人面瘡〜金田一耕助シリーズ

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ＴＢＳで放送された古谷一行版金田一耕助シリーズの一つ。主役は斎藤由貴。彼女の役所は体に人面瘡を持ちこの人面瘡が自分の意識外で行動し、自分にはその記憶が全くないというやっかいな役所だ。物語は主役である斎藤由貴が演じる松代が火事の中で血の付いた包丁を持っているシーンから始まる。彼女はそこから逃げ出し、入水自殺をしようとするが薬師ノ湯旅館の女将に助けられ、そのまま旅館で仲居として働く事になる。それから１年後、外務事務次官である斎藤が死に彼が隠したと言われる３億円を捜しに元運転手の田代と元芸者の麻美（三原じゅん子）が薬師ノ湯旅館を訪れた事から殺人事件が連続して起こり始め、ちょうどそこにいた金田一が解決していくという内容だ。

原作は横溝正史作品の中でも短編であるので、あまり凝った内容ではないし、似たような話は幾つか聞いた事があるので新鮮味はあまりないが、横溝作品ならではの複数の秘められた事実を金田一が解き明かす手法は健在だ。今作品でも「薬師ノ湯旅館の跡継ぎ問題（松代、由紀子、麻美の貞二の奪い合い）」「斎藤事務次官の隠された３億円の真相」「３０年前に起こった入水自殺の真相」「松代の体にある人面瘡の真相」この４つの謎解きを柱に描いていく。

松代を演じる斎藤由貴のけなげな可愛らしさが引き立ち、彼女のいじめる由紀子、麻美の意地悪さが異常に目立つ（笑）。そうでなくてはこの作品も盛り上がらない（笑）。しかし、この人面瘡というのは漫画「ブラックジャック」にも登場するが本当にあるのだろうか。この作品の松代の人面瘡は双子の鶴代だったことが最後で判明するが、そういった事が実際にあるのかちょっと不思議な話だった。鶴代に変身する斎藤由貴がなかなかよかった（＾＾ゞ。

　この映画最後まで見終わって良い話（ミステリーなのに？）だなあと心の底から思えるタイプのミステリーでした。

　ただ、ホラー的要素の濃いミステリーなのに途中で出てくる幽霊？の迫力がいまいちに思えるのは私だけでしょうか？
また、タイトルの人面瘡が画面上で見る限りだったら迫力があまりないのも難点だと思います。

　私は、上記のような過剰なホラー要素が苦手ですからちょうど良いくらいでしたが、（しいて言えばもう少し幽霊？の迫力がもう少しあった方が良かったと思いますが。）この辺りは注意が必要だと思います。

　総じて、ラストまで見れば良いミステリーだったと思える点を高く評価して☆４とします。

原作の短編は読んでいないので分かりませんが、物語はかなりあっさりとしています。登場人物のキャラが立つ場面が全員平等に無いので、感情移入の使用もありませんでした。その為、殺人の動機も「？」です。「殺人以外に方法あるだろー」と思ってしまいました。

おどろおどろしく見せようとしている場面は、全て失敗しています。低予算なんでしょうか、作りもライティングもちゃちです。大体、そういう役に斉藤由貴を使う自体間違っているような。。。

話自体はもう少し面白く出来そうな内容なので、非常に惜しいと思います。もう少し深く切り込んで欲しかったなー。

本作品はある意味新鮮でしたが、金田一物として考えると？？？
何故かと言えば、この作品は怪談にしか思えないからです。でもちゃんと横溝ワールドらしさも表現されており、エンディングは満足出来ます。でも、でも、怖いんです。

斉藤由貴が出ていたとは。だけど彼女よりも淡路恵子に目が行った。あんな品のあるきれいなおばあさんいないよー。きれい過ぎだよと思いつつ女将の凛とした雰囲気は十分。さすが大女優。人面瘡ってたまに聞くけど本当にあるのかなあ・・。