ギャンブル・プレイ

「クライング・ゲーム」でファンになったが、「「マイケル　コリンズ」で観る気をなくしたニール・ジョーダン監督作品。舞台は虚飾のリゾート地ということで借りました。
役者はいいです。ニッ・ノルティ、チェッキー・カリョ。こうなると、スタイリシュに決めて欲しかった。
映像は、全体的に青と黒、ブラック・アンド・ブルーの画面。ここまで青く暗くするのなら、それこそ、目の周りにあざができるハード・ボイルドの世界にしてしまった方が完成度は上がったのではないでしょうか。もっと、男臭い世界にした方が。
へんに娯楽性を意識してしまったようなところも見られ、結果中途半端。哀愁味が漂いながら、気楽さも感じる。テンポも悪いのかな。
情けや弱さをみせるのではなく、誠実さのある無骨な優しさを感じる映画をつくって欲しかった。

「 オンナは 口が軽いから 」 を KEY に展開していく話 （ あるいは 「 オトコは すぐ熱くなるから 」 かな？ ）女×女 男×男 人妻との恋 など 一筋縄ではいかぬ 愛を 描き続けてきた 二ール・ジョーダン　ここでも ジェンダーにこだわっている気がします 今回のテーマは 年の差カップル？　いやー 違うなぁ これは多分 少女の神聖さと娼婦性 でしょう …　と 個人的見解です　それにしても ほんと ナッサ いいよね！　ワタクシも注目致しました！！　この娘なくしては成り立たない様な映画です　アングルの「泉」の如き曲線美　それでいて天使のように中性的　イコンの聖母の眼差しを持ち　立ち上る煙の中で見せる表情はまるで 法悦に浸る尼僧のそれ …　うーむ なかなかの逸材ではないかしらん！　今後の活躍が楽しみです　ところで 二ール・ジョーダン監督って ジャック・ニコルソンに似てると思いませんか？　

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ニック・ノルティはあんまり好きじゃないのですが
老いて落ちぶれた感じがよく出ていましたね。
ヤクを絶ってすっきりしたところと正装でカジノに乗り込むところと
段階を追ってうらぶれた感じを脱ぎ捨てていくのも面白かったです。

アンを演じた女優さんは他に出演作がDISCASにはないようですが
あどけなさと神秘的な雰囲気が同居してて、この役に合ってましたね。

エンターテイメント大作と言うわけではないけれど
それなりにハラハラドキドキしたり楽しめる作品だったと思います。

しかし、カジノであんなに勝つことってあるんだろうか？
いやはや、羨ましい限りです。
カジノには正装で・・・だそうですよ。

評価７２点(１００点満点)
もともとフランス映画のリメイク版なので華やかな南仏やモナコのリゾート地が舞台、アメリカ映画なので少し違和感があるかも。
ニック・ノルティーが「賭博師ボブ」、ヤク中でツキからも見放された中年のおちぶれたギャンブラー役を巧みに演じている。彼の声がなかなか役どころにマッチしている。このオッサン、カジノ襲撃計画が持ち上がると、自らヤクを絶ってシヤッキリするところがなかなか面白い。ボブと絡むアン(ナッサ・クヒアナケニ)も若さを全面に出す感じで終盤ボブとドレスアップしてカジノでプレーする場面がほどよい対比でなかなかよい。
ストーリー展開は少し雑なところもあるが流れはさほど悪くない。
なんといっても最大の見せ場はカジノのギャンブルシーンだろう。
これぞまさしくギャンブラー、人間欲がないと強いのかも。
皮肉な結末を迎えることになるのだが、ある意味ハッピーエンド的なつくりになっているのか。もっと哀愁を漂わせたギャンブラーの姿をラストでみたかったような気がする。

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　メルヴィルの『賭博師ボブ』のリメイク。もとがフランス映画なので、アメリカ映画のテンポを期待すると序盤で眠くなってしまうかもしれない。主要な登場人物がみな、内面に何かを抱えてぐずぐずと悩んでもいるような気だるい雰囲気は、苦手な人もいるかもしれない。

（以下重大なネタバレあり）
　ニール・ジョーダンは『ブレイブワン』もそうだけど、自分のとても好きな映画をリメイクしているようで、いろいろアレンジしても、どこか、オリジナルへの愛を感じる。この映画も、オリジナルとは正反対の結末なのだけれど、大好きな映画の主人公に違う物語を演じさせたいという気持ちがあるような気がする。
　二作のプロットの根幹は同じだ。疲れた老ギャンブラーが、一発逆転のカジノ襲撃を企む。仲間を募って準備し、いざ決行当日、偽装のために自分はカジノで賭け始める。ところがなんということか、偽装のつもりだったのに、かつてない大ヅキの波が来て、ギャンブラーは勝ち続けてしまう！　計画はどうなる？
『賭博師ボブ』はこの皮肉なプロットを虚無感に満ちた結末が見事に締めくくって、シニカルな人間喜劇として魅力的だ。
『ギャンブルプレイ』は説得力なく唐突な殺人など、やや脚本に欠陥が散見されるものの、襲撃の準備や、女を通じた計画のもれや、当日に突然ボブ（ニック・ノルティ）に大ヅキがやってくるところまで、ほぼオリジナルをなぞっている。
　ところが・・・やはり問題はラストの展開だろう。ボブがギャンブルで大勝する一方で、カジノ襲撃計画はあっけなく破綻していくのだが、当然共犯として逮捕されるはずのボブは、なぜか金と女を得てにこやかにモナコの海岸を歩いていくのだ。
　あのボブにハッピーエンドを、という気持ちも分からないではないけれど、それはやっぱりおかしいと言わざるを得ない。ボブがギャンブルに熱中して、襲撃計画を捨てるのは分かる。それがこの物語の大きな魅力である。だが、警察や仲間が彼は関係ないと見逃してくれるわけはないのだ。主人公の「老い」というオリジナルを魅力的にしていた重大な要素も、ここではあまり顧みられていないのも不満と言えば不満である。
　そのように脚本に欠陥が少なくなく、人間観察も薄っぺらいような気がするとはいうものの、そこそこ退屈せずに見せてしまうのはニール・ジョーダンの地力と俳優の魅力なのかもしれない。５０点。