ホーム・オン・ザ・レンジ　にぎやか農場を救え！

4歳になったばかりの息子が「ドウブチュ」とリクエストしたので、とりあえずレンタル可能状態だった本作を借りました。
息子は絵も音楽もとても気に入ったようで、とくに悪役ボスのヨーデルと派手な画像にはキャーキャー叫びながら喜んで踊りまわっていました。
親としては最初は可愛くない（？）不細工なキャラクターたちにちょっと引いていたのですが、ストーリーが進むうちにみんな「可愛く見えてきた」から不思議です（笑）

アラン・メンケン狙いで借りた。

この映画はアメリカで劇場公開時まったく客が入らず、投資額の半分以下しか回収できなかったためディズニーにその後五年間手描きのアニメ映画製作をやめさせたという作品だそうだ。【出所：Imdb.com】

だから日本未公開。観てみて分かる。これは客は入らん。

まずキャラクタが可愛くなく、愛着が湧かないし記憶できない顔をしている。ストーリーは単純。舞台が西部開拓時代なので日本人にはなじみが無い。なんにも先入観の無い子供【四歳以下ぐらい】なら大げさなアニメーションの動きと明るい音楽が楽しいかも知れない。声優はジュディ・デンチやスティーブ・ブシェミなど何気に豪華だ。

映画はたいして面白くなかったが、音楽、とくに歌は良かった。どちらもキャラクタが唄うのではなく本職の歌手か唄う。ひとりはk.d.langという聞いた事の無い女性。力強く明るい声でこの映画のテーマにぴったりで素晴らしい。もう一人はご存知、ボニー・レイット！挿入歌の「Will The Sun Ever Shine Again」を唄う。上手い。人生の多くを知った人間にしか出せない声をしている。この歌は主人公たちがすべてを失った時に唄われる歌で、アラン・メンケンはそんな曲は書きたくなかったが、そうしているうちに9.11が起こり、何かを作りたいという気持ちになってこの曲のメロディーが浮かび、グレン・スレーターが歌詞をつけ、ボニーが命を吹き込んだ、と特典で言っている。この映画を観るなら、特典の「製作の舞台裏」の「メイキング・オブ〜」を是非ご覧下さい。ボニー・レイットが唄う映像が入っています。もうおばあちゃんだ。55歳。素晴らしい声をしている。このDVDの一番良いシーンはここです。感動した。


※ボニー・レイット自身の映像はみつからなかったけど声はありました。55歳の声に聞こえますか？
http://www.youtube.com/watch?v=p6m2vmtN2f4

ディズニーものとしては日本で公開されなかったらしいのですが、それはなんとなく観ていると分かります。非常にアメリカだけが分かるような雰囲気でして、音楽もカントリーでなかなかいいんですが、日本の子供たちが観て楽しい作品かと言われると、ちょっとなんとも言えません。雰囲気はいいんですが、設定がピンとこないのと、どうもアニメが色々な技巧に走っているのか、ゴチャゴチャとしていて楽しくない。

雰囲気はほんまいいんですがねぇ・・・なんだろう、「あぁ、そうですか・・・」で終わってしまう。残念な作品です。まぁ、英雄だということで出てきたおっさんが、どう見ても悪党にしか見えず、アニメとしてはいい出来なんでしょうが、物語としては全然ダメだな、とすぐに思ってしまった次第です。

内容は子供向けのドタバタ西部劇ですが、シンプルに楽しいです。
確かにキャラクターにスター性が低いですが、それも逆に素朴な魅力になってしまう不思議な映画。
カントリーを初めとした古き良きアメリカ音楽が、映画の背景とストーリーにハマっていて、ディズニー好きの音楽ファンにはたまらないです。
ミュージシャンは豪華なので僕は大喜びなのですが、普通の日本人にとっては知らない人たちです。

DVDが傷だらけで、再生不可でした。とても楽しみにしていたのに残念。