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アザーズ / ニコール・キッドマン

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「アザーズ」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島のジャージー島。グレースは、この島に建つ広大な屋敷に娘アンと息子ニコラスと3人だけで暮らしていた。夫は戦地に向かったまま未だ戻らず、今までいた使用人たちもつい最近突然いなくなってしまった。屋敷は光アレルギーの子どもたちを守るため昼間でも分厚いカーテンを閉め切り薄暗い。そこへある日、使用人になりたいという3人の訪問者が現れる。使用人の募集をしていたグレースはさっそく彼らを雇い入れるが、それ以来屋敷では奇妙な現象が次々と起こりグレースを悩ませ始める……。

「アザーズ」 の作品情報

作品情報

製作年:

2001年

製作国:

アメリカ/スペイン/フランス

原題:

THE OTHERS

「アザーズ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全209件

近年希に見るスリラーの傑作

投稿日:2005/01/06 レビュアー:ケチケチ

このレビューは気に入りましたか? 27人の会員が気に入ったと投稿しています

他人とは誰か、というポストモダンな問い ネタバレ

投稿日:2007/10/13 レビュアー:ポッシュ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 対象がはっきりしているモノに対する恐れは“恐怖”で、何だかよく分からないモノに対する恐れが“不安”。で、本作のヒロイン、グレース(ニコール・キッドマン)は自分の家の中に誰かが入りこんでいる「らしい」、それはどうやら目には見えない存在「らしい」という、漠然とした恐怖…つまり“不安”にとらわれていく。

 70年代のオカルト映画ブームが過ぎ去って以来、ホラー映画はスプラッタとサイコものが主流を占めてきた。悪魔や死者の魂(幽霊)といった御膳立ては、神の存在、そして天国もしくは地獄(とにかく“あの世”)を前提とした世界観がなければ成り立たない。IT時代にあっては伝統的な宗教観など天動説みたいなもん、どうしたって「時代遅れ」の感が否めず、マジメなゴシック・ホラーは鳴りを潜めていった。それよりは人間の精神の闇に恐怖の源を探るほうが科学的だし、よっぽどコワイと。時代的背景で見ると、冷戦構造が崩れてあからさまな「敵」がいなくなり、外にいないのなら…っと悪者探しのベクトルが内向きになって一人一人の「心」に行きついた、という気もする。人間は何かを憎んでいないと生きていられませんからね。文字通りの「必要悪」。

 で、本作「アザーズ」では、いよいよ「善と悪」「敵と味方」という二元的な価値観も崩れ去る。恐怖の対象が明らかになっても、それは倒すべき敵や悪ではない。ヒロインの恐怖の源泉は自分の世界観が崩れる「不安」なのだ。

 彼女の2人の子供たちは生死に関るほどの極度の光アレルギーで、1日中カーテンを閉めきった部屋の中で暮らしている。彼らの世話と安全のためグレースもまた屋敷から離れられない。この完全に閉ざされた空間がグレースの世界だ。そこに3人の使用人がやってきて以来、彼女の世界が少しずつひび割れ隙間が生じる。これまでとは家の中の様子が明かに違うのだ。何者かが家の中を勝手に歩き回り、いじりまわしている!混乱した彼女は家を飛び出すが、濃い霧に包まれあっと言う間に何も見えなくなる。この時、彼女は自分のいる場所、世界が消えてしまうという体験をする。ここはとても象徴的なシーンだ。自分がよってたつ世界、あると信じてきたものの客観性の“危うさ”を見せつけられる。

 アザーズ=他人。他人とは誰か。この極めてポスト・モダンな問いが本作のテーマであり、ヒロインの「不安」を解き明かす形で提示される。謎めいた使用人たちの素性、屋敷内を動き回るものの正体、そしてグレースと子供たちの秘密。すべてが明らかになった時に彼女がつぶやく言葉

−「私は無知だから分からない」−

これがアメナーバル監督の出した答えなのだろうと思う。敵は誰か。悪とは何か。現代思想が行きついた多元主義、相対主義は、つまるところ何も断言できない、すべては見方次第で「分からない」としか言い様がないのだ。しかし、自分が何も分かっていないということが「分かる」、無知の知、そこから憎むことをやめることが出来るかもしれない・・・。

 最後に、この作品の恐怖演出の上手さをどうしても書いておきたい。古い写真(しかも映っているのは死者!)、誰もいない部屋から聞こえるピアノ、夜中の窓辺のカーテン(人がいるようにふくらんで見える)、ボンヤリと見える肖像画などなど、“不気味なもの”のオンパレードで怖いのなんの。映画館で観たとき、私は何度もイスから飛び上がりそうになりました。ベタと言えばベタだが、こういう情緒って日本人にはしっくりきますなぁ。中田秀夫テイストと言えば良いでしょうか。

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暗い洋館…それだけで、怖さが増すのです。私はw

投稿日:2010/06/04 レビュアー:

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昨年亡くなったあるイギリス人の知り合いに思いを寄せて…。 ネタバレ

投稿日:2007/07/12 レビュアー:ちんとん

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ある大切な人の思い出をこの映画に込めて書き、レビューとさせていただきます。

昨年の夏、イギリスに行きました。訪問の第一の目的は、在英中とてもお世話になった方のお墓詣りです。とても博識なドクターだった方です。

まず懐かしい家に行きました。大きな家はひっそりとしていました。誰もいないらしい家の庭に入るわけにもいかず、しばらく立ちつくしていました。門から見える玄関のドアからは、その方がいつものように、「よく来たねえ」といってこちらに歩いて来られるような気がしてなりませんでした。

教会に行ってみることにしました。催し物がある度に呼んでいただき、何度も訪ねたことのある教会です。一緒に近くを散歩する時はいつも、「ちょっと失礼」と言って、ささっと1人で奥さんのお墓詣りをしていらっしゃいました。

広くはない墓地です。お墓はすぐに見つかると思っていました。ところが、見つからないのです。奥さんのお墓は見つかったのに、その横にもありません。どうなってしまったのでしょう。

誰もいない教会に戻り、そこに書いてあった番号に電話をして、牧師さんに話を聞いてみることにしました。

やっとわかりました。遺言で自分の家の庭に埋葬されたいと言い残したというのです。そんなことできるのだろうかと思いつつも、私はニッコリしてしまいました。そうか、家に居付くことにしたんだ。その古いたたずまいの家とこの映画が重なりました。だから、さっき家の前に立った時、「今も静かに住んでいる」としか思えなかったのでしょう。

亡くなる数年前、心臓の大手術をされたあと、家を訪ねたことがありました。「自分をロンドンの家に連れていくために、娘が訪ねて来る日が決まっていたのだけれど、こっそりどこかに隠れようと思っているんだよ」と言っていたずらっぽく笑っていらっしゃいました。実際、そっとその日をやりすごして、"事なきを得た"とか…。そんなふうにして、かなり様態が悪くなってからも、お手伝いさんの力を借りながら、最後までそこで独り暮らしを続けていらっしゃったのです。

もうだいぶ以前のことになりますが、「あの教会のあの場所はお墓として良くないから、妻のお墓も動かしたいと思っているのだけれど、牧師さんがうんと言わないで困っている」とも言っていました。その理屈は博学過ぎて、言い回しも難しく、私にはさっぱりわからなかったのですが、要するに、2人でずっとこの家に居付きたいというシンプルな話だったのではないかと、思い返されます。

電話に出た牧師さんは、「お墓詣りをしたいだろうが、家はもう買い手が見つかった。庭に人が埋葬されているというのはあまり気持ちの良いものではないかもしれないので、訪ねていかないほうが良いと思う」と言われました。埋葬されていることを内緒にして売ってしまったのでしょうか。あるいは土地のその部分だけを売らないで残したのかもしれません。弁護士をしているお嬢さんは、お父さんのわがままな遺言を実現させるため、苦労して埋葬許可を取ったのでしょうか。

そして、こんなふうに、イギリス人はときどき家に居付くのだと、すとんと納得してしまいました。数億のお金が自由にできたのなら、あの家が欲しかった。「今日は物置でごそごそ音がする。きっと大好きな古い仕掛け時計を直しているんだろう」なんて思いながら一緒に住めたら楽しかったのにと…。

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一か八かの内容 ネタバレ

投稿日:2009/01/10 レビュアー:ナナメ歩き

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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シックスセンスをパクッたかどうかは別にして、確かにこの内容なら、ラストのネタ晴らしまでに気付くかどうかが、評価に直結するのは間違いなさそうだ。

わたしは途中で気付いてしまったので、終盤の落とし方だけが観る目的になってしまったのだが、最初から両世界の対比を見せるのも面白かった様に思う
しかし、評価が高いと言う事は殆どの人達が落ちに納得したという事なので、これは成功だとも言えるのだろう。

たまたま同じ様なヒット作がある事などよくあるので
それ程意識しないで観れば、気付くタイミングにもよるが
二通りの楽しみ方が用意されている、優れた作品なのかもしれない。

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1〜 5件 / 全209件

ユーザーレビュー

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ユーザーレビュー:209件

近年希に見るスリラーの傑作

投稿日

2005/01/06

レビュアー

ケチケチ

他人とは誰か、というポストモダンな問い

投稿日

2007/10/13

レビュアー

ポッシュ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 対象がはっきりしているモノに対する恐れは“恐怖”で、何だかよく分からないモノに対する恐れが“不安”。で、本作のヒロイン、グレース(ニコール・キッドマン)は自分の家の中に誰かが入りこんでいる「らしい」、それはどうやら目には見えない存在「らしい」という、漠然とした恐怖…つまり“不安”にとらわれていく。

 70年代のオカルト映画ブームが過ぎ去って以来、ホラー映画はスプラッタとサイコものが主流を占めてきた。悪魔や死者の魂(幽霊)といった御膳立ては、神の存在、そして天国もしくは地獄(とにかく“あの世”)を前提とした世界観がなければ成り立たない。IT時代にあっては伝統的な宗教観など天動説みたいなもん、どうしたって「時代遅れ」の感が否めず、マジメなゴシック・ホラーは鳴りを潜めていった。それよりは人間の精神の闇に恐怖の源を探るほうが科学的だし、よっぽどコワイと。時代的背景で見ると、冷戦構造が崩れてあからさまな「敵」がいなくなり、外にいないのなら…っと悪者探しのベクトルが内向きになって一人一人の「心」に行きついた、という気もする。人間は何かを憎んでいないと生きていられませんからね。文字通りの「必要悪」。

 で、本作「アザーズ」では、いよいよ「善と悪」「敵と味方」という二元的な価値観も崩れ去る。恐怖の対象が明らかになっても、それは倒すべき敵や悪ではない。ヒロインの恐怖の源泉は自分の世界観が崩れる「不安」なのだ。

 彼女の2人の子供たちは生死に関るほどの極度の光アレルギーで、1日中カーテンを閉めきった部屋の中で暮らしている。彼らの世話と安全のためグレースもまた屋敷から離れられない。この完全に閉ざされた空間がグレースの世界だ。そこに3人の使用人がやってきて以来、彼女の世界が少しずつひび割れ隙間が生じる。これまでとは家の中の様子が明かに違うのだ。何者かが家の中を勝手に歩き回り、いじりまわしている!混乱した彼女は家を飛び出すが、濃い霧に包まれあっと言う間に何も見えなくなる。この時、彼女は自分のいる場所、世界が消えてしまうという体験をする。ここはとても象徴的なシーンだ。自分がよってたつ世界、あると信じてきたものの客観性の“危うさ”を見せつけられる。

 アザーズ=他人。他人とは誰か。この極めてポスト・モダンな問いが本作のテーマであり、ヒロインの「不安」を解き明かす形で提示される。謎めいた使用人たちの素性、屋敷内を動き回るものの正体、そしてグレースと子供たちの秘密。すべてが明らかになった時に彼女がつぶやく言葉

−「私は無知だから分からない」−

これがアメナーバル監督の出した答えなのだろうと思う。敵は誰か。悪とは何か。現代思想が行きついた多元主義、相対主義は、つまるところ何も断言できない、すべては見方次第で「分からない」としか言い様がないのだ。しかし、自分が何も分かっていないということが「分かる」、無知の知、そこから憎むことをやめることが出来るかもしれない・・・。

 最後に、この作品の恐怖演出の上手さをどうしても書いておきたい。古い写真(しかも映っているのは死者!)、誰もいない部屋から聞こえるピアノ、夜中の窓辺のカーテン(人がいるようにふくらんで見える)、ボンヤリと見える肖像画などなど、“不気味なもの”のオンパレードで怖いのなんの。映画館で観たとき、私は何度もイスから飛び上がりそうになりました。ベタと言えばベタだが、こういう情緒って日本人にはしっくりきますなぁ。中田秀夫テイストと言えば良いでしょうか。

暗い洋館…それだけで、怖さが増すのです。私はw

投稿日

2010/06/04

レビュアー

昨年亡くなったあるイギリス人の知り合いに思いを寄せて…。

投稿日

2007/07/12

レビュアー

ちんとん

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ある大切な人の思い出をこの映画に込めて書き、レビューとさせていただきます。

昨年の夏、イギリスに行きました。訪問の第一の目的は、在英中とてもお世話になった方のお墓詣りです。とても博識なドクターだった方です。

まず懐かしい家に行きました。大きな家はひっそりとしていました。誰もいないらしい家の庭に入るわけにもいかず、しばらく立ちつくしていました。門から見える玄関のドアからは、その方がいつものように、「よく来たねえ」といってこちらに歩いて来られるような気がしてなりませんでした。

教会に行ってみることにしました。催し物がある度に呼んでいただき、何度も訪ねたことのある教会です。一緒に近くを散歩する時はいつも、「ちょっと失礼」と言って、ささっと1人で奥さんのお墓詣りをしていらっしゃいました。

広くはない墓地です。お墓はすぐに見つかると思っていました。ところが、見つからないのです。奥さんのお墓は見つかったのに、その横にもありません。どうなってしまったのでしょう。

誰もいない教会に戻り、そこに書いてあった番号に電話をして、牧師さんに話を聞いてみることにしました。

やっとわかりました。遺言で自分の家の庭に埋葬されたいと言い残したというのです。そんなことできるのだろうかと思いつつも、私はニッコリしてしまいました。そうか、家に居付くことにしたんだ。その古いたたずまいの家とこの映画が重なりました。だから、さっき家の前に立った時、「今も静かに住んでいる」としか思えなかったのでしょう。

亡くなる数年前、心臓の大手術をされたあと、家を訪ねたことがありました。「自分をロンドンの家に連れていくために、娘が訪ねて来る日が決まっていたのだけれど、こっそりどこかに隠れようと思っているんだよ」と言っていたずらっぽく笑っていらっしゃいました。実際、そっとその日をやりすごして、"事なきを得た"とか…。そんなふうにして、かなり様態が悪くなってからも、お手伝いさんの力を借りながら、最後までそこで独り暮らしを続けていらっしゃったのです。

もうだいぶ以前のことになりますが、「あの教会のあの場所はお墓として良くないから、妻のお墓も動かしたいと思っているのだけれど、牧師さんがうんと言わないで困っている」とも言っていました。その理屈は博学過ぎて、言い回しも難しく、私にはさっぱりわからなかったのですが、要するに、2人でずっとこの家に居付きたいというシンプルな話だったのではないかと、思い返されます。

電話に出た牧師さんは、「お墓詣りをしたいだろうが、家はもう買い手が見つかった。庭に人が埋葬されているというのはあまり気持ちの良いものではないかもしれないので、訪ねていかないほうが良いと思う」と言われました。埋葬されていることを内緒にして売ってしまったのでしょうか。あるいは土地のその部分だけを売らないで残したのかもしれません。弁護士をしているお嬢さんは、お父さんのわがままな遺言を実現させるため、苦労して埋葬許可を取ったのでしょうか。

そして、こんなふうに、イギリス人はときどき家に居付くのだと、すとんと納得してしまいました。数億のお金が自由にできたのなら、あの家が欲しかった。「今日は物置でごそごそ音がする。きっと大好きな古い仕掛け時計を直しているんだろう」なんて思いながら一緒に住めたら楽しかったのにと…。

一か八かの内容

投稿日

2009/01/10

レビュアー

ナナメ歩き

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シックスセンスをパクッたかどうかは別にして、確かにこの内容なら、ラストのネタ晴らしまでに気付くかどうかが、評価に直結するのは間違いなさそうだ。

わたしは途中で気付いてしまったので、終盤の落とし方だけが観る目的になってしまったのだが、最初から両世界の対比を見せるのも面白かった様に思う
しかし、評価が高いと言う事は殆どの人達が落ちに納得したという事なので、これは成功だとも言えるのだろう。

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