Ｌｉｔｔｌｅ　Ｂｉｒｄｓ　−イラク　戦火の家族たち−

2003年のイラク攻撃（あれは戦争じゃない）のドキュメント。アメリカの攻撃開始前からバグダット陥落を経て、占領1年後までを追いかけている。パッケージの表紙にもなっているハディールさん（当時12歳）は降り注ぐクラスター爆弾の破片が眼球に刺さった。かつてイラン戦争で4人の家族を亡くし、自らも湾岸戦争に徴兵されて従軍したアリさんの3人の子どもは爆撃で一瞬で吹き飛んだ。
アメリカという国はいつまでこんなことを続けるのだろうか。昨日（2008/12/15）、自らの手で壊した世界への後悔なのか、それともあまりに成果のなかった6年間へのつまらない自己顕示なのか知らないが、任期満了間近のブッシュ大統領が突然イラクを訪問し、バグダットの記者に靴を投げつけられるシーンが世界中に配信された。
彼ひとりの問題ではもちろんなく、中東を、アラブ世界を破壊することを焚き付けてきた連中こそがこの腹立ちおさまらない悲劇の根源なのだが、靴を投げられるくらいでよかったじゃないか。ブッシュ。
頭だけで情勢を俯瞰している連中が描く、解放という名の支配がどれだけの人を殺しているのかを知るためにも、多くの人に是非観て欲しい。
最後に綿井さん、ありがとうございました。これは残されて伝えられるべき、長い年月に耐える映像です。生半可な覚悟ではこの映像は撮れなかったと思います。

このドキュメンタリー映画は、911のテロ以降、アメリカがイラクに「イラクの市民を悪政から助ける」という目的で進攻された現実がよく映し出されています。
誰のための攻撃か、この映像をみると疑問を投げかけたくなる、そんな現実を映し出しています。

そして、日本とイラクの関係。
今まではイラク人は日本人を友達だと思っていたのに、このテロによるイラク攻撃後は、アメリカに味方する日本人としかイラク人の目には映っていません。
「なぜ裏切ったのか」そんなつもりがないと思っている私たち日本人は、この映像を観るべきだと思います。

そして、現実はどんなことになっているか、なぜこのような攻撃をしなければいけなかったのか、よく考える必要があるとこの映像から教えられます。

世界で今何が起こっているか、平和ボケした私たち日本人にぜひとも見ていただきたいドキュメンタリー映画です。

イラクに派遣された自衛隊は何をしていたのか…
と疑問に思っている人は一度はみるべきドキュメンタリー
事実と人の感情がありのまま撮られています。
イラクの中心街を命がけで撮ってくれたおかげで
事実を知ることができました。

　何ともやりきれない思いだ。

　イラク戦争、そこに有るものは、血、死、嘆き、そして怒りだ。
　各国首脳は綺麗事ばかり並び立てる。だが、そこに巻き込まれた人々にとって、それは何の意味も持たない。大儀が有ろうと無かろうと、戦争自体が絶対悪なのだ。戦争が起こらなければ、手足を失う事は無かった。家族を失う事も無かったのだから。
「精密な攻撃・民間人は標的ではない」なんて、それこそ大量破壊兵器であるクラスター爆弾を大量に落とした者が、よく言えたものだ。

　ところで、イラク戦争関連のＴＶ番組は数多く見てきたが、この作品ほどに生々しいものは無かったと思う。ＴＶの限界と言うものも、同時に考えさせられた。
　もちろんこの作品にしても、イラク戦争の一部を切り出しただけに過ぎないかもしれない。だが開戦当初から、現地での撮影を続けた作者の執念は十分に伝わって来た。