Ｋ−ＰＡＸ　光の旅人

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見終わったあと、「カッコーの巣の上で」を思い出しました。
あの名作を現代的にアレンジし、家族みんなで楽しめるようにしたというような趣でした。
ラストは二通りの解釈が出来ます。但し。どちらで解釈しても途中で釈然としない部分が残りますが・・・。
私自身の解釈はプロートはＫ−ＰＡＸ星からやって来たのだと思いますが、皆さんはいかがでしょう？

ジャンル的にＳＦに分類されていますが、スペースオペラ的なＳＦ映画を期待している方は失望するかと思います。むしろジョン・トラヴォルタ 主演の「フェノミナン」のようなファンタジー映画です。良質なヒューマンドラマとしてお勧めの作品です。

ＤＩＳＣＡＳのイントロダクションを読んだだけだと、借りるのよそう、、、という気持ちになりました。でも皆さんのレビューがあまりにも高評価なので、思い切ってレンタルしてみました。
ピンポン！！！　大正解！！！　レビューってありがたいなぁ〜！　
脚本、キャスト、カメラワーク、、、どれをとっても秀逸です。
そして人間について深く考えさせられます。とても哲学的なんですが、ストーリーの面白さに引き付けられます。
映画好きにはたまらん作品ですなぁ〜〜〜〜

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初めは、精神科領域に不思議な能力を持つ異星人の話と信じていました。

瑕を抱えた魂をひとつずつ癒しながら、
並行して少しずつその正体にも近づいてくる者がいて。

そして、真相が明らかになったと思わされます。

『その瞬間』、ポーターはもう一人の自分プロートを呼んだ。
自分を護るために。
彼の望みは光の星へ旅立つことだけ。
悲しみのない美しい星へ。
記憶は戻っていないのに、その望みだけは消えない。

そう思わせておいて、

ひとりの女性が消えたことでまた、
今まで感じていたことは、選択肢でしかなく
『どちらでも、あなたの好きな方で』と、
真実を預けられた気がしました。

その星はどこにあるのか、
遥か１０００光年先の宇宙か。
それとも、すべてを乗り越えることのできる強さの中か。
プロートはほんとうにＫ−ＰＡＸから、
それを教えに来たのではないでしょうか。
ポーターを救えなかった贖いとして。


全編通して静かで優しい雰囲気です。
穏やかに問いかけられ、気づきを促され、
境地を示されていると感じました。
光が効果的、印象的に使われていると思います。

イアンは「バック・ビート」「鳩の翼」などが印象的だな
ちょっと　イギリス映画は退屈なんだけど　このあわただしい世相にゆったりした時間を強制してくるのは　いいことだ

イアンの作品も静謐な時間の展開の中に　人生の一瞬を鮮やかに捕らえて　秀逸　
「バック・・」のジョン・レノン等が海岸でたわむれるシーン　「鳩・」の美しいヴェニスなどとてもよかった

アメリカ資本でこの内容は　ブライアン・シンガーにおける「Ｘメン」のように　プレッシャーがあったと思うが　丁寧に自分の映画にしてるね

物質は光が　凝固したものだ　と言ったのはルドルフ・シュタイナーだが　当然プロートは光へと開放されたのであろう

予想していたSFものとは大きく異なる良作品でした。SFというより人間ドラマでしょう。超能力を使うわけでもなく、未知の物体や生物が現れるわけでもない。異星人であるという成り行きはあくまでもプロートの言葉からでしか判断できない。皮肉にも彼を信じているのは発言力を持たない精神病患者たちだけ。逆に自分を正常だと信じる権力ある者たちはプロートを精神異常者に仕立て上げようとする。唯一、彼を異星人かもしれないと考え始めるパウエル医師でさえ、多勢の意見と常識に囚われ、彼が異星人ではないということを証明するために催眠療法まで利用してしまう。あくまでも自分を正常でないと見下し、同じレベルに立って理解しようとしないパウエル医師を翻弄するかのように、自由気ままな言動を取り続けるプロートが魅力的。そのプロートをケヴィンがキュートでありながら見事なまでの渋い演技力で好演しています。ケヴィンの好演により、プロートが異常か異常ではないか（異星人かそうではないか）を明確にすることよりも、どこまで周囲の考えに縛られずにプロートを理解出来るかが大切であると感じずにはいられない作品になっています。
後半、殺人事件をきっかけにしてプロートが何者であるかという真実に迫る展開は、サスペンスの臭いも濃く目が離せず引き込まれる。また、プロートに深く関わる人々の脱皮、自己改革という点も印象的で心に残る。異星人であるかそうではないかを考える以前に、どこまで周囲の決め付けた考えに囚われずに相手を理解出来るか、そういう簡単なようでいて実は結構難しい人の奥深い改革心に一歩踏み込んだ良品です。機会があったらぜひ一度どうぞ！！