Ｊａｍ　Ｆｉｌｍｓ

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　人気監督たちの短編作品集の話。

「Messenger」
　ただ謎の女性がヤクザにメッセージを伝えに来たと思ったら、黄泉の世界へいざなうという。それだけの話の15分で正直、特に面白さを感じるのが難しい1本でした。ただ長さを感じるだけの時間でした。

「けん玉」
　ふらふらしている男とその彼女がけん玉拾って、ほんの少しだけ騒ぎになる話。

　平穏な日常をのんびりと映していて個人的に好みの世界でした。主人公カップル以外に全く関係のない会社員が社長からプレゼントでけん玉をもらい、その中にオーストラリア旅行だかのチケットを拾うために走り回る人たちがいて彼らと少し関わるという。この人たちのオーバーアクトなコメディお芝居が受け付けずに退屈な時間が多かったです。

「コールドスリープ」
　冷凍睡眠から覚めたら別の惑星にいて人類が数人の状況になっている人の話。

　目覚めたら古びた学校みたいなところで、しかもまともな人間がいない様子。1人だけ主人公に声をかけてくれる人がいて、状況を説明してくれる。

　くだらなさはなかなかのもので筒井康隆さんが楽しそうにお芝居をしているのを楽しむ映画でした。

「Pandora -Hong Kong Leg-」
　水虫を治すために謎の治療をする人の話。

　足をなめなれて恍惚な表情をする吉本多香美さんが見どころですが、足をなめるのをがっつり見せられるのでゾワゾワする映像が結構きつい作品でした。

　それぞれの監督がアクションコメディが得意、SFもの、エロスなど得意なジャンルで作ってましたが、正直どれも興味が続かない内容になってしまっていて、短編は難しいと再確認できる作品集でした。

「HIJIKI」
　女性たちを人質に立てこもった男の話。

　銃を持って立てこもっている何も話さない男を圧倒する女性たちという不自然な構図が楽しくて、そのギャップが堤作品らしい笑いとなっていて、短編ながらも笑えてこの短編集では1番好みの作品でした。ずっと女性たちが犯人に対して押し続けて、犯人の気持ちを変えさせてしまうという勢いと犯人のヒジキに対する思いの爆発の緊張と緩和の笑いでした。

「JUSTICE」
　ポツダム宣言の英語の授業をしている男子高校生が外で体育の授業をしている女子生徒を眺める話。

　正直、これは結構退屈な時間で、ただ綾瀬はるかさんの体を見るくらいしか楽しむポイントがなかったです。エンドクレジットの出方が同じ行定監督の【GO】のオープニングっぽくてそこは上がってよかったくらいで、15分が長く感じる1本でした。


「ARITA」
　ARITAなる謎のキャラクターとの話。

　ひたすら広末涼子さんのモノローグとARITAというキャラクターが画面に映り続けるくらいで、ARITAの映像表現が面白くて燃やされて部屋中を動き回るところとか面白かったです。広末涼子さんの語りが書き込みで…という展開もよかったです。岩井ワールド全開の1本でした。

　広末涼子さんが卵みたいなものをほおばるところが印象に残る作品でした。

どの作品もちょうどよろしい長さで、
テンポよく全ての作品を見終わることができました。
ただ、どの作品もこれ以上長々とストーリーを引っ張られると見るに耐えないんじゃないかな…と思ったり。
つまりはオムニバスっていうのが、かなり魅力ありだと思いました。

私としては『HIJIKI』がよかったです！
あとは…まあまあでした。

このシリーズは２より本作をお薦めしたいです。
どれがというより全体がよく出来た短編集ですた。
(ですたって)
各監督らしさのある作品郡。
演技者も適材適所に配置されていたように思います。
日本もこういった流れを、
一時のブームに終わらせることなく
インディーズからメジャーまでのショートフィルムが
もっと脚光を浴びる舞台を増やしたらいいのにな。。

話は違いますが、岩井俊二の
『Ｕｎｄｏ』『Ｐｉｃｎｉｃ』『スワロウテイル』
などが、このＤＩＳＣＡＳに無いことが
何だかとても残念な夏の日です。
あー暑いですね。パピコ半分食べる？

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●「the messenger」・・なるほどーと思わせるストーリーでした。北村一輝がここでも強烈な個性を発揮していて、迫力あるなと思いました。とくに眼力が。

●「けん玉」・・山崎まさよしの、しかも「月とキャベツ」の監督との物語なので期待しました。「月とキャベツ」同様。音楽がコミカルで楽しくて、ストーリーは途中から読めたものの、ほのぼの感がなんだか良かったですね。なんだかホッと笑えました。

●「Cold Sleep」・・大沢たかお主演で、これもどんなものかなーと思ったのですが、はじめはウキウキ感があったものの、途中からちょっと物語が弱くなってきて、最後は「うーむ」という感じでした。SFものでの短編ってこうなるのかな？

●「Pandora」・・これは、、、一番趣味ではなかったですが、、なんだかエロいし。。結構「エロのみ」みたいなように思ってしまって。トーン的には岩井俊二監督の「スワロウテイル」の世界の話っぽいんですけど、もっとエロさ全開にした感じ。どうしてアヤシイ町って、、中国風なんでしょうね。。

●「HIJIKI」・・これはすんごいシュールですね。堤監督とは思えないシュールさでした。でもその中で妙にコミカルチックなのもなかなか魅せるなーと。ところどころ笑えました。

●「JUSTICE」・・妻夫木くんのでしたが、なんというか、ストーリーも普通すぎるある学校の、普通すぎる男子生徒の一こまなんだけども微笑ましい物語で。学生のバカバカしさというか、それが懐かしく心に心地よい感じがしましたね。

●「ARITA」・・やっぱこれが一番好きでした。詩的というか岩井ワールドにまたしてもやられた。やっぱ好きです岩井ワールド。広末涼子は嫌いなんだけどこの物語ではキャラが生きていましたね。あのぽんわりした目もかわいく見えてしまった。なんともないストーリーなんだけど、水彩画を見ているような、夢の中のキレイな物語のような、夢心地でなんとも良かったです。これは何度も見たい。

「世にも奇妙な物語」とかの、要するに「トワイライトゾーン」みたいな話なんだな、と、最初の「the messenger」を観ていて思った。まあ、一つ一つが短いショート・ストーリーみたいだし、となれば一番やりやすい形態はこのタイプだろう。しかし、短い分、かなりのキレがないとつまらない寸景で終わる……「the messenger」を観た感じでは、正直クリアできている感じはしなかった。
　「けん玉」については、まず何よりなぜ「追跡側」の二人があんなにギャアギャア騒いで追跡しなければならないのか見れば見るほど分からなくなったので、しかも篠原涼子の「世の中裏目ばっかりよ」仕掛けも不発に終わるしで、せっかくのハート型寸景が「？」ばかりに埋められて今ひとつ決まっていなかった。残念……。
　次の「Cold Sleep」は、ここまでの中では一番「なんだ？」「どうなる？」の興味を持たせてくれたので、だんだん良くなるかな、という期待はさせてくれた……ただ、せっかくのＳＦでこのオチですか……捨てネタでは？(TT)　筒井康隆まで出しておいてこれだと勿体なくないかな？
　「Pandora」は、これも時間にちょうどという感じで、うん、やはりだんだんよくなるか。こうなると最初が「the messenger」だったのはどうなんだろう。出だしの掴みが弱くないか、構成として。。。それにしても、ちとエロかった感じ。
　次の「HIJIKI」、冒頭でああいうテロップが入ると楽しみになるね。実際、見ていて面白かったし。。。ただし逆に、あのテロップのためにもっともっとという無い物ねだりが発生してしまったので、ラストはあれだけではちょっと物足りなかった。
　で、「JUSTICE」。これは、ちらっと見た前評判ではなかなか良かったので、どんなかな〜と思っていたんだけど、ほんとにほんとにただの寸景で、うーん、という感じ。出だしが、いかにもｉｆの世界のＳＦって感じだったので、期待し過ぎちゃったのかもしれない(^^;。
　最後の「ARITA」、これが一番長さと内容と出来が渾然一体（笑）だったかも。少しフラストレーションも残るけれど、広末の一人称が、実は「語りかけ」というか「書き込み」!だったと分かった瞬間、はっというカタルシスめいたものがあった。ARITAという不思議な存在の描かれ方や、立体時（笑）の描かれ方、その後の状況。。。等々、なかなかの面白さ。終わりよければ、、、というところか。