キレイ〜神様と待ち合わせした女〜２００５

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『そうして一人あたしはソトで、二度目に生まれて大地を踏んだ。私の器にそこそこ似合う、瓦礫と死体と争いの町。
忘れたいヨモヤマいっぱいあって、人の心はとっても便利ね。
三日の時間で全てを忘れて。
太陽には貸しがある。ギラギラ見られて立場を無くした。
満月には気を使う。秘密の多さに我を忘れてる。
途方に暮れて、未来に逃げて、なおさら暮れて、過去へとすがる。キレイな花が見たかった。瓦礫の町に一人で立って。』

●キレイ　神様と待ち合わせした女

再演のＤＶＤを観る。
上記したのは主人公であるケガレのテーマ。
前回の奥菜恵のキレイで、もう耳に残って仕方なかった歌。
未だに聴くと鳥肌がたつ。

以下芝居の感想。

まず、酒井若菜がやるはずだったケガレ。
なんだかんだあったみたいで鈴木蘭々。
期待してなかったけど、良いじゃん蘭々。
酒井若菜より案外ハマってる気がする。
商業的不思議少女もやるときはやる。さすが。
んーでも、キャストはやっぱり前回の方が断然良い。
奥菜恵も良かったし、南果歩も古田新太も篠井英介も相当上手かった。
今回、篠井さんに代わり青年ハリコナ役をやった岡本健一には正直ガッカリした。少しだけ、期待していたんだけど。。

しかし松尾スズキ演出の宮藤官九朗はいつ観ても良い！
もう台詞、動き、ちょっとした仕草、全てがツボだ。
そして阿部サダヲはスゴイ役者だなぁと毎回思う。
片桐はいりさんと秋山奈津子さんにはもう何も言う事無いでしょう。
悪いわけが無いもの。あ、橋本じゅんは良かったですよ。古田新太と比べると食われてる気はするけど。
しかしウルトラマンセブンの諸星弾にしか観えないのは僕だけですか？

キャストの感想はそれとして。
この『キレイ』というミュージカルは大人計画の本公演とはやっぱり違う。
ほぼ客演だからっていうのとはまた別に、大人計画のお芝居というより『100％表松尾汁』な感じ。
大人計画本公演のシュールな匂いがあまり感じない。
ドハデなミュージカル。でもちゃんと小ネタが散りばめられていて。
使い分けできる松尾スズキという演出家はやはり奇才だ。

こういう再演物って僕は初めて観たんですが、別物として観ないとやはりダメですね。
前回のインパクトが強すぎて、色々比べて観てしまった。

一つ！！！！一つだけ言わせて欲しい！！！！！

顔田顔彦がなんだかすごく嫌なの！！！！
いつみてもなんだか不快になるの！！！！！！！
何故！！！！！！！！！！！！！！！

他の方も書いていますが、初演の方が断然面白い！何度も繰り返し観てしまうくらい好き。
初演の方のビデオを買って持っていた。しかし貸したらなくなった！
『私の親切の邪魔しないで！』など、名台詞の数々に感動する。
かつて役者として何度か舞台に立っていた私（キャパ２００以内の小さな小屋ばかりだが）が一番好きな舞台。

初演の『キレイ。〜神様と待ち合わせした女〜』のＤＶＤ。気になったアナタは今すぐリクエストしていただければ何よりです！より多くの方に観ていただきたい作品です。ので。

初演よりも歌の部分とかのいっぱいいっぱいさ加減はなくなっていましたが、どうしても初演のほうが、と思ってしまう。
（この再演版は生では観ていないのですが）
作品としてはやはり好きなのですけど。
一幕ラストは断然初演版が好き。
歌にしなくてもよかったのでは、と思う。
でもそんな再演版からのメンバーの中で岡本さんはいいなあ、と思いました。
そしてラストのふたりのシーンにはやはり泣いてしまう。

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当時劇場へ観にはいけなかったのですが、個人的には初演のキャスティングのほうが好きでした。ケガレはやはり奥菜さんの雰囲気があっていると思いましたし、（蘭蘭さんは無理やり影のある雰囲気を出しているように感じました・・）宮藤さんはマジシャンよりも盲目の兄がぴったりだった気がします。これも再演ならではの観る側の難しさなのでしょうね。
ですが、松尾さんの虚ろなのに面白い感じが好きでした。
初演のほうのレンタル開始が望まれます。

問題提起するような、「コレってどうよ？」ってテーマを与えられるような、そんな感じ？
それがちょっと受け付けない。
松尾さんってこんな感じなの？？
要所要所確実に泣いたり笑ったりはしてるんだけどね、実際。
キャストもほんと、マジで魅力的だし（笑）
でもねぇ．．．。
あの偽悪でコーティングされた性善な感じが、
ガキでひねくれた私にはどうも。
もっといさぎよいのが好きかしら〜♪