マザー・テレサ

彼女が通ってきた人生の苦労や
またそれを乗り越える強さ。

自分の一生を奉仕に捧げた人生。
彼女の人生の重み。

映像では現しきれない困難が
実際にはあったと思いますが、
彼女がやってきた事のほんの一部でも
垣間見れたような気がしました。

自らの足で、
自らの言葉を実行してきた重みがあるからこそ、
素直に感動できるんだと思います。

素晴らしい人です。

　非現実的で経営能力のない純朴な宗教者が一途に想いを持ち続ければいつしかその気持ちが通ってしまうというのも、一つの奇跡だし、ついつい感動してしまう。それに彼女は何かと言うと「祈りましょう」と言うのだが、実際には祈っていただけではなく次々と行動を起こしていたわけで、わたしの認識は誤っていたといえる。

　修道院から出るなといわれ続けた修道女が外の世界へ、しかも危険な地域へ出かけるというのは大した勇気があるわけで、信仰心とは誠に恐ろしいというか、怖いもの知らずになるものだ。

　偏見が満ちていたであろう時代にハンセン病患者を抱きしめ、介護する姿には心打たれる。2万人の人々に食糧の炊き出しを行い、身体を張ったマザーの献身ぶりにも感動するし、その頑固な性格も微笑ましい。

　この映画はマザー・テレサの波乱の生涯を描くには短すぎてあっという間に淡々と通り過ぎてしまったのが残念だ。わたしに信仰心があればもっと感動しただろうが、残念ながらクリスチャンではないのでそれは無理。あまりにも早足でマザー・テレサの生涯を追うので、事前に最低限の伝記的事実を確認しておいたほうがいいでしょう。

　ところでスチールや予告編を観てのけぞったオリビア・ファンの皆様、ＤＶＤ特典映像を見て安心してください、映画のあの老けぶりはメイキャップですから。実物は老いたりといえどもまだまだ美しいです。

１８０分のＴＶバージョンがあるらしいのですが、それをわざわざ２時間にして劇場公開したのは、未だに衰えぬオリビア・ハッセー人気のせいでしょうか？あの可憐なジュリエットを、日本人は忘れてませんよね。
でも、わざわざ劇場公開するほどじゃないと思ったのは、私があまりマザー・テレサのことを知らないからでしょうか？彼女の偉大さよりも、変わったところのほうが印象に残ってしまいました。たとえば、こうと決めたら資金のあてもないのに「神様が助けてくださるわ。」で、ひたすら突き進む。そのために簡単にだまされたり、人に利用されてしまったり。晩年にはかなり偏屈なおばあさんになってしまいます。
オリビア・ハッセーの話し方がかなり変わっているように感じたのですが、マザー・テレサもこんな話し方だったのでしょうか？子ども時代のことは全くでてこなかったので、一体どういう出自の人だったのだろうという疑問が残りました。（アルバニア商人の家庭に生まれたのだそうです。）
やはりＴＶバージョンを３回くらいに分けてみるほうがよかったのではと思いますが、もう１度みる気力はありません。

オリビア・ハッセーの演技はすばらしかったのですが、作品的に今一歩力不足で、思ったほど感動しませんでした。
マザーテレサが偉大な人だったのは誰もが知っていることだから、貧しい人たちを自分が救わなければ！という気持ちになるまでの過程や生い立ちなどを描くべきだった気がします。
（神の声が聞こえた。。らしい）
行いは素晴らしいけど、全て神頼み的な行動は、信心深くない人には理解しがたいかも。
ただ、どんな小さなことでも一人一人が心がければ大きな力になるんだ。。という事を改めて感じさせられました。

布施明もビックリでしょう。
あの美しいオリビア・ハッセーがよくあれだけのメークをしてマザーテレサに扮してくれました。

映画は長い年月をあまりにもさらっと描いてあったのでマザーテレサの偉大さがもうひとつ伝わってこなかったです。でもおかげで詐欺事件に巻き込まれたり、人身売買の疑いをかけられたりしたという偉業とは程遠いエピソードを知ることは出来ましたけど・・・
結局この映画はなにが言いたかったのかしら。マザーテレサの偉大さを描くのには映画では無理がありますよ。