ムーンライト・マイル

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ダスティン・ホフマンにスーザン・サランドン。豪華なキャスティングですが、なんとも地味な映画なんです。でも、なんだかとっても好きな映画でしたね。
まず、とても懐かしくなる風景。ボストンに住んでいたことがあるので、ボストン郊外の小さな街かな・・・と。イントロダクションを読んで納得。マサチューセッツ州だったんですね。
娘を亡くした夫婦と娘の婚約者の奇妙な同居生活。心の傷が癒えていない３人がそれぞれに立ち直ろうとする。やりきれない話かと思いましたが・・・。
私がこの映画が好きな理由は、スーザン・サランドン演じる母が、小気味いいほど本音で生きていること。しらじらしい弔問客に対してなど、毒を吐きまくっていますが、見ていてスカッとします。
そして、登場人物たちが、それぞれに真実と向き合うことで、明日への希望が見える。これが一番の理由かな。

ダスティン・ホフマンにスーザン・サランドン、
なんだか感動せずにはいられないような感じのふれこみだったのですが…。
正直、期待はずれ。

とにかく、私は実はダイアナが死ぬ前に別れていたのに、
彼女の親への同情から、ズルズルと一緒に住んでいるというジョーにとにかくムカムカしました。
しかも、運命の出会いを果たして、その彼女といい感じになってるというのに！
なんなんだ、そのだらしなさ…。

とにかく、そのジョーにムカっ腹立ったのですが、
やっぱりヨカッタ部分があることもいなめません。
それは、ダスティン・ホフマンとスーザン・サランドン演じる夫婦！
一人娘を失うという、すぐには立ち直れない悲しみを必死で乗り越えようとする気丈さと、突発的に訪れる悲しみと怒りを絶妙に表現していたと思います。

ただし、先にも述べたように、やっぱりストーリーには納得がいかないので（あくまでも私個人の話ですが）、
いまいち共感もできませんでした。
…っていうか、こんな男（ジョー）おったら、私はぶっ飛ばしたくって仕方ありません！

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娘を亡くした夫婦と、その娘の婚約者が
痛手から立ち直ろうとしたり、現実逃避に走ったり、
というところを描いている感じでした。

夫は娘の婚約者と事業を立ち上げ、
悲しみをかき消すように仕事に精を出し、
娘の婚約者も仕事に精をだしつつ
別の誘惑に負けたりして。

きっと悲しみを乗り越え、
問題も解決し、現実逃避しつつも、
最後は協力し合って夫婦と娘の婚約者とうまくやっていく
とか、そんな感じの話かと勝手に思ってました。

そしたら・・・

娘の婚約者には「言い出せないこと」があった・・・。

そんな意外な展開になったんですが、
その後特にヤマもなく、フェードアウトしました。

最後にもう一山あったら面白そうだな
と思いましたが、
その辺は製作者の意図する内容から外れちゃうのかな・・・？

感動を求めてはいけないと思う。
泣く人もいるかもしれないが、どかんとした感動はない。
でも、映像や音楽、役者はとてもうまいし、ただ淡々としていて、じわじわとよいなあと思える映画。
とにかくうまい役者がそろうと見事だと思わせる映画。私のなかでは、音楽、映像の美しさがとても印象的だった。

一人娘を事件の巻き添えで亡くしてしまうフロス夫婦が、
深い悲しみから立ち直り前向きに生き始めるまでと、
婚約解消していたことを打ち明けられずに彼女の両親であるフロス夫婦と暮らすジョーが
流されて生きる人生から自分を見つめ直し、新たに歩き始めるまでを描く。

結婚式３日前に婚約解消して、そのことを両親に告げずに逝ってしまったが為に、
ジョーはフロス夫婦と葬式後も息子として振舞うことになるわけだけど、
打ち明けてしまえば息苦しくないだろうに、その一言が出てこない・・・
自分の気持ちもあまり口にしないでどっち付かずな態度が呆れて突っ込みたくなる！
だけど、夫婦にはジョーがいるからなんとか崩れずに平常を保ってられる様子が伺えて、
ジョーの性格上、それを察して言い出せない感もある。
このフロス夫婦とジョーのバランスの不安定さが終始続くから、
すごい居心地悪そうな映画だけど、これが逆に見捨てられずに見入らしてしまう。
そして、なんと言っても、スーザン・サランドンの演技は、上手い。
夫婦生活３０年を語る場面は、台詞もいいし、味があって感慨深い。

婚約者を殺した犯人に重い刑を求刑するためのジョーの法廷での場面も印象的。
ここで初めて彼が殻を破って自分の言葉で彼女の両親に告白するんだけど、
ダイアナの死以来止まっていた時をジョーが動かしたようで、感動した。
婚約を解消したとは言え、彼女を誰よりも尊敬し心から親友と思っていたのは彼だし、
その真実の言葉がフロス夫婦を癒していくのが伝わってきた。

残念なのは、ジョーが運命の女性と出会って云々ってストーリー。
そこに重点を置くよりも、もっとフロス夫婦との関係性を深く描いたら良かったのに。
そうすれば、もっと感動的なお話になったのかなぁなんて思った。
まぁあたしとしては、ジェイクが愛しい人を見つめてる瞳を見てられたから満足できたけどｗ