害虫 / 宮崎あおい
全体の平均評価点: (5点満点)
(62)
解説・ストーリー
中学1年生の少女・北サチ子は、小学校時代の担任・緒方との恋愛や、二人だけで暮らしている母稔子の自殺未遂など複雑で混乱した現実にいまにも押し潰されそうになる。学校に行くこともなく、街でダラダラと時間を潰す毎日。サチ子はそこで、万引きで小銭を稼ぐ少年タカオ、精神薄弱の中年男キュウゾウらと出会う。そんな彼らと過ごすうち、少しずつ変わり始めるサチ子。そして、そんな自分に戸惑いを感じるサチ子。やがて、同級生・夏子のおかげで再び学校へも行くようになったサチ子は、以後順調な学校生活を送るようになるのだったが……。
中学1年生の少女・北サチ子は、小学校時代の担任・緒方との恋愛や、二人だけで暮らしている母稔子の自殺未遂など複雑で混乱した現実にいまにも押し潰されそうになる。学校に行くこともなく、街でダラダラと時間を潰す毎日。サチ子はそこで、万引きで小銭を稼ぐ少年タカオ、精神薄弱の中年男キュウゾウらと出会う。そんな彼らと過ごすうち、少しずつ変わり始めるサチ子。そして、そんな自分に戸惑いを感じるサチ子。やがて、同級生・夏子のおかげで再び学校へも行くようになったサチ子は、以後順調な学校生活を送るようになるのだったが……。
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「害虫」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
中学1年生の少女・北サチ子は、小学校時代の担任・緒方との恋愛や、二人だけで暮らしている母稔子の自殺未遂など複雑で混乱した現実にいまにも押し潰されそうになる。学校に行くこともなく、街でダラダラと時間を潰す毎日。サチ子はそこで、万引きで小銭を稼ぐ少年タカオ、精神薄弱の中年男キュウゾウらと出会う。そんな彼らと過ごすうち、少しずつ変わり始めるサチ子。そして、そんな自分に戸惑いを感じるサチ子。やがて、同級生・夏子のおかげで再び学校へも行くようになったサチ子は、以後順調な学校生活を送るようになるのだったが……。
「害虫」 の作品情報
「害虫」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
害虫の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
92分 |
|
1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
AFD10056 |
2003年01月10日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
0人
|
0人
|
害虫の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
92分 |
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1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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AFD10056 |
2003年01月10日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
10枚
|
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ユーザーレビュー:62件
害虫だって懸命に生きているんだ。
投稿日:2008/08/06
レビュアー:JUCE
なかなか凄いタイトルなんですが、奥が深いタイトルだと思います。「害虫」とはそもそも誰から見て害をもたらすのでしょうか。それは人間から見てのことであって、虫そのものは自分が生きるために、その本能に従って生を全うしようとしているに違いありません。
「害虫」には生きる資格が無いのでしょうか。「害虫」という自ら選んで生まれてきたわけでもないのに、生きる場所、あるいは生命まで奪われるのは理不尽のように思います。
この作品は「害虫」のように自ら望んだわけでもないのに、関わる人々が不幸になってしまう少女の抵抗の物語です。
その少女の名はサチ子。漢字は当てられていませんがなんとなく「幸子」という漢字が浮かんで来ます。歌の歌詞ではありませんが、名前が皮肉になっています。
映画全体が儚げでとても繊細です。この映画を観ているとせつない気持ちと寂寞とした思いに駆られます。人の存在の儚さ、13歳の少女が抱える孤独が描かれているからでしょうか。
写真は物事の一瞬を捉え、その中に様々なドラマをしまい込みますが、この映画は何とはなしにこの写真の持つ特性、あるいは雰囲気があるように感じます。おそらくそれは宮崎あおい、蒼井優のふたりのまさに幼さから脱皮しかける人生のひと時を見事に捉えているからかも知れません。この映画はリメイクをしたとしても2度と同じ(類似)ものは作れないそんな気さえするのです。ヴァルター・ベンヤミンの唱えた「アウラ」は複製技術の産物である映画にも間違いなく存在する。この映画の存在はそれを私に確信させてくれるのです。
台詞が少なく、場所も特定の場所を想起させる場面が少ないので、無国籍で普遍的な雰囲気が漂っています。
とても良い映画だと思います。
塩田監督こんな良い作品もつくるのに『どろろ』なんて何故受けてしまったんでしょう。この『害虫』は制作費の半分は塩田監督自身が出したそうで、割と思い通りに作れたようですね。『どろろ』の2部、3部では是非塩田監督らしいものを見せて欲しいですね。
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20人の会員が気に入ったと投稿しています
塩田明彦はただ者ではないと思った記念碑的作品
投稿日:2006/08/03
レビュアー:吟遊旅人
はい、わたくし、この映画を4年前に劇場で見て大感動いたしましたよ、paroleさん。そうですか、続編が出来るのですね。
以下はその当時のシネマ日記から。
ネタバレ覚悟でラストシーンについて書きたい! が、禁欲しよう。ズシン、ズシン、ズシンと三つぐらい胃袋におもりが落ちてきた。そしてたちまち胸が詰まった。エンドクレジットに重なるサチの鼻歌が侘びしい、悲しい、はかない、そしてどこかしら醒めている。彼女の決然としてかつ幼い横顔、そのたった13歳の身の上にこれから起こる堕落の全てを引き受ける覚悟、あるいは流されていくことすらもまた自ら選び取る「女の生き様」のすごさを見て、おばさんだって感動したぞ。
本作を、思春期の少女の疾走と逸脱の物語と片づけてはいけない。ここには大人の女の悲しさ切なさがまた十全に描かれている。大人の女が泣く時は、あのように泣くのだ、あのように声を殺して。大人の女が悔しさに鞭打たれる時は、あのように自らを傷つけるのだ。
最低限の科白すら省いて、しかも十二分に映像は語る。この短い作品にいささかの緩みも弛みもなく、もう一瞬たりとて目が離せない。ひとつひとつのコマが、見る者の心に残像を作る。
宮崎あおいのあどけなさ、美しさ! 子どもではない、大人でもない、その中途半端さが何よりも彼女の細い足に表れている。監督はよっぽど宮崎あおいの足が気に入ったのか、カメラはずっと彼女の足を追いかける。観客は不思議なことに、宮崎あおいの全身が映ってもなお彼女の足を目で追ってしまう。大人の色気がない足、子どものような足。そして彼女の醒めた表情。ふっと見せるあの大人びた表情は、宮崎あおいの演技力の賜か、はたまた監督の手腕か。
邪気のないいたずらがとんでもない結果を引き起こすラスト間近、その小道具が火炎瓶というのが、「あの時代」を思い出させる演出になっている。決して火炎瓶世代ではないはずの監督があえてあのようなものを登場させた、その意図を読みたい。
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16人の会員が気に入ったと投稿しています
傑作です
黒沢清を筆頭格とし他にも万田敏邦や青山真治も輩出している立教大学パロディアスユニティー(と言う映画サークル)出身の監督した作品だけあって現代日本映画の水準を遥かに超える傑作と言えよう。
同じ監督作品の「黄泉がえり」はアイドル(?)を主役に据えた大作商業映画のためちょっと脇が締まりすぎているし、「どもまでもゆこう」はその奔放さは買えるけど習作に近い気がする。「月光の囁き」「ギブス」はまだ見ていないけど、上記3作品の中ではこの「害虫」が一番優れていると思う。
説明を徹底して廃し台詞すらも「音」として扱うその姿勢は、テレビ的な映像にならされてしまった感性にとってはともすれば退屈さを感じさせてしまうかもしれないが、ストーリーを追うことをひとまず放棄し、画面から意味を読み取ることを諦め、虚心に画面を見詰めて耳を澄ませば生き生きとした絵と音が見る者に届くはずだ。
個人的にはビルの建築現場の屋上(?)で二人が戯れるシーンと衝撃的な(?)ラストシーンが印象に残った。もっとも、これ以外にも心に残るシーンは数え切れないくらいあるけど。
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14人の会員が気に入ったと投稿しています
クールに描く13才の少女にとっての戦場
投稿日:2007/07/03
レビュアー:ケチケチ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
13才の少女の揺れ動く気持ちを描くということに対して、非常に純度の高い映画ですね。描かれている少女は、大人が考えるステレオタイプの少女では決してないですし、虚像である映画の主人公にどれだけの実像を重ねられるかと、演出は全神経を集中しているように思えます。それだけに、フェイク感を奏でる恐れのある説明などは極力省略されていますし、見る側も全神経を集中して絵や音に表されている少女の揺れ動く様を汲み取る必要があるのではないでしょうか。
また、演出はクールで無関心を装う主人公の心象心理を奏でるかのように、あえてクールな表現をしているのだと思えます。
とは言っても、決して難解な表現をしているわけではありませんし、映画的な文法を崩しているところは、サチ子(宮崎あおい)と夏子(蒼井優)を重ね合わせるための繋ぎがある程度ではないかと思います。
<以下、ちょっとネタバレ>
サチ子にとっては、周りのもの全てが害虫なんじゃないでしょうか。一生懸命に立ち直ろうとはするけれども、そのたびに過酷な試練が彼女の立ち直りを妨げます。夏子もまた、サチ子にとってはお節介な存在でもあるし、触れられたくない部分に触れられてしまうことによって、敵視する存在に変わっていっているのではと思えます。また、夏子の積極的な行動力はサチ子に欠けている部分でもありますし、鏡面を成す二人なのかもしれません。
サチ子は内面に渦巻く不安定さを表面化させることもなく、どこまでもクールを装います。それだけに自分の中で完結させる力が必要なんでしょうが、そんな力などまだ持ち合わせてはいません。母親の泣き方、見ず知らずの女性の泣き方を見て、大人の泣き方(解決の仕方)を呆然と感じ取っているのかもしれません。
衝撃的(?)なラストの後、エンドクレジットにサチ子のハミングが流れます。
歯止めが効かず流されていく中で、自分の中の混乱を解決することが出来ず、もどかしい反抗があるのみのサチ子です。そんな自分を隠すかのように、なおもクールを装うことでしか自分を守るすべを持たない、虚無感漂う悲しいハミングのように聞こえます。
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純粋すぎる少女の怖さが・・・
投稿日:2007/03/19
レビュアー:ゆかっくま
少女ゆえの怖さがよく出てた映画だと思います。
宮崎あおいも蒼井優もすごく幼さが前面に出てて、
だからこそ、この映画の内容は重かった。。。
宮崎あおい扮するサチ子は、すごく行動的です。
自分が中学1年の時と言えば、学校(友達)と家庭内(親・兄弟)が社会の全てだった。
それ以外で知り合う事もなければ、話す機会すらなかったと思う。
そのどちらもサチ子にとっては自分の世界じゃなかったんでしょう。
好きな人にはすごく行動的で、
でもその一方で好きでもない同級生の男の子と付き合う。
きっと友達が気にしてるのを分かってて。。。
誰にも心は開かない。
子供ゆえの怖さを感じました。
映画全体でもかなり台詞が少なめですが、
見ていて退屈な感じはしませんでした。
ま、はっきり好き嫌いが分かれる映画でしょう。
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8人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
害虫だって懸命に生きているんだ。
投稿日
2008/08/06
レビュアー
JUCE
なかなか凄いタイトルなんですが、奥が深いタイトルだと思います。「害虫」とはそもそも誰から見て害をもたらすのでしょうか。それは人間から見てのことであって、虫そのものは自分が生きるために、その本能に従って生を全うしようとしているに違いありません。
「害虫」には生きる資格が無いのでしょうか。「害虫」という自ら選んで生まれてきたわけでもないのに、生きる場所、あるいは生命まで奪われるのは理不尽のように思います。
この作品は「害虫」のように自ら望んだわけでもないのに、関わる人々が不幸になってしまう少女の抵抗の物語です。
その少女の名はサチ子。漢字は当てられていませんがなんとなく「幸子」という漢字が浮かんで来ます。歌の歌詞ではありませんが、名前が皮肉になっています。
映画全体が儚げでとても繊細です。この映画を観ているとせつない気持ちと寂寞とした思いに駆られます。人の存在の儚さ、13歳の少女が抱える孤独が描かれているからでしょうか。
写真は物事の一瞬を捉え、その中に様々なドラマをしまい込みますが、この映画は何とはなしにこの写真の持つ特性、あるいは雰囲気があるように感じます。おそらくそれは宮崎あおい、蒼井優のふたりのまさに幼さから脱皮しかける人生のひと時を見事に捉えているからかも知れません。この映画はリメイクをしたとしても2度と同じ(類似)ものは作れないそんな気さえするのです。ヴァルター・ベンヤミンの唱えた「アウラ」は複製技術の産物である映画にも間違いなく存在する。この映画の存在はそれを私に確信させてくれるのです。
台詞が少なく、場所も特定の場所を想起させる場面が少ないので、無国籍で普遍的な雰囲気が漂っています。
とても良い映画だと思います。
塩田監督こんな良い作品もつくるのに『どろろ』なんて何故受けてしまったんでしょう。この『害虫』は制作費の半分は塩田監督自身が出したそうで、割と思い通りに作れたようですね。『どろろ』の2部、3部では是非塩田監督らしいものを見せて欲しいですね。
塩田明彦はただ者ではないと思った記念碑的作品
投稿日
2006/08/03
レビュアー
吟遊旅人
はい、わたくし、この映画を4年前に劇場で見て大感動いたしましたよ、paroleさん。そうですか、続編が出来るのですね。
以下はその当時のシネマ日記から。
ネタバレ覚悟でラストシーンについて書きたい! が、禁欲しよう。ズシン、ズシン、ズシンと三つぐらい胃袋におもりが落ちてきた。そしてたちまち胸が詰まった。エンドクレジットに重なるサチの鼻歌が侘びしい、悲しい、はかない、そしてどこかしら醒めている。彼女の決然としてかつ幼い横顔、そのたった13歳の身の上にこれから起こる堕落の全てを引き受ける覚悟、あるいは流されていくことすらもまた自ら選び取る「女の生き様」のすごさを見て、おばさんだって感動したぞ。
本作を、思春期の少女の疾走と逸脱の物語と片づけてはいけない。ここには大人の女の悲しさ切なさがまた十全に描かれている。大人の女が泣く時は、あのように泣くのだ、あのように声を殺して。大人の女が悔しさに鞭打たれる時は、あのように自らを傷つけるのだ。
最低限の科白すら省いて、しかも十二分に映像は語る。この短い作品にいささかの緩みも弛みもなく、もう一瞬たりとて目が離せない。ひとつひとつのコマが、見る者の心に残像を作る。
宮崎あおいのあどけなさ、美しさ! 子どもではない、大人でもない、その中途半端さが何よりも彼女の細い足に表れている。監督はよっぽど宮崎あおいの足が気に入ったのか、カメラはずっと彼女の足を追いかける。観客は不思議なことに、宮崎あおいの全身が映ってもなお彼女の足を目で追ってしまう。大人の色気がない足、子どものような足。そして彼女の醒めた表情。ふっと見せるあの大人びた表情は、宮崎あおいの演技力の賜か、はたまた監督の手腕か。
邪気のないいたずらがとんでもない結果を引き起こすラスト間近、その小道具が火炎瓶というのが、「あの時代」を思い出させる演出になっている。決して火炎瓶世代ではないはずの監督があえてあのようなものを登場させた、その意図を読みたい。
傑作です
投稿日
2003/12/03
レビュアー
parole
黒沢清を筆頭格とし他にも万田敏邦や青山真治も輩出している立教大学パロディアスユニティー(と言う映画サークル)出身の監督した作品だけあって現代日本映画の水準を遥かに超える傑作と言えよう。
同じ監督作品の「黄泉がえり」はアイドル(?)を主役に据えた大作商業映画のためちょっと脇が締まりすぎているし、「どもまでもゆこう」はその奔放さは買えるけど習作に近い気がする。「月光の囁き」「ギブス」はまだ見ていないけど、上記3作品の中ではこの「害虫」が一番優れていると思う。
説明を徹底して廃し台詞すらも「音」として扱うその姿勢は、テレビ的な映像にならされてしまった感性にとってはともすれば退屈さを感じさせてしまうかもしれないが、ストーリーを追うことをひとまず放棄し、画面から意味を読み取ることを諦め、虚心に画面を見詰めて耳を澄ませば生き生きとした絵と音が見る者に届くはずだ。
個人的にはビルの建築現場の屋上(?)で二人が戯れるシーンと衝撃的な(?)ラストシーンが印象に残った。もっとも、これ以外にも心に残るシーンは数え切れないくらいあるけど。
クールに描く13才の少女にとっての戦場
投稿日
2007/07/03
レビュアー
ケチケチ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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13才の少女の揺れ動く気持ちを描くということに対して、非常に純度の高い映画ですね。描かれている少女は、大人が考えるステレオタイプの少女では決してないですし、虚像である映画の主人公にどれだけの実像を重ねられるかと、演出は全神経を集中しているように思えます。それだけに、フェイク感を奏でる恐れのある説明などは極力省略されていますし、見る側も全神経を集中して絵や音に表されている少女の揺れ動く様を汲み取る必要があるのではないでしょうか。
また、演出はクールで無関心を装う主人公の心象心理を奏でるかのように、あえてクールな表現をしているのだと思えます。
とは言っても、決して難解な表現をしているわけではありませんし、映画的な文法を崩しているところは、サチ子(宮崎あおい)と夏子(蒼井優)を重ね合わせるための繋ぎがある程度ではないかと思います。
<以下、ちょっとネタバレ>
サチ子にとっては、周りのもの全てが害虫なんじゃないでしょうか。一生懸命に立ち直ろうとはするけれども、そのたびに過酷な試練が彼女の立ち直りを妨げます。夏子もまた、サチ子にとってはお節介な存在でもあるし、触れられたくない部分に触れられてしまうことによって、敵視する存在に変わっていっているのではと思えます。また、夏子の積極的な行動力はサチ子に欠けている部分でもありますし、鏡面を成す二人なのかもしれません。
サチ子は内面に渦巻く不安定さを表面化させることもなく、どこまでもクールを装います。それだけに自分の中で完結させる力が必要なんでしょうが、そんな力などまだ持ち合わせてはいません。母親の泣き方、見ず知らずの女性の泣き方を見て、大人の泣き方(解決の仕方)を呆然と感じ取っているのかもしれません。
衝撃的(?)なラストの後、エンドクレジットにサチ子のハミングが流れます。
歯止めが効かず流されていく中で、自分の中の混乱を解決することが出来ず、もどかしい反抗があるのみのサチ子です。そんな自分を隠すかのように、なおもクールを装うことでしか自分を守るすべを持たない、虚無感漂う悲しいハミングのように聞こえます。
純粋すぎる少女の怖さが・・・
投稿日
2007/03/19
レビュアー
ゆかっくま
少女ゆえの怖さがよく出てた映画だと思います。
宮崎あおいも蒼井優もすごく幼さが前面に出てて、
だからこそ、この映画の内容は重かった。。。
宮崎あおい扮するサチ子は、すごく行動的です。
自分が中学1年の時と言えば、学校(友達)と家庭内(親・兄弟)が社会の全てだった。
それ以外で知り合う事もなければ、話す機会すらなかったと思う。
そのどちらもサチ子にとっては自分の世界じゃなかったんでしょう。
好きな人にはすごく行動的で、
でもその一方で好きでもない同級生の男の子と付き合う。
きっと友達が気にしてるのを分かってて。。。
誰にも心は開かない。
子供ゆえの怖さを感じました。
映画全体でもかなり台詞が少なめですが、
見ていて退屈な感じはしませんでした。
ま、はっきり好き嫌いが分かれる映画でしょう。
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