モナリザ・スマイル

古き良きアメリカ。しかし５０年代はアメリカといえども、保守的で、名門女子大学は、花嫁育成の場でありました。
そんな中で自我に目覚め、自の意思と足で歩き出す生徒。
J・ロバーツ演じる教師の姿が、彼女たちを変えていく・・・・
何といっても、５０年代ファッションが見物でしょう。　
懐かしさと、エレガントさと、ちょっとダサさが、良かった。
爽やかで、清々しい青春映画の一本。
キルスティン・ダンストは、こんな時代にぴったりですね。
沢山の女優さんたちの好演で、なかなかでした。

名門女子大に赴任してきた新任の型破りな美術教師の役は、彼女にあっていたと思います。生徒役の若手女優陣も超豪華で、それだけでも観る価値あり。結局挫折して彼女は大学を去ることになりますが、生徒たちがそれを自転車で追いかけるシーンは感動的で、不覚にも泣きそうになりました。（ジュリア・ロバーツで泣いてしまう自分が許せないけど）

この映画の舞台になっているウェルズリー女子大は、ヒラリー・クリントンの母校です。ちょうど彼女の自伝を読んだあとに観たので、個人的にはタイムリーでした。映画の時代設定はヒラリーの時代よりさらに１０年ほど前で、結婚してよき妻、よき母になることが唯一の美徳と考えられていたような時代。（そんな時代がアメリカにあったとは、今となっては想像できないけど）ヒラリーは卒業後、イェールかどっかのロースクールに進学していますが、この映画にでてくる生徒のひとり（ジュリア・スタイルズ）はロースクールに合格しながらも結婚する方をえらんでいます。女にとっては生きにくい時代だったんだなあと思います。ヒラリーには是非初の女性大統領になってほしいと同じ女性として応援しています。

もう１本観るなら「ポロック　ふたりだけのアトリエ」を。前衛画家ジャクソン・ポロックの生涯をエド・ハリスが熱演。本作でＤＶＤのカバーになっている場面は、ジャクソン・ポロックの絵を見ているところですので。

『いまを生きる』、『デンジャラス・マインド』と、教師モノ映画が私の中では結構アツく、胸にぐっとくるので、この映画もちょっと期待して観ましたが…。

正直期待はずれでした。
理由としては…、

1.　キャサリン自身のバックグラウンドがいまいちよく分からず、彼女が教師として努力する意味が見えない。

2.　キャサリンを支えるべき男性陣が、いまいち中途半端。特に、予告編ではごっついいい感じに映ってる新ボーイフレンドになるイタリア人男性が、単なる女ったらしで終わっている。

3.　生徒たちも、キルスティン・ダンスト演じる生徒以外は、あまり個性が光らなかった。もう少しアクの強い人間がいたら面白かったかも。

4.　学校の厳格さももう少し意地悪く出した方が盛り上がった気がする。

5.　結婚して家庭に入るということで、悲惨な人生を送るというような実例がなく、「別にそれでもいいじゃん」って気にさせられた。

というわけで、あまり印象に残らなかったなぁ…。
残念です。
名作の『いまを生きる』と比較してしまうこと自体、酷なことなのかもしれませんが、
全体的に内容が浅すぎますね。あまり笑えるエピソードがないのもちょっとダメ。
シリアスな中にも、ユーモアがあってこそ映画の内容が引き立つものです。

しかしながら、キルスティン・ダンスト演じる女子学生の意地悪さは拍手モノ！
私はキルスティン・ダンストのことが『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の頃から苦手で（だって、顔に性格の悪さがにじみ出てるような気がして…）、これを観てさらにキルスティン苦手意識に拍車がかかりました。
この映画でも、彼女以外にはこれほどヤなヤツを演じることはできんだろうと思うぐらい、すんげー性格悪い女の子（実は人一倍寂しがり屋さんな性格が、そういう行動に走らせているだけなんだけどね）がぴったしカンカンなハマり役でした。
観てるこっちが、キレそうになるぐらい！
彼女が苦手な私ですが、そんな彼女が一番の見どころでしたね〜。

先日見た「主人公は僕だった」のマギー・ギレンホールが
素敵だったので彼女の出演作を見たかったのと
ジャケット写真の女性たちの横顔に惹かれて鑑賞しました。

今をときめく女優たちの競演。
マギー・ギレンホール、キルスティン・ダンスト、ジュリア・スタイルズといった若手とすっかり大御所となってしまったジュリア・ロバーツ。

内容的には☆maria☆さんのおっしゃる通り、
「いまを生きる」の女子大生版といった感じです。

「いまを生きる」ほどの大きな感動はなかったものの
女子大生とその憧れの女教師の心の交流をみずみずしく描いています。

キルスティン・ダンストは意地悪な女の子がよく似合いますね。
キュートな役柄はちゃんとキュートに演じたりもしているので
それだけ実力があるということでしょうか？

マギー・ギレンホールはとてもカッコいい役です。
私の目はついつい彼女に引き寄せられてしまいますね。
彼女の持つ雰囲気がとても好きです。

ウーマンリブ到来前の保守的な時代で
女性たちが新しい生き方を模索していくのが
なかなか興味深い、隠れた秀作と言えそうですね。

女子校を描いた映画ってあまり思い当たる映画がなくて、珍しいなぁと思い借りてみました。
自分が女子校だったから、なおさら親近感ありありで見入っちゃいましたよｗ

赴任早々、初授業から、授業を全くさせて貰えない状況。
生徒たちはテキストを隅から隅まで読み、キャサリンを完全拒絶。
これは軽いイジメでしょ〜って、かなり唖然。
うちの学校も女ばっかで、先生の揚げ足取りとか近いものはあったけどねｗ
さすがに、ここまでは酷くはないぞー！！てか優秀だから出来るのかｗｗ

そんな生意気な彼女たちに、テキストに縛られない講義、
本物の絵を見せることで、絵の向こうにあるものを見つめなさいと、
新しい見方や、考え方を諭していく過程は、先生と生徒が打ち解けて、
信頼関係が築かれていくので、心地の良い描写でした。

５０年前のアメリカの女性は、家庭回帰を求められ、良妻賢母という枠に入れられ、
エリートとの結婚がゴールとされていた時代だったのは驚きでした。
自主性を重んじるアメリカも、昔はそんな時代があったんですねぇ〜
保守的な学校で素晴らしい才能を伸ばせない生徒たちに、
将来を自分で切り開こうとする女性へと促すキャサリンの考えは、かなり革新的。
そういう新風を吹き入れてくれたキャサリンの存在は大きかったと思います。

そんな中で、夢描く将来を掴みながらも夫を支える妻になることを決心する生徒がいたり、
一番キャサリンに反感を抱いていた生徒が一番影響を受け自立する女性になったり、
友達のやっかみに邪魔されながらも深く愛し愛される人を見つけていく子や、
孤独感から暴言を浴びせた友を突き放すのではなく、強く抱きしめてやる大人な女性、
ギチギチの堅い世の中にあって、生き生きとした女性像が描かれていました。
秋から冬、そして春へ。季節とともに成長し、それぞれ花咲かせる。
その瑞々しさが印象的でとても良かったです。
最後は、ちょっぴり感動して、泣いちゃいました。

一つ難癖つけるなら、キャサリンの恋模様。
遠距離恋愛中の恋人を振ってまで、軟派な男と遊ぶなんて・・・
いらないいらない、そんな意味不明な恋愛。
描くなら、ちゃんと意味のある恋愛にしてくださいよっ！

キルスティン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、マギー・ギレンホールと、
個性派女優が集合した作品なので、ある意味掘り出し物ですねっ。