隠された記憶

隠された記憶の画像・ジャケット写真

隠された記憶 / ダニエル・オートゥイユ

全体の平均評価点:(5点満点)

102

全体の平均評価点:

DVD

映画賞受賞作品

ジャンル :

「隠された記憶」 の解説・あらすじ・ストーリー

DVD

映画賞受賞作品

解説・ストーリー

 「ファニーゲーム」「ピアニスト」の奇才ミヒャエル・ハネケ監督が、現代の社会問題をミステリー仕立ての巧みな語りでスリリングに描いた衝撃のサスペンス・ドラマ。カンヌ映画祭では監督賞を含む3部門を受賞。テレビ局の人気キャスター、ジョルジュは美しい妻アンと一人息子のピエロと幸せな日々を送っていた。そんなある日、彼のもとに送り主不明のビデオテープが届く。そこにはジョルジュの家を正面から隠し撮りした映像が映っていた。テープは何度も送られてきて、内容も回を追うごとにプライベートな領域へとエスカレートしていく…。

「隠された記憶」 の作品情報

作品情報

製作年: 2005年
製作国: フランス/オーストリア/ドイツ/イタリア
原題: CACHE/CACHE (HIDDEN)
受賞記録: 2005年 カンヌ国際映画祭 監督賞
2005年 LA批評家協会賞 外国映画賞

「隠された記憶」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

関連作品

マルセイユの決着 <おとしまえ>

71フラグメンツ

ショコラ 〜君がいて、僕がいる〜

スマイルコレクター

ユーザーレビュー:102件

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?

1〜 5件 / 全102件

「極上のスリラー」貴方も一度では看破できないだろう・・・ ネタバレ

投稿日:2006/10/06 レビュアー:masamune

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

本作はカンヌ映画祭・監督賞、LA批評家協会・外国映画賞など数多くの映画祭で絶賛されたが監督のMichael Hanekeはメジャーデビュー作「ファニーゲーム」(レビューも参照してね)を観ても判る通り「賞」など眼中に無い映像作家だ。それでもリリースした4作(本作含む)全てパルムドールにノミニーされてる実力者。この監督は観る者を情緒不安定にさせる事では天下一品だが本作もご同様、更に磨きが掛かってきた。本作は監督の作品の通例に従い、明確な「オチ」は無い。ジャンルとしてはサスペンスなのかもしれないが、ハリウッド映画の様な起承転結な物語には程遠い。本作を見ると「SAW」はやっぱり米国産だと思う位、その感触は違う。私が付けるならジャンルはスリラー、しかもそのレベルはかなり高い。まるでチェスの名人と勝負してる様な緊迫感が本作には有る。レビューに併せて待ち切れずに購入したフランス版DVDを再見したが、監督の作品はどれもそうだが映画の文法が先ず当て嵌まらない。冒頭から挑戦的なシーンが続くが、それに気を取られてると最初の衝撃がやって来る。このリアルさはハリウッド映画に無い触感だ、映画館で彼方此方から「エッ!」と声が上がった程だった。この衝撃を引きづったままラストまで一気に見せる演出は改めて見ても凄い。ラストについても「SAW」の様な「なあーんだ、そうだったのか」と教える訳でも無く、「隣人は静かに笑う」(DISCASに登録が無い様ですがコレも絶対のお薦め!)の様な爽快感も無い。本作は「犯人は誰?」とか「事件の意味は何か?」と言う通り一遍の謎解きに終わらない、そんな居心地の悪い、しかし何か惹き付ける魅力を持った不思議な感覚を楽しんで欲しい作品です。Daniel AuteuilとJuliette Binocheの抑えた演技も素晴らしかったが、既に長文なのでその点はご覧頂く事にしたい。「オチ」のヒントとしては仏語で「Une bicyclette」が鍵と思うので参考になればと思います。
映画に娯楽性や整合性を求める方には不向きだが、逆に興味の沸いた方は是非、監督の「ピアニスト」「ファニーゲーム」も見て頂きたい。私はドイツ人監督の映画はあまり好きではないが、氏の作品は別格、見る価値は有ると思う。

このレビューは気に入りましたか? 27人の会員が気に入ったと投稿しています

乱された感情。

投稿日:2007/03/21 レビュアー:JUCE

ネタバレせずに感想を述べることの難しい映画。
まず、言えることはこの映画を見る時はかなり心してかかる必要があります。また一度の鑑賞では全貌が掴めません。ですから映画館での鑑賞向きでは無いのでしょう。むしろ何度か鑑賞し、その後で気になった部分をリピートで見る。例えて言えば迷路とパズルを合わせたような映画。あるいは大げさに言うならば数学者がフェルマーの最終定理に挑むような感覚の映画という感じがします。

まあ、ファーストシーンから結構ガツンとやられました。なんか定点観測のような画面でしかも微妙に画面が揺れているし・・・。これってPALでテレシネした物をNTSCに変換したのかと変な勘繰りをいれて、少しイライラしてきたところで「キュルルン」。はいツボに嵌りました。「はいハネケ監督、私はあなたの術に落ちました」そこからはかなり集中して見ていたのですが、それでも何度か見直して見るとパズルを見落としていました。
ラストは「謳い文句」にもなっていたので、さらに集中していたのですが一度目は不覚にもそれがラストシーンという事も途中で気付き、またヒントも見逃してしまいリピート。
実はラストシーンだけでは無く、そんな部分が途中でも出てくるんですね。一つ例を挙げると競泳会でのシーン。ここも注目してください。

最終的には私は犯人探しに関しては放棄します。一応有力かなというのもあるのですがまあそうやって悩んでみる過程がこの映画の本当の狙いであり良さなのだと思います。

でも正直疲れました・・・。

このレビューは気に入りましたか? 22人の会員が気に入ったと投稿しています

夢の底から来たビデヨ

投稿日:2006/10/12 レビュアー:裸足のラヴァース

人を饒舌にさせる一言余計に言葉を費やしたくなる映画があります ハネケの新作は面白すぎるのが欠点かもしれません もっと不快で意地悪観客を置き去りにしてくれていいと思います しかしある程度予想していたこのラスト その通りに近いのに画面をボーっと見てて気が付かない俺は ハネケにまんまと遊ばれてしまいました

この映画パリは プチブルジョアの住宅事情がわかってなかなか興味深い オートィユ演じるインテリマスコミ人はパリなんかわしゃ知らんので どんな高級住宅街かわからんですが とにかくなんかせまっ苦しくていつも違法駐車 車庫ないのかな 書棚の前で食事をしています いやこんな家に住みたいですけどね この家の中から一回だけオートィユが不審者に気付いて 外に出るシーンがあり そこで初めて件(くだん)のビデヨに撮られた側から切り返しのショットになります そのとき街路が映る訳ですがそこにはビデヨが撮れる位置は不可能で確定は出来ません
もうここで脅迫者の主体の特定は放棄されているとみて よいでしょう 大体にわとりのトラウマないし幼年期の事件のようなものが原因では根拠が薄いでしょう

この個人を不安に陥れる 過去から<回帰>してくるわけのわからないもの 決して主人公だけの暗い過去ではないこの不気味な物は ずばりドイツ人ハネケが意地悪く仕掛けるフランス人にとってのアルジェリア戦争の隠したい記憶なのでしょう これも9.11以降が国別にしつこく告発してくる 歴史の検証なのでしょうか

その過去の回帰をうながしてしまう 映像的トリックのありようがもう一つの観点で 先の衝撃的なラストってやつがありますが それよりも冒頭のショットそれがまさにビデヨの最初の内容なのですが これがまるで静止画のように見えると それが時間が経過すると朝の小鳥のさえずりがわずかに聞こえ そのうち人が通りすぎる姿が映り ビデヨ映像だとわかる ビデヨであり映画の画面であると この詐術はしかし何かしら視線の主体の喪失を思わせないか 犯人の視線 映画の観客の視線が重なり 果たしてこれは誰の視線と言えるのだろうか? ブルジョワ社会の万人に付与された視線? 現代の監視管理社会の偏在する視線をそれは 問題視してるとは言えるのですが どんどん長くなるのでこの辺にしときましょうか 

このレビューは気に入りましたか? 22人の会員が気に入ったと投稿しています

時間の無駄とはこんな駄作を指す ネタバレ

投稿日:2010/04/20 レビュアー:ホヨマックス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

とにかく展開なんか無いしジレったいし2度も居眠りしてしまい4度に分けて観てしまった。
意地になって見ちゃったんで5時間は浪費したようだ。早送りすべきだったのに、反省・・。

残り10分のオーラスになっても山を眺めてるようで何の変化も無い。予告編でラストカットの映像に全世界が驚愕した、とウタってるから最後まで信じてみたが、酷いですなぁ。要は犯人が誰なのか自分で考えろとの事だがこんなもん・・。カンヌ?のゼロレベルから学べる物は何も無い!(え?私が低レベル? ですね、失笑)
私にとっての見所はホンの1場面。子供が鶏の首を跳ねるシーン、あれはマジ殺し?CGでも良いからそんな衝撃スナッフ映像ばかり集めたら凄い事になるんだが・・ おっと、言って置きますが本作は全く怖く無いです。

これでも本作を借りてしまう残念な貴方を占ってみましょう。
“ほんやらこんやら▲■●x・・ 貴重な時間を左から右へ受け流す事でしょう・・”

このレビューは気に入りましたか? 21人の会員が気に入ったと投稿しています

加害のトラウマを描く秀作

投稿日:2006/11/14 レビュアー:吟遊旅人

 いまや「トラウマ」という言葉は人口に膾炙し、誰もが口の端にのぼらせる用語となったが、この語の意味をフロイトは、<そのことについて考えることを抑圧している出来事>として精神分析に使用した。だから、「思い出せば心が痛む出来事」として本人が自覚しているような事柄はトラウマではない。当人が忘却の封印をした「事件」こそがトラウマなのだ。そういう意味で、本作は正しくトラウマをとらえている。

 巻頭のシーンが写ったとき、一瞬、日本のどこか都会の住宅街の風景かと勘違いした。それほど、わたしには違和感のない街並みだ。都会の中にびっしりと建て込むビルや住宅。住宅の前には不法駐車の列。大阪市内でもよく見かける風景だ。そんな場面が固定カメラで延々と流れる。このオープニングは退屈だ。だがこの退屈さにこそ仕掛けがある。案の定、実はこれは隠しカメラで撮影されたビデオの一部分だったのだ。隠し撮りされていたのはテレビキャスター、ジョルジュの一家。妻はそのことに怯える。いったい誰がこんなイタズラを。さらに差出人不明の葉書が届く。子どもが描いたような稚拙な絵は、首を切られて血が噴き出している人物の顔を表していた。心当たりはあるのかと詰め寄る妻。ジョルジュは、「今何も言えないが心当たりはある」といらだたしく答える……


  隠されているのはジョルジュ一人の遠い記憶だけではない。現代フランスにとっての恥部たる「アルジェリア」が記憶の刺となる。ジョルジュが恥じて言いたがらない記憶はすなわちフランス人の集合意識なのだ。ユング派ならジョルジュの夢をどう解釈するのか聞いてみたいところだが、彼がうなされる悪夢を見てもわかるように、彼は過去から召還され、現在の自分を恥じる気持ちがある。成功したインテリ、人気のあるテレビキャスター、現代フランスの良心を代弁すべき(とおそらく自負している)彼が、たとえ幼少時とはいえ、アルジェリア人への露骨な嫌悪や差別を体現していたこと。そして今なおそのことをやましいことと知りながら反省していないという重大な事実。

 この映画はサスペンスには違いないが、犯人を捜す謎解きを目的とするものではない。だからこそ、衝撃のラストが待っているのだ。あまりにもあっけなく、「犯人なんてわからない」「犯人が存在しない」という衝撃だ。脱力ともいえるだろう。ハネケは意地の悪い監督だ。真相を知りたがる観客を尻目に「自分で解釈しなさい」と言い放つ。

 ドイツ人ハネケが書いた洒脱なフランス人の会話、そこに隠された疑心暗鬼や韜晦、自尊と自傷が観客自身の痛みに触れて見る者を引き込んでいく。微妙な会話、謎を含む会話の数々、不気味な脅迫葉書や事件。カメラがフィックスでじっと映し出す情景には観客をもだますトリックが仕掛けられている。家庭用のビデオカメラで撮影されたはずの映像がそのままこの映画の「現実」の場面と重なり、区別がつかない。観客が眺める「映画的現実」と「映画という虚構のなかの虚構」との区別がつかないがゆえに、ジョルジュが抱く苛立ちも疑惑も恐怖もいっそう観客にとってスリリングに展開する。そしてあっと驚く衝撃の場面。うまいっ。

 室内でも固定カメラをほとんど動かさず、人物の表情をわざと隠したり、屋外ではロングで延々長回しを多用したりと、その思わせぶりな演出は心憎いばかり。それでもってラストがあれですからね、ほとんどの観客の期待をものの見事に裏切りつつ、騙されたほうは「ああ、この映画は単なる犯罪サスペンスではなかった」と納得せざるをえない。

 今、「記憶」をめぐる物語は世界を動かす大きな問題となりつつある。記憶喪失の映画が多数作られるようになったのも、社会が「かつての恥」や「かつての犯罪」や「かつての戦争責任」を忘れようとすることへの警鐘なのかもしれない。

 ここに描かれた「かつての罪」は一人の人間にとってはほんの些細な、取るに足りないまさに児戯にすぎないのに、足を踏まれたほうは何十年たってもその恨みを忘れず、さらに世代を継いでその「罪」への「憎悪」が受け継がれる。これはまさにアラブとイスラエルの憎悪であり、フランスとアルジェリアの憎悪であり、日本とアジアの憎悪ではなかろうか。そのことに恐怖するスリラーなのだ。

このレビューは気に入りましたか? 21人の会員が気に入ったと投稿しています

1〜 5件 / 全102件

隠された記憶

ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

ユーザーレビュー:102件

「極上のスリラー」貴方も一度では看破できないだろう・・・

投稿日

2006/10/06

レビュアー

masamune

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

本作はカンヌ映画祭・監督賞、LA批評家協会・外国映画賞など数多くの映画祭で絶賛されたが監督のMichael Hanekeはメジャーデビュー作「ファニーゲーム」(レビューも参照してね)を観ても判る通り「賞」など眼中に無い映像作家だ。それでもリリースした4作(本作含む)全てパルムドールにノミニーされてる実力者。この監督は観る者を情緒不安定にさせる事では天下一品だが本作もご同様、更に磨きが掛かってきた。本作は監督の作品の通例に従い、明確な「オチ」は無い。ジャンルとしてはサスペンスなのかもしれないが、ハリウッド映画の様な起承転結な物語には程遠い。本作を見ると「SAW」はやっぱり米国産だと思う位、その感触は違う。私が付けるならジャンルはスリラー、しかもそのレベルはかなり高い。まるでチェスの名人と勝負してる様な緊迫感が本作には有る。レビューに併せて待ち切れずに購入したフランス版DVDを再見したが、監督の作品はどれもそうだが映画の文法が先ず当て嵌まらない。冒頭から挑戦的なシーンが続くが、それに気を取られてると最初の衝撃がやって来る。このリアルさはハリウッド映画に無い触感だ、映画館で彼方此方から「エッ!」と声が上がった程だった。この衝撃を引きづったままラストまで一気に見せる演出は改めて見ても凄い。ラストについても「SAW」の様な「なあーんだ、そうだったのか」と教える訳でも無く、「隣人は静かに笑う」(DISCASに登録が無い様ですがコレも絶対のお薦め!)の様な爽快感も無い。本作は「犯人は誰?」とか「事件の意味は何か?」と言う通り一遍の謎解きに終わらない、そんな居心地の悪い、しかし何か惹き付ける魅力を持った不思議な感覚を楽しんで欲しい作品です。Daniel AuteuilとJuliette Binocheの抑えた演技も素晴らしかったが、既に長文なのでその点はご覧頂く事にしたい。「オチ」のヒントとしては仏語で「Une bicyclette」が鍵と思うので参考になればと思います。
映画に娯楽性や整合性を求める方には不向きだが、逆に興味の沸いた方は是非、監督の「ピアニスト」「ファニーゲーム」も見て頂きたい。私はドイツ人監督の映画はあまり好きではないが、氏の作品は別格、見る価値は有ると思う。

乱された感情。

投稿日

2007/03/21

レビュアー

JUCE

ネタバレせずに感想を述べることの難しい映画。
まず、言えることはこの映画を見る時はかなり心してかかる必要があります。また一度の鑑賞では全貌が掴めません。ですから映画館での鑑賞向きでは無いのでしょう。むしろ何度か鑑賞し、その後で気になった部分をリピートで見る。例えて言えば迷路とパズルを合わせたような映画。あるいは大げさに言うならば数学者がフェルマーの最終定理に挑むような感覚の映画という感じがします。

まあ、ファーストシーンから結構ガツンとやられました。なんか定点観測のような画面でしかも微妙に画面が揺れているし・・・。これってPALでテレシネした物をNTSCに変換したのかと変な勘繰りをいれて、少しイライラしてきたところで「キュルルン」。はいツボに嵌りました。「はいハネケ監督、私はあなたの術に落ちました」そこからはかなり集中して見ていたのですが、それでも何度か見直して見るとパズルを見落としていました。
ラストは「謳い文句」にもなっていたので、さらに集中していたのですが一度目は不覚にもそれがラストシーンという事も途中で気付き、またヒントも見逃してしまいリピート。
実はラストシーンだけでは無く、そんな部分が途中でも出てくるんですね。一つ例を挙げると競泳会でのシーン。ここも注目してください。

最終的には私は犯人探しに関しては放棄します。一応有力かなというのもあるのですがまあそうやって悩んでみる過程がこの映画の本当の狙いであり良さなのだと思います。

でも正直疲れました・・・。

夢の底から来たビデヨ

投稿日

2006/10/12

レビュアー

裸足のラヴァース

人を饒舌にさせる一言余計に言葉を費やしたくなる映画があります ハネケの新作は面白すぎるのが欠点かもしれません もっと不快で意地悪観客を置き去りにしてくれていいと思います しかしある程度予想していたこのラスト その通りに近いのに画面をボーっと見てて気が付かない俺は ハネケにまんまと遊ばれてしまいました

この映画パリは プチブルジョアの住宅事情がわかってなかなか興味深い オートィユ演じるインテリマスコミ人はパリなんかわしゃ知らんので どんな高級住宅街かわからんですが とにかくなんかせまっ苦しくていつも違法駐車 車庫ないのかな 書棚の前で食事をしています いやこんな家に住みたいですけどね この家の中から一回だけオートィユが不審者に気付いて 外に出るシーンがあり そこで初めて件(くだん)のビデヨに撮られた側から切り返しのショットになります そのとき街路が映る訳ですがそこにはビデヨが撮れる位置は不可能で確定は出来ません
もうここで脅迫者の主体の特定は放棄されているとみて よいでしょう 大体にわとりのトラウマないし幼年期の事件のようなものが原因では根拠が薄いでしょう

この個人を不安に陥れる 過去から<回帰>してくるわけのわからないもの 決して主人公だけの暗い過去ではないこの不気味な物は ずばりドイツ人ハネケが意地悪く仕掛けるフランス人にとってのアルジェリア戦争の隠したい記憶なのでしょう これも9.11以降が国別にしつこく告発してくる 歴史の検証なのでしょうか

その過去の回帰をうながしてしまう 映像的トリックのありようがもう一つの観点で 先の衝撃的なラストってやつがありますが それよりも冒頭のショットそれがまさにビデヨの最初の内容なのですが これがまるで静止画のように見えると それが時間が経過すると朝の小鳥のさえずりがわずかに聞こえ そのうち人が通りすぎる姿が映り ビデヨ映像だとわかる ビデヨであり映画の画面であると この詐術はしかし何かしら視線の主体の喪失を思わせないか 犯人の視線 映画の観客の視線が重なり 果たしてこれは誰の視線と言えるのだろうか? ブルジョワ社会の万人に付与された視線? 現代の監視管理社会の偏在する視線をそれは 問題視してるとは言えるのですが どんどん長くなるのでこの辺にしときましょうか 

時間の無駄とはこんな駄作を指す

投稿日

2010/04/20

レビュアー

ホヨマックス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

とにかく展開なんか無いしジレったいし2度も居眠りしてしまい4度に分けて観てしまった。
意地になって見ちゃったんで5時間は浪費したようだ。早送りすべきだったのに、反省・・。

残り10分のオーラスになっても山を眺めてるようで何の変化も無い。予告編でラストカットの映像に全世界が驚愕した、とウタってるから最後まで信じてみたが、酷いですなぁ。要は犯人が誰なのか自分で考えろとの事だがこんなもん・・。カンヌ?のゼロレベルから学べる物は何も無い!(え?私が低レベル? ですね、失笑)
私にとっての見所はホンの1場面。子供が鶏の首を跳ねるシーン、あれはマジ殺し?CGでも良いからそんな衝撃スナッフ映像ばかり集めたら凄い事になるんだが・・ おっと、言って置きますが本作は全く怖く無いです。

これでも本作を借りてしまう残念な貴方を占ってみましょう。
“ほんやらこんやら▲■●x・・ 貴重な時間を左から右へ受け流す事でしょう・・”

加害のトラウマを描く秀作

投稿日

2006/11/14

レビュアー

吟遊旅人

 いまや「トラウマ」という言葉は人口に膾炙し、誰もが口の端にのぼらせる用語となったが、この語の意味をフロイトは、<そのことについて考えることを抑圧している出来事>として精神分析に使用した。だから、「思い出せば心が痛む出来事」として本人が自覚しているような事柄はトラウマではない。当人が忘却の封印をした「事件」こそがトラウマなのだ。そういう意味で、本作は正しくトラウマをとらえている。

 巻頭のシーンが写ったとき、一瞬、日本のどこか都会の住宅街の風景かと勘違いした。それほど、わたしには違和感のない街並みだ。都会の中にびっしりと建て込むビルや住宅。住宅の前には不法駐車の列。大阪市内でもよく見かける風景だ。そんな場面が固定カメラで延々と流れる。このオープニングは退屈だ。だがこの退屈さにこそ仕掛けがある。案の定、実はこれは隠しカメラで撮影されたビデオの一部分だったのだ。隠し撮りされていたのはテレビキャスター、ジョルジュの一家。妻はそのことに怯える。いったい誰がこんなイタズラを。さらに差出人不明の葉書が届く。子どもが描いたような稚拙な絵は、首を切られて血が噴き出している人物の顔を表していた。心当たりはあるのかと詰め寄る妻。ジョルジュは、「今何も言えないが心当たりはある」といらだたしく答える……


  隠されているのはジョルジュ一人の遠い記憶だけではない。現代フランスにとっての恥部たる「アルジェリア」が記憶の刺となる。ジョルジュが恥じて言いたがらない記憶はすなわちフランス人の集合意識なのだ。ユング派ならジョルジュの夢をどう解釈するのか聞いてみたいところだが、彼がうなされる悪夢を見てもわかるように、彼は過去から召還され、現在の自分を恥じる気持ちがある。成功したインテリ、人気のあるテレビキャスター、現代フランスの良心を代弁すべき(とおそらく自負している)彼が、たとえ幼少時とはいえ、アルジェリア人への露骨な嫌悪や差別を体現していたこと。そして今なおそのことをやましいことと知りながら反省していないという重大な事実。

 この映画はサスペンスには違いないが、犯人を捜す謎解きを目的とするものではない。だからこそ、衝撃のラストが待っているのだ。あまりにもあっけなく、「犯人なんてわからない」「犯人が存在しない」という衝撃だ。脱力ともいえるだろう。ハネケは意地の悪い監督だ。真相を知りたがる観客を尻目に「自分で解釈しなさい」と言い放つ。

 ドイツ人ハネケが書いた洒脱なフランス人の会話、そこに隠された疑心暗鬼や韜晦、自尊と自傷が観客自身の痛みに触れて見る者を引き込んでいく。微妙な会話、謎を含む会話の数々、不気味な脅迫葉書や事件。カメラがフィックスでじっと映し出す情景には観客をもだますトリックが仕掛けられている。家庭用のビデオカメラで撮影されたはずの映像がそのままこの映画の「現実」の場面と重なり、区別がつかない。観客が眺める「映画的現実」と「映画という虚構のなかの虚構」との区別がつかないがゆえに、ジョルジュが抱く苛立ちも疑惑も恐怖もいっそう観客にとってスリリングに展開する。そしてあっと驚く衝撃の場面。うまいっ。

 室内でも固定カメラをほとんど動かさず、人物の表情をわざと隠したり、屋外ではロングで延々長回しを多用したりと、その思わせぶりな演出は心憎いばかり。それでもってラストがあれですからね、ほとんどの観客の期待をものの見事に裏切りつつ、騙されたほうは「ああ、この映画は単なる犯罪サスペンスではなかった」と納得せざるをえない。

 今、「記憶」をめぐる物語は世界を動かす大きな問題となりつつある。記憶喪失の映画が多数作られるようになったのも、社会が「かつての恥」や「かつての犯罪」や「かつての戦争責任」を忘れようとすることへの警鐘なのかもしれない。

 ここに描かれた「かつての罪」は一人の人間にとってはほんの些細な、取るに足りないまさに児戯にすぎないのに、足を踏まれたほうは何十年たってもその恨みを忘れず、さらに世代を継いでその「罪」への「憎悪」が受け継がれる。これはまさにアラブとイスラエルの憎悪であり、フランスとアルジェリアの憎悪であり、日本とアジアの憎悪ではなかろうか。そのことに恐怖するスリラーなのだ。

1〜 5件 / 全102件