美しき運命の傷痕

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美しき運命の傷痕 / エマニュエル・ベアール

全体の平均評価点:(5点満点)

35

全体の平均評価点:

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「美しき運命の傷痕」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

 ポーランドの巨匠クシシュトフ・キエシロフスキの遺稿を「ノー・マンズ・ランド」で鮮烈なデビューを飾った新鋭ダニス・タノヴィッチ監督が映画化。父親を失いトラウマを抱えた三姉妹とその母親がそれぞれに陥る愛を巡る地獄のさまを、繊細かつ情熱的に描く。22年前に起きた悲劇によって父親を失った三姉妹。いまでは美しく成長した彼女たちだったが、それぞれに大きな問題を抱えていた。長女のソフィは夫の浮気を疑い、次女のセリーヌは恋人もいない孤独な日々。そして大学生の三女アンヌは、大学教授との不倫に深くはまりこんでしまう…。

「美しき運命の傷痕」 の作品情報

作品情報

製作年: 2005年
製作国: フランス/イタリア/ベルギー/日本
原題: L’ ENFER/HELL

「美しき運命の傷痕」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全35件

何故か退屈してしまった。 ネタバレ

投稿日:2007/08/04 レビュアー:JUCE

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 オープニングでカッコウが他の鳥の巣に自分の卵を運び、その雛が帰って本当のその巣の卵を全て巣の外に落とそうとする、その最中に誤って自分自身が落ちてしまうのだが心優しい人間の手によって巣に戻され雛は卵を全て落とすことに成功する。非常にインパクトのある映像でとても寓意に満ち溢れています。ただしこのインパクトのある思わせぶりなオープニングのおかげで、その寓意を読み取ろうとストーリーの流れとカッコウのヒナを結びつけることに意識がいってしまい、しかもその努力が報われることも無く漠然とストーリーが進んでいくので途中で次第に物語り自体がどうでも良く思え、とても退屈さを感じてしまいました。
 この作品はこうした思わせぶりなだけで、実は何も描いていないというような部分が多い気がします。父の悲劇的な死が姉妹の暮らしに影を落とし、それによって3人ともが不幸(寂しい)な人生を送っているというのもいかにもありがちな設定です。そして父の死の何が彼女達をそうさせたのかという映画の重要な部分は欠落しています。穿った見方をすれば父の死と彼女達の不遇は因果関係があるのかさえ疑わしく思えてしまいます。私は映画の中で説明をクドクドとされるのは嫌いなほうなのですが、この映画に関してはそこを上手くついて、しかもオープニングの寓意を仄めかして「どうだい、重いけど映画らしい良い映画だろう」というスノビッシュな作為が感じられます。
 とても評価の高い映画のようですが「好きになれないものは好きになれない」これはどうしようもありません。その原因はやはりオープニングにあると思います。作為が見えた時点で身構えてしまうのです。どうも制作国に日本が絡んだこうした芸術的傾向の作品には観客に迎合していないように振舞っていて、その実観客の目線を気にした作品が多いような気がします。
 もちろんこんなヒネクレものの意見はまるっきり参考にされる必要は無いので、世の中には変わった奴もいるもんだというぐらいで軽く流してください。

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グエ クリ

投稿日:2006/09/14 レビュアー:裸足のラヴァース

カレンダーに簡単なメモをつけて予定を立ててるんだけど これが略すと自分で書いててすぐになんのことか思い出せない クリはクリーニングで取りに行くと グエは「グエムル」を観に行くことなのね レヴューも増える一方の映画の印象を まずタイトルを考えるこれで後で思い出せるようにする そして5〜6行までのメモを簡単に書いとく って感じでわしはやってます それをすぐ忘れる この「傷跡」もメモがどっかいっちゃったよう

この映画は映画館で観てると落ち着いた演出と撮影 女優陣も素晴らしいので満腹感がありますね でもDVDだと退屈かもねえ キェシロフスキーは脚本はあまり推敲しない人だと思うんだけど それを肉付けしていった場合この冒頭の謎では物語の核としてはちょっと弱いように思うね ただしその後のまさに運命と出会いのドラマがポイントなので それは断絶したものであってもいいんだけど そこで演出なんだよね そこをどう見るかは一応推薦しますのでみなさん判断してね

さて話し変わって「サランドラ2」のレヴューで弱肉定食君が最近のレヴュアーは私語や日記みたいなのが多いと苦言を呈しています はいわしのことですねと恐縮したのですが 「サラ2」のレヴュアーではないそうです それでは弱腰定食ですが ああ良かった そうそうそれはaiaiちゃんやパープル様 オタエドンや吟遊旅人さんのことだよね でもわしのレヴューに名前が挙がった以上 弱肉君も有名人もう客観的なレヴューにはもどれません 彼に投票は前からしてましたね あらたにいれときましたよ

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冒頭のシーンが。。。

投稿日:2006/10/01 レビュアー:sautet

昔何かの雑誌でエマニュエル・ベアールが言っていた。
ハリウッドの映画に出たいとは思わない。なぜならいい脚本がないから。金髪でキレイな女優が飾りのように出る役をオファーされるより、いい脚本がある映画に出たいと思う。というようなコメント。

そんなベアールが出演するだけあって、女優人には演じがいのある
重厚で濃密な女の情念を描いた作品だった。

それにしても豪華キャストである。
夫の浮気に女としての傷みを感じる次女役ベアールを筆頭に
冒頭からあの端正な美人キャロル・ブーケが母親役・老け役で登場。彼女はシャネルのミューズでもある。
確か三女演じるマリー・ジランもブランドの広告のモデルとして出ている。「星降る夜のリストランテ」では可愛らしい学生だったが
その時も教授と不倫中という本作と同じ役どころだった。今回はそれとは違い、関係に跡が残る深刻な不倫関係。「パリのレストラン」「クリクリといた夏」「マドモアゼル」にも出演しているジャック・ガンブランが、今回はいい男ではない役どころで登場。彼はベアールの夫役。「百貨店大百科」にも出ているカリン・ヴィアールが姉妹と母親を繋ぐ、繊細で実直な長女役を演じ全体をまとめている。他にも、ルコント監督作品常連のジャン・ロシュフォールに、若手のギョーム・カネと見ごたえのあるキャスティングにも注目。

冒頭の衝撃的な、そして象徴的なシーン。
カッコーの雛は先に生まれたものが他の卵を巣から落とし、自身だけが生き延びようとする習性がある。
そのいち早く生まれた雛がまさに、卵を巣から落とす瞬間と、落とそうとして自らが巣から落ちるシーン。

私にはそれはまさに、キャロル・ブーケ演じる母親の姿に似て
痛ましくも逞しく、自らが宿命のようにして行った行動のようで怖かった。そこには生きる為の運命があって、後悔はないのだ。

女性達は皆、愛憎に飲み込まれ揺らぎ、もがきつつもそこから脱しようと生きている。ただ、その痕跡は深くとても私的なものである。その痕跡を紐解いたかのような少しミステリー、サスペンスがかった作品だった。



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キーワードはカッコウの托卵と王女メディア

投稿日:2007/12/12 レビュアー:ムーミンママ

この映画を見る前にカッコウの托卵についての知識と
王女メディアのおおざっぱなストーリーを知っていたほうが
良いと思います。

カッコウは卵を他の種類の鳥の巣に産みつけ、
子育てをその鳥におしつけます。
そして、カッコウのヒナはその鳥の卵よりも早く孵って、
他の卵を巣から排除してしまいます。

王女メディアは、地位と名誉のために自分を裏切った夫への
復讐のために夫の新しい妻と王である義父を毒殺し
更には自分と夫との間の子供まで手にかけてしまう。

カッコウの衝撃的なシーンで始まるオープニング。
途中に挿入される王女メディアの話。
これは3姉妹の不幸の元凶とも言える母親を暗示しているように思えます。
子育ての放棄と復讐。

ラストシーンでの母親のせりふが、怖くてたまりません。

母の介護をする孤独な長女、夫の不倫に悩む次女、
父親のような男性との不倫にはまりこんでしまう三女。
それぞれの苦悩や不幸は、上手く描けていたと思います。

でも、結局、何を伝えたかったのか、今ひとつ理解できませんでした。

不幸の始まりとも言える父親の死にまつわる秘密が明らかになり誤解も解けたというのに、希望を見出すことができるかと思ったら・・・
ラストの母のひとことで、全て元の木阿弥に・・・
もうちょっと違ったラストの方が良かったなぁ。

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怖い

投稿日:2007/02/22 レビュアー:吟遊旅人

 キエシロフスキーの遺稿を「ノーマンズ・ランド」のタノヴィッチがいかに料理するか。とても楽しみなコラボレーション作品だったのだが、「さすが」というべきか、「期待度の大きさの割にはあと一歩」というべきか、迷っている。なんの予備知識もなく見れば「これはすごい」と思っただろうが、なんといってもビッグネーム二人の組み合わせに対してはわたしの期待が大きすぎるのだ。そして、おそらくこのペアは合っていない。

 タノヴィッチの演出はキエシロフスキーを大いに意識しているし、「デカローグ」へのオマージュとなる場面もきちんと挿入されているのだが、キエシロフスキーの淡白さに比べるとなんだか濃厚で鋭角的なものを感じる。しかしもちろんそれはタノヴィッチの個性であり、どちらが優れているということは言えないだろう。

 キエシロフスキーはダンテの『神曲』にならって3部作の原案を遺していたという。そのうちの一つがこの「地獄」だ。美しい3人の姉妹が陥る愛の地獄。それは彼女たちの母もまた落ちた地獄なのだろう。タイトルバックに映る鳥の巣、そこにカッコウが産卵し、孵った雛は宿主の卵を追い落とす。このカッコウの恐ろしい習性を巻頭で延々見せられたら、これがどんな恐ろしい物語なのか、とそれだけで身がすくむ思いがする。そして、3人の姉妹達がそれぞれに抱える孤独や苦悩がサスペンスタッチを交えつつ描写されていく。彼女達の苛立ち、ちょっとしたすれ違い、勘違い、羞恥、悔恨、といった心理の描き方は実にうまい。

 夫の浮気に苦しむ長女、郊外の病院に入院したままの母の世話を焼く孤独な次女、恩師の大学教授と不倫中の三女。それぞれの愛は煮詰まり、先が見えない。そして彼女達の不幸の源が父の死であることが徐々に明らかにされる。だがやがて父の死の真相が明らかになり、ばらばらだった娘たちと母が再会する日がやってくる。愛が再生する希望が見えたのか…!?

 母の「目」の怖さにはすくみあがる。キャロル・ブーケの視線に射抜かれて観客もまた生涯忘れられない冷水を浴びせられるだろう。その台詞に何の説明もないことがかえって恐ろしい。

 「地獄」とは愛そのもののことだろうか? 息を呑むラストに立ちすくむ思いだ。

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美しき運命の傷痕

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何故か退屈してしまった。

投稿日

2007/08/04

レビュアー

JUCE

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 オープニングでカッコウが他の鳥の巣に自分の卵を運び、その雛が帰って本当のその巣の卵を全て巣の外に落とそうとする、その最中に誤って自分自身が落ちてしまうのだが心優しい人間の手によって巣に戻され雛は卵を全て落とすことに成功する。非常にインパクトのある映像でとても寓意に満ち溢れています。ただしこのインパクトのある思わせぶりなオープニングのおかげで、その寓意を読み取ろうとストーリーの流れとカッコウのヒナを結びつけることに意識がいってしまい、しかもその努力が報われることも無く漠然とストーリーが進んでいくので途中で次第に物語り自体がどうでも良く思え、とても退屈さを感じてしまいました。
 この作品はこうした思わせぶりなだけで、実は何も描いていないというような部分が多い気がします。父の悲劇的な死が姉妹の暮らしに影を落とし、それによって3人ともが不幸(寂しい)な人生を送っているというのもいかにもありがちな設定です。そして父の死の何が彼女達をそうさせたのかという映画の重要な部分は欠落しています。穿った見方をすれば父の死と彼女達の不遇は因果関係があるのかさえ疑わしく思えてしまいます。私は映画の中で説明をクドクドとされるのは嫌いなほうなのですが、この映画に関してはそこを上手くついて、しかもオープニングの寓意を仄めかして「どうだい、重いけど映画らしい良い映画だろう」というスノビッシュな作為が感じられます。
 とても評価の高い映画のようですが「好きになれないものは好きになれない」これはどうしようもありません。その原因はやはりオープニングにあると思います。作為が見えた時点で身構えてしまうのです。どうも制作国に日本が絡んだこうした芸術的傾向の作品には観客に迎合していないように振舞っていて、その実観客の目線を気にした作品が多いような気がします。
 もちろんこんなヒネクレものの意見はまるっきり参考にされる必要は無いので、世の中には変わった奴もいるもんだというぐらいで軽く流してください。

グエ クリ

投稿日

2006/09/14

レビュアー

裸足のラヴァース

カレンダーに簡単なメモをつけて予定を立ててるんだけど これが略すと自分で書いててすぐになんのことか思い出せない クリはクリーニングで取りに行くと グエは「グエムル」を観に行くことなのね レヴューも増える一方の映画の印象を まずタイトルを考えるこれで後で思い出せるようにする そして5〜6行までのメモを簡単に書いとく って感じでわしはやってます それをすぐ忘れる この「傷跡」もメモがどっかいっちゃったよう

この映画は映画館で観てると落ち着いた演出と撮影 女優陣も素晴らしいので満腹感がありますね でもDVDだと退屈かもねえ キェシロフスキーは脚本はあまり推敲しない人だと思うんだけど それを肉付けしていった場合この冒頭の謎では物語の核としてはちょっと弱いように思うね ただしその後のまさに運命と出会いのドラマがポイントなので それは断絶したものであってもいいんだけど そこで演出なんだよね そこをどう見るかは一応推薦しますのでみなさん判断してね

さて話し変わって「サランドラ2」のレヴューで弱肉定食君が最近のレヴュアーは私語や日記みたいなのが多いと苦言を呈しています はいわしのことですねと恐縮したのですが 「サラ2」のレヴュアーではないそうです それでは弱腰定食ですが ああ良かった そうそうそれはaiaiちゃんやパープル様 オタエドンや吟遊旅人さんのことだよね でもわしのレヴューに名前が挙がった以上 弱肉君も有名人もう客観的なレヴューにはもどれません 彼に投票は前からしてましたね あらたにいれときましたよ

冒頭のシーンが。。。

投稿日

2006/10/01

レビュアー

sautet

昔何かの雑誌でエマニュエル・ベアールが言っていた。
ハリウッドの映画に出たいとは思わない。なぜならいい脚本がないから。金髪でキレイな女優が飾りのように出る役をオファーされるより、いい脚本がある映画に出たいと思う。というようなコメント。

そんなベアールが出演するだけあって、女優人には演じがいのある
重厚で濃密な女の情念を描いた作品だった。

それにしても豪華キャストである。
夫の浮気に女としての傷みを感じる次女役ベアールを筆頭に
冒頭からあの端正な美人キャロル・ブーケが母親役・老け役で登場。彼女はシャネルのミューズでもある。
確か三女演じるマリー・ジランもブランドの広告のモデルとして出ている。「星降る夜のリストランテ」では可愛らしい学生だったが
その時も教授と不倫中という本作と同じ役どころだった。今回はそれとは違い、関係に跡が残る深刻な不倫関係。「パリのレストラン」「クリクリといた夏」「マドモアゼル」にも出演しているジャック・ガンブランが、今回はいい男ではない役どころで登場。彼はベアールの夫役。「百貨店大百科」にも出ているカリン・ヴィアールが姉妹と母親を繋ぐ、繊細で実直な長女役を演じ全体をまとめている。他にも、ルコント監督作品常連のジャン・ロシュフォールに、若手のギョーム・カネと見ごたえのあるキャスティングにも注目。

冒頭の衝撃的な、そして象徴的なシーン。
カッコーの雛は先に生まれたものが他の卵を巣から落とし、自身だけが生き延びようとする習性がある。
そのいち早く生まれた雛がまさに、卵を巣から落とす瞬間と、落とそうとして自らが巣から落ちるシーン。

私にはそれはまさに、キャロル・ブーケ演じる母親の姿に似て
痛ましくも逞しく、自らが宿命のようにして行った行動のようで怖かった。そこには生きる為の運命があって、後悔はないのだ。

女性達は皆、愛憎に飲み込まれ揺らぎ、もがきつつもそこから脱しようと生きている。ただ、その痕跡は深くとても私的なものである。その痕跡を紐解いたかのような少しミステリー、サスペンスがかった作品だった。



キーワードはカッコウの托卵と王女メディア

投稿日

2007/12/12

レビュアー

ムーミンママ

この映画を見る前にカッコウの托卵についての知識と
王女メディアのおおざっぱなストーリーを知っていたほうが
良いと思います。

カッコウは卵を他の種類の鳥の巣に産みつけ、
子育てをその鳥におしつけます。
そして、カッコウのヒナはその鳥の卵よりも早く孵って、
他の卵を巣から排除してしまいます。

王女メディアは、地位と名誉のために自分を裏切った夫への
復讐のために夫の新しい妻と王である義父を毒殺し
更には自分と夫との間の子供まで手にかけてしまう。

カッコウの衝撃的なシーンで始まるオープニング。
途中に挿入される王女メディアの話。
これは3姉妹の不幸の元凶とも言える母親を暗示しているように思えます。
子育ての放棄と復讐。

ラストシーンでの母親のせりふが、怖くてたまりません。

母の介護をする孤独な長女、夫の不倫に悩む次女、
父親のような男性との不倫にはまりこんでしまう三女。
それぞれの苦悩や不幸は、上手く描けていたと思います。

でも、結局、何を伝えたかったのか、今ひとつ理解できませんでした。

不幸の始まりとも言える父親の死にまつわる秘密が明らかになり誤解も解けたというのに、希望を見出すことができるかと思ったら・・・
ラストの母のひとことで、全て元の木阿弥に・・・
もうちょっと違ったラストの方が良かったなぁ。

怖い

投稿日

2007/02/22

レビュアー

吟遊旅人

 キエシロフスキーの遺稿を「ノーマンズ・ランド」のタノヴィッチがいかに料理するか。とても楽しみなコラボレーション作品だったのだが、「さすが」というべきか、「期待度の大きさの割にはあと一歩」というべきか、迷っている。なんの予備知識もなく見れば「これはすごい」と思っただろうが、なんといってもビッグネーム二人の組み合わせに対してはわたしの期待が大きすぎるのだ。そして、おそらくこのペアは合っていない。

 タノヴィッチの演出はキエシロフスキーを大いに意識しているし、「デカローグ」へのオマージュとなる場面もきちんと挿入されているのだが、キエシロフスキーの淡白さに比べるとなんだか濃厚で鋭角的なものを感じる。しかしもちろんそれはタノヴィッチの個性であり、どちらが優れているということは言えないだろう。

 キエシロフスキーはダンテの『神曲』にならって3部作の原案を遺していたという。そのうちの一つがこの「地獄」だ。美しい3人の姉妹が陥る愛の地獄。それは彼女たちの母もまた落ちた地獄なのだろう。タイトルバックに映る鳥の巣、そこにカッコウが産卵し、孵った雛は宿主の卵を追い落とす。このカッコウの恐ろしい習性を巻頭で延々見せられたら、これがどんな恐ろしい物語なのか、とそれだけで身がすくむ思いがする。そして、3人の姉妹達がそれぞれに抱える孤独や苦悩がサスペンスタッチを交えつつ描写されていく。彼女達の苛立ち、ちょっとしたすれ違い、勘違い、羞恥、悔恨、といった心理の描き方は実にうまい。

 夫の浮気に苦しむ長女、郊外の病院に入院したままの母の世話を焼く孤独な次女、恩師の大学教授と不倫中の三女。それぞれの愛は煮詰まり、先が見えない。そして彼女達の不幸の源が父の死であることが徐々に明らかにされる。だがやがて父の死の真相が明らかになり、ばらばらだった娘たちと母が再会する日がやってくる。愛が再生する希望が見えたのか…!?

 母の「目」の怖さにはすくみあがる。キャロル・ブーケの視線に射抜かれて観客もまた生涯忘れられない冷水を浴びせられるだろう。その台詞に何の説明もないことがかえって恐ろしい。

 「地獄」とは愛そのもののことだろうか? 息を呑むラストに立ちすくむ思いだ。

1〜 5件 / 全35件