エクソシスト　ビギニング

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私は「オーメン派」ですが、エクソシストは「１」に
限って言えば単に一つの映画として名作だと思います。
ホラーとは単純に恐怖を描けばよいのですが、オカルトは
超自然現象(冥界)を描く訳で本来難しいジャンルだと思う。
こけおどしが利かない分、しっかりとした脚本とぶれない演出
そして映像美も重要なポイントだと思う、その意味では
本作は監督がジョン・フランケンハイマーの急逝で頓挫し
ポール・シュレイダーで製作したらプロダクションと対立し
監督が公開を拒否(版権がクリアされれば別会社で公開も？)
結局ハーリンで全面的に取り直し、作る前から支離滅裂で
過度な期待は禁物ですが、その割には見れる。と言う意見も
あります。脚本がＴ２の作家なので真面目さは感じられるし
なにより撮影が私の大好きな Vittorio Storaro
相変わらず素晴らしいフォーカスとアングル、良かったです。

製作がワーナー、公開はギャガ、ＤＶＤ版権は日活。
この血統の無さが、映画の全てを語っている様な気がします。

正直言って、レニー・ハーリンにホラーのメガホンを取らせるという選択には？？？と疑問が沸いた。案の定ホラーというよりはアクション色の強いエクソシストになっている。

やはり皆さん、ホラーを超えた名作「エクソシスト」のイメージが強く評価が低いようですが、この映画も悪くないかなと私は思った。現代色にアレンジしながらもあくまで元祖のイメージを壊さない配慮には好感が持てる。悪魔付きの特殊メイクもあくまでエクソシストの路線を踏襲している。

RUSHさんのレビューにもありますが、私もこの映画にはすごく半キリスト教の香りを感じた。特に神の存在の意味を問いかけているのではと思います。前作の謎が解けるというキャッチだが、最大の謎は悪魔はナゼ人に取り付くのかという部分にあると思う。それでは本作にその答えはあったのか。ビギニングを見る限り、人間が邪悪な心を持ち侵略を行う時に悪魔はその力を発揮し人に取り付くように思えた。原住民が悪魔を恐れ、その領域を侵さない限りは害を起こすことはないようだ。
しかしそう解釈するとさらに謎が・・・。何故２５年の時を経て悪魔は少女に取り付いたのか？

この映画の中で何度となく、繰返される「神はいない」という言葉。確かにエクソシストの中で悪魔は目に見える形で現れるが神はその姿はおろか力さえそれと分かる形で発揮はしない。言い換えればエクソシストとは「神とは本当に存在するのか？」という問いかけなのではないだろうか。いやこの映画を見る限り悪魔の存在も人間の心の中に潜んでいる邪悪さが表面に現れているだけと見ることも出来ないだろうか。

そう考えるとこの映画も意味深いと思うだが・・・。
皆さん、どうでしょう？

この作品はオカルト映画の金字塔「エクソシスト」からさかのぼる事２５年が時代背景です。若かりし頃のメリン神父が主人公です。正直、「エクソシスト」が当時あまりに恐ろしすぎたので、それに比べるとこの作品は不気味さはあれど恐怖感から言えばさほど怖くない作品だったと言えるのではないでしょうか。程良い怖さと不気味さだったように思います。怖いもの好きな方にはきっと物足りないでしょう（笑）。

この作品の嬉しい所は「エクソシスト」をしっかり踏襲しているという事です。パズズ頭像やパズズ像が同じデザインで登場するし、スパイダーウォークやセリフにも「悪魔は巧みに嘘をつく」などの「エクソシスト」を思い出させるようなものが多くありました。このパズズ頭像や像は実際に存在します。パズズ像はルーヴル美術館にパズズ頭像は大英博物館に保存されています。

オープニングの死体だらけの場所を一人の神父が歩いているシーンは何の意味があるのか最初わかりませんでした。しかしよく見るとローマ兵の死体である事がわかります。このシーンの真意はわかりませんが「ローマ帝国＝悪」の図式を描いているように僕には見えました。またこの作品で描かれるもう一つの悪が「ナチス」です。メリンはナチスの残虐な仕打ちで神父をやめていたのです。この作品の紅一点サラもナチスの犠牲者である事が腕の刺青からわかります。「本当に悪いのは一体誰なのか？本当の悪は一体何か？」この作品を見ているとそう思います。悪魔より人間の方がもっと悪いのではないかそう感じるシーンもたくさん登場します。この辺がこの作品のテーマなのかもしれません。「悪魔＝悪」ではなく、パズズは侵略者に対して制裁を加え、原住民にとって守護神であって悪ではないのです。キリスト教は唯一神です。他の神を許しません。この原住民はパズズというキリスト教から見れば邪神＝悪魔を崇拝していた事によって教皇庁から迫害されたとこの作品で描かれています。この事からこの作品は反キリスト的な考えがあるのかもしれません。

結局、作品の最後は「エクソシスト」同様、悪魔払いで終わるのですが、それだけに止まらずイギリスｖｓ原住民＝キリスト教ｖｓ邪神教の構図が盛り込まれているような気がして別な意味で楽しめました。メリン神父の最初の悪魔払いのエピソードとしてはなかなか良くできていると思いました。

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　アフリカで砂に埋まった教会を掘り起こそうとして悪魔の仕業だ仕業じゃないと大騒ぎする話。

　主人公が砂漠の遺跡で調査するという冒険もの的な設定ですが、主人公が考古学者としての能力や経験を特に発揮せずに問題を解決しているとは思えず、悪魔の方から何か仕掛けてこないと物語が動かないのが痛いです。

　映像もCGが多用されていうのがハッキリとわかってしまってむしろ迫力不足に感じてしまうアクションシーンでした。主人公がクライマックスで悪魔と向き合いますが、なぜ勝ったのか負けたのかがよくわからず、ただ祈りの言葉を言っているだけで終わってしまうのもカタルシスが得られず残念でした。

　原住民と白人の対立とか主人公の過去の傷とかも長いこと描かれますが、そこも本筋として有機的に絡まっているとは思えずただ無駄に感じてしまうだけでした。

　ちょっと暗いホラー風味のアクション映画にホラー映画の怖さもアクション映画の爽快感もどっちつかずの映画でした。

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余りにも個人的な歴史的考察を入れすぎて、悪魔がメインなのか、歴史ものなのか、キリスト教批判なのか、反戦映画なのか分からない作品。

出てくる人物達の名前は皆歴史上の人物達と同じで、ローマ帝国やナチスなどてんこ盛りで、もう何が悪魔復活に関係あるのか分からない
メリン神父の生い立ちを描くのは良いとして、彼の夢を描いているシーンは不要に思われる、歴史上の事件には全て悪魔が係わっていると言いたいのだろうが
そんなものは何の下地にもなっておらず、現にパズズやベルゼブブの存在を意識し始めてからは、単に悪魔祓いのみの描写になる
最初にあれだけ講釈を垂れているので、何か秘術やあっと驚く展開でもあるのかと思えば、単に祓って終わりである
ここで一つ疑問が出てくる、メリン神父は夢のせいで信仰心を無くしてしまったのではなかったのか？
それを、パズズ神殿の中でサラを守りながら悪魔祓いって、いくらなんでもご都合主義ではないだろうか？パズズは本当は神なのにキリスト教からみれば悪魔って、そんな勝手な信仰で倒されてしまうなら、素人でも聖書片手に倒せるのではないのか？
誤解の無いよう言っておくが、キリスト教がどうのではなく
宗教は心理だということを前提にするなら、最初の歴史的事件と宗教心理を混同するような講釈には悪意を感じる
わたしは無心論者なのだが、他の信仰心を重んじてる人達にしてみれば、これはかなり許せないのではないだろうか。

そして、ラストシーンはダメ押しで、世界の心理の頂点はキリスト教であり、世界を救うのも私達である、というが如くバチカン宮殿に姿を消すメリン神父
監督あなた最初に夢の中のローマ軍の件で、キリスト教は悪の様に表現していたのでは？だから信仰心を捨てたのではなかったのか？メリンが目の前の現状を解決する為に、一時的に信仰心を取り戻したまではいいとする、そうしなければ皆死んでいただろうし
でも最初に個人的な講釈を入れたおかげで、描きたい事と描いている内容が合致していない事に気づいておられるのでしょうか？
心の中では否定していても、急場しのぎの信仰でも足りるのか？
もう訳が分からないです
それさえ無ければ、違和感無くエクソシストの続編として迎え入れられるのに残念である。

だらだらと見解を述べたが、序盤のシーンだけが個人的に納得いかないというだけで、作品自体は良く出来ていると思うので、メリン神父のエクソシストとしての出発点として、観てもらえれば楽しめると思います。