ケリー・ザ・ギャング

コリン・ファレル主演の「アメリカン・アウトロー」のオーストラリア版という感じ。作りが荒いところも似ている。キャストが豪華な分、観るのならこっちの方がいいかなという感じ。逆にこれだけのキャストを揃えておいて、この程度の出来というのもちょっと悲しい。ナオミ・ワッツも21 Gramsを観たあとだけに、もったいないような気がした。

犯罪者なんですね。。。。

シドニー五輪のオープニングでネッドケリーにあやかった演出があった。
犯罪者としての印象よりも、
権力と差別に立ち向かったヒーローとしてのイメージが大きい証拠でしょう。
その上、若くて見た目もよかったそうですから。

実際、処刑に際して、かなりの数の助命嘆願の署名が寄せられた、
とのことでした。

ヒースはこの役ぴったりですね。

長身でスタイルが良く、乗馬や銃裁きなど
身のこなしがキレイなところも
個人的にはお気に入りです。

１９世紀末実在したオーストラリアの伝説的なアウトロー。
何度も映画化されているらしいけれど、私は知らないままに観ました。
歴史的背景としてはオーストラリアがイギリスの流刑地として多くの犯罪者が送り込まれてきた場所ということ、アイルランド移民に対する差別などがある。
ＤＶＤの特典映像の「語り継がれるネッド・ケリー」というところをはじめに見ました。ネタばれっぽいこともあるのではじめに見ることを必ずしもおすすめするわけではありませんが、私はそれで少し知識を入れてから見られたのでよかったです。

父親が流刑人だということ、アイルランド人だということで警官から差別を受け、無実の罪で３年投獄される。戻ってきても、家族やネッドにいやがらせをし罪をきせて捕らえようとする横暴な警察と対峙していく。母親が捕まると弟や友人のジョーと「ケリーギャング」として銀行強盗を繰り返しながら貧しい移民のオーストラリア人に金を分け与るようになる。イギリス人の横暴な権力者や警察に対し、命をかけて反抗を繰り返しましたことにより、人気者となっていった。

ネッド役のヒースレジャーは「荒くれ者」というイメージよりも争いを好まない紳士的な感じがする。もの悲しい雰囲気がぴったりだと思った。ジョーに書き写させたという手紙の文面を語るシーンではカリスマ性を感じさせた。　
ジョーは男前女たらしキャラとして描かれていて、演じているオーランド・ブルームも魅力的。友達に裏切られた場面では押さえた悲しさが感じられた。

伝説のアウトロー・ヒーローものとしては、アメリカの開拓時代の無法者ジェシー・ジェイムズを描いた「アメリカン・アウトロー」を前に観た。「アメリカン・アウトロー」はアクションあり、愛と友情を描いた「娯楽作品」として難しいことを考えず、単純に楽しめる。（ジェシー・ジェイムズ役はコリン・ファレル）

比べると「ケリー・ギャング」の方は、重く悲しい雰囲気があり、ネッド・ケリー本人の生き様を淡々と描いているように感じる。この時代の開拓者の苦難と歴史のシンボルであり、もはや神話ともいえる存在こそが、この作品に描かれているネッド・ケリーなのだ。

ヒーローといっても、ネッド・ケリーもジェシー・ジェイムズも犯罪者であり虐殺者であることには変わりない。それでも今もなお人々の心をとらえている。虐げられた人たちにとって権力に屈しない不屈の精神が希望のようなものだったからかもしれない。

吹き替えキャスト　
　ネッド・ケリー(ヒース・レジャー)・・・森川智之
　ジョー（オーランド・ブルーム)・・・竹若琢磨
　ヘア（ジェフりー・ラッシュ)・・・小山武宏
　ジュリア（ナオミ・ワッツ)・・・小林さやか
　アーロン（ジョエル・エドガートン)・・・家中宏
　ダン/ローレンス・キンラン)・・・村治学

森川さんのネッドはもの悲しい感じの抑えた声。　モノローグも多くて私的には満足な作品。
壮快なアウトローものを観たいなら、「アメリカン・アウトロー」もオススメです。

オーリー目当て。
ネッド・ケリーという人がオーストラリアの英雄だという知識を得られました。

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ネッド・ケリーというのは実在の人物で、今でも民衆の熱狂的な支持を得るヒーローらしい。ということをまったく知らずに見たのは失敗だった。この映画に関しては、すくなくとも映像特典だけでも見てから本編に進んだほうが理解しやすいと思う。

「事実は小説より奇なり」なんて言うが、事実には事実にしかない迫力や偶然性の恐ろしさはあっても、最初から最後までドラマティックとは限らない。そういうわけで、「実際の物語に基づく」と銘打った映画を見ていつも感じるのは、経過のダイナミズムの迫力に対比して、結末がプチビミョーにしみったれている点である。それこそが事実であることのなによりの証左なのかも知れないが。
それでも事実の持つ圧倒的な迫力に背中を押されて楽しむことができるわけだが、今回はそういうわけでネッド・ケリーを全然知らなかったので、全編「なにがいいたいんだっぺ？」と思いながらの鑑賞となってしまった。ネッド・ケリーの人となりをわずかでも知っていればこの映画の意味もわかるので、くれぐれも映像特典から先にご覧になることをお勧めする。

この映画がどうして予約リストに入っていたのか謎だなあ。（笑）