カーサ・エスペランサ　赤ちゃんたちの家

テーマに養子縁組問題を持ってきた、社会派ドラマかと思ったら違っていました。

しゃれこうべさんのレビューにある通り６人の女性たちの
さまざまな生き様がメインの映画ですね。

女って生き物はどうしても群れを作りたがる。
この映画では養子縁組のために南米にやってきた
生まれも育ちもバラバラな６人の女性たち。
長期滞在するうちに、面白い人間関係が形成されていく。

女性のいい面、イヤな面がなかなかリアルに描かれていますね。
リアルすぎて男性陣はちょっと引いてしまうでしょうね。

ストーリー的には盛り上がりには欠けるんですけど
女のドラマとして捉えれば、それなりに楽しめると思いますよ。

ダリル・ハンナ、リリ・テイラー、マーシャ・ゲイ・ハーデンといった、女優陣の豪華さに惹かれてレンタルしました。
各人いろいろな理由で、養子をもらいにきた女たち6人。
それぞれが全く違うキャラクターで、そのやりとりの面白さがこの映画のみどころでした。
プラス、その6人とは別に、過去に自分の子どもを養子に出してしまった女性、
望まない妊娠から、母親に産まれてくる我が子を養子に出すように話を進められる少女の話も絡んできます。

映画を観て、この“養子縁組”というものを問題視することは、私にはなかったのだけれど、
このシステムのために我が子を得るため一喜一憂したり、我が子を泣く泣く手放したりする人がいるんだなぁ…と、
現実にこういうことがある事実を目の当たりにした気がします。
日本ではこういうシステムがあるにしても、あまり明るみに出ないがゆえに、実生活を送っている上では全く気にしないところですよね。
こういった現実を考えることができて、ちょっとめっけもんでした。

話を元に戻して…。
とにかく、女性6人のやりとりが、かなりリアルでそこが面白かった。
6人のグループの中でも、微妙な派閥的なものがあり、
「あの人は運動ばかりしてるからきっと正体はエイリアンだ」とか、「彼女はゲイだからちょっとね…」みたいな、
好き嫌いがあるのがかなりリアル。
その中でも、中立的な女性もいて、「世界中どこでもオンナってこういう感じなのね…」とため息が出ました。
なんでこうも、女性って派閥を作っちゃうんでしょうか…。

また、一番の見どころは、マーシャ・ゲイ・ハーデン演じる、一番イヤミで問題ある女性。
彼女が演じると、ほんっと、似合うんですよね（笑）。
「現実にこういう人、いるいる〜っ！」って叫んでしまいました。

南米のとある国の「赤ちゃんの家」に集まるのは、養子縁組を望む６人のアメリカ人女性たち。何度も流産、死産を繰り返してきたり、つらい不妊治療を経験したり、私も女だから同情はするけど、子供のいる私には本当の意味で彼女たちの気持ちを理解することは、きっとできないだろう。
アメリカなどでは人種の違う子供を養子として迎えることが、それほど珍しいことではないようだが、日本人にはやはり心情的に理解できない。そこまでして、子供を持ちたいと願う女性がいる一方で、貧しさゆえに子供を手放さざるをえない女性もいる。親に捨てられて路上で暮らす子供もいる。
経済的に豊かな国の人が、貧しい国の子供をひきとるのは悪いことではないけれど、金にものをいわせたり、高圧的な態度をとったりするのは、やはり許せない。
この映画にも何の答えもないが、私も思考も堂々巡りをくりかえしただけ。

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興味深いのは、アメリカ人が自国でなく他国に出掛けて養子を求めていることである。以前、何かの機会で韓国からの養子の受け入れ先の１位がアメリカであるとのことを知り、あれって思ったことがある。

人種の違いは気にならないのであろうかという疑問。「親子」という感覚に違いがあるのだろうか。

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女性というものは、お互いをあまり知らず、
ある共通の目的があれば、波風を立てずすごしていけるのを
こんなにわかりやすく描いたのはないでしょう。
たとえ、悪魔と天使くらいの差があっても、
女同士は表面上穏やかでいれるのです。
わたし自身１児の母ですが、ママ友達の集団の
雰囲気に似てるなあと思いました。
その人がいなくなると、その人の話をしちゃうあたり、
女の集団そのもの。

それにしても、いろんな人生が描かれています。
国境の境目が命の境目であってはならない
という言葉がありますが、
国境の境目は確かにあり、それぞれ違う生き方、
価値観があるのです。
この映画は、観る側の切り口次第でいろんな
気持ちを呼び起こしてくれます。