キェシロフスキ・コレクション 1 傷跡

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キェシロフスキ・コレクション 1 傷跡 / フランチシェク ピエチェカ

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旧作

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「キェシロフスキ・コレクション 1 傷跡」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

96年に54歳でこの世を去った、ヨーロッパが生んだ世界的名匠・キェシロフスキが遺した作品をDVD化。工場の監督官に任命された誠実な男が、建設反対の住民との間で苦悩する姿を、70年代のポーランドの政治状況と共に描く。長編劇映画デビュー作品。

「キェシロフスキ・コレクション 1 傷跡」 の作品情報

作品情報

製作年:

1976年

製作国:

ポーランド

原題:

BLIZNA/THE SCAR

「キェシロフスキ・コレクション 1 傷跡」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全6件

生真面目すぎて面白みに欠けるが、キェシロフスキーらしさの萌芽が

投稿日:2006/05/13 レビュアー:吟遊旅人

 画面の傷みが進んでいて途中でブツ切れになるところもあり、ちょっと興醒めなのだが、いかにもキエシロフスキーらしい洞察力に優れた作品だ。ただし、生真面目に作りこんであるため、面白みに欠ける。また、映像もそれほど凝っていないので、映像美を楽しむという作品でもなく、テレビのドキュメンタリー風の味わいという小ぶりさがちょっと残念。キエシロフスキーの作品には期待が大きすぎるのがいけないのかもしれないが、さほど印象に残る映画ではない。

 ポーランドの田園地方を開発して化学工場を建設するプロジェクトの監督官の苦悩を描いた作品で、乾いたタッチで淡々と描写されるため、途中で眠くなる。ポーランドの政治社会事情に疎いわたしにはよくわからない部分もあまたあり、勉強不足を痛感した。

 社会主義政権下には言論の自由がまったくないのかと思いきや、この映画を観る限り、監督官が地元住民の批判を浴びて説明会が糾弾会に早変りしたり、工場労働者や地元住民の「諸要求」をいちいち聞き入れたりと、ずいぶん「民主的」に見える。

 主人公の監督官がかなりの権力者でありながらも権力の座に安住せず、そういう「民主的」態度を貫こうとすることによって窮地に立たされていく様子を描いている。仕事に邁進することによって妻子には離反され、住民からは要求を突きつけられ、労働者からは不平不満が上がり、上部からは圧力を受ける。マスコミもうるさく付きまとい、彼は自身の失敗を認めざるをえない。だがしかし…。

 真面目で善意ある人間の苦悩とはまさにこのように生まれ大きくなっていくものだとつくづく感じる。後年、人の世の不条理を冷徹なタッチで描き続けたキエシロフスキー作品の萌芽がここにある。

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一長一短☆☆☆ ネタバレ

投稿日:2009/09/13 レビュアー:カメラ湯ミカミラ

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工場建設を巡り、反対派と企業の間で翻弄される男。

ドキュメンタリー調で、淡々と進む。
切り崩されていく森林、人口増加による福祉の不足。
経済発展の影・・・。
理想と現実・・・。

企業人間になり切れず、良心の呵責に苦しむ。
最後の選択は・・・。
人間の暮らしとは・・・。


かなり淡々としていて、状況把握が難しかった・・・。
多分、ほとんど判ってないと思う・・・。


しかし・・・鹿にタバコを食わせてはいけません。

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頼りは、安らかな良心のみ。

投稿日:2007/12/25 レビュアー:mayumi


ドキュメンタリーとドラマの融合。

70年代のポーランドの状況を描くだけでなく、人間の本質を提示しています。

最後の、孫とのシーンは、「希望」「良心」「安らぎ」



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キェシロフスキ初の長編劇場映画

投稿日:2006/11/29 レビュアー:racquo

ドキュメンタリーの限界を感じたキェシロフスキがフィクション長編映画に転向した頃の作品。

建築技師のステファンはかつての故郷ポーランド北部のオレツコの化学肥料大コンビナートの建設とその後の運営の監督官に任命される。妻は20年前に政治的な問題で仲間だったレフを辞職させたというシコリがあり、娘エヴァも正論だけで人の心を蔑ろにする父とは心の離反があり、ステファンは一人オレツコに赴任する。

化学肥料生産による国の繁栄のため、地域の経済繁栄のため、地域の住民の幸福のため、と理想論で仕事を進めるが、やがて政治上層部からも、住民からも批判を浴び、そして家族からも離反し、だんだんに孤立していく。娘エヴァが言うように「お父さんは有能な技師であっても、人の心は扱えない」。主人公のステファンが善意の人なだけに、結果的に良心に痛みを感じなければならない事態になっていくのが見ていて寂しく、痛々しい。

この映画、あるジャーナリストのルポをもとにフィクションに仕上げられたらしいが、半ばドキュメンタリーになっていて、物語映画になり切っていないのが中途半端。後年『デカローグ』以降最後の『トリコロール』まで政治や社会から離れて人間を描いたキェシロフスキだが、ここでももっと主人公のステファンや妻、娘、といった人間のドラマとして作られていたらもっと面白かったと思う。監督自身が失敗作と言っている。しかし後年の諸作品をよりよく理解する上で、また『アマチュア』『偶然』『終わりなし』などのポーランド時代の長編映画の社会背景を知るためにも、キェシロフスキファンにとっては必見かも知れない。見ていてイヤになる駄作でもないし、眠くなることもない。

妊娠してもタバコをやめない秘書役で友情出演している映画監督のアグニェシュカ・ホランドがチャーミング。

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疲労感と孤独感。

投稿日:2011/09/24 レビュアー:リリアン

とても普遍的な内容。こころざしが高い、まじめなプロジェクト・マネージャー、ステファン。必死に努力しても、仕事も私生活も理解してもらえない深い苦悩。
1970年代、ポーランドの貧しい田舎町に肥料工場を作るプロジェクト。仕事も増えるし、みんなに幸せを与えらると思って、きまじめに取り組むステファン。
細かいことばかり反対しまくる地元の人たち、従業員。なんだかどうしても歯車がかみ合わない。

奥さんも、説明がないけれど、若いころの町の党活動のトラブルで町にもどらない。娘も父親から遠く離れて・・・。
ものすごく疲れたステファンの姿、孤独感。

民衆というか、工場労働者とか町の庶民を、どちらかというと冷たい視線というか、クールな視点で撮っているのが印象的でした。

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キェシロフスキ・コレクション 1 傷跡

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生真面目すぎて面白みに欠けるが、キェシロフスキーらしさの萌芽が

投稿日

2006/05/13

レビュアー

吟遊旅人

 画面の傷みが進んでいて途中でブツ切れになるところもあり、ちょっと興醒めなのだが、いかにもキエシロフスキーらしい洞察力に優れた作品だ。ただし、生真面目に作りこんであるため、面白みに欠ける。また、映像もそれほど凝っていないので、映像美を楽しむという作品でもなく、テレビのドキュメンタリー風の味わいという小ぶりさがちょっと残念。キエシロフスキーの作品には期待が大きすぎるのがいけないのかもしれないが、さほど印象に残る映画ではない。

 ポーランドの田園地方を開発して化学工場を建設するプロジェクトの監督官の苦悩を描いた作品で、乾いたタッチで淡々と描写されるため、途中で眠くなる。ポーランドの政治社会事情に疎いわたしにはよくわからない部分もあまたあり、勉強不足を痛感した。

 社会主義政権下には言論の自由がまったくないのかと思いきや、この映画を観る限り、監督官が地元住民の批判を浴びて説明会が糾弾会に早変りしたり、工場労働者や地元住民の「諸要求」をいちいち聞き入れたりと、ずいぶん「民主的」に見える。

 主人公の監督官がかなりの権力者でありながらも権力の座に安住せず、そういう「民主的」態度を貫こうとすることによって窮地に立たされていく様子を描いている。仕事に邁進することによって妻子には離反され、住民からは要求を突きつけられ、労働者からは不平不満が上がり、上部からは圧力を受ける。マスコミもうるさく付きまとい、彼は自身の失敗を認めざるをえない。だがしかし…。

 真面目で善意ある人間の苦悩とはまさにこのように生まれ大きくなっていくものだとつくづく感じる。後年、人の世の不条理を冷徹なタッチで描き続けたキエシロフスキー作品の萌芽がここにある。

一長一短☆☆☆

投稿日

2009/09/13

レビュアー

カメラ湯ミカミラ

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工場建設を巡り、反対派と企業の間で翻弄される男。

ドキュメンタリー調で、淡々と進む。
切り崩されていく森林、人口増加による福祉の不足。
経済発展の影・・・。
理想と現実・・・。

企業人間になり切れず、良心の呵責に苦しむ。
最後の選択は・・・。
人間の暮らしとは・・・。


かなり淡々としていて、状況把握が難しかった・・・。
多分、ほとんど判ってないと思う・・・。


しかし・・・鹿にタバコを食わせてはいけません。

頼りは、安らかな良心のみ。

投稿日

2007/12/25

レビュアー

mayumi


ドキュメンタリーとドラマの融合。

70年代のポーランドの状況を描くだけでなく、人間の本質を提示しています。

最後の、孫とのシーンは、「希望」「良心」「安らぎ」



キェシロフスキ初の長編劇場映画

投稿日

2006/11/29

レビュアー

racquo

ドキュメンタリーの限界を感じたキェシロフスキがフィクション長編映画に転向した頃の作品。

建築技師のステファンはかつての故郷ポーランド北部のオレツコの化学肥料大コンビナートの建設とその後の運営の監督官に任命される。妻は20年前に政治的な問題で仲間だったレフを辞職させたというシコリがあり、娘エヴァも正論だけで人の心を蔑ろにする父とは心の離反があり、ステファンは一人オレツコに赴任する。

化学肥料生産による国の繁栄のため、地域の経済繁栄のため、地域の住民の幸福のため、と理想論で仕事を進めるが、やがて政治上層部からも、住民からも批判を浴び、そして家族からも離反し、だんだんに孤立していく。娘エヴァが言うように「お父さんは有能な技師であっても、人の心は扱えない」。主人公のステファンが善意の人なだけに、結果的に良心に痛みを感じなければならない事態になっていくのが見ていて寂しく、痛々しい。

この映画、あるジャーナリストのルポをもとにフィクションに仕上げられたらしいが、半ばドキュメンタリーになっていて、物語映画になり切っていないのが中途半端。後年『デカローグ』以降最後の『トリコロール』まで政治や社会から離れて人間を描いたキェシロフスキだが、ここでももっと主人公のステファンや妻、娘、といった人間のドラマとして作られていたらもっと面白かったと思う。監督自身が失敗作と言っている。しかし後年の諸作品をよりよく理解する上で、また『アマチュア』『偶然』『終わりなし』などのポーランド時代の長編映画の社会背景を知るためにも、キェシロフスキファンにとっては必見かも知れない。見ていてイヤになる駄作でもないし、眠くなることもない。

妊娠してもタバコをやめない秘書役で友情出演している映画監督のアグニェシュカ・ホランドがチャーミング。

疲労感と孤独感。

投稿日

2011/09/24

レビュアー

リリアン

とても普遍的な内容。こころざしが高い、まじめなプロジェクト・マネージャー、ステファン。必死に努力しても、仕事も私生活も理解してもらえない深い苦悩。
1970年代、ポーランドの貧しい田舎町に肥料工場を作るプロジェクト。仕事も増えるし、みんなに幸せを与えらると思って、きまじめに取り組むステファン。
細かいことばかり反対しまくる地元の人たち、従業員。なんだかどうしても歯車がかみ合わない。

奥さんも、説明がないけれど、若いころの町の党活動のトラブルで町にもどらない。娘も父親から遠く離れて・・・。
ものすごく疲れたステファンの姿、孤独感。

民衆というか、工場労働者とか町の庶民を、どちらかというと冷たい視線というか、クールな視点で撮っているのが印象的でした。

1〜 5件 / 全6件