドラマのレース・ウォンはかわいくは…ない。
香港のお盆シチュエーションは好きだ。最後は少し意外。

日本は、映像と演技の陳腐さが際だつ。子役のほうが演技が上手いのでは…。

タイは一番安定して見られた。色合いも良く、幽霊のできも一番よかったのではないだろうか。
ラストが意味深。どうなったんだろう。


全体的にはとにかくベタベタで、どれも冒頭から先が読めてしまう。その分、日本の陳腐さはつらすぎる。

★チェック

実際に借りて観てから、すでに1ヶ月以上経っているっていうのもあるけれど、レビューを書こうとして、タイトルを見ただけでは、どの作品であったか思い出せなかった。
こうして紹介ページを見て、はじめて「あぁ〜、あのホラーのオムニバスのやつね」と…。
って、この事実がそれだけで、どういうレベルの作品であったかを物語っているんだけど…。
ホラーものでは、結局「真の理由」は明かさないまま、終わるというケースが多いわけでだけど、それにはそれで、そうなる「理由」は必要なんだよね、ただ中途半端に終わられても見るほうは気分が悪いだけ。