ドメスティック・フィアー

ストーリーにはこれといって意外性も目新しさも無い。狼少年と実父の絆を描いた作品。日本でも離婚率が多くなり、離婚社会の中で子供が犠牲になっていることが問題になっているが、離婚先進国のアメリカでは結構現実味のある話なのではないだろうか。

何かと酷評が多いようだが、大きな破綻も無くそれなりに楽しめる小品。トラボルタの演技が自然で良い。結構父親役も似合うのは意外。スティーブ・ブシェミも存在感あり。本当に映画にピリリと薬味を聞かせてくれる俳優で大好だ。

この映画を楽しめるかどうかのポイントは家族の愛情、特に父と息子の絆の深さに感じ入るかどうかでしょう。

トラボルタがちょいダメオヤジながら
息子と元妻を守ろうとする夫役を好演。

真新しさはないストーリーながら
最後まで楽しめる作品。

元妻の再婚相手になつかない息子ダニーは、
ちょっとしたウソをついてしまう子供。

そのダニーが父フランク（トラボルタ）に会いたいあまり
継父の運転する車に忍び込む。
父のいるほうへ向うと思ったから。

そこでダニーは思わぬ事件を目撃・・・・。

警察に駆け込むも、普段のウソが災いし信じてもらえないダニー
別れた妻の再婚相手を疑っているので、これまたとりあってもらえないフランク

事件の目撃者が嘘つき少年、
その少年を信じてるのが別れた父親だけ

はたして、事件の真相を警察に信じてもらえるのか


継父の豹変ぶり、
真実に気づいた母の機転
ベッタベタではあるが
このへんはハラハラする。

もう一山なんかあってもよかったかも！？
とか思ったりもしますが
これはこれで、
無難にまとまったストーリーでいいのかも。

むしろ、父と息子の絆、そのあたりに注目してみるのもいいかもです。

トラボルタが頼りない父親役っぽいと思いきや
きっちり家族を守るというところもポイント高いです♪

悪くないです。
役者も上手いし、ストーリーも良く出来ています。
いまいち、新聞雑誌の評価は良くないけど、私はわりと好きでした。
展開もいいし、やはり、子役に助けられたか、といった感じでＭａｔｔｈｅｗ Ｏ’ｌｅａｒｙが抜群に上手い。
トラボルタも、家族を守る父親を好演。
しかし、Ｂｕｓｃｅｍｉは、あんな使われかたでいいのか？？？？

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いいですねぇ、父親と息子の絆。まるで、ファインディング・ニモ、はたまた、デイ・アフター・トゥモローの様だ。

でも、父親が猪突猛進的に突き進むもんで、相手に手の内バレバレ。もっと陰で色々調べたり作戦練ったりしないと・・・。敵にいい様にあしらわれて、後半作戦変更。地道にモーテル調査などしたのは良いけれど、警察署の前で男と会った時に、またまた敵意剥き出し。嘘がつけない性格なんだろうね。お陰で相手の男が危機感を感じ、遂には男に殺されかけたりと散々。

母親の方がその辺は巧かったかな。夫の正体を見抜いた後もそれと気付かれない様にして子供を逃がすことに成功しかけたわけだから。義父にばれたのが、父親からの電話が原因とはこれまた皮肉な結果だ。

まあ、定番のサスペンスで、結末はきっと予想通りです。終盤の義父との間に繰り広げられる、子供・母親、そして父親の攻防をハラハラしながら楽しんでください。

ドメスティック・フィアー（２００１年・アメリカ、カラー、８９分）

公開時にあまり話題に上がらなかった作品ですが、監督はサスペンス映画で卓越した手腕を発揮するハロルド・ベッカーです。
ジョン・トラヴォルタが、愛する息子を殺人鬼から必死で守る父親を迫真の演技でみせるほか、ヴィンス・ヴォーンの極悪人役に加え、スティーヴ・ブシェミのいつもの個性的な演技にも注目です。

アメリカ最北東部メイン州サウスポート。造船会社に勤めるフランク・モリソン（ジョン・トラヴォルタ）は、別れた妻スーザン（テリー・ポロ）と共に息子ダニー（マット・オリアリー）のバスケットボールの試合観戦に出かけた。だがダニーは出場を拒否して行方をくらまし、他人の車に忍び込んで運転しようとしたところを補導される。警察から連絡を受けたフランクは、スティーヴンス刑事（ルーベン・サンチャゴ＝ハドソン）から苦言を呈されるが、ダニーの心情が痛いほど分かっていた。スーザンが実業家のリック・バーンズ（ヴィンス・ヴォーン）と再婚することに対し、ダニーは真っ向から反対、両親に元の姿に戻ってほしかったのだ。やがてスーザンとリックの結婚式が行われたが、その様子を遠巻きに窺っていた男（スティーヴ・ブシェミ）がいた。男に気づいたリックの表情がこわばり、式に出席していたフランクは違和感を感じる。フランクがリックに問い質すと、昔の仕事仲間だと言う。その後、フランクがその男に聞きに行くと、学生時代の友人だと答えた。後日、フランクはダイナーでその男を見かけ、レイと名乗るその男は、しばらくこの街で暮らすつもりだと言う。２人の様子を外で見ていたリックは、ある行動に出るが．．．。

ネタバレするつもりはサラサラないのですが、ヴォンス・ヴォーンは見るからに ‘悪役の顔’ をして登場。
あれっ、ヴィンス・ヴォーンはアメリカのコメディアンやなかった？
まあ、実業家の名士というふれこみですから、ビシッと着こなしたスーツもサマになっているのですが、すぐさまワルの本性を表します。
スーザンはそんな男、見抜けなかったのでしょうか．．．。
（見抜けなかったから再婚相手に選んだわけですが）

単なるサスペンス・アクションに終始せず、父親と息子の強く硬い絆がベースになっています。
ジョン・トラヴォルタの表情が柔らかく自然で、息子を思いやる中年男の心意気がよく出ています。
出演時は４７歳くらいでしょうか、ちょうど「ソードフィッシュ」と同年公開ですから、もっとも脂の乗り切った頃なのでしょう。

本レビューの冒頭、ハロルド・ベッカーは ‘サスペンス映画で卓越した手腕を発揮する’ と記しましたが、彼の監督作品は６本目の鑑賞となりました。
「タップス」（８１年）、「シー・オブ・ラブ」（８９年）、「冷たい月を抱く女」（９３年）、「訣別の街」（９６年）、そして「マーキュリー・ライジング」（９８年）に続くものです。
現在は引退されているようですが、９４歳で御存命です。（2023.01.26現在）